ありふれているさよなら   作:ひらそん

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第二回目は繰り返す伝統を見守るあのお方と伝統の一部に過ぎなかったはずの彼女。


輪廻

輪廻

ここに巫女を立てて時が来たら代えの巫女を立てる。

そして見守りまた代える。

現代のもので例えるとすれば育成ゲームのようなもの、私にとってこの仕事は代々の巫女は少女がゲームをプレイする時間程度。

勿論巫女の最後に何も感じない訳ではない。

 

-お疲れ様、あなたもまた私より先ね-

 

千年の間多少鈍る事はあっても思う事だ。

多少の期間ならば巫女が居なくてもなんとかなるので感傷に浸る。

彼女がいた日々を思い出す。

 

初めて修行をさせた日、初めて異変解決に出た日、酔い潰れた日。

まるで彼女の母親であるかのような思い出だが彼女は私の腰ほどの身長から私と同じ目線になりらそして腰が曲がり私より低くなった

 

「あれほど幸せだった日々が傷になってしまうのだものね。私は不幸よ。」

 

八雲紫の目からは涙がこぼれる。

最後に泣いたのはいつだったか。

それは、彼女達と月にちょっかいを出しに行った時。

 

「全く、巫女が生きている時にも泣いたのは初めてかもしれないわ。」

 

「紫〜」

 

後ろから気配もなくやってきたのは西行寺幽々子、紫の親友であり冥界の姫である。

 

「あら?その様子だと彼女の送りが無事に終わった報告かしら?」

 

「ご名答。紫への伝言もあるわよ。」

「あらあらあの子ったら...相当幽々子に無理言ったのね」

「生きてる人間の気持ちは分からないのだけれど一度お世話になっていますからね。」

 

-あの子ほど忙しかった巫女は居なかったかもしれないわね-

 

「では読むわよ〜、紫へ 貯金箱はお墓へ持ってくること...」

 

ふふっ

 

思わず二人の笑いがこぼれる。

 

そう言えばあの子が私になにか面倒な事を頼むことは無かったような気がする。

いつも楽園の巫女として成すべきことをこなし、それで当たり前であった。

歴代のどんな巫女でも解決できなかった異変は幾つもあった。

でも彼女はちゃんと解決しその後はちゃんと解け合えるように尽力していた。

 

-私もあの子に何度救われたことか-

 

幾多もの別れの中、彼女が特に鮮明に映るのは彼女が誰よりも優しく誰よりも寂しかったからだ。

自分が満たされた事は無かったのかもしれない、でも彼女のおかげで満たされた者は沢山居たのだ。

彼女を育てた八雲紫でさえも彼女に救われていた。

 

「傷にすべき別れではないわね」

 

紫は確かめるようにそう呟いた。

幽々子はそれを不思議そうに眺めていたが薄く笑みを浮かべた後に黙って消えてしまった。

 

そしてひとりになってしまった紫は最後にふたりになり

「ありがとう、博麗霊夢」

 

感謝がこぼれた。




実はこの話の前半は授業中に書いたのですがコピペして文字数を確かめたところ600字強しかなく...
後半はなんだか後付け感満載のダラダラした雰囲気になってしまったかも知れません。

さてすぐ意図をカミングアウトしてしまうと面白くないと思ったのでここからは前回の「解散」に込めたちょっとした工夫?というか遊びを紹介したいと思います。

タイトルの解散はもちろん秘封倶楽部の解散という事ですが桜が散る、メリーのもやもやした気持ちが解けるといった意味も込めています。

他にもこの短編集には私の遊び心が隠してあるので探してみてください( ˇωˇ )
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