「我々の狙いは、トルネロスとボルトロスなのです!エインヘリャル8闘戦士、アイリスよ」
杖を持つ男が言った。それを聞いている1人の少女。それは、ポケモン収容所で服役している筈のアイリスだった。
「これであいつらに復讐出来るわ!首を洗って待ってなさい!」
*
トウヤは、また夢を見ていた。
【また会ったな、我が友よ】
「君は?」
【……我を覚えていないのか?だが、まだその時じゃない。トウヤ。我は、警告しに来たのだ】
「警告?」
【このミロス島だけでなく、イッシュ全体を闇が包み込もうとしている】
「え?闇って……」
【気を付けろ。傀儡の英雄と、邪神に】
「傀儡の英雄?邪神?ちょっと待ってくれ!もっと詳しい事を!」
だが、トウヤに警告をした存在は消えてしまった。
*
翌日の朝の事。サトシ達は、雨乞いの儀式の準備に取り掛かっていた。その近くでは、オノンドがガブリアスに話しかけていた。どうやら、何かを頼んでいるらしい。
【オレに流星群を教えろ!!】
高圧的な口調で、オノンドはガブリアスに対してそう言った。
【今のお前には無理だな。見本を見せても、出来っこない】
【そんな事はない!オレは強くなったんだ!良いからつべこべ言わずに教えろ!!】
オノンドは、ガブリアスにドラゴンクローを仕掛ける。
【……】ガブリアスは、涼しげな表情で受け止める。
【なっ!】
【力押しの古いやり方じゃ、オレにダメージは与えられない】
ガブリアスは、アイアンヘッドでオノンドを攻撃した。
【強くなったと言っている様だが、この世には強い奴なんてごまんといるんだ。それを覚えておくんだな】
ガブリアスは立ち去って行った。
【チクショウ!】
*
そして、ガブリアスはリザードンとジュカインに呼び止められた。
【竜のガキに教えてやれば良いんじゃないのか?】
【リザードンさん。流星群を覚える条件は、ドラゴンタイプのポケモンがトレーナーに懐いてないといけないんだ。だから、今のオノンドが教えても使う事は出来ない。そう言う事なんだろう?ガブリアス】
【……】ガブリアスは、コクりと頷いた。
【昔のオレみたいだな】リザードンがポツリとつぶやいた。
【そうなのか?】
【ああ。とても他人事とは思えねえ】
【3人共】ピカチュウがやって来た。
【ピカチュウか。どうした?】
【どうもこうも無いよ、リザードン。そろそろ儀式が始まるよ。準備しなきゃ!】
*
サトシは、藁をランドロスの祠に並べて、火打ち石で火を焚いた。ゴチミルは、念力を使って狼煙を操る。
「ランドロス様!土地が痩せて、復活草が取れません!どうか恵みの雨をこのミロス島に!」
すると狼煙は集約していって、雨雲が生まれ出した。
「凄えな」トウヤの言葉に皆が頷く。
「よし!これで雨が降る!」ユウトはそう確信していた……この時までは。
突然、その雲は別の力で怪しい雲に変化した。そこから現れたのは……
「トルネロス!?」
トルネロスを見た瞬間、トウヤが過呼吸を起こした。
「ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア!!!!」
「トウヤ!しっかりしなさい!!」
ラングレーが駆け寄る。背中をさすって、必死に声を掛けるが、一向に収まる気配がない。その間にも、暴風雨を起こしながら、トルネロスは森や地面を破壊する。その姿は、鬼そのものだ。
「ラングレー!トウヤを連れて小屋に!」
「ええ!分かったわ!」
「僕も手伝うよ!」
「私だって!」
チェレン、ベルも協力する事になった。トルネロスは、トウヤに気付く。すると、アームハンマーを仕掛けて来た。
「ミミッキュ!ウッドハンマー!!」
デューンのミミッキュが、トルネロスの攻撃からトウヤを守った。
「ありがとう、ミミッキュ!」
「キュッ」
「ボヤっとすんなよ。早く行くんだ!オレもメイちゃんも付き添うから!」
「分かってる!」
「皆、出て来い!」
サトシは、トウヤ達が行った事を確認してから、ボールからポケモンを出す。ミジュマル、チャオブー、ジャノビー、ズルッグだ。
「……」
シンジもポケモンを出した。エレキブルの他に、フシギソウ、ラグラージ、コジョンド、ウルガモス、オーベムだ。シゲルも、既に出ているカメックスを除いて、プテラ、メタグロスを出す。
「フシギソウ、トルネロスを蔓の鞭で捕まえろ!」
「メタグロス、トルネロスにコメットパンチ」
フシギソウに捕まったトルネロスは、メタグロスの攻撃をもろに受けた。
「流石は伝説のポケモン。しぶといな」サトシが言った。
*
その頃、トウヤ達は拠点に戻っていた。この時、デューンはトウヤの看病の為に物色をしていた。
『!?これは……』
そこで、偶然だが目的の物を発見したのだ。黄金で、取っ手が2つ付いているカップ。シッポウ博物館でも盗み出したが、それは贋作だった。だが、今目の前にあるものは神々しい存在感を放っていたのだ。
『聖杯……漸く見つけたぞ。あらゆる魔力を封じる、魔除けのカップ。強い衝撃を与えると、大変な事が起こるとも言われているが、真相は謎のまま。聖杯の最大の特徴……それは、水を入れる事で命の水となり、飲めばあらゆる傷や呪い等を治癒し、また寿命も20年延びる。何でミロス島にあったかは知らんが、これで目的の1つは達成したぜ』
デューンは、聖杯を確保した。次は、波導の勇者アーロンがイッシュに遺した、精神波導を高める剣『デュアルブレード』を手に入れてみせると改めて誓ったのだ。
「何故トルネロスが?」デントが尤もな事を言った。
「恐らくトルネロスの石碑の楔が破壊されたんだろう。つまり、誰かが楔を壊した……まさか!ボルトロスの楔も!」
最悪の事態を想定してしまい、顔を青褪めるユウト。
「確認しに行った方が良いかも知れねえな」
デューンが言って、一応念の為にボルトロスの石碑がある場所へと急いで行った。
*
ボルトロスの石碑に辿り着いたトウヤ一行。だが……
「そんな!ここも壊れてる!」ベルが絶望に満ちた表情をしながら言った。
それと同時に、落雷が降って来た。その中から、ボルトロスが出現する。
「ボルトロス!!」ユウトが叫ぶ様に言った。
「ボルオォォォォォォォォォォォ……」
ボルトロスは、雷を解き放った。
「マズいぜ!今の天気は雨だ!雷が必中する!!」
「サンダース、行け!!!」
トウヤはすかさずサンダースを繰り出す。特性蓄電により、ボルトロスの技を防いだサンダース。
「良くやった!」
とは言え、伝説のポケモンの電撃を受けたからなのか、もうヘトヘトだった。
「生憎、オレに地面タイプのポケモンはいないんだよな~」
「なら僕の番だ!ドリュウズ!!」
チェレンはドリュウズを出した。
「オレもだ!行きな、キテルグマ!!」
「マッギョ、君もだ!」
デューンはキテルグマを、デントはマッギョを出す。
「お願い!メブキジカ!トウヤを、さっきの小屋まで運んで!」
ベルのメブキジカは、トウヤを自分の背に乗せ、走り去っていく。
「ビクティニちゃん、パワーを与えて!お願い!」
メイのお願いを聞き、ビクティニはドリュウズ、サイドン、マッギョ、メブキジカの能力を上げた。
「メタルクロー!」
「掴んでぶん回せ!!」
「濁流!!」
3体の攻撃がボルトロスに襲い掛かる。だが、ボルトロスは馬鹿力で無理矢理打ち破った。
「成る程な。腐っても伝説のポケモン。地力が違うか」
*
トルネロスは暴風を放つ。
「ピカチュウ、10万ボルト!ミジュマル、冷凍ビーム!チャオブー、岩雪崩!ジャノビー、リーフストーム!リザードン、火炎放射!ズルッグ、気合球!!」
「コジョンド、インファイト!ラグラージ、アクアテール!ウルガモス、焼き尽くす!オーベム、サイコキネシス!フシギソウ、ヘドロ爆弾!エレキブル、炎、雷、氷の力を両腕に集約させ、トリプルパンチ!!」
「カメックス、ラスターカノン!プテラ、ギガインパクト!メタグロス、思念の頭突き!」
サトシ、シゲル、シンジの全ポケモンの力を結集させ、トルネロスにダメージを与える。
「効いてはいるけど、決定打にはならないか……サトシ、君のリザードンは炎の究極技『ブラストバーン』は使えるかい?」
「ああ。バッチリだ。リザフィックバレーで、修行の末に修得しているしな!」
【そうだ!】
「なら、僕のカメックスが覚えている水の究極技『ハイドロカノン』と一緒に打つよ。尤も、この天気だからブラストバーンの威力は落ちるし、逆にハイドロカノンの威力は上がる。だから、カメックスがメインで攻撃を仕掛ける」
「分かった」
「行くぞ!カメックス、ハイドロカノン!」
「リザードン、最大パワーでブラストバーン!」
*
ボルトロスは、ヘドロウェーブを使う。
「エンブオー、火炎放射!」
ベルのエンブオーが相殺する。
「ヤナップ、岩石封じ!」
「ダイケンキ、アクアジェット!ジャローダ、リーフブレード!」
次々に攻撃を仕掛けるもののボルトロスは、次に放電を放った。その力は余りに強く、応戦していたチェレン、ベル、デントのポケモンの半数が戦闘不能になってしまった。
「ジュナイパー、影縫い!」
隙をついて、ジュナイパーがボルトロスを捕らえた。
「ミミッキュ、じゃれつく攻撃!!」
ボルトロスはミミッキュを近付かせまいと、技を発動するものの、ミミッキュはケロッとしていた。
「ヨワシ。そのままやるぞ!」
水タイプのZ技を発動する際のポーズを取り、Zパワーをヨワシに纏わせる。
「スーパーアクアトルネード!!」
雨になっているこの状況を利用し、Z技を発動させた。ボルトロスは大ダメージを受けたが、雷でヨワシを戦闘不能にする。
「良くやったヨワシ。休んでくれ」
ボルトロスは、隙をついて逃走した。
すみません。私のスケジュールの都合により、次回の投稿は10月28日とさせてください。ご迷惑をお掛けしますが、ご了承願います。