Fate/EXTRA Order   作:神凪颯

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第4話です。
今回で冬木篇完結です。
キャラ同士の違和感もおると思いますが、目を瞑ってもらえると助かります。


第4節「EXTRA Order」

大聖杯への洞窟は、山の中腹くらいにあった。

その洞窟は街からは見えづらい位置にあり、魔術の隠匿としては完璧とも言える。

洞窟の中に足を踏み入れると、洞窟の中らしい少し冷たく、しかしどこか張り詰めた空気を感じる。

この洞窟は、半分天然、半分人工で作られたものであり、地元の魔術師たちが長い時間をかけて作ってきたのだという。

 

しばらく進んで洞窟の奥深くに入っていくと、()()はあった。

 

冬木の中にあり、この特異点たらしめているもの。

 

ーーー大聖杯だ。

 

この奥には、恐らくセイバーが待ち構えている。

セイバーの真名、それはアーチャーと交戦する少し前に、キャスターから聞いていた。

 

星に鍛えられた聖剣。

人々の願いを込めた最強の幻想(ラストファンタズム)

その名も約束された勝利の剣(エクスカリバー)

その聖剣の光を見たものは、嫌でもその真名に行き着く。

ブリテンの紅き竜と呼ばれたアーサー王。

アーサー王伝説に名高い、円卓を束ねた高潔な騎士王その人だ。

 

アーサー王。

アルトリウス・ペンドラゴンは若き日に選定の剣を抜き、滅びに向かうブリテンを復興するために奮迅した人だ。

エクスカリバーは、アーサー王の持つ剣の二振り目である。

アーサー王が王になって10年と少ししたころ、「王は人の心がわからない」と告げ騎士は円卓から去り始め、ランスロット卿と王妃ギネヴィアとの不貞が露見し、ローマへの遠征中、モードレッド卿率いる反乱軍との戦いで、カムランの丘にてその命を落とした騎士王。

 

またその魂は死後、全て遠き理想郷(アヴァロン)へと送られ、ブリテンが再び危機に迫られた時、アヴァロンからその魂は蘇り、ブリテンを救済すると言われる蘇る騎士、復活する英雄などとも呼ばれ、今も尚語り継がれる伝説だ。

 

自分たちは、その騎士王にこれから挑まなければならない。

生半可な覚悟では、返り討ちに会うのは必定だ。

覚悟を決めなくてはいけない。

かの騎士王を打倒すること。

ネロと共に特異点の解決へと導くことを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洞窟の最奥にたどり着くと、そこは今まで歩いてきた通路とは比較にならないくらいの広さだった。

そしてこの広間の中央に禍々しい光が見える。

きっとあれが大聖杯だ。

そしてその前、大聖杯を護るように黒く輝く聖剣を構え、王者の風格を放つ人物が1人

圧倒的な殺意と魔力量。

間違いない、セイバーのサーヴァント、アーサー王だ。

 

泥の汚染でその姿は黒く歪んでしまっているが、その風格は間違いなく騎士王に相応しいものだった。

 

「ほほぅ、貴様がアーサー王だな?

王ともあろう者が、殺風景な洞穴で防人に徹するとはな?

それに貴様・・・その面で顔は見えぬが、なかなかの美形だな?」

 

「黙れ。」

 

あのセイバーにあっさりと返されてしまった。

セイバーは黒いバイザーのようなものをつけていて表情は伺うことは出来ないが、ネロの言葉に呆れているのは同情する。

ネロ・・・こんな時までそんな審美眼を使わなくても・・・

だけど、あのセイバーの体格・・・男性にしては華奢なような・・・

 

「奏者、あのセイバー女だぞ?」

 

事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだ。

男として語り継がれた英雄が実は女性だったとは・・・

 

「うむ、であるならば余の好みの美少女に違いあるまいっ

セイバーよ、そなたさえよければ、余のハレムに加えてやってもよいぞ?」

 

「くだらん。

そのような戯れ言を宣うために来たのであれば、消えるがいい。」

 

「ふむ、やはり穏便に済ませるつもりであったが、勧誘は失敗であったか。

ならば、仕方あるまい。

残念だが、貴様を倒してこの特異点とやらを解決してやろうぞ・・・!」

 

セイバーがその聖剣を持ち、ネロも自身の大剣を携えると自分たちを巻き込まないようにと前へ出て距離を取る。

 

2人の剣の英霊が睨み合う。

これが冬木での最後の戦いだ。

失敗は許されない。

 

「来い、名も知れぬサーヴァント。

この聖剣の前に消えるがいい。」

 

「ゆくぞセイバー。

余の情熱が聖剣さえも上回ることを見せてくれる・・・!」

 

 

 

 

Sword or Death

 

 

 

 

相手はセイバー。

聖杯戦争において最優と言われるクラスで攻防共に優れている。

アーサー王はまだ神秘が残るブリテンの王なら、対魔力スキルも高いはずだ。

岸波白野には魔術礼装「カルデア制服」があるが、1度使うと次に同じコードキャストが使えるまでにタイムラグが発生する。

つまり、1戦闘につき1度しか使えないと思っていい。

問題はセイバーとネロのレベルの差が大きいことだ。

戦い方やスキルを把握してるとはいえ、ネロのステータスは月にいた頃よりも大きく下がっている。

その隙を突かれないよう、自分がマスターとしてサポートしなくてはならない。

 

セイバーはその聖剣を大きく振りかぶると、まだ距離があるにも関わらずそれを振り下ろす。

すると黒い魔力と斬撃の複合攻撃が一直線にネロを目掛けて放たれる。

 

まずい、GUARDだ!

 

「ふんっ!」

 

剣を横にして前方に構え、その斬撃を防ぐ。

衝撃は凄まじいものだが、ダメージはあまり入っていないようだ。

 

「飛ぶ斬撃ときたか。

ふむ、とても面白い・・・だがそんな技・・・

()()()()()()()()()

 

・・・へ?

いや、ネロは斬撃を飛ばすスキルを持っていない。

仮に戦う場所が新しくなって新スキルを身につけたとしても、それならステータス情報でマスターである岸波白野自身が知らないのはおかしい。

 

しかしネロは自身の魔力を剣に乗せると、セイバーと同じように剣を構え、振り下ろす。

すると赤い魔力と斬撃の乗った複合攻撃がセイバーに放たれるが、簡単に弾かれてしまった。

だが、威力は少しあったようで、セイバーが1歩後に下がる。

 

ネロに今のような攻撃ができるスキルは持っていない。

しかし、それを可能にしてしまう彼女のスキルが1つだけ存在する。

 

スキル「皇帝特権EX」

 

本人が持ちえないスキルでも、このスキルを持つ者が宣言すれば、短期間だが宣言したスキルが獲得されるというルール無用の強力スキル。

例えば、造船技術がなくても、本人が造船技術があると宣言すれば、造船技師も脱帽の船を作り上げてしまう。

一流女優並の演技力があると宣言すれば、どこの舞台にでも立つことが出来る演技力を獲得する。

そうーーーそれがクイズ大会の司会のためだけでも。

 

ネロが勝ち誇るようににやりと笑う。

むしろその表情はドヤ顔に近い。

 

しかしそれがセイバーの怒りに触れたのだろう。

剣を降ろすと回り込むようにネロの懐に迫る。

ネロはそれに正面から入り、セイバーに応戦する。

幾度の鍔迫り合いをしつつ、飛ぶ斬撃を繰り出せば、ネロもそれに対応して打ち消し合う。

そうして上手く躱すことで、レベルの差を埋めていた。

 

そしてセイバーが1度距離をとるとその聖剣を下段に構える。

すると、その聖剣は異常なまでの魔力と黒い光を放ちながらその力を溜め込んでいる。

間違いない、宝具だ。

 

「卑王鉄槌。

極光は反転する・・・光を呑め・・・!」

 

ネロ!ここは耐えてくれ、GUARDだ!

防御の構えを取る。

この一撃を耐えてくれれば・・・

 

「奏者よ。」

 

ネロが視線だけをこちらに向けてくる。

 

「余は、そなたを信じているぞ。」

 

岸波白野の中で、覚悟が決まった瞬間だった。

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い聖剣の光はネロを飲み込んだ。

しかし、その姿はボロボロになりながらも健在だった。

ネロの紅い舞踏服が台無しになってしまったが、今は気にしていられない。

 

「くっ・・・程度があろう」

 

剣を杖にしながらネロは立ち上がる。

その姿は勇ましく、痛々しいものだった。

 

礼装:カルデア制服「応急手当」

 

ネロの傷を少しでも回復させる。

これで少しは動けるはずだ。

すまないネロ・・・君にここまで痛い思いを・・・

 

「案ずるでない、奏者よ。

余は、この通り動けるのだからなっ」

 

そうだ、まだ終わってない。

必勝ではないが、わずかでも活路を見出すことが出来ることが1つだけある。

ネロの宝具だ。

 

セイバーは再び宝具の第2射の構えをとる。

確実に止めを刺すつもりだ。

 

卑王鉄槌(ヴォーティガーン)

誉れだ。

我が極光に飲まれるがいい・・・

約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)!!」

 

2度目の黒き極光はネロを包みこむことはなかった。

 

礼装:カルデア制服「緊急回避」

 

次の相手の手を必ず回避するコードキャストにより、ネロは2度目の聖剣の攻撃を回避してみせた。

 

「余は楽しいっ!」

 

宝具の光の遥か上を跳びながらセイバーに向かって真っ直ぐ剣を振り下ろす。

セイバーは宝具後で動きが取れずその一撃を受けてしまう。

その黒い鎧に大きくヒビが入りながら後に後退し、次の手を打つつもりだが、セイバーに次のターンは渡さない。

このまま畳み掛ける!

 

礼装:カルデア制服「瞬間強化」

 

これで筋力が上昇したはずだ。岸波白野に出来ることは、あと一つだけ・・・

ネロ、魔力をすべて使う!

宝具の開帳を・・・!!

 

 

 

 

 

「あぁ・・・万雷の喝采が聴こえる・・・

在りし日の光景(オリンピア・プラウデーレ)が・・・」

 

 

 

 

 

ネロの持つ赤い大剣「原初の火(アエストゥス・エウトゥス)」は彼女が皇帝時代、演劇の演目の1つとして臣下に造らせたという説がある。

デザインをすべて担当し、イメージは、彼女自身の燃え盛る情熱を表しているという。

それを地面に刺し、彼女は高らかに叫ぶ。

 

天国と地獄(レグナム・カエロラム・エト・ジェヘナ)

築かれよ我が摩天!

ここに至高の光を示せ!」

 

世界が変革する。

否、()()()()()()()()()()()()()()()

 

「出でよ!

招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)!!」

 

その剣から広がるように黄金の劇場が建設される。

それは、己の願望を達成させる絶対皇帝圏。

生前の彼女が自ら設計し、ローマに建築させた劇場「ドムス・アウレア」を魔力によって顕現させたもの。

この空間において、その主であるネロの許可なく相手は十全な力を発揮することは出来ない。

この美しく煌びやかな劇場は、生前のネロの情熱が多く込められている。

 

「これは・・・なんて綺麗な・・・」

 

所長が思わず感嘆の声を洩らす。

それは誰の目から見ても、とても美しいものだった。

 

かつて黄金劇場は、ネロが考案した演劇や歌唱などを披露するため、国民を招き行ったという。

しかし、彼女は最初から最後まで、引いてはアンコールをさせるまでこの劇場から人を出すことは許さず、すべての出入口を封鎖して、来るもの拒まず、しかして返さぬという行いをした。

この劇場はそれを再現したものであり、1度入れば解除されるまで外に出ることは叶わない。

 

そしてそれは相手のセイバーも同様だった。

ステータスを強制的に下げられ、対魔力では防ぐことは出来ない。

 

ネロは剣を水平に構えセイバーに奔る。

その動きはとても鮮やかで、そこから紡がれる剣の詩篇は薔薇の皇帝に相応しい、堂々かつ美しい一閃であった。

 

童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネロの放った一撃はセイバーの身体に大きなダメージを与えた。

その身体は霊基を大きく損傷したようで、これ以上の戦闘は不可能であった。

黄金劇場はその役目を終えて、再び大聖杯の前に戻る。

 

「なんだ、終わっちまったってか?」

 

自分たちが来た道を追ってキャスターが来た。

かなりボロボロだが、アーチャーを倒したようだ。

よかった。もしここでアーチャーにも攻め込まれていたら打つ手がなかったからだ。

 

「うむ、奏者の采配は素晴らしかった。」

 

そんなことはない。

ネロが頑張ったおかげだ。

こんな未だに至らないマスターを信じてくれる、彼女に心から感謝したい。

 

「うむ、もっと褒めるがよいっ」

 

得意そうに胸を張る。

やっぱりネロには適わないな。

 

「そうか・・・私の剣が敗れるか。」

 

投げやりのような、諦めたような顔をしてセイバーは立ち上がる。

致命傷のはずなのにまだ動けるのか・・・!?

 

だが、セイバーからその剣が抜かれることは2度となかった。

 

 

 

 

「まったく、聖杯を与えられながらこの時代を維持しようなどと・・・

余計な手間を取らせてくれる。」

 

 

 

 

 

セイバーの背後からその胸を貫いた腕の主がそう言った。

とてつもなく冷たく、だが聞き覚えのある声。

 

「・・・貴様はーーー」

 

その次の言葉が続く前にセイバーは消滅した。

もとより瀕死の身、あれ以上のダメージは即消滅だったのだ。

消滅したセイバーの背後に立つ人物。

緑のスーツを身にまとい、際立つ長髪をなびかせるその男は、カルデアにいたレフ・ライノールその人だった。

 

なぜ、レフがこんなところに・・・

 

そんな疑問よりも先に思うところがある。

 

あれは、誰だ・・・?

 

見た目はレフその人だ。だが、雰囲気がまるで違う。

カルデアでは一度しか言葉をかわさなかったが、あの温厚な人があそこまで冷たく人を見下すような表情になるだろうか。

 

「レフ!

あなた生きて・・・!!」

 

涙ながらに所長が駆け出す。

ずっと彼女の心の支えになっていたのだろう。

冬木に来てから何度もその場にいないレフに助けを乞うていた。

 

だけど、ダメだ。

本能がそう告げる。所長をレフに合わせてはいけないと。

そしてそれは、ネロやキャスターも感じ取っていた。

 

「待ちな。

てめぇ、何だ?」

 

キャスターが所長の肩を掴みレフに駆け寄るのを食い止める。

よかった。キャスターが見てくれるなら安心だ。

 

「奏者も下がれ。

あれはもはや、人間や魔術師とも呼べるものではないな。」

 

ネロも前に出て自分を庇うように立っている。

 

「セイバーが消えた今、君の出番は終わりのはずだ、キャスター」

 

レフが手を開くと、そこには小さな器のようなものがあった。

あれはもしかして、この世界の聖杯、なのだろうか。

 

「げっ、強制帰還!ここでかよ・・・」

 

キャスターの身体が消え始める。

キャスター・・・

彼はもとより冬木の聖杯に呼ばれたサーヴァントだ。

原因だったセイバーが消えたことにより、この特異点は解決されたと考えていい。

ならば、彼がいずれ消えてしまうことの道理であった。

 

「坊主、セイバー。

俺らサーヴァントなんてのは所詮こんなもんでしめーよ。

喚ばれたその時に役に立ててもその先に進んでいけるのは今を生きてるお前らだけだ。

だけど、忘れるなよ航海者。

どんな嵐の中でも掻き消える事のない輝く星々の存在を。

それは、果ての宇宙を照らす標だ。

それによ坊主、てめーはあの時、俺のマスター・・・あの嬢ちゃんを任せられると見込んだ男だ。

お前さんならやれるってわかってるからよ。」

 

兄貴らしくさっぱりとした顔で言ってくれる。

ん・・・?

も、もしかしてキャスター!最初から・・・!

 

「たりめーよ。

じゃなきゃ坊主と手を組む気なんてなかったからな。

お前は信用に足るマスターだった。

なかなかよかったぜ?」

 

「うむ。余の奏者だからな。当然であろう?

では、また逢おうぞ。

森の賢者、アイルランドの光の神子よ。」

 

「応よ。」

 

キャスターはにっと笑いながら消滅した。

最後まで気持ちのいい兄貴肌の英雄だった。

まさか月の記憶があることは想定外だったが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レフ!

・・・レフ!!」

 

キャスターが消えた今、所長を止められる者はいなかった。

彼女は涙を浮かべ、縋るようにレフに駆け寄る。

 

「良かった・・・あなたが居なくなったら私・・・

この先どうやってカルデアを守ればいいかわからなかった!」

 

「やぁオルガ

元気そうで何よりだ。大変だったね。」

 

レフは淡々と答えている。

その言葉に、感情というものはひとつもなかった。

あえてあるとするならば、あれは、怒りだ。

純粋で、単純な怒りだ。

 

「えぇ、そうなのレフ!

予想外のことばかりで頭がどうにかなりそうだった!

でもいいの、あなたがいればなんとかなるわよね?

だって今までそうだったもの・・・今回だって!」

 

ひとつだけ、岸波白野はわかったことがある。

所長がレフに対するあの態度、友人や家族でもなければ、同じ職場の同僚に対するものでもない。

 

あれは・・・心酔ともいうべき、依存だった。

オルガマリー所長は、レフ・ライノールという人間がいないと、生きていけないというレベルまで陥っている状態だった。

若い彼女のことだ。1人で組織の長にまでなるには、心が疲れきっていたと考えられるのは容易だ。

その心に付け入り、簡単に自分のモノとしてしまう。

そんな魔性のような人物が、かつていた・・・ような気がする。

 

「あぁ、本当に・・・

予想外の事ばかりで頭にくる。

 

中でも君だよ、オルガ」

 

とても冷たく、人を人として見ていない彼の瞳がそう告げた。

 

「爆弾は君のすぐ近くに設置したというのに、まさかこうしてまた顔を合わせることになるなんて。」

 

彼は言った。

自分がカルデアを爆破したのだと。

あの地獄のような光景を作ったのは彼自身なのだと。

あの空間に生者と呼べる人はいなかった。

否、いても、数秒先に死が待っている。そんな状態の人もいたかもしれない。

 

「トリスメギストスは御丁寧にも、命尽きる数秒前の君の残留思念を拾い上げ、一緒にレイシフトさせてしまったのだろう。

レイシフト適性のない君の肉体では転移できないはずだからね。」

 

所長がレイシフトできた理由。

それは肉体のない、意識のみの転移だった。

帰る肉体のないマスター。

それには身に覚えがある。

あの小さな、幼いマスターや・・・それこそ、岸波白野の存在のような・・・

 

「だが、せっかくだ。

生涯をカルデアに捧げた君のために、今のカルデアがどうなっているのか見せてあげよう。」

 

レフはその手にある聖杯のようなものを掲げると、宙に大きな切れ目が開いた。

その中には、管制室。

カルデアの管制室と繋がっていた。

それは映像ではなく、現実に冬木とカルデアが空間として繋がっていた。

 

「さぁ、よく見たまえアニムスフィアの末裔。

あれがお前達の愚行の末路だ。」

 

「カルデアスが、真っ赤に・・・」

 

ロマニの話では、あのカルデアスは実際の地球の模式図であるという。

ならば、地球上が真っ赤に染まるということは、地球全土は今、あのような状態に陥っているということだ。

所長は目を見開き、そのカルデアスを力なく眺めていた。

天体科のアニムスフィアということは、彼女の一族は、このカルデアスと深い関わりがあったはずだ。

真っ赤に染まる地球。彼女たちはそれが見たかったわけではないはずだ。

 

「哀れな小娘に私からの慈悲だ。

最後に望みを叶えてやろう。

君の宝物とやらに触れるといい。」

 

所長の身体が浮かび上がり、カルデアスに近づけられていく。

聖杯なのか、魔術なのかはわからない。

だが、地球のモデル図を組み上げる高度な魔術だ。

生身で無事なはずがない。

 

「や、やめて・・・お願い・・・

高密度の情報体よ?

次元が異なる領域なのよ?」

 

「そう。

人間が触れれば分子レベルで分解されるブラックホールだ。

遠慮なく、生きたまま無限の死を味わいたまえ。」

 

「いや・・・助けて、誰か助けて!

私、こんなところで死にたくない!

だってまだ褒められてない!

誰も私を認めてくれていないじゃない!

誰も私を評価してくれなかった!

みんな、私を嫌っていた・・・

生まれてからずっと、ただの1度も・・・

誰にも認めてもらえなかったのに・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奏者よ、わかっているな?」

 

もちろんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空間が繋がったカルデアに、カルデアスに所長が引き寄せられていく。

それはレフが所長を亡き者にするためということは、はじめからわかっていた。

それだけはさせてはいけない。

彼女は言った。

 

ーーー誰も助けてくれない

 

それは、誰も彼女を見ようとしなかった。

あのレフに依存している彼女は、その依存先(レフ)さえ失った。

そして、今まさに所長は言った。

 

ーーー誰も相手にしてくれない。

ーーー誰も評価してくれない。

 

それは、きっと違う。

人は生きる時、どうしても他者からの目線、評価、意識を感じてしまうのは当然のことだ。

彼女はそれで肩身の狭い想いをしてきたのだろう。

それが、所長としての責務なら尚のことだ。

 

だけど、岸波白野はそれは違うと断言する。

彼女は諦めることをしなかったからだ。

自分は所長のことをまったく知らない。

だが、この冬木における彼女は、怯えながらも精一杯前に進もうとしていた。

生きるために必死に足掻いた。

仮に他人の評価をするとしたのならば、それだけで充分なはずだ。

 

だからこそ、岸波白野は断言出来る。

 

"自分の価値"を最後に決めるのは、自分自身の気持ちのはずだ!

 

だけど、所長は最後まで自分自身を信じ切ることができなかった。

他者からの信頼、評価を最優先にした。

そんな結末は絶対にいけない。

 

自分の評価は、最後は自分で決める。

どういう生き方をして、どう生涯を終えるか。

自分の最期に自分の人生を振り返って、いい人生だったと笑えることが、人生のはずだ。

 

後悔はない。

岸波白野は残る魔力を右手の令呪に込める。

 

 

 

 

岸波白野の名において、令呪を以て命ず。

セイバー!所長を助けろ!!

 

「任せよ!!」

 

令呪ーーー。

聖杯戦争において、サーヴァントとマスターを結ぶ証。

3画しかないそれは、サーヴァントへの絶対命令権。

マスターからサーヴァントへ無理やり命令を聞かせることもあれば、ステータスのブーストも可能だ。

そしてその効果は、()()()()()()()()()()()()()()()()ほど効果が増す。

 

ネロは地を蹴ると宙を翔ける。

令呪のバックアップによるブーストの恩恵だった。

流星の如く駆け抜ける紅い薔薇は、カルデアスに引き込まれる寸前の所長の手を、確かに掴んだ。

そのまま所長を抱き抱えると空間の裂け目の外まで翔んだネロは洞窟の壁を足場にして蹴りだし、こちらへと戻ってきた。

 

大丈夫。所長は無事だ。

 

「き、岸波・・・なんで、あなたが・・・」

 

死なせてはいけないと思った。

無念のなか、助けたくても助けられなかった人を見てきた。

どのような事があっても、その結果を受け入れなければならないことも知っている。

それが誰かの救いになったのかはわからない。

だからこそ、岸波白野は自分にできる限りのことをした。

自分がしたことを受け入れられるようにと。

 

令呪を1つ消費した。そんなことはどうでもよかった。

目の前で、この手が届くのに助けられないのは見たくなかった。だからそうした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり・・・お前が1番の不愉快の対象だ。岸波白野。」

 

冷ややかな目で、先程よりも怒りのこもった声でレフが告げる。

ネロに降ろしてもらい所長も呼吸が落ち着く。

もうレフに駆け寄ったりはしないはずだ。

 

「48人目のマスター候補生。ただの一般人に過ぎない君が、なぜそのサーヴァントを使役し、令呪までもを使いこなし、セイバーを退けたのか・・・」

 

それは岸波白野にもよくわかっていない。

ただ、今の状況は自分たちの世界に関わることで、それを防ぐために自分はひたすら前に進んできた。それだけなのだ。

 

「カルデアで君の書類に目を通した時、あぁ、あれはよくできた履歴だと思ったよ。

まさか、()()()()()()()()()()とはなぁ!」

 

・・・!?

なぜ、それを・・・

自分はその書類とやらを書いた記憶はない。

おそらく、ムーンセルが事前に用意したものだろう。

情報の塊であるムーンセルが、岸波白野の素性を書くことは容易のはずだし、未来の世界の月の情報を記録するはずはない。

 

「無論、はじめから知っていたわけではない。

最初は私も、君をただの一般人だと思っていたさ。

あの方がそう仰るまでな・・・!

あの方は全てを見通す目を持っている。

それさえあれば、岸波白野、お前の素性など簡単に割り出せる。」

 

あの方・・・?彼は何を言っている。

 

「改めて自己紹介しよう。

私はレフ・ライノール・フラウロス!

貴様たち人類を処理するために遣わされた2015年担当者だ。」

 

人類の処理・・・それこそが、ムーンセルが記録したこの時代の終末・・・・

 

「オルガ、お前達は未来が観測できなくなり、その未来が消失したなどとほざいていたが・・・

未来は消失したのではない、焼却されたのだ。

結末は確定した。

お前達人類はこの時点で滅んでいる。

カルデアスの磁場でカルデアは守られているだろうが、外の世界はこの冬木と同じ末路を迎えているだろう。

 

もっとも、カルデア内の時間が2016年を過ぎればそれまでだがね。」

 

『ーーー外部との連絡が取れないのは、通信の故障ではなく、そもそも受け取る相手がいなかったのですね。』

 

いつの間にか通信は回復していて、そこからロマニの通信が流れてくる。

それを聞いて、その通りだと彼は続ける。

 

「もはや誰もこの結末を変えられない。

なぜなら、これは人類史による人類の否定だからだ。

お前達は進化の行き止まりで衰退するのでも、異種族との交戦の末に滅びるのでもない。

 

自らの無意味さに!

自らの無能さ故に!

 

我らの王の寵愛を失ったが故に!

 

過去も現在も未来も、なんの価値もない紙くずのように跡形もなく燃え尽きるのさ!」

 

「戯れ言を・・・誰の許しを得てそのような妄言を語るか!」

 

ネロがレフに睨みをきかせる。

華やかに舞い、その結果による滅びなら彼女も良しとするだろう。しかし、理不尽な焼却による滅びは、我慢ならないものなのだろう。

 

「黙れ、サーヴァント風情が。

だが、お前は理解出来るだろう?岸波白野。」

 

自分が、理解出来るだと・・・

出来るはずがない。彼は人々の歩んだ歴史を無意味なものだと切り捨てようとしている。

少なくとも、それを許してはおけない。

 

だが、それより先に地面が大きく揺れる。

洞窟の岩盤は崩壊し、今にも崩れかかっている。

 

「私はそろそろお暇するとしよう。

さらばだ、哀れな最後の人類。

いや、ここに人類と呼べるものはいないだろうがね。」

 

そう告げると彼は忽然と姿を消した。

最後の言葉は皮肉と受け取ろう。

自分はしっかりと人間だし、所長は生きている。

それよりも、今はここから脱出しなくてはーーー。

 

「ロマニ!急いでレイシフトしなさい!」

 

『とっくに始めてます!

でも、時空の歪みの方がはやい!

3人とも、とにかく意味消失に耐えるんだ!

意識を強く持ってくれれば、こちらでいくらでもサルベージできる!』

 

地面は大きく揺れ、洞窟は崩落する。

その空間だった場所には、生物は存在しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーー以上が、カルデアの現状だ。

所長は危篤状態のまま、緊急医療カプセルからは動かせない、死んでないのが奇跡だよ。

岸波くんが助けてくれたおかげだね。

今は彼と彼の魔術回路の回復が終わったら、改めてブリーフィングをしようと思う。」

 

レイシフトから無事にカルデアに帰還した岸波白野は同時に意識を失った。

サーヴァントの召喚、サーヴァント戦、令呪の使用を短時間に行った彼は魔術回路がボロボロだった。

彼のサーヴァント、ネロ・クラウディウスはマイルームで眠る岸波白野の傍らに寄り添い、報告に来たロマニからその話を聞いた。

 

オルガマリーの身体は危篤状態。全身火傷を背負っており、五体満足なのが奇跡だという。

しかし、彼女はあと数秒後に死を迎える身体だったことは変わりない。あの冬木の場でカルデアスに引き込まれていたら、それこそ、死は確定していた。

岸波白野の決断が、彼女の運命を変えたと言っていいだろう。

 

「ところで、えと・・・ネロ皇帝。

さっきのレフが言っていた、岸波くんが月から来たというのは、本当なのかい?」

 

「そうだな・・・奏者の許しがないから詳しくは言えぬが、彼奴が言っていたことは事実だ。

我がマスターは、この時代の人間ではないからな。」

 

「にわかに信じられないことだけど、わかった。

詳しいことは、彼が目覚めてから聞くとするよ。

今はゆっくり休んでもらわないとね。」

 

「うむ。気遣い感謝するぞ、ドクター。」

 

ロマニは岸波白野のマイルームを後にする。

その入口の隣で、1人人物が待っていた。

 

「なかなかに面白いコンビだね、あのふたり。」

 

肩まで伸びる髪をゆらしてその人物はロマニと向き合う。

その出で立ちは人間ではなく、サーヴァントだった。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ。

過去に実在したと言われる人物で、あらゆる方面に精通した万能の天才だと言われる。

それがこのサーヴァントの真名だった。

 

「しかし彼は英雄でもなければちゃんとした魔術師でもない。さらに言ってしまうとこの時代の人間ですらない。

だけど、あのネロ公と彼は、互いにとても信頼しあっている。ただのマスターとサーヴァントと言いきれる関係ではないほどにね。

どうだいロマニ、君の目から見て、2人は信用に足ると思えるかい?」

 

「・・・僕は、そんな2人を信じたい。

いや、信じている。

所長を助けると言った彼の目は、まっすぐ前を見つめる人類の可能性を見た。

たとえ違う世界の人間だったとしても、そう考えて行動出来る人間はなかなかいない。

だからこそ僕は、彼らに協力しようと思う。」

 

「君がそう思うなら私も付き合おうとも。

そのついでに、ひとつ助言をしよう。

彼らに、そんな顔はするんじゃないよ?

ロマニ・アーキマン」

 

ロマニの顔は、普段の明るい彼とは対照的に暗く沈んだ顔をしていた。

 

「あぁ、わかってるよレオナルド。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは、生還おめでとう、岸波くん。」

 

あれから数時間、目を覚ました自分はネロと共にブリーフィングルームへと呼ばれた。

ロマニは硬い表情のまま、カルデアの現状を伝えてくれる。

 

「なし崩し的に全てを押し付けてしまったけど、君は勇敢にも事態に挑み、乗り越えてくれた。

そのことに、心からの感謝を送るよ。」

 

ロマニは深く頭を下げる。

自分は、岸波白野は自分が出来ることをしたまでに過ぎない。

謙遜と言われるのか、自意識過剰なのかはわからない。

それでも、凡人である自分は、それこそ、キャスターや所長、ネロの力がなくては解決することなどできなかった。

 

「たしかにカルデアは大打撃を受けた。

だがまだ終わってはいない。

所長は今集中治療で動くことはできないけど、岸波くんが助けてくれたおかけで一命は取り留めた。

だけど、事態は急を要する。

所長の回復を待っている時間はないんだ。」

 

所長を助けることはできた。

そのことは自分がこの戦いでできた、ひとつの決断だった。

しかし、元々所長の身体は死の目の前にいた。回復するにしても、時間は膨大にかかるだろう。

 

「カルデアスの状況を見るに、レフの言葉は真実だろう。

おそらく、人類は既に滅びている。

外に出ていた職員の生存も確認出来ない。

カルデアの外は死の世界だ。」

 

管制室や、冬木で見たあの状態。

それが今、この施設の外も同じ状態だという。

ここは今、地球上、世界から取り残されたたった一つの生存地帯。

しかし、自分たちはこの状況をなんとしても突破しなければならない。

 

「これを見て欲しい。」

 

ワクテカ画面ならぬモニターに世界地図が映し出される。

そこにはいくつかの渦のようなものが見え、うちひとつは光の点のようになって輝いている。

 

「カルデアスが映し出す過去の地球に冬木のものとは比べ物にならないくらいの時空の乱れ・・・すなわち、特異点が確認された。

それも、複数の。

今のところ解析が済み、特定ができている特異点は1つ。

西暦1431年、フランスのオルレアン。」

 

人類のターニングポイントとしてその時代に起きた出来事といえばひとつしかない。

フランス百年戦争。

フランスの王位継承について争った有名な戦争のひとつだ。

もしそのような大きな歴史が改変されてしまっていたらーーー

 

「そう、よく過去を変えれば未来が変わる、なんていうけど、少しばかりの改ざんでは未来は変わらない。

しかし、実際に人類史は終焉を迎えてしまった。

なら、考えられる可能性はひとつだけ。」

 

そう・・・人類が歴史を歩む中で過去というのは、現在に至るまでを証明するための足跡。

その中でも人類史に点在していた、今の人類の有り様を決定づける究極のターニングポイント。

それが崩壊してしまったのだとしたら、人類の歴史は成立しないことになってしまう。

 

「結論を言おう。岸波白野。

サーヴァント、ネロ・クラウディウス。

今このカルデアで唯一レイシフトできる君たちに、これらの特異点に向かい歴史を正しい形へと戻して欲しい。

それが、人類を救う唯一の手段だ。」

 

岸波白野は目覚めて、ネロに状況を聞いた。

目覚めるなり泣き付かれて大変だったが、彼女には申し訳ないと思う。

ロマニには自分がムーンセルという月から来たマスターであるということを話した。

月が聖杯であること、岸波白野は未来から来た存在で、現在には存在しない人物であること。

そして、自分はマスターである人物であると。

 

当然彼は色々驚いていた。しかし、事実として受け入れてくれた。

自分たちを協力してくれると言ってくれた。

それならば、それしか手段がないと、他にどうすることも出来ないのであれば、岸波白野ができることは決まっている。

否、自分は最初からそれしかできないのだから。

 

「岸波くん、これは今の状況で強制に近いとは理解している。

けど、所長が動けない今、現トップの僕は、唯一のマスターとしての君に問わなくてはならない。

 

君に、人類の未来を背負い戦う覚悟はあるかい?」

 

覚悟はきっとあった。でなければ、このカルデアには来なかったはずだ。

それに自分は、月の聖杯戦争の勝者として、すでに127人のマスターの意思を背負っている。いや、本当は・・・対戦したマスターだけでも辛いものがある。

でも、振り向いて、結果を受け入れ、自分に託した友のためにも、この人理焼却は防がなければならない。

 

それに、今更背負うものが増えたところで、岸波白野にできることは、いつだって前に進むことだけだ。

自惚れてはならない。

かつて誰かが言った。

人は最初から諦めていると。

 

なら、諦めながらも、挫折しながらも、足があるのならば、前に進む。それだけだ。

 

だからこそいえる。

それこそ、自分たちで、この状況を突破しよう。

岸波白野は未熟なマスターだ。誰かに支えてもらわなければろくに戦うこともできない。

だから、ネロだけでなく、カルデアスタッフ全員の協力が必要なんだ。

 

「ありがとう。

その言葉で、僕達の運命は決定した。

これよりカルデアは現所長、オルガマリー・アニムスフィアが予定している通り、人理継続の尊命全うする。

これは、カルデア最後にして原初の使命。

人理守護指定グランドオーダー。

いや、今回は特例中の特例事項により、仮称エクストラオーダーとして、魔術世界における最高位の使命を以て、我々は未来を取り戻す・・・!」

 

月の異邦者と最後の人類による人理修復が始まる。

 

 

 

特異点F

炎上汚染都市 冬木

 

定礎復元




前回の倍近くありましたが、読んでいただきありがとうございます。
次回はオルレアン前の箸休め回です。
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