サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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忙しくて中々投稿出来ず、申し訳ございません。

今月で第2章を投稿しきります。


EP47 デュアルブレードの伝説

聖剣士と波導使いの伝承

 

その昔、人とポケモンはそれぞれの均衡を保っていた。

だが、ある日突然、人間達は互いの土地を巡り、争いを始めた。これに伴い、数多ものポケモンが犠牲となり、またある者はその力と醜悪さに怯える様になった。

 

そんな中、それに怒りを覚えたポケモン達がいた。その者達は、聖剣士と呼ばれていた。

 

コバルオン

テラキオン

ビリジオン

 

3体は、力を合わせて逃げまとうポケモン達をまとめあげて救った。

テラキオンは退路を塞ぐ岩等の障害物を持ち前のパワーで破壊、ビリジオンはしなやかな動きで降りかかる火の粉を払い除け、そしてコバルオンは、怯えるポケモン達をその持ち前の統率力で導く役目を担った。

 

人間が起こした戦争によって、セッカの湿原の森が焼けた時、親とはぐれてしまったケルディオは、 コバルオン・テラキオン・ビリジオンと出会い、拾われた。

親代わりとなった3匹に必要な知識や技を授けられたケルディオは、やがて3匹を凌ぐ程の強さを身につけた。

 

そして、争いの規模は更に増していく。一部の悪しき者達は、聖剣士達を狙い始めたのだ。

 

必死に抵抗する聖剣士達。だが、進化した人間の兵器の前には余りにも無力だった。ビリジオン、テラキオン、ケルディオの順に瀕死の重傷を負って行き、残ったのはコバルオンのみとなった。

 

コバルオンは、人間への憎しみと、仲間を守れなかった自分の無力さに対する怒りで赤黒く禍々しいオーラを角に纏い、人間とポケモンを殺戮していった。その姿は、到底聖剣士とは呼べなかった。守りたかった筈のポケモン達をも殺すその振る舞いは、ポケモンから恐れられてしまった。

 

3日3晩続いたある時、異国のポケモンを連れた波導使いの男によって鎮められた。その際に、精神波導を高め、使い手の潜在能力を十二分に発揮する剣が使われた。剣は波導使い以外の時を止め、男自身の波導の力でコバルオンを正気に戻した。

 

それだけでなく、波導の力で満身創痍だったビリジオン、テラキオン、ケルディオを剣の持つもう1つの力、癒しの力で治した。テラキオンは感謝の言葉を伝え、ビリジオンは名前を聞いた。男は、アーロンと答えた。

 

アーロンはどんな事があってもこの争いを止めると宣言し、ルカリオと共に、波導の力で心を通わせたウォーグル乗り、去って行った。この時に剣はネジ山の深い場所に安置された。もう2度と、このような悲劇が起こらない事を祈って。

 

それから数年後、争いは止まった。ケルディオは、人間の醜く、愚かな一面を知りながらも、その一方で優しく高潔な一面があると学んだ。そしてある時、3体の聖剣士達の前から消え去った。一説によれば、冒険がしたくなった、或いは争いで得たものを活かして更なる見分を広げる為とも言われているが、定かではない。

 

*

 

「これが聖剣士と波導使いの伝承って奴だ」

 

「只の作り話だろ?リュージ」

 

「スザク、甘いな。御伽噺ってのは、大抵真実に準えて作られるものさ」

 

「ふ~ん。そう言うものなのか」

 

「……話は変わるが、良かったのか?奴は。進化したら、キョダイマックスが出来る特異個体だったんだろ?」

 

「幾ら強くとも、言う事聞かないなら切り捨てるまでだ。かと言ってイーヴィルリングを使ってみろ。あっと言う間にお陀仏さ」

 

「それもそうだな……!?おっさんが危険視している奴がいるぞ。しかも、盗賊で知られるデューンもいやがる」

 

「マジかよ」

 

「更にだ。今日ここには、ポケモンレスキュー隊のチーム・イーブイを率いるバージルまで」

 

「全く以って最悪だな。さっさと済ませるか。1人ずつ潰していくぞ」

 

「オッキュー」

 

*

 

その頃、サトシ一行はポケモンレスキュー隊のチーム・イーブイを率いるバージルと邂逅していた。ここ最近、どういうわけか知らないがプラズマ団のエインヘリャル8闘戦士がぶらついているので、そのパトロールをしている旨の説明を受けたのだ。

 

「やっぱり、デュアルブレードの伝説が関係しているのかな?」サトシが呟く。

 

「デュアルブレードの伝説?」バージルが首をかしげた。

 

「オレが説明するよ」デューンは早速、バージルに伝説を教えた。

 

「成る程な。ネジ山にそんな伝説があったとはね。と、なるとあいつの目的にも辻褄が合うってわけか」

 

「あいつって誰の事でしょうか?」メイが質問した。

 

「エインヘリャル8闘戦士の1人、リュージだよ」

 

「何でそいつが関係するんですか、バージルさん」サトシはすかさずバージルに聞く。

 

「実は、あいつと戦った事があるのさ」

 

「ハァッ!?」

 

「ええ!?」

 

「マジかよ!」

 

「そうだったんですか!?」

 

デューン、メイ、トウヤ、サトシの順で驚きの言葉を露にする。

 

「オレ達の力が、まるで及ばなかった。こっちのやろうとしている事が事前に分かっている様な感じだったし、ほんの少しの未来が見えているんじゃないかって思った位だからね。まあ、隙を見て命辛々逃げて来たよ」

 

「そんな事があったのか」

 

【このバージルってトレーナー、やるなあ】

 

サトシは不利な状況なのにも関わらず、咄嗟に機転を活かして逃げ延びたバージルの技量に感心しているし、ピカチュウはバージルの実力を高く評価していた。

 

しばらく歩くと、5人は立ち止った。よく見ると、青い亀ポケモンがボロボロの状態で倒れていた。

 

「行こう!もしかしたら、捨てられたかも知れないポケモンだ!」

 

バージルが叫ぶ様に言った。近付いて見ると、何と本来イッシュにはいない筈のカムカメだった。

 

「何だってこんな所にカムカメがいるんだよ!」デューンが叫ぶ様に言う。

 

「データに無い。未知のポケモンだな」

 

「デューンさん。どんなポケモンですか?」

 

「ああ、本来ガラルで生息しているポケモンなんだ」

 

「カーネルのリザードンみたいなケースなのか」

 

「断言は出来んな。プラズマ団の線の可能性もある」

 

サトシが怒りを抑えながらも冷静に考察をする。トウヤは、すぐさま回復の薬をカムカメに飲ませる。そして、手際よく手当をした。

 

「本当に申し訳ない。イッシュのトレーナーは、田舎のポケモンだって忌み嫌っている奴が多いんだ。イッシュのポケモンだろうが、そうじゃなかろうが、命そのものに変わりはないのに……ポケモンレスキューで、そんなポケモンを保護する度にそう思うよ」

 

「バージルさん……」メイが言った。

 

「誰がゲットするべきかな?」

 

「パスだ。トウヤ、お前がモンスターボールに入れて、アララギ研究所に送った方が良いだろうな。それに今、水タイプがいないだろ。折角だからフタチマルの後釜にしておけ」

 

「ああ分かったぜ。そうするよ」

 

デューンの推薦により、カムカメをゲットした。そして、すぐさまアララギ研究所に送った。

 

「これで一件落着ですね」

 

そんな時だった。突如、ここには5人以外いない筈なのに、冷徹な声が聞こえた。

 

「ペンドラー、地震だ」

 

大きな揺れが襲い掛かって来た。

 

「な、何?」メイが大きな声で叫んだ。

 

「オレ達以外に、誰かいるのか!?」トウヤは、敵はどこだと探している。

 

「ムクホーク、インファイトで岩を破壊。壁を作れ」

 

揺れで動けない5人を尻目に、ムクホークが出現した。岩壁をインファイトで砕きまくる。これに伴い、疑似的な岩雪崩が発生した。セッカシティ方面の出口側にいるトウヤとメイとバージルの組と、その向こう側のサトシとデューンの組に分断されてしまったのだ。

 

「サトシ!デューン!!」

 

「トウヤーーーーーッ!!!オレ達は大丈夫だぜ!!」

 

「岩を破壊したいけど、下手にやると総崩れの危険性がある!サトシ君とデューンは、別のルートから脱出出来るかどうかを探してくれ!」

 

「分かりました!デューンと一緒に探します!」

 

「行こうか、サトシ」

 

「ああ」

 

サトシとデューンの2人は、別の出口に繋がるルートを探しに行った。

 

「さてと。慎重に瓦礫を崩していけば、2人の救助に行ける筈だ」

 

「バージルさん、オレもやります!」

 

「私もです!」

 

「そうだね。こういう時は、人数が多い方が何かと捗りやすい」

 

早速3人は、瓦礫を崩す作業に取り掛かろうとする。

 

「そいつは出来ないと思うがな」そこにスザクがやって来た。

 

「誰だ!?……というか、声がバージルさんと全く同じじゃねえか」

 

「オレはエインヘリャル8闘戦士の1人、スザク。お前らに恨みなんざ無えが、これもビジネスでな。駆逐してやる!!グライオン!!!」

 

スザクはグライオンを繰り出した。

 

「やるしかないのか!」バージルはシャワーズを、トウヤはゴルーグを出した。

 

*

 

その頃、サトシとデューンは別の出口を探していた……の、筈だが……

 

「クソ!行けば行く程、下に行っちまう!」デューンが舌打ちした。

 

「というかオレ達、別の出口を探しに探索していたんだけどな」

 

「休憩したら、引き返そうか?」

 

「そうだな。それしか無いぜ」

 

サトシは、壁に寄っ掛かる。すると、隠し通路が出現した。しかも、何やら神々しい青白い光を解き放っている。

 

「何か、心が安らぐ様な光だな」

 

「行ってみるか?」

 

「ああ。もしかすれば……」

 

2人は、隠し通路の先を突き進んだ。しばらくすると、大きなフロアに着いた。

 

「幻想的な場所だ」

 

「ピーカ」

 

辿り着いた場所の美しさに感動するサトシとピカチュウ。一方、デューンは目の色が変わっていた。

 

彼が見ていたもの。それは、フロアの真ん中にある突き刺さった剣だ。見るからに高級且つ神々しい雰囲気を持った漆黒と黄金の剣だ。

 

「あれは……あの剣は……!!!」

 

「どうした、デューン」

 

「間違いない。アレは……デュアルブレードだ!」

 




ここで感想であった質問の回答をします。

スワマの末路は『帝王トランザの栄光』が元ネタです。元々は以前書いていたハリポタ小説で行う筈だった完結編で、その作品のルシウス・マルフォイが辿る末路として書いたものをこの作品向けにアレンジしました。
余談ですが、別サイトでやっている『金色のガッシュ!!』の二次創作でも似たような話を投稿しました。

アイリスの実兄のカーネルについてですが、彼の名はロックマンXシリーズの同盟キャラが元ネタです。但し、キャラはZXシリーズのプロメテですが。
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