東方仮面ライダーパラドクス GAME IS ANOTHER STAGE 作:桐生 勇太
主人公は四人です。
………………空中に瞬間移動した経験はあるだろうか?
ないだろう。
俺も今までなかった。
急な浮遊感とともに、意識を取り戻した。
「死んだはずの自分がなぜ」「ここはどこだ」
そう考えるよりも先に、固い地面と体が衝突した。
苦痛。
回転する景色と、幾たびも体のいたるところを覆う痛みの濁流。
階段だ。
よりによって階段の真上に落っこちたらしい。
繰り返す痛み。
何とか止まろうと体を動かそうとするが、疲労やゲムデウスとの戦いの痛みで体が全くいうことを聞かない。
勢いは衰えず、むしろ早まりながら、
階段を転がり続ける。
怪人体ではどうということはない程度の衝撃だが、人間態だとそうもいかない。
徐々に、俺はまたしても意識を失っていった………
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………………かすかに、感じる。
慌ただしげな足音。
その足音に合わせ、カチャカチャとなる食器の音。
そして、鼻腔をくすぐる料理の匂い。
米に、焼肉。匂いからして生姜焼き。
味噌汁と、漬物の匂い。
この感じだとたぶん生姜焼きの皿には一緒にキャベツかレタスが………
かつて感染した女の記憶が、馬鹿な思考を呼び覚ました。
目を開け、体をゆっくりと起こす。
こういう風な構造と雰囲気の部屋を、「ワシツ」と呼ぶのだったか。閉じられた障子が日の光を受け、ほんのりと部屋を明るくしている。
布団から完全に出て、その場で立ってみる。
疲労はあらかた消えていた。しかし、完全とは言えない。
差しあたって、俺を此処まで運び込んだ相手に礼を……と思い、障子を開けて部屋から出た。
………だが、タイミングが些か悪かった。
「うお…!」
「みょん!?」
出た瞬間、廊下で料理を運んでいた少女にぶつかってしまった。
………………なんだ、今の奇怪な叫び声は………?
とっさに宙を舞うお盆を取り押さえ、さらに飛んだ皿をお盆でキャッチする。。
多少盛り付けがずれたが、上手くキャッチできた。
「すまない、大丈夫か?」
目の前で大道芸擬きのようなことをした俺を見て面食らっている少女に話しかけた。
小柄な、白髪の少女。白いシャツに青緑色のベストで、胸元には黒い蝶ネクタイを付けている。
「は、はぁ………いつの間にお目覚めで?」
質問を質問で返すなと言いたいが、相手は多分恩人。ここは話を合わせるのが筋だろう。
「ついさっきだ。外の様子を見ようとしたら、おま…君が来た。料理が崩れたな。すまない」
そう言って料理を差し出すと、困惑しながらも受け取ってくれた。
「いえ、………お元気になられてよかったです。丸一日寝てましたから、心配しました」
丸一日………そんなに寝ていたのか。道理で外が明るいままなわけだ。
「朝ごはん、食べますよね!?どうぞ、こちらです!」
「え、い、いや、俺は………」そこまで言いかけ、口をつぐんだ。好意を無下にするのはいかがなものか、と。
「………………ありがたく、頂こう」
これでいい。はずだ。
出された料理はありがたく頂き、残さない。
それもまた礼儀の一つと行っていいだろう。
「幽々子様!目を覚ましましたよ!それと、お食事にしましょう!」
障子を開け放ち、少女が叫ぶ。部屋の奥に、誰かが座っている。様と呼んでいるということは、主従関係なのだろうか?
「楽しみだわぁ、妖夢、今日のご飯は何かしら?………それと、あなたの話も聞きたいわね、お侍さん?」
ピンク髪のミディアムヘアーに水色と白の着物に同じ水色の帽子に白い三角の形をした布がついていて、どことなく幽霊のような見てくれだ。
そして、その女は俺の………師、海帝から授かった「蓬莱海・真打」を膝の上にのせ、妖艶な微笑みを向けてきた。
主人公は、後二人。