サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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お待たせしました!2話連続投稿で行きます!

なお、ポケモンが話す場合は【】で、モノローグの時は《》で表現します。


冒険の夜明け
EP1 初めての場所、初めての風の臭い、初めてじゃないのはこのドキドキ!


ここは飛行機の中。ポケモンマスターを目指す少年、サトシがそこにいた。

 

「ピカチュウ、フカマル!見ろよ!雲だぜ!」

 

窓から雲を指差すサトシ。ピカチュウとフカマルは、サトシの言葉に同意する。

 

「サトシ。今回は唯旅行に来たわけじゃないのよ。博士からのお使いもあるんだから」

 

「分かってるよ、ママ!」

 

それはシンオウでの旅を終え、一旦は旅に出ないで修行やポケモンを世話をしていること3ヶ月がたった頃の事だった。オーキド博士から2つのポケモンのタマゴを、イッシュ地方で研究をしているアララギ博士に届けに行って欲しいと頼まれたのだ。

 

「イッシュ地方か~楽しみだな!」

 

パンフレットを広げ、ワクワクと想像するサトシ。どんなポケモンに出会うのかを心待ちにしていた。

 

だが、サトシは知らなかった。後に彼はこう語った。「旅行で来て、そのまま旅をしようと思ったつもりが、まさかあんな事になるなんて」と。

 

*

 

4時間後。フライトを終え、カノコタウンに着いたサトシとハナコ。

 

「着いたぜ!イッシュ地方!!!」

 

早速アララギ研究所に向かった。しばらくして着くと、サトシはドアをノックした。

 

「すみませ~ん!アララギ博士はいますか~!」

 

すると、白衣を着た女性がやって来た。明るめの茶髪を独特な髪型にしていて、耳には赤い菱形のイヤリングを付けている。

 

「あらら。いらっしゃい。あなたがサトシ君ね?」

 

「はい。マサラタウンから来ました。そしてこちらが、相棒のピカチュウとフカマルです!」

 

「ピカ、ピカチュウ!」

 

「……」相変わらずのポーカーフェイスのフカマル。

 

「私はアララギ。このカノコタウンで、ポケモンという種族がいつ誕生したのか、その起源を調べているわ」

 

「初めまして。サトシの母のハナコと申します。オーキド博士の使いで来ました」

 

ハナコはそう言って、ポケモンのタマゴをアララギ博士に渡した。サトシの方も、もう1つのタマゴをアララギ研究所の助手に渡したのだった。

 

「健康診断に回さなきゃね。それに今日、新人トレーナーが2人来るのよ」

 

「へえ。ちなみに、最初の3体ってどんなポケモンですか?」

 

「あらら~やっぱり気になる?それじゃあ、彼等が来たときに見せてあげるわ」

 

「ありがとうございます!オレ、近くでピカチュウにフカマルと一緒にいます」

 

「ええ。外に遊びのスペースがあるから、そこで遊んでていいわよ」

 

「それじゃあサトシ。私、市場に行ってるわね」

 

ハナコはサトシにそう言って外に向かった。

 

「じゃあ行くか」

 

サトシも、遊びのスペースに向かって行った。

 

*

 

それから30分後。イッシュ地方のカノコタウン。アララギ研究所の前に、1人の少年がやって来た。茶色寄りの黒髪で、赤いキャップを被った少年だ。

 

「いよいよだな。オレのトレーナーとしての第一歩」

 

少年はそう言って、1つのモンスターボールを取り出して投げた。ボールからサンダーズが出て来た。

 

「サンダース。今日、ポケモン貰うんだ。お前の友達もできるぜ」

 

サンダースは嬉しそうにした。何故イッシュ地方にサンダースがいるのか。それは、少年の家庭事情にある。

 

少年の母はイッシュの人間だが、父はカントー出身なのだ。父は、カントー地方のタマムシシティにあるタマムシ大学で自然科学系の教授として単身赴任している。年に2,3回カントーに遊びに来る。その際にイーブイに懐かれて、家族同然に過ごして来たのだ。

 

バトルの特訓をした結果、雷の石で立派なサンダースとなった。

 

「行こうぜ、サンダース」

 

サンダースをボールに戻し、アララギ研究所に入ろうとする。

 

「おや、君も来てたのかい?田舎者の血が半分混じった欠陥品の分際で。良い身分だね」

 

気取った様な声が聞こえた。少年が振り向くと、そこにはカメラを首に掛けた金髪の少年がいた。帽子の少年に向けるその表情は、完全に侮蔑そのものだった。

 

「シューティー……!」ギロリと睨み付ける少年。

 

「フン。ハーフのお前なんて取るに足らないのさ、トウヤ」

 

「言いたい事はそれだけかよ、基本厨。オレはオレのやり方で、リーグチャンピオンを目指す。お前の押し付ける基本なんて御免だな!」

 

「ポケモンは進化させてこそ強くなる。そんな基本的な事も分からないお前に負ける気がしないな。不純物のお前に、僕が基本を教えてあげるよ」

 

見た者全員が、殴り飛ばしたくなるような意地の悪い笑みを浮かべて、シューティーはさっさと中に入って行った。

 

「行こうぜ、サンダース」

 

サンダースをボールに戻し、トウヤは研究所に入って行く。

 

*

 

サトシがピカチュウにフカマルと遊んでいる頃の事だった。最初にシューティー、少ししてトウヤが来た。

 

「博士。今日ポケモンを貰いに来た2人がやってきました!」

 

「分かったわ。サトシ君を呼んで来てくれる?」

 

助手に指示を出して、アララギ博士はシューティーとトウヤの応対に当たった。

 

「はぁい。ようこそアララギ研究所へ」

 

「こんにちは、アララギ博士」

 

トウヤは礼儀正しく、ペコリとお辞儀する。シューティーは無言だった。トウヤを見る眼はゴミでも見る様なものだったが、流石に目上の人間の前で露骨な態度を示す程愚かではなかった。

 

「えぇ。さて、この中から最初のポケモンを選んでね」

 

そう言って、1匹ずつポケモンを出す。

 

「右から草タイプのツタージャ。炎タイプのポカブ。水タイプのミジュマルよ」

 

ツタージャはどことなくプライドが高そうだった。ポカブはのんびりした雰囲気を放っており、ミジュマルは見るからにお調子者だ。

 

「さあ、トウヤ君。シューティー君。パートナーを選んでね」

 

説明が終わったと同時に、サトシがやってきた。

 

「博士。そいつは誰です?」

 

シューティーが尋ねる。が、見た感じイッシュの人間じゃなそうで、パッとしない弱そうな奴だと心の中で思っていたのであった。

 

「そいつって……」苦笑いするサトシ。ピカチュウはシューティーに敵意を向けている。

 

「ゴメン。コイツの減らず口は筋金入りでさ」トウヤがサトシに謝った。

 

「良いよ。気にしないでくれ。オレはサトシ。マサラタウンから来たんだ」

 

「俺はトウヤ、こっちの金髪がシューティーだよ。にしても、へえ。マサラタウン……って事はカントー地方から?」

 

「ああ」

 

「スゲエな!オレの父さん、タマムシシティの大学で教授やってるんだよ」

 

「タマムシシティか……」

 

黒歴史の舞台でもある町の名を聞いて、サトシはちょっと引き攣った表情になる。だが、何だかんだ言ってサトシとトウヤはかなり打ち解けたのであった。

 

だが、そんないい雰囲気はすぐにぶち壊された。

 

「カントー地方ねえ。フッ」嘲る様な笑みを浮かべるシューティー

 

「何だよ?」流石にサトシもカチンときた。

 

「いや別に。それより僕は、ポケモンを貰いに来たんだ」

 

シューティーはそう言って、ツタージャを抱き上げた。

 

「あっ!お前」

 

「文句あるか?」ツタージャを即座にボールに戻すシューティー。

 

「……いや、被らなくて良かったなと思っただけだ。オレは最初からポカブって決めてたからな。セオリーで選んだわけじゃねえぞ」

 

トウヤはポカブに決めた。

 

「宜しく頼むぜ、ポカブ」トウヤはポカブの頭を撫でた。ポカブは嬉しそうにしている。

 

一方のミジュマルは、選ばれなくて落ち込んでしまい、石化した。

 

「大丈夫だよ、ミジュマル。今度は選ばれるさ。元気出せよ」

 

サトシの励ましの言葉を受けて、即座に復活したミジュマル。

 

「へへっ。お前、可愛いじゃないか」

 

撫でられて、ミジュマルはサトシに好印象を持った。ピカチュウはそれを見て、またポケモンほいほいが発動したかと溜息をつく。

 

「それじゃあ、これ。ポケモン図鑑よ。そして、これがモンスターボール。2人共、5つずつ受け取って」

 

アララギ博士はスライド式の図鑑とモンスターボールを2人に渡した。図鑑に関しては、シューティーは青、トウヤは緑のものを手にした。

 

「よし。さて。最後に私から一言。これからの旅。楽しい事、悔しい事、悲しい事。色々あるわ。でもそれはみんなの財産になるのよ。これから旅するあなた達に幸あらんことを」

 

アララギ博士はそう言って、ちょっと用事があるからと部屋を出て行った。

 

「さてと。オレもそろそろ……」

 

「田舎者のトレーナーさん?僕とバトルしないかい?」

 

出て行こうとするサトシに向かって、シューティーの見下したような声が聞こえたのだった。

 

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