東方仮面ライダーパラドクス GAME IS ANOTHER STAGE   作:桐生 勇太

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お久しぶりです。遅れに遅れて申し訳ありません。


第25話:大異変

 パラド視点

 

「………早いな。まだ見えてこない」

 

 最速ではないものの、全力で飛んでもなかなか後ろ姿が見えてこない。

 

だが、気配は変わらずにこの先だ。

 

 そこに向かって飛び続ければ………!

 

「見えた…良し。【クロック・アップ】」

 

 体から高速移動を可能とする「タキオン」という粒子を発し、自分以外のあらゆるものの動きがゆっくりになったような錯覚を受ける。無論、本当は俺が加速しているのだ。

 

 落下する雨粒が止まって見えるほどの加速。

 

 仮面ライダーに変身せずとも、空が飛べて、さらにふざけた超加速もできる。おまけに、さらにその状態から「超加速」や「スタートアップ」と別の加速法を重ね掛けができるのだからもはやチートだ。

 

………いや、本来使えないはずの故人の能力が使えるのは、むしろ「バグ」か。

 

 さあ、姿が見えたなら、後は追いつくだけだ。

 

全身にさらに力を込め、速度を乗せようとしたその瞬間、斜め前を何かが通り抜けた。

 

「あ?」

 

 通り抜けた、ということは、俺よりも速いということになる。

 

 いや、速い。なんてもんじゃない。そんじょそこらの弾丸なんぞよりも遥かに速くなったのに、一瞬で追い抜かれた。

 

 その何かは、俺と同じように人間の体に翼が生えていた。翼の色は黒。

その相手は、急に停止し、何かを俺に向けた。その直後、光が瞬く。

 

「ッ!!………?」

 

 攻撃かと一瞬身構えたが、ただの光………と言うより、あれはカメラだ。

 

音より速く飛んでて、カメラ持ち? 何でそんなに化け物じみた奴がカメラなんて俗世的なものを…

 

「あやや~………身構えないで下さいよぅ…ぶれちゃいました」

 

「……誰だ? お前」

 

「う~ん、名乗れば怒られそうですし……誰でしょうねぇ?」

 

 それだけ言って、その相手は逃げ出そうとする。羽を広げ、トップスピードのなるその瞬間にこちらも加速。

 

 かつて仮面ライダー555に変身していた男、乾巧の変身形態のうちの一つ。「アクセルフォーム」10秒間のみの、移動速度1000倍のブースト。

 

先ほどまでこっちよりはるかに速く飛んでいた存在、それが移動するよりもはるかに速く動いた。

 

「いきなり盗撮しておいて逃げんじゃねぇよ。ストーカーか?オイ」

 

「これは……ちょっと、いえかなり驚きましたねぇ…一応私、幻想郷最速の天狗ですよ?」

 

「最速………ねぇ。確かに俺のいた世界じゃ、追いつける奴なんていなそうだ。トップスピードは俺以上みたいだしな」

 

 本当はナスカドーパントって奴の「超加速」や相手の体の動きを阻害する「重加速」、上位互換の「超重加速」も使えるけどそれは言わない。

 

「…で? 誰だお前?」

 

「ただの文屋ですよぅ。お写真を撮ったのを怒ってらっしゃるのなら、記事にはしませんからぁ」

 

「なぜそこで写真のデータを消すと言えないんだお前」

 

 わけわからん奴だが、敵意は特にはなさそうだ。無視でいいだろう。

 

「それよりも、だ…箒女………じゃなくて、黒い三角帽子被って、金髪でエプロン、箒に乗ってるやつ見なかったか? こっちの方向を飛んでたはずなんだ」

 

「ああ、魔理沙さんですね。いや~………追うのは今はやめといたほうがいいと思いますよ?」

 

「どういう意味…ッ!?」

 

 いきなり少し遠くで発生した光と、あちこちに飛びちる光弾。な、なんだ!?戦いでも始まったのか?

 

「あちゃ~…どうやら霊夢さんと衝突したみたいですねぇ」

 

「霊夢…いや、誰でもいいや。そいつと箒女が戦ってるってことか?」

 

「まあでも「弾幕ごっこ」ですし? 流石に魔理沙さんがお昼寝している霊夢さんの顔に落書きしたからと言って、攻撃力を備えた殺人用弾幕なんて使うはずが………」

 

 その直後、こっちに向かって飛んできた流れ弾が大樹にぶつかり、根にごっそりと大穴があいた。

 

「………これが「ごっこ」ってんなら、ずいぶんハタ迷惑な話だな?」

 

「………………これは………止めに入ったほうが良いかもしれませんねぇ」

 

 これでもしもドライバーが壊れでもしたらシャレにならないなと思いつつ、文屋を置いて加速して争いが繰り広げられている中心部分へ近づく。

 

「このっ……なんで当たらないのよ!」

 

「へっへーん! 今の私は早苗の奇跡で守られてるからお前の攻撃は食らわないぜ!」

 

「上等…奇跡ですら回避不能になるまで追い込んでやるわよ!」

 

 あたりに飛び散る光の弾、弾、弾。立体系の弾幕ゲーはあまり経験は無いが、規則性がある分本物の銃の乱射に比べてはるかに避けやすい。徐々に中心に近づくと、件の箒女と赤い巫女服を着た巫女を見つけた。

 

「頭に来たわよ………死を覚悟しなさい! 魔理沙!!!ラストワード【夢想天生】」

 

「うげっ!? それはずるいぜ霊夢!」

 

 ………後から聞いた話だが、この時の二人、巫女と箒女は通常なら捕まえられるような相手ではなかったらしい。片や【夢想天生】と言う技でありとあらゆるものから浮くことで完全なる無敵状態となる巫女と、奇跡の力に保護された箒女。どちらも…よりいうなら前者が特に「絶対的な力」としてこの世界で認知されるものであり、不可侵。まさしく世界の秩序と言っても過言ではないものだったらしい。

 

「らしい」と言うのはつまりその………この時の俺は相手の能力なんて理解してなかったから………

 

「ああ、いったんお前ら落ちつけって。事情はよく分かんねえけど俺はこの箒女に盗まれたものがるんだ。悪いけど俺優先じゃダメか?」

 

 両方の襟を掴み、空中でぶらんと持ち上げる。

 

相手の能力をガン無視するという壊れた能力。どうやらこの世界には強い存在には大抵何かしらの能力「程度の能力」があるらしく、俺はその能力を無視できるみたいだ。

 

余りの出来事に固まる巫女と箒女。衝撃的すぎてカメラで撮影するところまで思考が働かない文屋。俺を追って遅れて到着し、事の重大さに気が付いた東風谷。

 

………なんだかまたロクでもないことになりそうだ………




お読みいただきありがとうございました。
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