どうしても駆け足になってしまいますし。
と言い訳なんかしている駄目な作者です。
「へぇ、今回の子達は粒ぞろいね」
まるでテレビ局の裏方みたいにモニターで埋め尽くされた部屋で魅音は呟く。
監視役としての役割をもつ彼女はモニターに映る一つ一つをみてそんな感想を抱いたのだ。
本来は監視役というのは私情など挟んではいけないのだが、例外中の例外といっていい彼女にとってこの感想は役に立つではなく、面白そうで楽しみみたいな自分勝手な感情からきている。
そんな彼女を後ろで見ていた、チャイナドレスを来た美女ヤンは、はぁハズレくじひいたな、とひとり心の中で愚痴る。
いつもいつも魅音に振り回されるヤン。あの「佐藤さん」と衝突するというか説教される魅音との橋渡しを担っているため、最近胃がやばい事になってきている。
正直な話、今すぐにでも他の人の監視人の補佐につきたい。
でもそれでも代われるという理由でもなし、なので魅音と良質な関係を築こうと、ヤンは魅音に質問した。
「魅音さんのイチオシはやっぱり例の彼ですか?」
ヤンの質問に魅音は笑顔で答える。
「ええ、もちろん!なんてったって彼は私の王子様だもの」
邪悪な笑顔ではあるが。
へぇ、そうですか。と返すヤン。と同時にまたかという感想を抱く。
(魅音さんは特定の参加者に妙に入れ込むから)
今回では彼が気にいられてしまった。そう、気に入られてしまった。
しまった、というのも。過去例外なく魅音に気に入られた参加者が最後には、まぁお察し、みたいなことになるからだ。
可哀想に。
魅音に振り回される彼女にはよくその辛さが分かる。別に気に入られているという訳では無いが。
「まぁでも、気に入ってる子ならもうひとりいるけど♪」
どうやら、もう1人不幸な子がいるようだ。
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「うーん、暇だなぁ」
ある程度能力で出来ることは試してみたけど、ちょっと早足しすぎたみたいだ。
もっとゆっくりやればよかったかな。
それにしてもこの部屋娯楽がないんだよな。
あったのは冷蔵庫の中にあった、飲み物や食べ物。
それで軽く食事をして、今はゴロンとベッドの上で寝ている。
「あと15時間ちかくもある・・・」
身体を休めるためだったり、能力の知識を深めるためだったり、で多めに時間を取ったんだろうが20時間はちょっと多いのではなかろうか。
まぁ魅音たち側の準備期間ともとれるが。
ここまでの大規模なことをしているんだ、準備期間は必ず必要だろう。
俺は何をするでなくボーッとする。
寝ようと思っても、興奮して寝るに寝れないし。
とそこで俺はニヤニヤしだした。
能力という面白いものを与えられて、殺し合いを推奨されて、非現実が現実なこのゲーム。外の世界よりも絶対に面白い。まぁ能力はもっと弱いものでよかったが。
そんなことを心の中で思う。
「楽しみだなぁ」
早く能力を使って戦ってみたい。
俺の頭はそのことばっかり考えていた。
そこでふと能力繋がりでこのゲームのことを考えた。
というか勝手に俺がゲームとか言ってるだけでゲームではないのだが。魅音が言うには能力の実験モニター。
会場で説明を聞いていて疑問に思ったことがあるのだ。
能力の実験モニターと称した魅音たちは、その実能力を使っている。
これってつまり、能力の実験は嘘ってことだ。
実験っていうのは解明されてないものを解明するためにすること。
主催者側の魅音たちが、解明もされてない代物を扱うとは思えない。得体の知れないものを扱うのなんて俺は嫌だからな。
それに今、俺の手首にある手錠。魅音たちの説明によると、この手錠で能力の制御を行っているらしい。ほら、もうおかしいだろう。制御出来ている段階まできているのなら実験はもう終了しているはず。
まぁつまるところ、これで能力の実験モニターは嘘ってことになるんだが。
俺が何に疑問を持ったかっていうと、能力の実験モニターなんて嘘をついて、しかもこんな大規模なことをしでかして、魅音たちは何がしたいのか。何が目的なのかってことだ。
能力の実験モニターが嘘なら、他の目的があるはずだからな。
俺が真っ先に思い浮かんだのは、殺し合いだ。
机に置かれていた手紙に書かれていた死亡云々書かれたこと。それに魅音がオープニングセレモニーであの強面のオッサンを殺したこと、能力っていういわば「凶器」を持たせていることが浮かんだ理由だ。
もちろんこれは俺の想像みたいなところもある。というか勝手な妄想だ。証拠も確証もないからな。
だけど、会場やこの部屋にある監視カメラが殺し合いを目的としているってことの考えの後押しになっている。
ただ殺し合いを目的としても意味は無い。けれど見世物としての殺し合いは意味はあると思うからだ。
ただ殺し合いをされるだけなら、あの会場で無差別に殺し合いをさせればいい。生き残った人がここから出られますよ、的なことを言って。
けど殺し合いを見世物にするためにって考えると。監視カメラが異常に多いってこと。能力という「凶器」を持たせたことにある程度の辻褄があうのではないだろうか。
能力を使った殺し合い。
見世物としては十分すぎるほどだろう。
俺の疑問に対する結論は「見世物」の殺し合い。
けど、はっきり言うと。
「なんかパッとしないんだよなぁ」
俺が考える限りでは、魅音たちの目的は「見世物」の殺し合いをさせようとしている事だ。
でもなんか違う。
なんか他の目的があるように感じる。個人的な意見では。
理由としては俺の勘だ。
「まぁ目的がなんであれ、楽しそうなゲームには変わりはない」
魅音たちが殺し合いを推奨しようとも、俺には関係ない。
俺は自分が楽しいと思ったことをするだけだ。
殺し合いなんて、流石に後味とか他の問題で嫌なので不殺を心がけようと思う。
どうしても殺しをしなければいけないときは、その時は殺すとは思うけど。
お、いろいろ考え事をしてたおかけで結構時間を潰せてる。
あとは睡眠で時間でも潰そうかな。
丁度、頭を使って眠たくなってきたし。
「ふぁーぁー」
うんもう寝るか。
おやすみ、と心の中で呟き、
俺はそっと目を閉じた。
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20時間が経ちました。
1on1の組み合わせが決定したので、
各自 対戦相手を発表します。
対戦相手: 香椎 鈴 OL
対戦相手はめっさ迷いました。