Fate/kaleid caster ドラまた☆リナ   作:猿野ただすみ

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遅くなりました。どうしても話が長くなるので、イリヤ編はもう1話増えます。


何よこれ? イリヤ目にする物語

≪イリヤside≫

気がつくとわたしは、周りを木々に覆われた道の真ん中にいた。

ここ、一体どこだろう? そんな事を思いながら辺りを見回していると、道の向こう側からひとりの女の人がやって来た。その人は、わたしよりも少し年上で、長い赤毛に黒いバンダナ、大きなマントにショルダーガードという格好をしている。

……というか、この人ってまさか。

するとそのお姉さんは立ち止まり、声をかける。

 

「そろそろ出てきたらどう?」

 

お姉さんが言うと同時に、大きな片刃の剣を手にした、右目に眼帯をした男が現れた。この見た目、異世界ファンタジー物の定番、盗賊だよね?

二人の会話を聞くとこのお姉さん、盗賊団を壊滅させてお宝を奪ったそうだ。そうして泣きつく盗賊に、お姉さんは言った。

 

「悪人に人権は無い!」

 

……!!

やっぱりそうだ! このお姉さんは前世のリナ、リナ=インバースだ!!

こうして話が進むうちに、盗賊達に囲まれて。やがて、いつだかリナが語ってくれたように現れる、長い金髪のイケメン剣士。彼が剣を振るい倒される…、おそらく、命を奪われる盗賊達。目を逸らしたくなる気持ちを抑えて、わたしはその様子を見続けた。

前世で人を殺したことのあるリナを受け入れたんだ。だったらここから目を背けちゃいけない。そんな事をしたら、リナを否定することになるから。

やがて盗賊たちを撃退して、なんだか噛み合わない会話をしてから。

 

「オレはガウリイ。見ての通り旅の剣士、傭兵だ」

 

イケメン剣士のお兄さんが自己紹介をする。……やっぱりこの人、前世のリナの旦那さん、ガウリイさんだった。

それにしても。さすがにいい加減、わたしも気がついた。二人には…ううん、ここの人達にはわたしの姿が見えていない。もっと言えば、わたしはこの世界に存在していない。きっとどこかズレた場所から、この世界を覗いているんだと思う。

そんな事を考えている間にも、ガウリイさんが歩き出した。そして少し進んでから振り返って。

 

「そうだ、聞き忘れてた。お嬢ちゃん、名前は?」

「リナよ! あたしの名前はリナ=インバース!」

 

リナが答えて駆け出すのだった。

 

 

 

ふと、場面が切り替わる。どこかの村で、逃げ惑う人々。そこにはブラックドラゴンが襲来していて、リナとガウリイさんがそれと対峙する。色々あってリナが身動きとれなくなって。近づいてきたドラゴンはリナを踏みつけようとして、不意に歩幅を変えて、リナを跨いで通り過ぎていった。……なんか、前にもこんな展開見た様な。

そして予想通り、怒ったリナがあの呪文を唱え始めた。

 

黄昏よりも昏きもの

血の流れより紅きもの

時の流れに()もれし

偉大なる汝の名において

我ここに 闇に誓わん…

 

ここまで聞いて、わたしは違和感を感じた。そう。唱えた呪文が少し違うんだ。

わたしの知ってる呪文は、「時の流れに(うず)もれし」「偉大な汝の名において」である。些細な違いだけど、わたしにとっては大きな違いな気がする。

 

我らが前に立ち塞がりし

総べての愚かなるものに

我と汝が力もて

等しく滅びを与えんことを

 

リナが、呪文を唱え終わり。

 

竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!」

 

[力あることば]と共に術を発動させた。でも、やっぱり違う! 私が前に見たドラグ・スレイブは、赤い光が相手に収束して爆発してたけど、こっちではリナの掌から一直線に放たれた赤い光が、相手に当たると同時に爆発をした。

そうか、ようやくわかった。この世界は、わたしの親友のリナがいた世界じゃない。並行世界のスィーフィード世界なんだ。

 

 

 

また場面が変わる。話に聞いてた様にリナは捕まり、そのアジトでセクハラまがいの拷問を受けそうになってた。いや、魚人(大きな魚に人間の手足が生えた、パプワくんに出てくる様なのだけど)にキス…っていうか、上半身丸呑みされてたけど。

ともかくそんなリナを、ゼディルガ…じゃない、ゼルガディスさんが解放して一緒に逃げ出して。そこでまた場面が変わった。

 

 

 

目を閉じたままの男の人…赤法師レゾさんが大きな魔法陣の上で、黒い石…[賢者の石]を使った儀式をしている。するとその石が砕け、瘴気が赤法師さんに集まっていって、閉じられていた目が開いた。けれどその瞳は真っ赤に輝いていて。そして魔王が復活した。

 

 

 

場面が変わってどこかの食堂。リナ達が作戦会議をしている。だけどゼルガディスさんもガウリイさんも、かなり悲愴的な決意で挑もうとしている。リナは、自分は死にたくないと言って、ガウリイさん達も強制しないって言った。けど、わたしは知ってる。リナはこんな事で尻込みする人じゃないって。そして、リナは言う。

 

「たとえ勝てる確率が1%だとしても、消極的な根性(こんじょー)で戦えば、その1%も0になる。あたしは絶対に死にたくない。だから戦うときは、必ず…勝つ!」

 

並行世界でも、リナはやっぱりリナだった。

 

 

 

場面が変わって。リナが光の剣を手にしている。ただ、その光は黒く染め上げられていて。リナが話していた、闇の魔法を乗せているんだろう。

 

「赤法師レゾ、選びなさい。このままシャブラニグドゥに魂を(くら)い尽くされるか、自らの(かたき)を討つか!」

 

リナはそう問いかけて。リナが振るった剣と魔王の攻撃がぶつかり合って。そして髪が白くなりながらも、リナは魔王を倒した。

 

 

 

また場面が変わる。セイルーンの第一王位継承者…リナが王子様って言わなかった理由がわかった…フィルさんと出会い。実はお家騒動で命を狙われてたフィルさんとアメリアさんが合流して、色々とあって野望は打ち砕かれた。

 

 

 

場面が変わり。セイルーンに到着したリナ達に、なんと懸賞金がかけられていた。アメリアさんとフィルさんに疑われていたのは、まあ、わたしにも擁護できないや。ごめん、リナ。

それはともかく、リナとガウリイさんの前に現れる魔道士のヴルムグンと賞金稼ぎのザングルス。更にアメリアさんがそちらに加わって色々あったけど、取りあえずその場は何とか納めて、首謀者がいるっていうサイラーグへ向かうことになった。アメリアさんを仲間に加えて。

 

また場面が飛んだ。サイラーグに着いたリナ達がシルフィールさんと出会い、エリスっていう女性の手で指名手配を受けたのがわかった。リナが屋敷へ乗り込み戦闘になって、窮地に陥ったところで現れたのがゼルガディスさん。だけどなんと、赤法師さんまで現れる。

 

 

 

場面が変わって街の中。さっきの続きか別の状況かはわかんないけど、リナ達が赤法師さんと戦ってる。あ、シルフィールさん。いつの間に…。

そしてそんな中、赤法師さんがとんでもない魔力を放出し始める。それに気づいたリナ達が、風の結界を張って上空へ逃げていく。……って、わたしはどうすれば? ルビーもいないし、今から走っても絶対間に合わない気がするんですけどっ!?

そしてわたしは、爆発に巻き込まれた。いや、何のダメージも無いけど、めっちゃ怖かった。

……けど、それよりも。爆発が治まった後の光景の方が、遥かにショックだった。それは数キロ四方の地面が深く抉れ、そこに建っていた建物の痕跡すら無くなっていたこと。この人が本物の赤法師さんかどうかはわかんない。でも、途轍もない存在なのはわかった。

 

 

 

場面が変わる。多分、どこかの迷宮の一室だと思う。そこには…!? ど、どうして!? エリスさんが血溜まりを作って横たわって…!

そこへ赤法師さんが攻撃を加えて…。次の瞬間には、エリスさんの姿は跡形も無く消えていた。

 

 

 

場面が変わり、ガウリイさん達が半透明の魔物を纏った赤法師さんと戦っていた。何故かリナとシルフィールさんの姿は見えない。

ゼルガディスさんとガウリイさんが、赤法師さんから攻撃を食らう。そして、落ちた光の剣を拾ったアメリアさんが赤法師さんの真上に向かって放り投げ、呪文を唱える。って、これってリナが二重夢幻召喚(デュアル・インストール)で使ってた…。

 

崩霊裂(ラ・ティルト)っ!!」

 

やっぱり! そして光の剣で増幅された術が赤法師さんに決まる。

 

「とどめ! 平和主義者クラッシュ!!」

 

出たよ。平和主義者クラッシュ。あっさりカウンターで返されたけど。

そして、現れるリナ。その手には派手な装飾が為された剣が握られていた。

 

 

 

場面が変わる。とはいえ、それほど飛んだわけじゃないみたい。赤法師さんとガウリイさんがぶつかり合っていて、そこへ上空からの落下速度を上乗せしたリナが赤法師さんへと突っ込んでいって、剣を突き立てた。

こうして赤法師さんとの二度目の戦いに決着が着いた。

 

 

 

その後も、何度も場面が変わっていく。

ゾアナ王国を壊滅して王女のマルチナさんに狙われたり、ゼロスさんと出会ってタリスマンを買い取ったり(詐欺同然だったけど)、セイルーン王国の事件を解決したり。

 

 

 

やがて竜の峰(ドラゴンズ・ピーク)異界黙示録(クレアバイブル)に触れて、リナは[金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)]の真実を知る。そして突如現れる魔竜王。

 

 

 

場面が変わり。

 

悪夢の王の一片(ひとかけ)

世界(そら)の戒め解き放たれし

凍れる黒き虚ろの刃よ

我が力我が身となりて

共に滅びの道を歩まん

神々の魂すらも打ち砕き

 

神滅斬(ラグナ・ブレード)!!」

 

リナが闇の刃、何度か見た魔王剣(ルビーアイ・ブレード)金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)版で魔竜王を切り裂いた。でも、その後のみんなの会話を聞いて、フラグだなぁ、とか思ったらやっぱり生きてた。ところが。更に冥王が現れて、魔竜王は倒されてガウリイさんが攫われてしまった。

 

 

 

場面が変わって。リナがお宝を背負って歩いている。うん。多分盗賊いぢめをしたんだろう。すると茂みが揺れてファイアー・ボール一発。でもそれはなんと、シルフィールさんだった。

シルフィールさんが言うには、サイラーグには街が出来ていて、だけどフラグーンはなくなっているらしい。そしてシルフィールさんは、噂を確かめるためとガウリイさん救出の為に旅に同行した。

 

 

 

場面が変わる。薄暗い広い空間にリナと冥王の姿。周りのクリスタルの中には、ガウリイさん達が閉じ込められている。そしてリナは。

 

闇よりもなお昏きもの

夜よりもなお深きもの

混沌の海よ

たゆたいし者

金色なりし闇の王

我ここに汝に願う

我ここに汝に誓う

我が前に立ち塞がりし

全ての愚かなるものに

我と汝が力もて

等しく滅びを与えんことを

 

あの呪文の完全版を唱える。そしてリナは[金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)]に乗っ取られて、リナが話してたのとはちょっと違ったけど、冥王は滅び、そして場面が変わった。

 

 

 

今度は港町。船上から小柄な竜と対峙しているリナ達。アメリアさんがドレス姿なので、多分また再会して事件に巻き込まれたんだと思う。

それはともかく、リナが例によってドラグ・スレイブをぶっ放す。そして。大津波が発生して港町は壊滅、船も舵が利かなくなって、外の世界へ旅立つという名目で逃げ出した。……ところで、外の世界ってどういう意味だろ?

 

 

 

場面が変わった。倒したと思ってた竜を追いかけるリナ達。そしてとある岩場で、その竜は人間の女性に変身した。名前はフィリアって言うらしい。

フィリアさんの説明によると、滅びの宣託を受け、それを阻止するためにリナ達の力量を測ってたそうだ。そしてリナ達は、世界を救う使命を託される。補欠の繰り上げで。もちろんリナは、最初は嫌がってたけど、国のお姉さんからの指名ということで、派手に取り乱した後、落ち着いてから渋々受けていた。……本当に、リナのお姉さんってどんな人なんだろ?

 

 

 

場面が変わるとそこには、ゼロスさんと角の生えた人がいた。その人の名はヴァルガーヴ。…ガーヴ? あれ? もしかして? この二人が戦い始めたところでまた場面が変わった。

 

 

 

今度はガウリイさんとヴァルガーヴが対峙してる。ガウリイさんは[光の剣]を、そしてヴァルガーヴは…[瞬撃槍(ラグド・メゼギス)]!? こっちじゃ[瞬撃槍]もスィーフィード世界に来てたの!?

二人が刃を合わせると、その光の刃が絡み合って暴走を始めた。

 

 

 

場面が切り替わって、どこか広い場所で白いヒゲのおじいさんとその他数名、そしてフィリアさんがいるところにリナ達がやって来る。会話からするとヒゲのおじいさんが最長老さん、つまりゴールドドラゴンの一番偉い人…じゃなくて竜みたい。

最長老さんはリナ達に上から目線で世界を託すと言ったけど、リナが突っぱねることを言う。こっちのリナはわたしの知ってるリナとはちょっと違うけど、それでもこういう時にはこういう事言いそうだと思う。だってリナは、どっちの世界でも自分の想いに真っ直ぐだから。

なんて事思ってたら突然、とっても背の高い男の人が現れた。アルメイスと名乗ったその人は、異界からやって来たという。その目的は、この世界にダークスターを召喚すること。って事はこの人、ヴォルフィード世界から来たって事? それにこの人の言動って、もしかしたらキャナルさんと同じ…。

 

 

 

場面が変わると、SFの培養ポットの様なものに入ったアルメイスさんがリナと話してる。アルメイスさんはやっぱり神族だった。その内容は、以前キャナルさんが話していたことと大体同じ。ヴォルフィード世界では魔王が勝って、だけど暴走した。

アルメイスさんはその魔王を倒すために、5つの武器を集めて魔王を分断、各個撃破するつもりだったみたい。ここら辺は、キャナルさんの話とは少し違うかな。

 

 

 

また場面が変わる。そこは五角形の屋上のような場所。そこの一角で、ヴァルガーヴがフィリアさんを無理矢理抱きかかえ、[瞬撃槍(ラグド・メゼギス)]を強引に握らせて、光を放つ大きな宝石のような所に突き立てる。すると振動と共に上空に黒い空間が広がる。

 

「あれが異界の門…」

 

リナが呟く。そしてそこから、黒い怪物が現れた。あれが、闇を撒くもの(ダークスター)…。

アルメイスさんが絶望する中、リナが歩き出す。そして、あの呪文を唱えだした。けれど。

 

……混沌の海にたゆたいし

金色なりし闇の王…

 

冥王の時に聞いたのと、少しだけ呪文が違う。多分こっちは不完全版の方なんだろう。

 

……我と汝が力もて

等しく滅びを…!?

 

リナがここまで唱えたとき、ゲートから二つの光が降り立って、それぞれ別の場所に設置されてる、[瞬撃槍]を刺したのと同じデザインの宝石に光の武器を突き刺した。その瞬間、ゲートが閉じ始め。光と爆風が荒れ狂った。

 

 

 

場面が飛んで、今度はどこかの遺跡らしいところの一室。そこには結界に覆われて弓が置いてあった。多分これも、ダークスターの武器なんだと思う。

この結界を破るには、神と魔の力を合わせた魔法でなければならないらしい。で、色々とあったけど、結局リナがラグナ・ブレードで結界を破った。まあ、[金色の魔王]って全ての母らしいから、その存在が[神]であり[魔]だもんね。

 

 

 

場面が変わると、弓を持ったリナを中心に、ガウリイさん、ゼルガディスさん、アメリアさん、アルメイスさんに雰囲気の似た神族の人がそれぞれ魔王の武器を持って取り囲み、ゼロスさんが魔の力、フィリアさんが神の力、それぞれの力を発生させる。それをリナが持つ弓が集束させていき。

 

闇の王が産み出せし

星を紡ぐ 五つの光よ

その力もて

黄昏よりも なお昏き存在(もの)

暁より なお眩き存在(もの)

導かれし力を束ね

我にただ 天空を貫く一条の矢を与えん

 

呪文の詠唱を終えて放たれた魔法の矢は、魔王(5分の1)を滅ぼし、スィーフィード世界は救われる。

ガウリイさんは光の剣を神族の人に返し、神族の人はヴォルフィード世界へと帰っていった。




今回のサブタイトル
ラノベ「スレイヤーズ」川柳風の章タイトルから

という訳で前書きにも書きましたが、イリヤが見ている世界の話はもう1話続きます。とりあえず今回はミレニアム前の作品、【無印】【NEXT】【TRY】の三作品です。次回は【REVOLUTION】及び【EVOLUTION‐R】ですね。

次回「異世界の 顛末見届け いざ行かん!」
見てくんないと、暴れちゃうぞ!
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