闇を司る転生者   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

台風で雨風が凄い!だからと言うわけではないのですが、少しでも気を紛らわせる事が出来るかもしれないと思い投稿しました。

今回は決勝トーナメントの前に行われた海馬とペガサスのデュエルですが、海馬とは悠也が対決します。

それと海馬ファンの皆さんには申し訳ありませんが今回悠也が海馬を思いっきりdisります。その理由は本編で。…


追記:青眼の亜種龍のルビがそのままだと文字数オーバーで出来なかったのでルビを振る単語を分けてます。

追記2:よく見たら【青眼の双爆裂龍】の第3の効果は「自身が攻撃した時」のみだったので展開を一部修正しました。



7話

ペガサス城の一室に寝ている悠也。ペガサスとのデュエルが終わった後眠りについた彼はそれまでの疲労が重なった所為で眠ってから丸一日が過ぎている。それでもまだ寝ているのだ。しかしその眠りも終わる時がきた。

 

 

コン、コン

 

 

突如扉にノックがかかる。その音で目を覚まし身体を起き上がらせる。

 

「(折角良い気持ちで寝てたのに)誰だ?」

 

「失礼する。休んでいるところ悪いがペガサス様がお呼びだ。至急来てくれ」

 

それだけ言うと扉を閉めた。

 

まだ起きたばかりで眠気が取れないが呼ばれたなら出向かないなと。それが一応礼儀ってものだ。

両頬を「パンパン」と2回叩き喝を入れ眠気を飛ばし部屋を出る。まぁまだ眠いから欠伸は出るけど。

 

部屋に入るとペガザスはワインを飲んで寛いでいた。

 

「おはようございマース、悠也ボーイ。疲れは取れましたか?」

 

「あぁ、お陰様でグッスリ寝れたよ」

 

「それは良かったデース。それで早速で申し訳ないのですが、ユーにはこれから海馬ボーイとデュエルをしてもらいたいのデース」

 

あぁ、そう言えば弟を取り戻すために遊戯とデュエルして勝ったからペガザスとデュエルするんだったな。しかし…。

 

「何故俺なんだ?お前が直接相手をすればいいだろう?」

 

「…海馬ボーイは遊戯ボーイと同じくらい強さを持つデュエリスト。貴方程のデュエリストなら彼と戦ってみたいと思っていると思いまして。それに私も貴方と海馬ボーイのデュエルを見てみたいのデース」

 

「……フン、本音は俺の使うカードが見たいからじゃないのか?」

 

「…フフフ、バレましたか。その通り。ユーが先程使用したカードは私の知らないカードばかり。それにここに来てからのデュエルでも知らないカードを使っていました。しかしあれが全部ではないでしょう?だから私は貴方が使うカード達をもっと見てみたいのデース」

 

まぁ知らないカードがあれば知りたくなるし見たくなるよな。その気持ちは大いに分かる。それに海馬瀬戸ーー俺はアイツが嫌いだ。確かにアイツは遊戯のライバルの1人にして知名度も高い。何より【青眼の白龍】使いとして知らない者はいないだろう(自分が元いた世界では)。だが俺は奴を許せない理由がある。

 

「いいだろう。その頼み受けてやる」

 

「オォ!Thank you、悠也ボーイ。それでは早速デュエルの準備を始めるとしましょう」

 

海馬、俺はお前がやった一つの行いに一度ガツンっと言ってやりたいんだよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

場所が変わり俺がペガザスとデュエルした部屋の前まで来る。ペガザスは俺に少しここで待っていてほしいとの事。多分最初から出て行ったら面白くないからだろう。

 

「待っていましたよ海馬ボーイ。早速デュエルを始めたいところですが、その前に紹介したい人がいマース。出て来てくだサーイ」

 

ペガザスに呼ばれ足を進める。観戦場所にはアメリカの国家柄のバンダナを巻いているサングラスを掛けた男、確かバンデット・キースとか言ったけ?そして武藤遊戯や城之内達がいた。

 

中でも俺の事を知っている遊戯、城之内、杏子は俺が出て来た瞬間驚きの表情をしていた。ペガサスと一緒にいる事が信じられないみたいだな。

 

「海馬ボーイ。今からこちらの彼、悠也ボーイが私の代わりにユーとデュエルをしまース」

 

「何だと!?巫山戯るなペガサス。俺はそんな小僧とデュエルしてる暇などない。さっさとこの俺とデュエルをしろ!」

 

「まぁそう言わずに。それに私は彼と先程デュエルをしましたが、結果は私の敗北でした」

 

「何だと!?」

 

この言葉に全員が驚愕する。相手の心を見通す力を持った千年アイテム【ミレニアムアイ】を持つペガサスに勝つことなんて不可能に近い。しかしそのペガサスが負けたとなれば驚かない方が無理か。

 

「海馬ボーイ。もし彼に勝つ事が出来ればモクバボーイは返してあげましょう。バット、負けた場合はユーには罰ゲームを受けてもらいます。どうしますか?」

 

「いいだろう。どんな奴が相手でも俺は自分のデッキを信じる!」

 

自分のデッキを信じる…今のお前にそんな事を言う資格があるのかよ。

 

「それではデュエルの準備をしましょう!」

 

例の如く上空からデュエルステージが降りてきて設置される。そしてお互いにデッキをセットしてカードを5枚ドローする。

 

「さて始めるとするか」

 

「御託はいい。貴様を倒し俺はモクバを取り返す!」

 

 

『デュエル!』

 

 

悠也

LP2000

海馬

LP2000

 

 

「先行は俺がもらう、ドロー。俺は【アサルトワイバーン】を攻撃表示で召喚」

 

フィールド上に全身が鋭い刃物で出来ているようなドラゴンが現れる。

 

 

【アサルトワイバーン】

効果モンスター

☆4

光属性/ドラゴン族

ATK1800

DEF1000

 

 

「更にリバースカードを一枚セットしてターンエンド」

 

 

悠也

LP2000

手札4枚

モンスター

【アサルトワイバーン】

ATK 1800

魔法・罠

伏せ×1

 

 

「俺のターン。俺は【復讐のソード・ストーカー】を攻撃表示で召喚」

 

海馬のフィールドに全身紫色で巨大な剣を持った悪魔のような見た目をしたモンスターが出現する。

 

 

【復讐のソード・ストーカー】

通常モンスター

☆6

闇属性/戦士族

ATK2000

DEF1600

 

 

「【ソード・ストーカー】奴のモンスターに攻撃だ!」

 

 

指示を受けた【ソード・ストーカー】は【アサルトワイバーン】目掛けて走りながら手前で高く飛び上がると持っていた剣を振り下ろした。

【アサルトワイバーン】は真っ二つに斬られ消滅した。

 

 

悠也

LP2000→1800

 

 

「フン、こんな茶番などとっとと終わらせてやる。ターンエンドだ」

 

 

海馬

LP2000

手札5枚

モンスター

【復讐のソード・ストーカー】

ATK2000

魔法・罠

無し

 

 

「なら俺のターン、ドロー。手札から魔法カード【ドラゴン目覚めの旋律】を発動!手札1枚を墓地へ送り、デッキから攻撃力3,000以上、守備力2,500以下のドラゴン族モンスターを2体まで手札に加える。俺は【伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)】を捨ててデッキから【青眼の(ブルーアイズ・)亜白龍(オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)】を2枚手札に加える。更に今墓地に送られた【伝説の白石】の効果発動!このカードが墓地に送られた時、デッキから【青眼の白龍】を一体手札に加えることが出来る」

 

 

【伝説の白石】

☆1

光属性/ドラゴン族

ATK300

DEF200

 

 

「何!?【ブルーアイズ】だと!?そのカードは世界に4枚しかないはず!しかも俺の知らない【ブルーアイズ】のカードまで!何故貴様が持っている!」

 

「その問いに答えてる暇はない。さらに俺は今手札に加えた【青眼の亜種龍】の効果発動。手札の【青眼の白龍】を相手に公開する事によって手札から特殊召喚する事が出来る。出でよ!【青眼の亜白龍】!」

 

俺のフィールドに【青眼の白龍】に似た白い龍が神々しく現れる。

 

 

青眼の(ブルーアイズ・)亜白龍(オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)

効果モンスター

☆8

光属性/ドラゴン族

ATK3000

DEF2500

 

 

「おい、あれ【ブルーアイズ】か!?」

 

「いや、似ているけど違う。全く別のモンスターだ」

 

【青眼の白龍】に似た【青眼の亜白龍】が現れた事によりギャラリーが騒めき始める。

もうとっくに気づいているだろうが今回のデッキは【ブルーアイズ】デッキ。今の海馬の奴を葬りにはこのデッキが一番相応しい。

 

「【青眼の亜白龍】で【ソード・ストーカー】を攻撃!【滅びのバーンストリーム】!」

 

【青眼の亜白龍】の口から【青眼の白龍】の必殺技に似た滅びのブレスが放たれ【ソード・ストーカー】を飲み込み消滅させた。

 

 

海馬

LP2000→1000

 

 

「クッ、己…」

 

「ところで一つ質問がある。さっきお前が言った通り青眼は世界で4枚しかないとされている。俺の持っているのを除いたとしてもお前はその内3枚を持っている。デッキに入れられる同じカードはルール上3枚までだ。じゃあもう1枚はどうしたの?」

 

「そ、それは……」

 

この質問に海馬は言葉が詰まる。そりゃあそうだ。答えようとしても答えられられないもんなぁ。

 

「答えない。いや答えられないの方が正しいか。だが俺は知っているぞ。その4枚目は……破ったんだよね、自分の手で。「敵になったら厄介になるかもしれない」と言って破り捨てたんだよなぁ、ビリッと」

 

これが俺が今の海馬を嫌う理由だ。遊戯の祖父とのデュエル後、デッキに入れられる同名カードは3枚まで。4枚目は障害になるという理由で彼らの目の前で破り捨てたのだ。カードを平気で破り捨てるような奴なんて【エクゾディア】カード5枚を海に投げ捨てた羽蛾と同じくらいの外道だ。

それに海馬が持っている3枚の【ブルーアイズ】達はどんな気持ちなんだろうな。同じカードが破り捨てられ、しかももし自分があの立場だったらと思っているんじゃないのかな?だがら本当は同胞(?)を破った奴と一緒にいるなんて嫌なんじゃないかな?

ペガサスへ目を向けるとなんか不機嫌な顔をしている。そりゃそうだろう。

デュエルモンスターズの生みの親として全てのカードは自分にとっては子供のような存在。それを破られて怒らない訳はない。

 

「「敵になると厄介だから」と言って相手が持っていた【ブルーアイズ】を破る奴なんかに【ブルーアイズ】を持つ権利があるか?ないね。いやそれ以前にカードを破り捨てるような奴がこのゲームをやる資格すらないんじゃないのかな〜。ねぇ〜、どうなの?ねぇ〜」

 

「黙れ!貴様のそんな話など時間の無駄だ!さっさとデュエルを続けろ!」

 

「図星を突かれて怒ったか。だがこの程度であの破られた【ブルーアイズ】の怒りが治ると思うなよ!カードを一枚伏せ終了だ」

 

 

悠也

LP1800

手札4枚(内2枚【青眼の亜白龍】、【青眼の白龍】)

モンスター

【青眼の亜白龍】

ATK3000

魔法・罠

伏せ×2

 

 

「俺のターン、俺は【青眼の白龍】を攻撃表示で召喚!」

 

 

青眼の白龍

通常モンスター

☆8

光属性/ドラゴン族

ATK3000

DEF2500

 

 

ホォ、ここで社長が愛し信頼する白龍様の一体がここで登場か。まぁ俺の【ブルーアイズ】デッキに対抗できるのはそのモンスターくらいしかいないから出し惜しみは無しにしたいのだろう。

 

「しかし【青眼の白龍】の攻撃力は【青眼の亜白龍】と同じだ。相討ち狙いか?」

 

「いや、違うな。俺は更に魔法カード【催眠術】を発動!これにより貴様のモンスターの攻撃力を800ポイントダウンさせる!」

 

【青眼の亜白龍】の前に丸い玉を糸で吊るした振り子が現れ左右にユラユラと揺れる。俺を眺めていた【青眼の亜白龍】は目が回り身体がフラつき始める。

 

 

【青眼の亜白龍】

ATK3000→2200

 

 

「【ブルーアイズ】よ、お前の力を奴に見せてやれ!『滅びのバーストストリーム』!」

 

【青眼の白龍】の口から滅びの閃光が放たれ【青眼の亜白龍】を飲み込んだ。しかし…

 

「甘いな。伏せカードオープン【ガード・ブロック】!モンスターが戦闘で破壊された時に発動!その戦闘で受けるダメージを0にし、その後デッキから1枚ドローする。よって俺にダメージはない。残念だったな」

 

「チッ、カードを一枚伏せターン終了だ」

 

 

 

海馬

LP1000

手札3枚

モンスター

【青眼の白龍】

ATK3000

魔法・罠

伏せ×1

 

 

 

「俺のターンドロー。手札の【青眼の亜白龍】の効果により手札の【青眼の白龍】を公開して特殊召喚。更に【青眼の白龍】を通常召喚」

 

俺のフィールドに【青眼の白龍】と【青眼の亜白龍】が並ぶ。これの2体が並んで観れるとは嬉しい。映画ではこの光景はなかったからな。

 

「そして俺は場の【青眼の白龍】と【青眼の亜白龍】を墓地へ送りーー」

 

「何!?自ら【ブルーアイズ】を墓地へ送るだと!?」

 

「おいおい、折角召喚した2体の【ブルーアイズ】を墓地へ送るって正気かよ!」

 

海馬に続いて城之内が俺の行動に文句をつけてくる。俺が召喚したモンスターを何の考えもなく墓地へ送ると思うのかな?

 

「待って!彼の【ブルーアイズ】達の間に渦が!」

 

お!杏子は気付いたようだな。そうこの行動はあるモンスターを召喚させるための下準備だ。

軈て2体の【ブルーアイズ】は渦に吸い込まれ、そして新たな姿にへと生まれ変わる。

 

 

「ーーー【青眼の双爆裂龍(ブルーアイズ・ツイン・バースト・ドラゴン)】を融合召喚!」

 

 

現れるは【青眼の亜白龍】と同じ身体を持ち、首元に2つの長い首を持つ一体のドラゴンが降り立つ。

 

 

 

青眼の双爆裂龍(ブルーアイズ・ツイン・バースト・ドラゴン)

融合・効果モンスター

☆10

光属性/ドラゴン族

ATK3000

DEF2500

 

 

 

「馬鹿な!融合カードを使わずに融合召喚しただと!?」

 

「【青眼の双爆裂龍】は融合カードを使わなくても自分フィールド上の【青眼の白龍】を2体の墓地へ送る事によりエクスト…融合デッキから特殊召喚出来るんだ」

 

「あれ?でもよそれ可笑しくねェか?」

 

「エッ?」

 

「うん。彼のフィールドには【青眼の白龍】は一体しかいなかった。【青眼の亜白龍】は【青眼の白龍】とは違うモンスターの筈。なのにどうして?」

 

外野の方で遊戯達が伝言ゲームみたいに言葉のキャッチボールをしながら説明した【青眼の双爆裂龍】の召喚法に疑問を持つ。【青眼の白龍】と墓地へ送った【青眼の亜白龍】はカード名が違うからその召喚方では成立しない筈。普通ならそう考えるよな。

 

「フフフ、いい質問だ。確かに俺のフィールドには【青眼の白龍】は一体しかいなかった。だから本来なら不可能だが、同じくフィールドいた【青眼の亜白龍】はフィールドと墓地に存在する時カード名を【青眼の白龍】として扱う事が出来るんだよ!」

 

「そうか。【青眼の亜白龍】はフィールドにいたから名前が【青眼の白龍】となっていた。だから召喚する事が出来たんだ」

 

流石主人公武藤遊戯。理解が早〜い。

 

「バトルフェイズに入る。【青眼の双爆裂龍】で【青眼の白龍】を攻撃する」

 

【青眼の双爆裂龍】の片方の首の口が開き、そこに【青眼の白龍】の時と同じ滅びの光のエネルギーが溜めていく。

 

「【青眼の白龍】と貴様のモンスターの攻撃力は互角、相打ちにする気か!?」

 

「そんな訳ないだろう。【青眼の双爆裂龍】には3つの効果があってな、その1つ目の効果でこのモンスターは戦闘では破壊されない。つまり相打ちにはならず破壊されるのはお前の【青眼の白龍】だけだ!」

 

「何!?」

 

「ヤれ!『ツイン・バーストストリーム』!!」

 

【青眼の双爆裂龍】の口に溜まったエネルギーが放たれ【青眼の白龍】に向かって一直線に進む。これで一体の【青眼の白龍】は終わりだ。

 

「魔法カード発動【攻撃の無力化】。このカードの効果により貴様のモンスターの攻撃を無効にする」

 

しかしそう上手くはいかなかった。 【青眼の白龍】に攻撃が当たる直前見えない壁によって「ツイン・バーストストリーム」が掻き消された。

 

 

無印時代での【攻撃の無力化】は魔法カードだから【サイコ・ショッカー】の対象にならないし跳ね返された自身の攻撃をも防ぐ事が出来るから使いやすいと思っていた。…だがこの時の【攻撃の無力化】にはOCGや後の効果とは違ってある()()がある事に気付いた。

 

 

「それで攻撃を躱したつもりだろうが甘いな。【青眼の双爆裂龍】の2つ目の効果、このモンスターは1度のバトルに2回の攻撃が出来る」

 

「何だと!?」

 

そう、後の【攻撃の無力化】は攻撃を無効にして「バトルフェイズを終了する」と言う攻撃そのものを止める事が出来るが、この時代での【攻撃の無力化】は攻撃を()()しか無効に出来ない。つまり複数の攻撃は防ぐ事が出来ないと言う事。

 

「【青眼の双爆裂龍】もう一度【青眼の白龍】に攻撃!『ツイン・バーストストリーム』!!」

 

俺の声にもう片方の首が動き口の中にもう一度滅びのエネルギーを溜め勢いよく放つ。【青眼の白龍】も反撃するべき滅びのバースト・ストリームを放つ。

互いの技がぶつかり合い、物凄い爆音と衝撃がフィールドにいる2体を包み込む。軈て光が晴れフィールドを見るとそこには【青眼の双爆裂龍】が勝利の咆哮を上げていた。

 

「【青眼の白龍】撃破。俺はこれでターンを終了する」

 

 

悠也

LP1800

手札3枚

モンスター

【青眼の双爆裂龍】

ATK3000

魔法・罠

伏せ×1

 

 

「俺の【ブルーアイズ】をよくも。この屈辱貴様を倒す事で晴らしてやる、ドロー!手札から魔法カード【命削りの宝札】を発動!このカードは自分の手札を5枚になるようにドローし、5ターン後全ての手札を墓地にへと送る」

 

出ましたチートカードの1枚。アニメ版の【宝札】カードって大量ドローするカードが多いんだよ。あのカードもその内の1つだ。

 

「…フッ、どうやら勝利の女神は俺に味方したようだ。このターンで貴様を葬る!魔法カード【死者蘇生】を発動!墓地より蘇れ【青眼の白龍】!」

 

海馬のフィールドに再び【ブルーアイズ】が咆哮を上げながら現れる。

 

この時代では蘇生カードはかなり少ない。なのにそれをここで引き当てるとはーーーーやるな。

 

「さらに【融合】を発動!手札の2体と場の【ブルーアイズ】3体で融合!出でよ【青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)】!」

 

場に3体の【青眼の白龍】が出現し、【融合】カードを軸に混じり合い3本の首を持つ1つのモンスターへと姿を変える。

 

 

青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)

融合モンスター

☆12

光属性/ドラゴン族

ATK4500

DEF3800

 

 

俺の【青眼の双爆裂龍】よりも更に巨大でデュエルモンスターズ界の中でもトップクラスの攻撃力を誇る海馬デッキ最強モンスター。しかしよく見ると両手がある白いキング〇〇ラとも言えなくもないかも。

 

「まさか【青眼の究極竜】を召喚するとは。…だがそれでも俺のライフを0にする事は出来ないぞ」

 

「フッ」

 

「?」

 

「さらにこのカードを出す!【闇の呪縛】!」

 

「ッ!?」

 

何処からともなく出現した無数の鎖が【青眼の双爆裂龍】を縛り上げる。

 

「このカードは敵モンスター1体の身動きを封じ攻撃力を700下げる」

 

 

【青眼の双爆裂龍】

ATK3000→2300

 

 

【青眼の双爆裂龍】の攻撃力が2300までに下がった。【青眼の究極竜】の攻撃力は4500、その差は2200。そして俺のライフは1800…。

 

「これで終わりだ。行け【青眼の究極竜】!『アルティメット・バースト』!」

 

【青眼の究極竜】の3体の口に溜められた滅びのエネルギーが身動きが取れない【青眼の双爆裂龍】へと放たれた。この攻撃が決まれば俺の負けだ。だがさっき【ブルーアイズ】を倒された怒りで伏せカードを見落としているぞ。

 

「リバースカードオープン!永続罠【竜魂の城】発動!このカードは1ターンに1度、自分の墓地のドラゴン族モンスター1体をゲームから除外…取り除き、自分フィールドのモンスター1体の攻撃力をこのターン終わりまで700ポイントアップさせる。俺は墓地の【伝説の白石】をゲームから取り除き【青眼の双爆裂龍】の攻撃力を700アップさせる!」

 

【青眼の双爆裂龍】の背後に現れた江戸時代並みの巨大な城が出現し、その一箇所から光が飛び出し【青眼の双爆裂龍】の身体へ入り込み力を与える。

 

 

【青眼の双爆裂龍】

ATK2300→3000

 

 

しかし【青眼の双爆裂龍】は自身の効果で破壊されないが戦闘ダメージは防げない。よってその差の1500ポイントのダメージを受ける。

 

 

悠也

LP1800→300

 

 

「フン、このターンは凌いだか。だが闇の鎖で守備にする事は出来ない。次のターンで今度こそ貴様にトドメを刺してやる。ターンエンドだ」

 

「この瞬間【竜魂の城】の効果が切れて【青眼の双爆裂龍】の攻撃力は元に戻る」

 

 

【青眼の双爆裂龍】

ATK3000→2300

 

 

海馬

LP1000

手札0枚

モンスター

【青眼の究極龍】

ATK4500

魔法・罠

【闇の鎖】(【青眼の双爆裂龍】に使用中)

 

 

 

「俺のターンドロー。魔法カード【一時休戦】を発動!このカードは互いに一枚カードを引く。そして次の相手のターン終了時まで互いが受けるダメージは0になる」

 

「フ、【アルティメット】の攻撃を防ぐための時間稼ぎか」

 

「一応そんなもんだ。そんなことより早くカードを引け」

 

俺達は互いにデッキからカードを一枚引く。

 

「来たぜ。速攻魔法【サイクロン】発動!このカードの効果でその邪魔な鎖を消し去らせてもらう」

 

カードの発動時、一つの小型のサイクロンが海馬の場にある【闇の呪縛】のカードを消しる。同時に【青眼の双爆裂龍】を縛り付けていた鎖は粉々に砕け散り【青眼の双爆裂龍】は自由のみとなる。

 

「チッ」

 

「そして【青眼の双爆裂龍】で【青眼の究極竜】を攻撃!」

 

「何!?」

 

【青眼の双爆裂龍】の二頭の口が開き滅びのブレスを放つ。が攻撃力は【青眼の究極竜】の方が上、【青眼の究極竜】は反撃とばかりに三頭の口からブレスを吐き、【青眼の双爆裂龍】のブレスは押し返し逆に攻撃を受けてしまった。

 

「【青眼の双爆裂龍】は戦闘では破壊されない。そして【一時休戦】の効果で俺が受けるダメージは0だ」

 

「何をしたか知らないが、攻撃力では俺の【アルティメット】の方が勝っている。幾らダメージを0にして攻撃したところで意味はない。今のは全く無駄な攻撃だった」

 

「いや、俺はこの時を待っていたんだ。この瞬間【青眼の双爆裂龍】の3つ目の効果が発動!このカードが戦闘を行い破壊されなかった相手モンスターはそのダメージ計算終了時、ゲームから除外、基取り除かれる」

 

「何だと!?」

 

【青眼の双爆裂龍】が突如咆哮を上げると【青眼の究極竜】の目の前に次元の渦が現れ吸い込もうとする。何とか抵抗しようと踏ん張るが引力は強くなっていき、遂に【青眼の究極竜】は次元の渦にへと吸い込まれてしまった。

 

「お、俺の【アルティメット】が…」

 

「遊戯を追い詰めたあの【アルティメットドラゴン】が…」

 

「こんなアッサリ…」

 

「しかも海馬のデッキにはもう【ブルーアイズ】は残ってねェ」

 

「【死者蘇生】も使っちゃたから蘇生させる事も難しい」

 

「海馬君…」

 

…外野の人達よ、少しは俺の応援もしてくれてもいいんじゃないかな。まるで俺が悪者みたいじゃん!!……あっ!いや悪者だった。じゃあいいか。では気を取り直してーー

 

「さらに俺はカードを一枚伏せターンエンド」

 

 

悠也

LP300

手札2枚

モンスター

【青眼の双爆裂龍】

ATK3000

魔法・罠

【竜魂の城】

伏せ×1

 

 

「…俺のターン…ドロー」

 

海馬のターンになりカードを引くが、さっきまでの威勢がなく生気を感じられない。まるで「心ここに在らず」と言える。【青眼の究極竜】を失ったのが余程ショックだったのだろうね。

【死者蘇生】はさっき使っちゃたし、この時代には除外されたモンスターを呼び戻すカードはまだなかった筈だから仕方がないか。

 

「…ッ【闇・道化師サギー】を守備表示で召喚」

 

 

 

【闇・道化師サギー】

☆3

闇属性/魔法使い族

ATK600

DEF1500

 

 

「さらに一枚伏せ終了だ」

 

 

海馬

LP1000

手札0枚

モンスター

【闇・道化師サギー】

DEF1500

魔法・罠

伏せ×1

 

 

「俺のターンドロー(【闇・道化師サギー】…アイツは海馬のデッキに存在モンスターの中で唯一攻撃力1000以下のモンスター。そしてその傍に伏せカードが1枚。これはあの『ウィルスコンボ』だな)」

 

ウィルスコンボーーーーーそれは海馬が初期に【サギー】と一緒に()()()()()を出しての最強最悪のコンボ。そのカードは【死のデッキ破壊ウィルス】

OCG化のこのカード(エラッタ前)もかなり強力だが原作版はそれを遥か上をいく凶悪な効果である。

 

それの効果は…

 

 

『攻撃力1000以下の闇属性モンスター一体を媒体に、相手のフィールド・手札・デッキの攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊し墓地へ送る』

 

 

…と言うまさにデッキ破壊カードである。

 

「(この【ブルーアイズ】のデッキには殆どが攻撃力1500以上のモンスターばかりだ。だから『ウィルスコンボ』は一番警戒しなくてはならないコンボだ。しかし突破方はある)」

 

原作効果は強力だがOCGのと違い大きな弱点がある。それはモンスターを媒体にする事…即ち媒体モンスターが()()されなければならない事。

 

つまり媒体用のモンスターが破壊されて発動するカードと言う事。

その突破口の一つとしてとして先に【ウィルスカード】を破壊するのが一番手っ取り早い。だが今回は別の方法で行かせてもらおう。

 

「【青眼の双爆裂龍】で【闇・道化師サギー】を攻撃!『ツイン・

バーストストリーム』!」

 

【青眼の双爆裂龍】の2つの首が動き同時に閃光を発射。そのまま2つの閃光が【サギー】に向かっていく。

 

「(俺の伏せカードは【死のデッキ破壊ウィルス】。【闇・道化師】が破壊された瞬間、コイツを媒体にしてウィルスコンボが発動、貴様のデッキは粉々になるのだ!そうなれば俺まだ勝機はある)」

 

「【闇・道化師サギー】が出ているって事はもしかして…」

 

「間違いねェ、あの伏せカードは遊戯を苦しめた【ウィルスカード】だ」

 

「あのコンボが決まれば海馬君にもまだ勝機はある!」

 

確かにこのまま攻撃が決まれば【ウィルスカード】の効果が発動して【ブルーアイズ】を失ったとは言え主力モンスターが豊富な海馬のデッキに勝つ事は不可能だ。しかしそのコンボは既に知っているから対策はしてきてあるさ。

 

「この瞬間リバースカード発動!罠カード【竜の逆鱗】!自分のドラゴン族モンスターが守備モンスターを攻撃した時、その攻撃力が守備力を超えていればその数値分の貫通ダメージを相手に与える」

 

「何だと!?」

 

【ウィルス】コンボは強力。だがその分弱点も大きい。【ウィルスカード】を破壊出来るカードがなければーーーーその前にライフを0にしてしまえばいい。

 

「【闇・道化師】を媒体に【ウィルスカード】を発動させようとしたんだろうが残念…発動前にお前のライフが尽きる!まぁ、それなりに面白いデュエルだったよ。だがそれもここまでだ。では…さよなら」

 

そして2つの閃光が【闇・道化師】を飲み込みその衝撃波が後ろにいる海馬を余波が襲う。

 

「クッ、グワァァー!!」

 

 

海馬

LP1000→0

 

 

デュエルが終了してフィールドに出ていた【青眼の双爆裂龍】も消える。

 

「ブラボー、良いデュエルでしたよ悠也ボーイ。そして海馬ボーイ、ユーに負けた者への罰ゲーム、そしてユーが破ったと言う【ブルーアイズ】のカードに対する仕打ちも今ここで償ってもらいまショー。『マインドカード』!」

 

ペガサスの左眼のミレニアムアイが光り出し海馬を照らす。光りを浴びた海馬は軈てその目に光りを失い倒れる。そしてペガサスの持っていたカードには海馬の姿が映し出される。カードの牢獄に魂が閉じられた証拠だ。

 

「俺はお前を認めない。カードを破る奴が況してや同じカードを持つ事など絶対に認めない」

 

これで海馬への俺の言いたい事、そしてその仕打ちは終わりその場を後にする。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それから少し時間が進み食事の時間になり城に集まったデュエリスト4人+3人は食事の場で豪華なディナーを楽しんだ…て訳でもない。

 

食事中視線を感じその方へチラ見すると城之内とその悪友の本田がこっちに眼を飛ばしてくる。まぁペガサスと一緒にいて海馬をあんな目に合わせたんだから仕方がないと言うば仕方がないか。

 

でも遊戯と杏子はなんか複雑そうな眼をしている。杏子はあのハンバーガーショップで俺に命を救われた訳だし、遊戯もその事に感謝しているから今回の件で俺への見方が変わったんだろう。

だが別に関係ない。誰かに心配される程俺は落ちぶれていないつもりだ。

 

「ここで皆さんにお知らせがあります。決勝トーナメントに望む際には事前に皆さんにお配りしましたこのカードが必要になります」

 

支配人は2枚のカードを取り出す。【王の右手の栄光】と【左手の栄光】のカード。この2枚の内どちらが持っていないければ最終的には決勝トーナメントに出る事は出来ない。

 

「そしてもう一つ、お手元のスープをご覧ください」

 

全員の視線がスープに移すと中から【ミレニアムアイ】に似たカプセルが浮き上がってきた。おい、食べ物の中にこんな物を入れるなよ!折角の楽しい食事が台無しじゃないか!

 

「それを2つに割ってみてください」

 

言われた通りにカプセルに手を取り割ってみると丸まっている一枚の紙が入っていた。開いてみると「D」の文字が書かれていた。

 

「これより決勝トーナメントの組み合わせを発表します」

 

スクリーンに対戦の組み合わせが表示される。AとBが、CとDが対戦する事になった。

 

「Bは誰だ!?」

 

「…俺はDだ」

 

「僕がBだよ、城之内君」

 

「げっ!?いきなり遊戯とかよ…」

 

「なら俺様はお前とって事か」

 

「そのようだな」

 

「では改めて第1試合は「武藤遊戯」様対「城之内克哉」様、そして続く第2試合は「バンデット・キース」様対「神山悠也」様で行います。それでは皆さん明日の試合に備えゆっくりとお休みになってください」

 

そう言って支配人は部屋を出て行った。俺はさっきのカプセルの所為で食欲が失せてしまい肉を2口程食べて部屋を出、用意されている自室へ戻りデッキ調整をする事にした。

 

バンデット・キース……奴は確か原作では参加カードを持っていないから対戦相手であった城之内が寝静まった所を忍び込み盗んだったな。だとすれば俺の部屋にも忍び込んでくる可能性があるが対策は練ってあるから心配する必要はない。

 

そんな事より明日のデッキ…キースは機械族モンスターが中心のデッキで魔法カードの効果を受け付けないモンスターのデッキだった筈。今回はそれに対策するより実力差を見せる為にあのデッキで行くとするか。

 

あのモンスター達を見せた時のアイツの顔が楽しみだ、フフフフフ。




初期の頃の【攻撃の無力化】は「バトルを終了する」と書いてなかったから攻撃を防げるのは一度だけだと思いました。
それに効果を発動する際攻撃モンスターが場に1体しかいなかったのもあると思うので「バトルを終了する」と言う効果は後に付け足されたものだと思います。

そして海馬ファンの皆さんすみません。
でもデュエルモンスターズでの最初の頃の海馬はカードを奪ったり平気で破り捨てたりした外道です。カードを海に捨てた羽蛾と同レベル。だから当然の仕打ちだと思うんです。


今回の原作・アニメ効果のカード

【命削りの宝札】
自分の手札が5枚になるようにドローする。発動してから5ターン後の自分のスタンバイフェイズ全ての手札を墓地に送る。


OCG版の効果が知りたい方はネットで検索!

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