戦姫・戦王絶唱シンフォギア   作:ネプ音

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どーも、ネプ音です!
更新がとても遅くなってしまいすみません!!
けれど、このようにいつかは書くので末長く見ていただければ幸いです……。
それではどうぞ〜


PTBモジュール ②

「ティルフィング…。願いを叶え、破滅をもたらす呪いの魔剣…。一体、どのような聖遺物なの?」

 

調がキャロルに向かって聞く。

モニターを見ろ。と言いながら、キャロルは説明を始めた。

 

「ティルフィングは北欧神話に出てくる魔剣だ。どんな願いも3度叶えるが、同時に所有者の身を滅ぼすとされている。オレは呪いの力と願いを叶える力、2つの能力がある事に目をつけ、ティルフィングをコアに使用する事を決めた。」

 

それを聞いたクリスが反論する。

 

「待てよ。願いと呪いがあるのは分かったけどよ、それが何で獣の力と関係あるんだ?」

 

するとキャロルは溜め息を吐きながらクリスに言う。

 

「お前は待つという事が出来ないか?説明は最後まで聞くことだ。」

「な…、なんだとぉ!?」

「まあまあ、クリスちゃん。」

「雪音さん、落ち着いて。」

 

馬鹿にしたような態度を取るキャロルに、クリスが掴みかかろうとし、響と響也がそれを止める。

キャロルはそのままクリスを無視しながら話を続けた。

 

「呪いの力は願いの大きさに比例して強くなる。願いは3つしか出来ない。1度した願いは二度と消えない。この3つがティルフィングの特徴だ。願いの代償として払わなければいけない呪いを使って人為的に暴走を起こしている。」

「呪いの力を使用するだけならダインスレイフと何も変わらないという事?」

 

静かに頷きながら聞いていた調がキャロルに問いかける。

すると、キャロルは首を横に振り、調に言った。

 

「いや、違いはある。」

 

それを聞き、調は首を傾げる。

 

「違い?どんなもの?」

 

すると、キャロルは少し考えながら調に問いかけた。

 

「ダインスレイフを用いたお前らのギアは、装者の理性を保つためにセーフティが設けられ、段階的にセーフティを解除し、出力を上げる事が出来る様に設計してあるはずだ。違うか?」

「うん、段階ごとに出力を上げられるように設計されている。」

 

調が問いに頷きながら答えるのを見て、キャロルは、やはりな、と言い説明を続ける。

 

「そこがダインスレイフとティルフィングの違いだ。ティルフィングは、願いの力に比例して呪いの力も上がってしまう。もちろん、逆も然りだ。つまり、呪いの力を人為的に抑え込むと願いの力も抑えられてしまう。だから、PTBモジュールにはセーフティは組み込まれて無い。」

 

それを聞き、抑えられているクリスが少し前のめりになりながら問いかける。

 

「つまり何か?天塚は、あのとんでもねぇ破壊衝動を、自分の力だけで抑え込んでるってのか?」

 

それを聞き、キャロルがまた溜め息をつきながら、クリスの方を向き言う。

 

「何度言わせるつもりなんだ。話を最後まで聞けと言っているだろう。お前は学習出来ないのか?」

 

それを聞きクリスがプルプルと震え出す。

 

「ク、クリスちゃん?」

 

響が少し焦りながらクリスに呼びかける。

 

プチっ

 

そんな音が聞こえた気がした。

 

「おいバカ!!天塚!!離せ!!!私はこいつを蜂の巣にしなくちゃならねぇ!!!!」

「クリスちゃん!?流石にここで蜂の巣はまずいよ!?」

「そうですよ、雪音さん!事件は困りますよ!?」

 

そう言いながら、暴れるクリスを響と響也がより強く抑える。

キャロルはその光景を見て、再び溜め息をつき、調に向き直って、説明を続けた。

 

「暴走を制御するというのは必要事項だ。それが無いと本当に暴走してしまうからな。そこで、1つ目の願いを自分の精神の制御とした。願い分の呪いは受けるが、そこで発生する暴走を願いの精神制御によって制御し、尚且つ願いの力で制御している為、出力は落ちない。ここまでで、機能としてはお前達のシンフォギアとほぼ同等の力の物になる。利点は、セーフティを設けてないから、時間制限が無い事。欠点は、ダインスレイフを用いたギアよりも己の精神に頼るシステムになるから、暴走の危険がより大きい事だな。」

「そして、残り二つの願いを使用し、さらに強くなれる。それが獣の力とも関係してる?」

 

調がキャロルの話を聞き、続くであろう言葉を言う。

キャロルは少し嬉しそうに笑いながら調に聞く。

 

「お前、月読とか言ったな?」

 

調が頷きながら答える。

 

「そう、月読調。」

 

キャロルは響とクリスを指さし言う。

 

「お前は、あそこの理解度の無いバカと、話を聞かないせっかちとは違うようだ。気に入った。これからは月読と呼ばせてもらう。」

 

そう言いながらキャロルは説明を再開した。

 

「月読の言った通り、残りの2つの願いを使用し、さらに能力を上げられることが最大の利点だ。そして、それが獣の力…、モードビーストに繋がってくる。」

 

モニターの画面が再び変わり、2つの波形を映し出した。

 

「月読、これが何かわかるか?」

「ごめん、分からない。」

 

少し俯きながら調が言う。

 

「まあ、仕方が無いだろう。これは天塚がモジュールを抜剣した時の脳波とライオンの脳波だ。」

 

遂に謎に包まれた部分が解き明かされる。




最後まで読んでいただきありがとうございます!
また次回もいつになるか分からないですが、ぜひ見に来てください!!
それでは〜。

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