Go to the Top   作:東堂 鷹獅

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初めまして!処女作になります!いろいろ至らない点があると思いますが、温かく見守っていただけると嬉しいです


中学最後の試合

 

「ふぅ…」

俺、天野 翔は、神宮球場の選手控え室でイヤホンをつけ音楽を聴きながら大会のことを振り返っていた

東京大会では、苦戦しながらも優勝を飾った、俺たち松方シニアは全国大会出場を決めた

ちなみに、決勝で試合を決める勲章打となったのは、最終回0-2のビハインド 2アウト 2-3塁で、俺の放ったレフトスタンドへのホームランだった

我ながらよく打てたなと思う

チームメイトに揉みくちゃんされて大変だったけど

思い出すと少しにやけてしまう

勢いに乗った俺たちは、全国大会も破竹の勢いで勝ち進み、ついに今日決勝戦を迎える

相手は、北海道のシニアだ

情報によると、本郷政宗、円城 蓮司のバッテリーが中学生離れをしているらしい

本郷に至っては、140km/hを超えるストレートとスプリットがある

打者としては、めんどくさい相手だ

それでも、俺の中の闘志がメラメラと燃え上っているのがわかる

「今日で中学ラストだもんな…絶対勝つ」

テンション高めのアイドルの曲が流れているためか、気持ちが前向きになっているのがわかる

試合をしたくてたまらない

「翔さん!みなさんが待ってますよ!行きましょう!」

1人だったはずの控え室に扉が開くと、1つ下の後輩 九鬼 洋平が姿をあらわす

洋平は、前日の試合で先発をして、7回 被安打4 1失点の好投でチームを勝利に導いている

今日は、投げないと監督に事前に言われているため、サポートに回っているようだ

「おう。洋平悪いな。ありがとう」

俺は、音楽プレイヤーをバックにしまうと、グローブなどを持ってベンチに向かう

「主役は遅れてくるってか?」

 

「ははは。翔は全国でも相当な成績残してるしね。チームが何回助けられた事がわからないよ」

少し嫌味のこもった声をかけてくる男が、金丸 信ニ

うちの不動のサードで4番打者だ

ストレートにめっぽう強いが変化球はあまり得意としていない

守備もそこそこだ

そして、俺に賞賛の声をかけたのは 東条 秀明

このチームのエースであり、今日の先発だ

コントロールが持ち味で、打たせてとるスタイルの投手だ

また、バッティングも3番を打っており、センスの塊だと俺は思っている

「2人とも調子は?」

 

「俺は、いつも通りだ!今日こそお前より目立ってやる!」

 

「信ニのいつも通りは、あてにならないからね。俺は、正直言うと、少し疲れもあるし良くはないかな」

 

「秀明は結構投げてるしなー、しょうがないよ。リリーフは任せといて!」

 

「俺がマウンド降りる前提なのね…でも、翔が後ろのにいるってだけで心強いよ」

俺は、予選の時、3番ショートで出場して、また、リリーフを務めることも多かった

そして、全国大会は、打順を1番に上げてリリーフもこなしている

今日もそのスタイルでいくと言われてる

「それにしても、今日は多いな」

 

「ぁ?観客か?いつもと変わらないだろ」

 

「違うって。翔が言ってるのはスカウトのことだよ!」

信ニが言った通り、観客の数はさほど変わらないが、俺が気になっているのは、スカウトの数

メモやビデオを持ちながら試合開始を待つスカウトの数が明らかに増えている

「それだけ期待されてる試合ってことだよな」

 

「この試合は、翔もそうだけど、相手に本郷君がでてくるからね」

相手ベンチを見ると、目つきが少し怖い、威圧感が溢れている選手が腰をかけている

「あいつが本郷か」

こちらを睨んでいると思うのは気のせいだろう

「お前ら。そろそろ体動かしとけよ」

 

「「はい!」」

監督からの声がかかり、素振りをしたり、ペッパーをしたり、キャッチボールをする人に分かれる

秀明はキャッチャーを連れてブルペンに行く

俺たちは、会場入りをする前に、アップをしてきたため時間的に余裕がある

「信ニ」

 

「ペッパーか?」

 

「あぁ」

俺のルーティンは、試合前にペッパーをすることだ

バットコントロールに狂いがあれば、ここで修正する

信ニが軽くボールを投げてくる

俺は、バットの芯で捉えてライナーで信ニに返す

それを10球ほど行う

「調子よくねーか?」

 

「あぁ。珍しく調子いいみたい」

 

「それは、期待できそうだな」

信二と俺は、ベンチに戻る

相手チームのシートノックが始まった

「へぇ…流石にうまいじゃん」

 

「そりゃ、そうだ」

相手のシニアは守備のチームと言われている

大きな要因は、本郷と円城のバッテリーだと思っていたが、守備も相当鍛えられている

「さぁ、俺たちの番だ!行くぞ!」

 

「「おお!」」

相手のシートノックが終わり、俺たちの番になる

俺の声に呼応すると、ベンチからチームメイトが飛び出す

ボール回しをするが、みんなに緊張の色は見られない

 

これは、すごい試合になるぞ

俺は、そんな気がした

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