サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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UAが50000を、お気に入りが250を超えていました。皆様、ありがとうございます。

前に書いてたハリポタ小説よりもUAや感想が多いのは驚きでした。評価は黄緑と緑を行ったり来たりしているのに……不思議なものですね。

というわけで、26話投稿します。




EP26 驚愕の再会

それは、今から4ヶ月前の出来事である。サトシがイッシュ地方に行く2か月前の事。イッシュ地方某所。奇妙な3人組は、誰かと連絡を取り合っていた。

 

「あなた方にイッシュ地方に行く様に指令を出したのは他でもありません。イッシュの征服が出来るかどうかの調査と、我らから怪電波の技術を盗用したプラズマ団から奪い返し、逆に技術を奪う事です」

 

淡々と、メガネを掛けた女性が指令を受けた3人組に連絡機越しに説明をする。

 

「分かっているニャ」

 

「いい結果を期待しているぞ。健闘を祈る」

 

黒づくめの衣装に身を包んだ男性が告げた。

 

「「「ハッ!」」」

 

連絡を終えた。

 

「さて。どこから手を付けて行こうか」

 

「それよりもあのおかっぱ頭、めっちゃ生意気なんだけど!!」

 

「やめるのニャ、ムサシ。ニャー達に与えられた指令は、極めて重要だニャ」

 

「そうだぞ。ニャースとソーナンスがいるとは言え、このままじゃ分が悪い。まずは戦力を確保しないと」

 

「そうね、ロケット団の技術を奪い返して、逆にあいつらの技術をいただいてやるわよ!それなら、間違いなく出世出来る筈!!」

 

「「「幹部昇進、支部長就任、良い感じ~~~!!!」」」

 

「ソ~~~ナンス!!!」

 

*

 

「サカキ様。ギンガ団の件、あの3人が壊滅させたと思いで?」

 

「大きく関わってはいるだろうが、止めを刺したのはサトシというトレーナーだろう。何せあの小僧は、前のロケット団を壊滅に追いやった究極の波導使い『レッド』の2つ名を持つアキラの息子だからな」

 

「その子供は危険過ぎるのでは?いずれ我々にも牙を向けてくる前に、消し去る様にしましょうか?」

 

「イヤ。幾つものリーグに出る実力とその運、精々我々の敵対する闇に通じる組織の殲滅に利用させて貰おう。下手に手を出して、私の母の二の舞を演じるよりは、間接的ながら小僧を戦力の1つにカウントした方がよっぽど有効だ」

 

*

 

ホモドエシティを目指し、サトシ一行は今日も旅をしている。ホモドエの跳ね橋で、コアルヒーを全滅させたばかりだ。

 

【よ、容赦ねえ】

 

【こいつら、そんじょそこらの人間とは桁違いだ】

 

【あれが……黄色い悪魔……マスコットの皮を被った邪神だ】

 

【誰が邪神だって~?】

 

ピカチュウは、あくどい笑みを浮かべながら雷を放った。コアルヒー達を、意識不明の重体に追い込む。

 

このコアルヒーの群れ、愚かにもサトシ一行の持ち物を強奪しようとしたのだ。それで彼ら(特にデューン)から容赦ない制裁を食らったのであった。

 

「おっかないポケモン達だったな」

 

「所詮奴等はハイエナなのさ」

 

サトシの放った言葉に対して返してくるデューン。

 

「さあ、ホモドエまでもう少しだ」

 

「アンタは相変わらずのようね、ジャリボーイ」

 

その時、声が聞こえた。

 

「その声、まさか……」

 

【間違いないな】

 

「何だ一体」デューンが言った。

 

「なんだかんだと聞かれたら」

 

「答えてあげよう、明日のため」

 

「フューチャー。白い未来は悪の色」

 

「ユニバース。黒い世界に正義の鉄槌」

 

「我らこの地にその名を記す」

 

「情熱の破壊者、ムサシ!」

 

「暗黒の純情、コジロウ!」

 

「無限の知性、ニャース!」

 

「「「さあ集え ロケット団の名の下に!」」」

 

「ソーナンス!!!」

 

「ロケット団!!」

 

「ピピッカチュウ!!」

 

サトシとピカチュウは、警戒心を露わにする。

 

「サトシさん、この人達誰ですか?お笑い芸人ですか?」

 

「いいや。奴等はロケット団。主にカントー、ジョウトで暗躍する犯罪組織。又の名をポケモンマフィアだ。尤も、やっている事はテロリストのそれだけどな」

 

トウヤは、メイの疑問に即答した。元々、カントー出身且つタマムシ大学で教授をやっている父を持つ彼の事である。ロケット団の事は知っていてもおかしくはないのだ。

 

「いつもピカチュウをつけ狙ってるんだよ」

 

「成る程。要はプラズマ団やスカル団みたいな奴等って事か」

 

サトシ、トウヤ、メイ、デューンは各々のポケモンを出した。

 

「ちょっとちょっと!アンタ達だけで盛り上がってんじゃないわよ!アタシ達はね、ロケット団以外の悪は認めていないんだから!!」

 

「プラズマ団と一緒にするな!それに今回、任務をやっている間はピカチュウをターゲットにはしない!」

 

「そうだニャ!あいつらは、ロケット団の怒りを買ったから敵だニャ!」

 

「フン。どう喚こうが、所詮はテロリスト。始末するだけだ。エンペルト!」

 

「キバゴ、頼むぞ」

 

「ビクティニちゃん、エモンガちゃん、行って!」

 

デューンは問答無用と言わんばかりに、エンペルトを繰り出す。トウヤも、経験を積ませるべくキバゴを出した。メイも、トウヤにキープして貰っているポケモンを出した。

 

「やるしかない様ね」

 

「だな」

 

「コロモリ、プルリル!」

 

「デスマス、モノバレル!行って来い!」

 

ムサシとコジロウもポケモンを出した。サトシはともかく、それ以外とは話が通じないと判断し、やむなく実力行使にシフトチェンジした。

 

「コロモリ、超音波で攪乱よ!プルリル、バブル光線!」

 

「デスマス、シャドーボール!モロバレル、毒々だ!」

 

「エンペルト、モノバレルの攻撃を受けろ!」

 

「まずはモロバレルからになるか。丁度いい。キバゴ、アイアンテール!」

 

「ビクティニちゃん、Vジェネレート!エモンガちゃんはほっぺすりすり!!」

 

エンペルトを除く3体の攻撃が、モノバレルに集中した。モロバレルは倒れた。だが、コロモリの技でエモンガが混乱した。

 

「今よコロモリ、エアスラッシュ!」

 

コロモリはエモンガに技を決めようとする。だが、キバゴが庇った。

 

「キバゴ、コロモリを切り裂け!」

 

コロモリは倒れた。だが、キバゴは技を食らったのか、かなり怒り狂っている。それは、ある技を発動させるきっかけになった。

 

「何だアレ!」

 

「逆鱗だ」サトシが答えた。

 

キバゴは、あっという間にプルリルとデスマスをも倒してしまった。

 

『キバゴ、本当に強くなったな』トウヤは心の中でそう思った。

 

『いくら潜在能力が高いとは言え、これは異常だ』

 

デューンは、サトシ達からアイリスのポケモン達の事を聞いているので、そんなに驚いてはいなかった。だが、幾ら強くなったといえど、タマゴから孵ったばかりのポケモンがここまでやれるものなのかと疑問視した。

 

「ロケット団。本当に今は、オレ達を標的にしてない事はよーく分かったよ」

 

サトシが前に出て来た。

 

「アンタ。今回の仲間、どいつもこいつも血の気が多いんじゃないの?」

 

「そんな事はどうでも良い。これ位が常識なんだからよ」

 

「オレ達としてもプラズマ団は許せないのさ。奴等、オレ達の技術を盗んだんだからな」

 

「今は戦力を集めているけど、まだ足らないのニャ」

 

「ジャリボーイ。だから今は、休戦と共闘をしない?」

 

「どういう事だ?」

 

「お前もプラズマ団と戦っているのは分かっている。潰すには、人数は多い方が何かと良い。そう思わないか?」

 

「同盟だと!?」デューンが何時に無く声を荒げた。

 

「サトシ。あまりお勧めはしないよ。こういう輩との同盟なんて、裏切りがつきものだ。人を信じ過ぎるお前には不向きだぜ」

 

「……ロケット団。いきなりプラズマ団を、倒せるわけじゃないんだろ?」

 

「そりゃそうよ。いきなり出来るんだったら苦労しないわ」

 

「信用はしなくて良い。オレ達は、ジャリボーイの実力を買っているからこそ同盟を組もうって話を持ち掛けたのさ」

 

「順序ってものがあるし、それを踏めば可能性は高まるって事だニャ。ニャー達も、状況は余り芳しくない。だからこそ、ジャリボーイとピカチュウの手も借りたい位なのニャ」

 

何時に無く真剣な態度で買って来るムコニャを見たサトシ。このトリオは、基本的には敵だ。

 

だが、今回みたいな真剣な時には、必ず何か意味があるのも事実。伊達に初心者時代のカントー地方の時から顔をつき合わせていない。

 

時に敵対をし、時には協力者の関係になる。だからこそ。サトシとロケット団の間には、彼らなりの信頼関係も出来ている。

 

サトシは目を閉じ、熟考した。しばらくの時が経ち、目を開けた。何かしらの決意をし為だった。

 

「分かった。プラズマ団を倒すまでの間は休戦をして、尚且つ共闘する。その話、乗ってやるよ」

 

「決まりね」

 

「こっちとしても有り難いぜ」

 

「そんなわけでピカチュウ、宜しくニャ」

 

ニャースは、ピカチュウに握手を求めた。ピカチュウはそれに応じる振りをして、微弱ながら電撃を食らわせた。

 

「おミャー、相変わらずだニャ」

 

【今まで行ったボク達に対する仕打ちを考えたら、生易しいオシオキに見えるけどね】

 

「じゃあこれ、通信機よ」

 

ムサシは、サトシに通信機を渡した。

 

「これで連絡を取り合おうぜ」

 

「それじゃあニャー達は、ここで退散させて貰うニャ」

 

ムコニャは、そう言って立ち去って行った。

 

「良かったのか?同盟を組んで」

 

「裏切ったら、倒せば良いだけの事さ。でも、あいつらのあの様子じゃ何が何でも裏切らないよ」

 

デューンは少々納得出来ないながらも、取り敢えずは了承する事にした。

 

「キバゴ、どうした?」

 

キバゴの様子が変なのに気づいたのは、トレーナーであるトウヤだ。

 

「キ~バ~」

 

キバゴの身体が光り出した。光が収束すると、オノンドがいた。

 

「キバゴちゃん、進化したんですね!!」

 

「やったじゃないかオノンド!次はオノノクスまで行こうぜ!オレたちのチームワークでさ!」

 

【うるさい!】

 

オノンドは、トウヤに竜の怒りからパワーアップした竜の波導を浴びせた。黒焦げになるトウヤ。

 

「お前、元気があるな」

 

メイとデューンが笑い合っている頃、サトシはその光景を不安そうに見ていた。

 


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