Fate/kaleid caster ドラまた☆リナ   作:猿野ただすみ

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大変長らくお待たせ致しました。久々の本編(過去編ですが)再開です。


Fate/ZERO -Kaleidoscope-

≪リナside≫

切嗣さんの話によると、彼はここ、冬木で開かれるはずだった第四次聖杯戦争のためにイリヤの実家、アインツベルン家に雇われた傭兵だったそうだ。切嗣さんは[魔術師殺し]と呼ばれ裏の世界では有名だったため、アインツベルンが目をつけたらしい。

だがここで、イレギュラーが起こる。切嗣さんと、アインツベルンの聖杯でもあるアイリさんが、恋に落ちたのだ。そしてイリヤが産まれたわけだ。うん、あたしの大人な部分が、そこんとこ詳しく聞きたがってるけど、話の腰を折ってしまうので、ここはぐっと我慢する。

ともかくイリヤが産まれたことで、ふたりに迷いが生じた。何故なら、このまま聖杯戦争を行えば少なからず、アイリさんは聖杯と成って家族の許には戻れない。最悪、切嗣さんだって命を落とすかも知れない。そうしたらイリヤはひとり、アインツベルン家に残されることになるのだ。

そんな思いを抱えつつも、聖杯戦争の準備は着々と進んでいく。

 

そしてある日、とんでもない記録を目にすることになる。それは第三次聖杯戦争についてのもの。アインツベルンはこの聖杯戦争において、神を召喚するという無茶な行為に出る。[復讐者(アヴェンジャー)]というクラスで召喚されたそれは、[この世全ての悪たれ]という概念(のろい)を押し付けられた[アンリ・マユ]の紛いものの、人間の霊だった。

当然その様な者が勝ち残れるはずもなく、三日目にして敗れるのだが、彼を取り込んだ聖杯が彼が受けていた呪いを叶え、聖杯は穢れてしまったそうだ。

 

これを知った切嗣さんを失意が襲う。それは、切嗣さんの願いが叶わないことを意味していたから。

その様なことは関係なく時間は進み、アインツベルンはサーヴァント(英霊)を呼ぶための聖遺物を用意した。アーサー王の剣エクスカリバーの、その鞘だ。あとは召喚をするだけ。だけど召喚を済ませたら、もう後戻りは出来ない。

そんなおり、アイリさんは言った。アインツベルンを捨てよう、聖杯戦争は諦めよう、と。

切嗣さんはその提案を呑んだ。既に夢は断たれている。それならイリヤのために生きよう。切嗣さんはそう決断した。

 

アインツベルンからの逃亡の際、産まれてから八ヶ月間のイリヤの記憶を消し、聖剣の鞘と第三次聖杯戦争を記した記録を奪い、ふたりに賛同してくれたセラさんとリズさんを連れて日本へ向かう。拠点となったのは、今あたし達がいる武家屋敷で、手配したのは舞弥さんだ。

切嗣さんたちが冬木に来た理由は、聖杯戦争を止めるため。切嗣さんは聖杯戦争について洗い直していく。そして聖杯戦争の監視役である聖堂教会と遠坂の繋がり、遠坂と間桐の繋がりを知る。

 

切嗣さんはまず間桐のひとり、ワカメ…もとい、慎二さんの伯父、雁夜さんと連絡を取った。雁夜さんは遠坂から養子に出された桜ねーちゃんが酷いこと…、以前聞いた虐待と言っていい教育ってやつだと思うけど、それをされてる事に憤りを感じてたそうだ。

雁夜さんは切嗣さんに協力するにあたり、条件を出した。それは全ての元凶、間桐臓硯を倒すこと。これは、聖杯戦争を止めようとしている切嗣さん達にとっても、利がある事。切嗣さんはその条件を呑むことにした。

 

次に接触したのが凛さんのお父さん、遠坂時臣さん。時臣さんは最初、聖杯戦争を止めようとする切嗣さん達に腹を立てていた様だけど、聖杯が汚染されていることを資料付きで説明したら、とてもショックを受けてたみたい。切嗣さん曰く、おそらく自分もあんな表情をしてたんだろうということだ。

更に桜ねーちゃんの事と雁夜さんの事を話して、ようやく切嗣さん達に力を貸してくれることになったそうだ。

 

切嗣さんは雁夜さんに連絡をとって桜ねーちゃんとワ…慎二さんを確保、時臣さんが臓硯と対峙、外へと誘き出し、切嗣さんが特殊な弾丸で狙撃し倒した。

桜ねーちゃんと慎二さんは、雁夜さんが引き取ることで話がついたそうだ。

 

聖杯戦争が始まるのよりだいぶ前から来ていたためか、その後はしばらくの間、その他の魔術師達に動きは無かったらしい。とはいえもちろん、切嗣さんは監視の手を緩めたりはしなかった。

その間にも時臣さん、雁夜さんと相談をし、一体だけサーヴァントを召喚することになった。切嗣さんの聖遺物でアーサー王を呼ぶか、時臣さんの聖遺物でギルガメッシュ王を呼ぶかで悩んだものの、気難しそうなギルガメッシュ王よりアーサー王を呼ぶことになった。召喚されたアーサー王は、聖杯の真実を聞き激しく落胆したが、切嗣さん達の意志には賛同してくれたそうだ。

そしてある日、舞弥さんが一人の男に目を着ける。男の名前は雨生龍之介。一見ただのチャラ男だが、その正体は当時冬木で多発していた猟奇殺人事件の犯人だった。

最初はたまたま接触しただけだったようだが、偶然視界に入った彼の手の甲に、令呪の兆しが浮かびあがっていたそうだ。

---令呪。それは召喚した英霊をサーヴァントとして使役するための、三画の聖痕(絶対命令権)。それが浮かびあがっていたということは、聖杯に選ばれたマスターだということ。

本来ならば、彼は即座に処分されていたに違いない。しかし状況は、予断を許さなくしてしまう。倫敦から時計塔のロード、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトがやって来たのだ。

ここで切嗣さんの陣営はミスを犯す。それは先代のエルメロイ、ケイネスへの警戒を高めたために、雨生龍之介から目を離してしまったこと。その僅かな隙に、彼はとある一家を惨殺してしまう。

それに気づいた切嗣さんが駆けつけたとき、雨生龍之介はあやふやな詠唱でサーヴァントを召喚してしまう。切嗣さんは雨生龍之介を仕留め、アーサー王が召喚直後で反応の遅れた、キャスターと思われるサーヴァントを斬り捨てた。最初の脱落したサーヴァントである。

唯一生き残った男の子から事件の記憶を消し去り、その場から立ち去ったそうだ。

 

しかし、聖杯戦争への流れは止まらない。聖堂教会の言峰綺礼という男はアサシン、ケイネスはランサーを、そして現在のロード・エルメロイⅡ世、ウェイバーさんはライダーを呼び出した。

 

ランサーを誘い出し、ランサー…、ディルムッドと戦っていたアーサー王だったけど、そこにライダーが割って入る。

ライダーの正体は征服王イスカンダル。彼はアーサー王とディルムッドを配下として勧誘したらしい。それはさすがにどうだろうと思うけど、その性格がある意味功を奏する。

イスカンダル、そしてウェイバーさんにも聖杯の説明をすると、条件付きで切嗣さん達に力を貸してくれることになったのだ。その条件は、最後の二騎となった時、アーサー王と闘うこと。

彼の本来の願いは受肉して、再び世界制覇を目指すことだったが、それが叶わぬのなら、と提案したらしい。もちろんどちらが勝とうと、聖杯は処分するという前提だ。切嗣さんは自己強制証明(セルフギアススクロール)も用い、互いの共闘関係を結んだ。

 

その後、ケイネスとも接触したものの、彼は戦いをやめる気はなかった。彼は魔術師としての箔をつけるために参加しており、むしろ聖杯戦争を止めようとしている切嗣さんを激しく罵ったそうだ。

交渉の決裂を見て、切嗣さんはケイネスと戦うことを決意した。そしてそれはケイネス側も同様で、不完全とはいえこの戦いを征することで、自らの威を示そうという意図があったのかも知れない。

 

冬木大橋の梺、未遠川縁での戦闘。

ウェイバーがケイネスに問い質す。なぜ危険な聖杯をそのままにするのか。

ケイネスは答える。魔術師とは目的のために、如何なる犠牲も厭わないものだと。

そして続けて言う。『もし聖杯戦争を止めたいのなら、私を止めて見せよ。されども己が実力を見誤るなかれ。ウェイバー・ベルベットよ、三流には三流の役割があると心せよ!』と。ケイネスは典型的な魔術師であると同時に、優れた指導者であったようだ。……性格は難があったみたいだけど。

 

アーサー王とディルムッドの激しい戦い。イスカンダルは裁定者の如く、傍観に徹する。と、突如のアサシンの襲来。百にも及ぶアサシン達。もしかするとイリヤたちが遭遇したのと同じか? そんなアサシンに包囲される。

苦虫を噛みつぶしたような顔をするケイネス。どうやら、同盟を結んでいた言峰綺礼の独断だったらしい。

しかしここでイスカンダルが動く。イスカンダルは魔術の最奥、[固有結界]を発動し、アサシン達を引き連れウェイバーさんと共に結界に消えていった。

 

戦いはアーサー王が優勢に傾く。[必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)]で傷付けられながらも、[破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)]を弾き飛ばし胴を薙ぐ。致命傷にはならなかったものの、かなり深手の傷を与えることができた。[必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)]の呪いで受けた傷は癒えないものの、槍を破壊するかディルムッドを倒せば呪いは消えるので問題はないはず、だった。

だがここで、ケイネスが令呪を二画使用し願う。『我がサーヴァントの傷を癒し、狂化を与えよ!』と。

狂化によるブーストを受け、優劣が逆転、アーサー王が防戦一方となる。切嗣さんも令呪を使おうとした、その時。突然現れたアサシンが背後から切嗣さんに襲いかかった。どうやらこのために一体残していたらしい。

不意を突かれ反応が遅れる切嗣さん。それを救ったのは、間に割って入った時臣さんだ。

けれど、その代償は大きく。時臣さんが受けたそれは、致命傷だった。

なおも攻撃を仕掛けようとし、しかし突然撤退するアサシン。次の瞬間にはイスカンダルとウェイバーさんが、固有結界から帰還した。

深手を負い、もう助からないと自覚した時臣さんは切嗣さんに、凛さんと桜ねーちゃんの未来を託して息を引き取る。戦いの姿勢を崩さず、振り返りすらしなかった切嗣さんだったが、小さく頷いた。

そんな切嗣さんが、不意にウェイバーさんを見る。そして問う。ケイネスの魔術師生命を奪う。最悪命を絶つつもりだ、と。もしそれを受け入れられないのなら、猶予を与えるから寝返ってもいいとも。

ウェイバーさんは悩むも、切嗣の元に残ることを決めた。この地で出来た、大事な人達を守りたかったがために。そして同時に、三流である事を認めざるを得なかったウェイバーさんが切嗣さんに全てを委ねた瞬間でもあった。

 

アーサー王とディルムッドの闘いとは別に始まる、切嗣さんとケイネスとの闘い。それは徐々に切嗣さんが追い詰められてゆき、しかし決め手がない状態で進められていった。やがて切嗣さんが大きな隙をつくり、それを見逃さなかったケイネスが強力な魔術を駆使して止めをさそうと()()()()()()

そう。誘われていたのはケイネスの方。強力な魔術を使うために全開にした魔術回路。その瞬間に放たれた切嗣さんの奥の手[起源弾]。それは魔術回路を切断し、滅茶苦茶につなぎ合わせてしまう。つまり魔術行使が出来なくなるという、魔術師にとっての死を意味するもの。

突然魔力供給が断たれた一瞬の混乱の隙に、アーサー王が[必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)]を砕き、ディルムッドの胴を薙いだ。地に伏すディルムッド。

 

仰向けに倒れたケイネスに近づき、負けを認めディルムッドを自害させるように告げる切嗣さん。それでも負けを認めようとしなかったケイネス。

そして次の瞬間。令呪が刻まれた腕がもぎ取られ、胸にはダークが突き立ち、ケイネスは絶命する。やったのは当然、アサシンのサーヴァント。切嗣さん達から離れて立つ、アサシン。その隣りには、神父の礼服を身に纏った男。言峰綺礼だ。

令呪が奪われたことに気づいた切嗣さんがアーサー王に、ディルムッドに止めをさすように告げようとするが時既に遅く、綺礼と再契約されたディルムッドは復活し、[破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)]を回収すると共に霊体化して、綺礼達と共に逃げ延びてしまう。

 

舞弥さんによって保護されたケイネスの婚約者は、切嗣さんの計らいでロンドンへと送り返された。念のための護衛に舞弥さんも一緒に。




今回のサブタイトル
Fate/stay nightの前日譚「Fate/ZERO」+宝石翁の別の二つ名「カレイドスコープ」から



今回はちょっとした補足を。

とんでもない記録……正史と大きく違える原因その1。リーゼリットが、資料を仕舞っていた隠し部屋の掃除のため認識阻害が薄れたところで、切嗣が偶然通りかかり発見した。

エクスカリバーの、その鞘……正史と大きく違える原因その2。正史よりも早い段階で確保した模様。

アインツベルンを捨てよう……プリヤ・ツヴァイの例のシーン。正史と大きく違えるのを決定づけた。当時のイリヤが生後八ヶ月というのも、違える原因その3であると言える。

召喚されたアーサー王……切嗣が誠意ある対応(笑)をしたため、互いの関係は悪くなく、切嗣の提案にも乗ってくれた。

特殊な弾丸……ご存知起源弾。因みに臓硯はまだ、桜に自身の本体を移してなかった模様。

キャスター……消滅の間際、「おお、ジャンヌ…」と言ったとかなんとか。

ランサーを誘い出し……聖杯戦争は始まってないので、誘い出す(おびき出す)側が逆転した模様。

狂化を与えよ……バーサーカーへのクラスチェンジではなく、FGOのバーサクサーヴァント状態。令呪でクラスチェンジ出来るのなら、クラス分けの意味がない。是非も無いネ!

切嗣さんに襲いかかった……どうやら現状の切嗣を知り、言峰の興味は薄れた模様。

寝返ってもいい……自己強制証明には「許可のない限り」と記していたため、切嗣が許可すればウェイバーがケイネスに着くことは可能。どうもこの切嗣は甘い、というか甘くなったようだ。

大事な人達……(ZERO)の老夫婦である。

一瞬の混乱の隙に……普通ならそれでも躱すなりしていたと思われるが、バーサク状態であったためにそれも適わなかった。

ケイネスの婚約者……というわけでソラウは生存してます。けれどディルムッドのせいで、おそらく現在も未だに独身。





というわけで過去編続きます。

次回「Fate/ZERO Requiem -Kaleidoscope-」
見てくんないと、暴れちゃうぞ!(これも久しぶりだなぁ)
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