「嗚呼…そうか、そうだったのじゃな」
上の人間も、一応神の扱い方をわかっていたらしい。
己に捧げられた供物を、それが嫌悪するものならともかく、無下にする神などいない。上等のものなら尚更だ。清らかな乙女というのは神への供物の中でも特に貴重なものの一つである。
そして、それは一般的に巫女と呼ばれる。
「…あるいは、どちらに転んでも、といったところか」
引継ぎに応じ、小鳥を新しい主として働くならば、それでよし。主と認められずとも、巫女として強力な刀剣たちをこの地に留めておくことができれば、元の主が復帰するか他に主と認められる者が現れるまでの時間稼ぎにはなる。小鳥は審神者としての能力も相応にあり、この本丸には全ての刀剣は揃っていない。小鳥が己で刀を降ろせば、最低限、本丸の役目をこなすことができる。
合理的な判断、なのだろう。
「それにしても…何処《いずこ》の神じゃろうなぁ、あのような悪趣味な呪いを巫女に仕込んだのは。…呪うのであれば、もっとうまいやり方があるじゃろうに」
「こんなところで何をしているのですか?」
「…ぷぇっ」
小鳥はきょとんと目を瞬かせて小狐丸を見上げる。
「ええと…何か、用事が、あったんだけど…此処、何処だ?」
小鳥の瞳は、小狐丸を見ているようで見ていない。寧ろ、彼が誰なのかをわかっていない。あまり、顔を合わせていないのも確かなのだが。
「ふむ…探し物の最中に迷子にでもなりましたか」
「探し物…あ、そうだ、僕眼鏡を探してたんだ」
「眼鏡、ですか…おそらく、こんなところにはないと思いますが」
「じゃあ何で俺は此処にいるんだろう」
「・・・」
本人にわからないことが他人にわかるわけがない。
小狐丸はひょい、と小鳥を抱き上げる。
「え、な、何?!」
二人の目が合う。小狐丸はにんまりと笑う。
「どうやら、お疲れの様子ですからなぁ。疲れを取るには、甘いものが良いそうですよ」
「別に、歩けない程疲れてないし、運んでくれなくて結構だ」
「以前は、甘味《おやつ》を共に楽しむ相手もいたのですが…このところは付き合ってくれる相手もおらず、味気なく思っていたのですよ」
「俺なんかよりもっと適した相手がいると思うが。短刀たちとか、菓子が好きっぽいぞ」
「人の好意は素直に受け取っておくものですよ?」
「初対面から仲良くする気ねぇってオーラ出してた奴がいきなり手のひら返ししてきて好意的に解釈できるとでも?」
「ですから和解をしようと思ったのではありませんか」
「俺は」
小鳥は不信の目で小狐丸を見る。
「他人《ひと》に嫌われる覚えはあっても好かれる覚えはないし、お前に好かれるようなことをした覚えもない」
どうやら、彼らより年期のいった人間不信の持ち主らしかった。まあ、その呪いを思えば、そうなるのも不思議ではなかった。
「まあまあ、此処は狐に化かされたと思って」
「それは最終的に酷い目に合うつもりでいろということか」
「そういう意味ではありませぬが」
「俺は多分、お前が欲しがるようなものは持っていないぞ」
極真面目な顔で小鳥は言う。小狐丸はからからと笑ってみせた。
「私も刀ですから、人恋しく思う時もあるのですよ」
小鳥はじぃ、と小狐丸の犬歯を眺めた後、僅かに首を傾げた。
「人が恋しいのではなく、主が恋しいの間違いだろう」
「・・・」
小狐丸はにぃ、と口角をつりあげる。
「…ええ。でも、主様《ぬしさま》がお戻りになるまで時間がかかるようですから。小鳥は主様の代わりとして寄越されたのでしょう?」
「…そうなるな。もっとも、役目としての代わりはできても、人としての代わりは無理だがな」
小鳥は自嘲にも似た笑みを浮かべる。
「誰も、誰かの代わりはできないよ」
彼は、自室でうつらうつらしていた。その姿を見て、小鳥の目が見開かれる。
「…あ」
いかなものを知らぬ者といっても、天下五剣とも呼ばれる名剣はわかるのか、と小狐丸が彼の名を口にしようとした時、小さな手がそれを止めた。
「…俺の前であの人の名前を呼ばないでくれ」
「…何故ですか」
「俺が審神者になった理由があの人で、あの人の口からあの人の名を知りたいからだ」
真面目な顔で、小鳥は言う。
「俺は、あの人と一度話をするために審神者になった」
「…随分と、熱烈ですね。そんなに、彼の美しさに魅せられ、魅入られましたか」
「別に美しいからじゃない。というか、俺に人の顔の美醜はわからんし、好みで言えばお前の方が好みの顔だと思うぞ」
「え、そ、そうですか…」
「ただ、あの人がどんな声でどんな話し方をする人なのかが気になっただけだ。…そういう意味では、見入られたとも言えるのかもしれないが」
小鳥は酷く神妙な顔をして言う。
「優しげな印象なのに俺の勘がドSだと言っているから、実際のところどうなのかと」
あ、これ通常の意味で言う魅せられたものじゃないわ、と小狐丸は悟った。
「…彼は、主様がいなくなってから、心を閉ざしてしまいました」
「それは残念だ」
そう返した小鳥の顔に、特に感情の色は見えない。幾人もの人間、審神者を狂わせてきた月の魔力も、小鳥には"興味を抱かせる"以上の影響を与えられないらしい。
「早々に悔いがなくなるかと思ったんだがな」
「…悔い、ですか?」
「人の生は短く、全てを知ることも、思うことの全てを記すこともできない。だったら、ある程度割り切るしかないだろう。生きている内に出来ることには限りが有り、己の見ることができるのは世界のごく一部に過ぎないんだと」
真面目な顔で小鳥は続ける。
「"己の外側"にしかないもので今興味が沸いているのは、あの人のことくらいだから、あの人のことを知れれば、後は審神者を続けられなくなろうが、それこそ死ぬことになろうが、特に悔いる必要はないかと、思ったんだが」
平然とした顔で、狂ったようなことを小鳥は言った。
成程、元から狂っているのであれば、更に狂わせるのは生半可なことではできないだろう。寧ろ、正常に戻ったようにすら見えるかもしれない。
「…無責任ですね」
「己の意思で動く意義がないというだけだ。求められる役目はこなす」
できないことはやらないが、と小鳥は付け加えた。
「――良い香りだ」
耳に届いた声に、二人はバッと声の主を見る。彼は、楽しげに微笑っていた。
「やはり、男所帯というのは華がなくなっていかんな。見目だけは良いものが揃っているが、侍らせるなら女子《おなご》も欲しい」
彼は立ち上がり、二人に歩み寄る。
「なかなかたどり着かんとは思っていたが、狐が連れてきてくれたか。よきかな、よきかな。夢枕には立たんで良いようだ」
「…おぬし、まさか」
「主は、俺がおらねば安らかに眠ることもできぬのだ。ついていてやらねばならんだろう?」
小鳥は小狐丸と彼を見比べ、狼狽えている。
「え、何、どういう状況?」
「こんの、性悪じじい!」
「はっはっはっ」
朗らかに笑い、彼は小鳥に視線を移す。
「あ、ええと、はじめ、まして…」
「そのように固くならずとも良いぞ」
小鳥の頭を撫で、彼は己の銘を名乗る。
「存分に愛でるがよい」
「あ、そういうのはいいです」
「お前は俺のふぁんなのではないのか?」
「何かもうどんな人なのか大体察したんでいいです。僕三次元の人に興味ないんで」
「なん、だと…?」
若干ショックを受けたらしい彼を、小狐丸は笑う。
「主様を独り占めしている罰じゃ。人が主様に会えぬ悲しみに耐えている時に、おぬしは一体何をしておるのじゃ」
「あれは俺のものだ。俺が気にかけるのは当然のことだろう」
彼は笑う。
「有り体に言えば、俺の妻の一人だからな」
「…小狐丸、お前らの"主"って男じゃねぇの?」
「主様は少々細いですが男ですよ。小鳥のような性別迷子と違って、立派な男子《おのこ》です」
「お前らが勝手に勘違いしてくだけで俺は別に己の性別を偽った覚えはねぇ。つぅか、お前らにゃ当てはまらないが、現代でこんだけ髪の毛伸ばす男ってよっぽどいねぇからな」
「それだけすれんだーな体型で声もはすきーなのに背の低い女子もそうそうおらぬだろうがな」
「色気がなくて悪かったな」
ああ、そうだ、と彼は懐から眼鏡を取り出す。
「これは、今返しておこうか。次は何時たいみんぐが合うかわからぬしな」
「…俺の、眼鏡?」
「なにやら、操作はよくわからなんだが、
「そりゃ、インテリジェントグラスになってるから…って、何であんたが持ってるんだよ」
彼は小鳥に眼鏡をかけさせ、微笑む。
「うむ、流石持ち主だけあってしっくりくるな。俺にはかえって見にくかったしな」
「…俺が何処ぞに置き忘れたんじゃなくて、あんたが持ち出してた、のか」
「媒介にするのは、身につけていたものが適しているからな」
得意げに言った彼に小鳥の猫パンチが襲いかかる。全くダメージはないが、本人は真面目に攻撃しているつもりである。
「眼鏡キャラから眼鏡を奪うとか、アイデンティティの崩壊どころじゃないからな。晴眼の人間にはわからないかもしれないけど、すごく不便なんだからな!」
「はっはっはっ」
彼は特に気にした様子もなく笑って言う。
「だが、持ち出しても大丈夫そうなものはそれぐらいしかなかったからな。まさか、衣を持ち出すわけにはゆくまい?」
「そもそも持ち出すことを前提にすんなっ」
ぺちぺちぺちぺちぺち
「どうだ、可愛い巫女ではないか、狐よ」
「あなたは相変わらず趣味が悪いですね」
「何が可愛いだ性悪ジジィ」
小狐丸は小鳥を降ろす。そして、彼の脳天に一発チョップを食らわせた。
「小鳥、おそらくアレへの幻想は消え失せたでしょうが、強く生きてくださいね」
「いや、ある意味予想通りな部分もあるから」
「おお、そうだ」
彼は小鳥の首筋に触れ、
「っ、」
「何をしているのじゃ」
「人格のりせっと」
小鳥は頭を押さえてうずくまる。
「俗世の辛いことなど、全て忘れてしまえばよかろう。誰も咎め立てはせん」
「嫌だ…これ以上、忘れたら…自分の足で立つことさえ、ままならなく、なる」
「無粋な枷など、壊してしまえ。お前はもっと素直に生きるべきだと、俺は思うぞ」
「怖いのは、嫌だ。もう"あんな風に"何もわからなくなりたくないっ…俺が、俺でなくなるのなんて、一度で十分だっ」
小鳥は額にじっとりと脂汗を浮かべ、顔をしかめている。彼の神力で活性化した呪いが、小鳥を苛んでいるのだ。
「よいよい、そう不安がらずとも、全て忘れた後で教え直してやる。…狐がな」
「おぬしがやるのではないのか、無責任な」
「俺は主についていてやらねばならぬからな」
小鳥は懐から取り出した短刀で喉を突こうとする。彼が小鳥の腕を掴んでそれを阻止した。
「抗うから余計に苦しむ羽目になるのだ。受け入れればいい。それは、直接的にお前を殺しはしない」
「俺が死んで悲しむ人間は家族だけだ」
小鳥は彼の腕を振りほどこうとするが、ぴくりとも動かない。腕力に違いがありすぎるのだ。
「"俺"のことなんてどうでもいいくせに、俺に干渉するなっ」
半狂乱のような状態で小鳥は唸る。彼は小鳥の頭を撫で、神力を強める。
「お前も審神者の端くれだろう。刀が泣くぞ」
「そもそもおぬしが妙なことをするからであろう」
『くっそー、じじいどもが大将を苛めるからだぞ!』
頭痛に耐え切れず、小鳥は失神する。力の抜けた手から、短刀が滑り落ちる。短刀が床に落ちる直前に、刀剣男士が実体化する。
「大将!」
「あなたは、確か、藤四郎兄弟の…」
「…うむ、俺はそろそろ主の様子を見に行かねばな」
「は?おぬしこの状況で逃げるつもりか?」
「もう何も起こらんだろう。後は頼んだ」
彼はそう言って小鳥から手を離し、眠りに落ちた。
目を覚ました小鳥は、無機質な瞳で小狐丸と厚藤四郎を見る。そこに感情の色はなく、積極的な意思も感じられない。
「…えっと、大将?」
「…それは、僕のことか?」
「お、おう。俺は、厚藤四郎。大将の短刀だ」
「そうか」
淡白な反応。どのような感情も表に現れていない。
「…あの、大将」
「何だ」
「…勝手に顕現して、ごめんなさい」
「それは、悪いことなのか?」
「え、いや、だって、大将、ずっと俺のこと実体化させないで持ってたし…」
「それは、俺がお前に自由意思を与えていなかったことを謝罪するべきところなのではないのか?」
小鳥は僅かに首を傾げる。
「だって、躯がある俺は、ずっと大将の傍にいるわけにはいかないだろ?江雪を実体化させないのもそれでだし」
「…それで、問題があるのか?」
「、」
言葉を失った厚を、小鳥はまっすぐ見つめ返す。
「わからないのですか」
「何がだ?」
小鳥は何もわからないのだろう。わからないことへの不安さえも、わからないのだろう。そして、厚の不安も理解していないのだろう。
無垢というよりも、機械じみているように小狐丸は思う。感情というものを何処かに置き去りにしているような。
「…全く、面倒なことをしてくれたものじゃ」
「小鳥ちゃんは、それで…僕らのことは全くわからないの?」
「全く、とは?」
「僕らの名前とか、どんな刀だとか…どんな関わり方をしたとか」
「光忠が太刀で料理上手なのは知っている」
「知識は、残っているようなのですよ」
ただ、記憶が殆ど喪われているために情動を理解することができない。情報の正誤を己で判断するということができない。自己というものが希薄なのだ。
「…知識と記憶の違いって、何処にあるんだろうね」
「繰り返せるか否かじゃないか」
小鳥は光忠を見上げて言う。
「僕が"君と"話した、というのは記憶だ。それは過去になり、全く同じものを再現することはできない。僕が君に"教えられたこと"は知識だ。他のものに教えて共有しても意味は変化しない。知識が普遍的なものである必要性はないが」
「問題は、小鳥が記憶を失ったことそのものよりも、それで己の外側に対して無関心になっていることです。完全に心を閉ざしてはおらずとも、自ら他者と関わろうとしない以上、そう変わらないかもしれません」
他者を積極的に拒絶してはいないが、完全に受身でしか他者に反応をしない。自己完結しているだけで、世界を無視してはいないのだが。
「えっと…とりあえず、そろそろ夕餉の時間だから、ご飯を食べてから考えよう」
「…可哀想に。完全に"壊されて"しまったのですね」
顕現した江雪の、長い白髪を小鳥はじっと見ている。その瞳に感情の色はない。江雪はそっと小鳥の頭を撫でる。
「しかし、これでもう、あなたが刀を振るうこともなくなるのでしょうね」
「それは、いいことか?」
「…できる限り、刀は振るわれぬように努めるべきなのです。争わず、和睦の道を探すのがあるべき姿でしょう」
「いや、刀は振るわれてなんぼだろ。置物みたいに飾られてるだけなんて俺はごめんだね」
「同田貫は実戦刀だもんなー。俺も、飾られてるよりは使われる方がいい、ってのには賛成だけど」
「無闇矢鱈と振るわれればいいってものでもないけどね…」
「…?」
小鳥は首を傾げる。
「つまり、何が正しいんだ?」
「何が正しい、ということでもないんじゃないかな。人間にだって、色んな考えの人がいるだろう?」
「ああ。全てが同じ人間はいない」
「刀にも、色んな子がいるんだよ」
「でも、江雪は絶対刀の中でも少数派だと思うな。だってそれってつまり、俺たちの存在意義を否定してるようなものだろ?」
「それが、何か?」
「・・・」
「…絶対奴とだけは仲良くできねぇ…」
元からこの本丸にいた刀が19口、小鳥が降ろした刀が6口、合計25口が現在この本丸に登録されている刀となる。また、結成できる部隊の数は三つ、フルメンバーだと18口が動けることになる。
「主として認めるかはともかく、今この本丸にいる審神者は小鳥だ。で、その小鳥がこんなことになっちまった以上、改めてどうするか話し合うべきなんじゃねぇか?」
「話し合うべき、ねぇ…」
兼定は、僅かに眉根を寄せて小鳥を見る。小鳥は江雪の隣に座って彼の髪を手に取って三つ編みに編んでいる。話に加わる気はどちらにもなさそうである。
この場にいるのは太刀7口、打刀6口に脇差の青江と骨喰、短刀の薬研の合計16口と小鳥だ。薬研以外の短刀たちと鯰尾は別室待機になっている。
「別に、話すべきことなんてないと思うが?」
「でも、今資材とかの物資が供給されてるのは、小鳥ちゃんが中心になって本丸の業務をこなしてくれてたからなんだし…今度は僕たちも動かないと、立ちいかなくなるんじゃないかな」
供給を当てにしないならしないで、やはり自分たちで調達しに行く必要がある。となると、やはり動かねばならなくなるわけである。
「・・・」
「…僕は別に、出陣とか遠征とか自体には文句ないよ。無茶な労働条件じゃないならね」
「別に無理に働く必要性もないんだし、最低限の任務と、余裕があればちょっと余分にこなす、ってことでいいんじゃないかな。小鳥ちゃんもそんな感じでこなしてたみたいだし」
「…余裕があって余分にこなしていたというか、結果的に余分にこなしていたというか…」
ぼそりと、江雪が呟く。しかし話に加わる気はないようだ。
「俺、隊長やりたいなー」
「あなたに、務まるんですか?」
「ったり前だろ!」
「…いずれにしろ、出たくないやつを態々引っ張り出す必要はないんじゃないか」
大倶利伽羅が話に加わる気がなさそうなメンバーを見る。
「小鳥は
「それなら、うっかり怪我をしても安心だねぇ」
「…治せれば怪我をしてもいいのか?」
「…傷には、癒えるものと癒えないものがあります。癒える傷を負うことまで恐れていれば、先へ進むこともできなくなります」
ぼそぼそと小鳥と江雪が言葉を交わす。話自体は聞いているようだ。
「…刀は、折れない限り手入れで直る」
「でも、怪我をしたら痛いんだろう」
「おそらく」
骨喰はまだ負傷したことがない。
「痛いのはよくない」
「身を切られる痛みなど、心に比べれば…」
「だが、戦うとはそういうことだ。こちらが傷つかないためにあちらを傷つけている」
こてり、と小鳥は首を傾げる。
「戦いはよくない?」
「俺たちは戦うためにいる」
「難しい問題でございますね…確かに、"よいこと"ではないでしょうし」
「戦いは、良くないことです」
「その辺あんま深く考えんなよ、小鳥。どうせ俺たちのやることは変わらないんだ」
「・・・」
小鳥は薬研をじっと見る。
「正しくても間違ってても、刀ってのは所詮戦の道具だ。戦が本分、戦うのが役目、人の命を奪うために生まれたもんだ。いくら、今此処にいる俺たちが人間と同じ姿をしてても、な」
「…刀は、生まれた意味がきちんと備わっているのか」
その言葉の真意を察せたのは江雪だけだった。彼は僅かに目を細め、小鳥の頭を撫でた。
「薬研はそう解釈している、という話だろう」
「刀として、戦に出たことのないものもいるそうでございますから…」
「ああ、守刀として作られたやつは俺みたいな戦場育ちとはまた違う解釈をしてるだろうな」
本丸はじーちゃんのハーレムだったんだよ!\な、なんだってー!/
小鳥はナチュラルクレイジーではあるけど倫理観自体はある 記憶喪失なので知識はある あくまで忘却であって消去ではないので思い出す可能性自体はある 感情がないわけではない。表現できないだけ