サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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アイリスをフルボッコします


EP5 ドラゴン厨

2番道路を通り、サンヨウシティに到着したサトシ一行。

 

「一体どんなジムかな~?どんなポケモンがいるかな~楽しみだぜ!」

 

「張り切ってるな、サトシ。オレ、明日は夢の跡地で何かポケモンをゲットしてきてから修業して、ジムに挑むよ」

 

「分かったぜ、トウヤ。オレから先だな」

 

ポケモンセンターで宿泊の手配を済ませ、自由時間を取る事にした。

 

「さてと。今いるメンバーは、ピカチュウ、フカマル、ミジュマル、マメパト、ポカブか」

 

ボールからポケモンを出すサトシ。

 

『ピカチュウとフカマルで挑戦するのも良いけど、やっぱり経験は積ませた方が良いよな。となると……』

 

「ミジュマル、マメパト、ポカブ。明日のジム戦、頼むぜ!」

 

指名されなかったピカチュウとフカマルは落ち込んだ。

 

「ゴメンな。でも、経験が少ない3体に参加させたいんだ」

 

それでも、サトシの事だからちゃんとバッジを手に入れるだろうと言う信頼感は持っていたので、一先ずは納得した。

 

「ねえ。お兄ちゃん」

 

そんなサトシに、6歳ほどの男の子が話しかけて来た。

 

「どうしたんだい?」

 

「その子、ピカチュウだよね!」

 

「ああ!そうだよ!」

 

「凄い!見た事も無いポケモンに、ミジュマルやポカブ、マメパトもいるんだね!」

 

「こらこら!これから家に帰るのよ……ああ、ゴメンなさいね。うちの子が……」

 

男の子の母親らしき女性がサトシに謝って来た。

 

「良いんですよ。気にしないで下さい」サトシは朗らかに言った。

 

「ねえ、お兄ちゃん。ポケモン達と一緒に写真撮っても良い?」

 

「別に良いけどカメラはあるのかい?」

 

「うん!僕のカメラ、あるんだ」

 

「そっか。じゃあそれ、オレが撮るから貸してくれ」

 

「うん!」

 

男の子の要望に応え、写真を撮るサトシ。

 

「本当に申し訳ありません。何から何まで……」

 

「良いんですよ。これ位の事、礼には及びませんから」

 

「ありがとう、お兄ちゃん!」

 

親子との交流は上手くいった。周囲の人も、微笑ましい光景を見る事が出来て、笑顔になった。それで終わり……と、誰もが思った。

 

「そんな弱そうなポケモン達と一緒に写真を撮るなんて!本当に子供ね~~!!」

 

サトシは声のした方向を向いた。すると、こちらの方へもっさりとした紫の髪に日に焼けた黒い肌。いかにも野生児っぽい少女がやってきた。

 

「誰だ?」

 

「特別に教えてあげるわ!アタシは未来のドラゴンマスター、アイリスよ!ほら、さっさとアンタの名前を教えなさいよ!!」

 

仁王立ちで自己紹介するアイリス。男の子の方は、アイリスの暴言とも取れる言い方で涙目になっている。それを母親が慰めていて、彼女はアイリスを睨み付けている。

 

「オレはマサラタウンのサトシ。おい、さっきの言葉、どういう意味だ?」

 

「そのまんまの意味に決まってるじゃない!そんな事もすぐに分からないなんて、アンタも子供よ!それにマサラタウン?田舎の新人トレーナーじゃない!まあいいわ。エリートのアタシが、わざわざ出向いてアンタに用があって来たのよ」

 

どうせ碌でも無い事だろ、心の中で毒を吐くサトシ。

 

「そのフカマル。アンタには相応しくないわ!未来のドラゴンマスターである私の所にいてこそ幸せなのよ!さっさと寄越しなさい!!」

 

「あげるわけないだろ!フカマルはオレの大事な仲間だ!!!」

 

「アンタ!何勝手な事を言ってるのよ!」

 

「そうだ!高慢ちきな態度を取るなり、彼のポケモンを寄越せなんて無茶苦茶な事を言いやがって!」

 

町の人々は、アイリスのチンピラみたいな要求に対して、怒りの声を上げた。

 

「ドラゴンタイプはね!未来のドラゴンマスターであるアタシにこそ相応しいの!分かったら、さっさと寄越しなさいよ!」

 

「ふざけるな!」

 

「ピーカチュウ!」

 

「子供のくせに生意気ね!だったら、力づくで奪ってやる!!キバゴ!」

 

アイリスはキバゴを繰り出した。だが、当のキバゴは本当にやるのかと戸惑っている様だった。

 

「ピカチュウ、頼めるか?」

 

「ピカ!」任せろと言わんばかりの返事をする。

 

「フン!神聖なドラゴンタイプに、電気タイプの雑魚ネズミで来るなんて!やっぱりアンタは子供よ!」

 

「お兄ちゃん……」

 

「大丈夫さ!ちゃんと勝つ為にバトルをするさ」

 

心配そうにサトシに声を掛ける男の子。だがサトシは、笑顔で大丈夫だと言った。その笑顔は、見る者全てを安心させる様なものだった。

 

「下らない!すぐに瞬殺してやるわ!キバゴ、引っ掻く!」

 

「アイアンテールで薙ぎ払え!」

 

キバゴが引っ掻くで接近して来る。だが、ピカチュウの技によって近づく処か、引っ掻くが強制解除され、吹っ飛ばされた。アイアンテールで思いっ切り手を叩かれてしまい、痛がるキバゴ。

 

「何やってるのよキバゴ!もう1度引っ掻くよ!雑魚電気ネズミなんて一気に叩きのめしなさい!!」

 

「ピカチュウ、電光石火からの瓦割りだ!」

 

ピカチュウは電光石火で一気にキバゴの背後に近付き、チョップを下した。頭にダメージを受けてしまい、目がクラクラになるキバゴ。そんなキバゴに苛立ち、アイリスは怒鳴る。

 

「キバゴ立ちなさい!未来のドラゴンマスターであるアタシの顔に泥を塗るなんて、絶対に許さないわよ!」

 

「おい、アイリス。キバゴはお前のポケモンだろ?その言い方は可哀想だぞ!」

 

「うるさい!田舎の新人トレーナーの分際で!アタシに指図すんじゃないわよ!!ほらキバゴ!さっさと立ちなさいよ!」

 

何とか立とうとするキバゴ。サトシとピカチュウは、その姿を見て痛々しいと感じた。

 

「キバゴ!もう1度引っ掻く攻撃よ!」

 

【サトシ……】

 

「分かってるぜ、ピカチュウ。こんなバトル、さっさと終わらせよう。もう、あんなキバゴの姿は見たくない」

 

【僕もだ!】

 

「目覚めるパワー」

 

ピカチュウの目覚めるパワーのタイプは氷だ。それは、ドラゴンタイプには効果抜群となる。現状覚えている技の中で、最もキバゴにダメージを与えられるのだ。

 

一直線に向かってきたキバゴはどうしても避けられず、戦闘不能になった。

 

【勝ったけど……ちっとも嬉しくないや】

 

「……」サトシも、何とも言えない気持ちだった。

 

「キバゴ!よくもアタシの顔に、泥を塗ったわね!このクズ!これだから未進化は嫌なのよ!」

 

キバゴを蹴りつけるアイリス。キバゴは震えている。

 

「さっさと進化すれば、こんな田舎から来た新人に負けずに済んだのに!この役立たず!!!」

 

「やめろ!」サトシが叫ぶ。

 

だが、フカマルがアイリスの目の前に来た。

 

「!?フカマル!?」

 

「フカマル、そんな田舎者なんて切り捨てて、アタシのものになりなさいよ!!」

 

【どんなにトチ狂ったとしても、お前の所なんて御免だ!】

 

「何ですって!?アタシはドラゴンタイプの言葉が分かる、未来のドラゴンマスターなのよ!アタシは間違ってなんかいないわ!」

 

「自分の未熟さを棚に上げて、キバゴの所為にする気か?」

 

「当然でしょ!キバゴが弱いから負けたんじゃないの!さっさと強くなって進化すれば、雑魚電気ネズミ相手にこんな無様な負け方なんてしなかったのに!」

 

【この爆発頭のアバズレが……】ピカチュウは、電気をバチバチさせている。

 

【ふざけるな!】

 

普段はポーカーフェイスで、何を考えているのか分からないフカマル。だが、アイリスの身勝手な言い分を聞いて、もう我慢の限界だった。眩く光りだした。

 

「え?これって……」

 

「進化が始まったのか?」

 

フカマルはガバイトに進化し、アイリスに竜の波導を放った。当然の事ながら、技を食らったアイリスは真っ黒になった。

 

「うう~~~~!!!覚えてなさい!いつかそのガバイトを、アタシのものにしてみせるんだからね~~~~!!!」

 

アイリスはキバゴをボールに戻し、泣きべそをかきながら走り去っていった。

 

「フカマル……いや、ガバイトか。進化おめでとう!」

 

「……」ガバイトは頷いた。またポーカーフェイスに戻っている。

 

「ポケモンの進化を見るなんて僕、初めてだ!」

 

男の子は、初めて生で見る進化に思わず感動した様だった。

 

「でも、あのお姉ちゃん。何でポケモンにあんな真似が平気で出来るんだろう?」

 

「アイリスは、力に溺れたんだ。世の中には、ポケモンを虐待したり、弱いからって理由で捨てるトレーナーもいるんだ」

 

「そんな!酷いよ!」

 

「だからこれだけは覚えといてくれ。ポケモンは決して道具なんかじゃない。命と心を持った、大切な友達で仲間なんだって事を」

 

「うん」

 

「それじゃあ、オレはそろそろ行くね」

 

男の子に別れの挨拶を告げて、急いでポケモンセンターに戻ったサトシであった。

 

*

 

その頃、スカイアローブリッジ。そこでは、シューティーが赤い服の青年とバトルしていた。

 

「何でこんな!」

 

6対6のフルバトルを申し込んだ。だが今や、シューティーのポケモンは残り1体だ。青年のポケモンであるジュナイパーによって5タテされたのだから。

 

「次にお前は、『こんなの基本じゃない!』と言う」

 

「こ、こんなの基本じゃない……ハッ!」

 

「まんまと引っ掛かったな。お前、大口を叩いて割には大した事ねえや」

 

「ふざけるな!アローラ何て言う田舎から来た癖に!」

 

「だから?ポケモンバトルに生まれなんて関係ないな。他人を見下し、力の力量も図れない時点でトレーナーの価値すらない。テメエはトレーナー失格なのさ!」

 

青年は左腕に着けているリングをチラリと見せ、ポーズをとった。その瞬間、ジュナイパーは謎のパワーにその身に纏った。ジュナイパーが解き放つゼンリョクの技『ブルームシャインエクストラ』が発動した。既に虫の息だったジャノビーに引導を渡した。

 

「くそ!ちくしょう!次は叩きのめしてやる!!」

 

シューティーはそれだけ言うと走って逃げていった。

 

「歯応えが無かったな。やっぱり……」

 

青年は端末を開いた。そこには、サトシの画像とデータが乗っていた。

 

「マサラタウンのサトシ……1度手合わせ願いたいものだぜ」

 

「いたぞ!シッポウ博物館から聖杯を盗み出したコソ泥を!」

 

「やべ!警察が来やがった!それに俺はコソ泥じゃねえ!トレジャーハンターだっての!まあ、そんな事言ってる場合じゃねえよな!逃げるぞジュナイパー!」

 

「ジュナ!」

 

青年はシッポウシティに向かって走り出した。その後、警察を撒いたのであった。

 




サトシのポケモン
ピカチュウ♂
フカマル→ガバイト♂
ミジュマル♂
マメパト♀
ポカブ♂



トウヤのポケモン
ポカブ♂
サンダース♂
ワシボン♂
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