ランスの孫。ウィルの忘却編   作:神崎風水

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あらすじに書いてあるよう、凡ミスによる再投稿です。

経由はあらかた活動報告に書きました。
ご迷惑おかけします。


第1部  Rance  ―ヒカリちゃんを探した末に―
1話 再会と始り


 LP0001 6月

-リーザス城下町 女子寮-

 

 

 

 

深夜とある一室の浴槽で、一人の女子がシャワーを浴びている。

シャワーの水の勢いに右目をつぶり、降りかかる水しぶきを楽しむように浴びている。

 

「ん~♪ ふーん、ふふ~ん♪」

 

目鼻歌を歌い、一日の汗と誇りの汚れを落とし体を清める祝福の時。

髪や体を洗い終え、髪にタオルを巻き寝る前の顔のケアをしていた。

その時、月明かりにカーテンの閉められた窓の向こうに人影が写る。

両手に光る刃物を持ち、ガラスを割って人影が室内に侵入する。

 

「!! だ、誰!? うっ!……」

「……よし……」

 

ガラスの音に反応し、驚き振り返る。

割って侵入した影は、素早い動きで接近し女の子を気絶させる。

もう一人の影が侵入し、カーテンを剥ぎ取り気絶した女の子の体を包み込む。

そこに、同室のルームメイトが音を聞きつけて入って来た。

 

「ちょっと! 凄い音したけど、ひかり大丈、夫? って、アナタ達誰!……へ? 女忍じ、ぐっ!……」

「……見られたでござる。始末を「待って、そのままでいいわ」……いいのでござるか?」

 

脱衣場に入ると、ヒカリと呼ばれた女の子は見当たらない。

逆に、妖しい女忍者が何かを包み運び出すのをルームメイトが見たと同時に、もう一人の忍者に背後から気絶させられた。

気絶させた女忍者が小刀を取り出し、目撃者をし止めようとする。

すると、担いでいたもう一人がそれを止める。

 

「目的は連れて行くこと。その子は関係ないもの……殺さなくても、いい」

「にょほほほ~♪ 優しいでござるな。ならば、ついでにベットに運んでおくでござるよ」

 

目的は誘拐で殺害ではないと言い見られても「誰なのか?」と、証拠がなければ大丈夫という。

見られた目撃者は「即斬!」を行ってきたくのいちは相方の優しさを楽しそうに笑う。

その志をクンで、ルームメイトをベットに運び何事もなかった事にして部屋を出た。

そして、深夜の夜空に屋根を飛ぶ二人の影が月夜に照らされていた……。

 

 

 

―同時刻、宿屋【あいすくりーむ】―

 

 

 

宿の一室で、二人の男女が肌を重ねていた。

 

「! んぅ。今、女子寮から誘拐されたな」

「あ、ん。もう……時間ピッタリ。流石ね……さ、続き、し、て♪」

 

動きを止め、女子寮の方を見る男。

見ても無いのに、何故離れた所でおきた事を知ることが出来るかわからないところ。

女性も一旦動きを止め、髪を手でかき上げると部屋にある時計を見る。

前もって今日、この時間に誘拐がおきるのを知っていたらしく確認すると再度求める。

 

「ああ、そうだな。仰せのままに」

「んぁ……一ヶ月後に、あ、ん! 始まるのね……んん!」

 

二人が、何を意味して言ってるか分からない。

ただ、一ヶ月後に数日間の出来事が起こる。

 

 

 

  3週間後

―アイスの街 キースギルド―

 

 

 

ギルドマスターの部屋で、二人の男が話をしている。

緑の服を着た成年と、派手な上着に指輪やピアスをしたヒゲ面のハゲが居た。

大きな事務用のテーブルに肘をかけて葉巻を吹かし、深々と腰を椅子に掛けていて歳が40才後半から50才というところ。

男はギルドマスターのキース・ゴールドと言い、依頼の資料をテーブルに放る。

 

「今回は、この仕事を引き受けて貰いたい」

 

ふてぶてしい態度で腕組をし、白いマントに緑の服を着た成年の名はランス。

キースギルドに所属しており、クエストを受ける為にこの場にいる。

実力は確かなのだが、自由奔放な性格な上に仕事が終わるとサボるのが痛いところ。

しかも、可愛い子や美女がいれば無理矢理にでもHする女好き。

邪魔する男達は皆殺し、可愛くないと判断する女は無視や追い払う始末。

ただ、その実力は本物で幾つかの難題なクエスト完遂している。

それ故、なんだかんだでエースの座についている。

 

顔を屈め腕を組みながら、資料の一枚目を覗き込む形で内容を確認する。

 

「コイツの内容どんな依頼だ?」

「まずは、この写真の娘を見てくれ」

 

ランスの問いかけにキースが白い封筒の中から一枚の写真を取り出し、それを机に置き見せる。

写真を手に取って見ると、首元にリボン象った白いドレスを着た赤い髪と青い瞳の美しい娘が写っていた。

 

「ほほぅ、なかなか可愛いじゃないか」

「そうだな。この娘を見つけ出して、保護する事が目的だ」

「なんだ人捜しか。で、この娘何者なんだ?」

「ブラン家の令嬢で次女だ。名前はヒカリという。3週間前バリス学園の寮から行方不明になったそうだ」

 

可愛い子を顎に親指と一指し指をVの字し、ニヤニヤとしながら85点とぼやく。

何かの救出クエストかと思いきや、人探しとショボイと思い「はぁ」とため息を漏らす。

キースの説明に、記憶に浮ぶ女子情報が脳裏によぎる。

 

「バリス学園って、有名な金持ちのお嬢様学校か。単に逃げ出したんじゃないのか?」

「いや、そうじゃない。彼女のルームメイトの話によると深夜、二人の女忍者が現れて彼女をさらっていったそうだ」

「ふん、女忍者だと? そんなのがリーザスにいるのかよ」

「さあな、見間違えかもしれんが。証言してるんだ、居るんだろうよ」

 

女忍者と聞き、JAPANならまだしも自由都市にいることが信じられない様子。

キースもそのあたりは理解しているようで、半信半疑に答える。

話を切り返し、次の説明を続ける。

 

「いまだ、身代金の要求とかは無いようだ」

「営利誘拐じゃない? そんじゃ、なんの為だ?」

「さあな、ともかくお前はこの娘を誘拐者から助け出せばいい」

「まあ、いいだろう。んで報酬は?」

 

報酬の話になると「ふっ」っと鼻で笑い、確実に食いつく値段を言う。

 

「誘拐にしては高額の20000だ!」

「おお! 破格値じゃないか……何かあるのか?」

 

2万という値段を聞いて、驚きつつもすまし顔で高額な理由を問う。

ただ、ランスの頭の中では、借金を返済して仕事を終えた後にしばらく遊べると算段している。

ランスの上の空な表情に「こいつ、もう完遂して、遊ぶこと考えてるな」と安易に予想する。

 

「それだけブラン家では、大事な娘なんだろう」

「……んお? まかしときな、俺がすぐに解決してやるさ」

「――おっと、待て。言い忘れた」

「は? 何をだ、早く言え」

 

思案していたランスは、キースの言葉に反応し、書類を手に部屋を出ようとする。

それを、キースが忘れていたかの様に呼び止める。

歩みを止め振り返り、不機嫌そうに何かと耳を傾ける。

 

「今回の依頼な、もう一人とコンビを組むのが条件だ」

「あ”?……はあぁーー?! なんだそれは! どういう事だ!!」

「おー、おー。機嫌わりーな。今回、俺がその相棒だ」

「!?……き、キサマは……」

 

キースの言葉に口元を吊り上げ、叫び、怒鳴り、キースの位置まで戻り机をドン! と手で叩く。

すると部屋の戸が開き、一人の男が入って来て相方宣言する。

その聞き覚えある声を聞くとバッ! っと、声がする方に振り向き相手を確認する。

 

「……ウィル! キサマ、俺様の報酬を横取りするつもりか!!」

「はっ、なーに言ってやがる。俺がお前から金取るかよ。取るのはお前が狙う、女達だ」

「尚更、悪いわああぁ!!!」

 

ランスが報酬を横取りするなと怒鳴るが軽く受け流し、奪うのは女と宣言する。

額に # を浮かべ、更に大声で怒鳴り散らす。

 

名を呼ばれた女に見えなくもない男は、ウィル・ラインという。

ピンク髪を腰まで伸ばし、額宛をして茶色い服を着込んでいる。

ランスと同じくキースギルドのメンバーで、普段どっかをさ迷い滅多にギルドには来ない。

ただ、依頼をキースが伝える前にまとめて完遂して、報告書だけ持ち込む異常者である。

偏った依頼のこなし方だが、ランス同様変り種エースの座にいる。

前々からの知り合いのようで、犬猿の仲の様子に見える。

 

「んぐうぅ! 一緒に仕事するなら、武器と防具寄越せ!」

「ふぅん? 前に、虎鉄刀や鎧と盾をやったはずだが?」

 

まだまだ、文句を言いたげだったが、仕方なしと合同クエストを承諾するランス。

剣が無いと腰を手でポンポンと叩き、胸もパンパン叩き無装備を主張する。

一年程前に武器等は渡したと、首を傾げて内心(相変わらずだな)とか思うウィル。

 

「あんなナマクラ、売ったわ!」

「なるほど……んじゃ、コレと、コイツ、コンナで、いいか? おっと、序に支度金の1000GOLDもな」

 

頑丈な刀と装備一式を売ったと言われるも、気にした様子なく考え込み。

何も無いところから、バスターソードを鞘に入ったまま投げ、真紅の鎧・めでうさの盾を取り出し床に置く。

その光景が何時ものことなのか、現れた装備を身に付けるランス。

キースも出てくる装備に関心しながら、順にランクが順に落ちてるのを読み取る。

 

「刀の時と違い”コレ”なら折れる事は、そうそうないだろう。んじゃ、そういう事だから頼むぞ」

「ちっ! ふん! 足手まといに成るなよ!」

「ほ~う、どっちがだ?」

「んぐ! 俺様は帰る!!」

 

ウィルの物言いに、舌打ちしながら捨て台詞を吐いて荷物を持ってドアノブに手を掛ける。

ランスの言葉に見下したように問いかけると、反論しようとするも押し黙りドアを激しく閉めて出て行った。

 

部屋に残るキースとウィル。

しばらく閉められたドアを見ていたが、ポツリと話をし出す。

 

「お前も存外、ランスに甘いな金まで。また、売られるぞ?」

「ああ、仕方ないさ。刀は折れ、武器がなくなった事で攻撃手段を失った。その為シィルちゃんを守りった事で、防具も壊れたんだからな」

「……相変わらず、見てたような口ぶりだなー、おい」

 

武具を売られたの気にもせず、かなり高価な剣、それなりの鎧と普通の盾を渡した上に金まで上げる事に呆れる。

ウィルは売られたのが仕方ないと、売った理由をキースに説明する。

驚いた表情をすると、目の前の気前のイイ異常者に鋭いツッコミを入れる。

 

「別に? 俺にとっては普通な事だ」

「いや、お前だけだ。で? お前が一緒になんて、そんなにヤバイのか?」

 

普通あり得ない事を、普通に言うおかしい所を冷めたツッコミを入れるキース。

滅多にギルドに来ない上に、今まで支援はしても組む事がなかった依頼の危険度を勘で問いかける。

 

「あ~……まあ、数年前からの積み重ねと。リーザスの王女がちょっとな」

「……は? ちょ、おま! 数年前!! 王女だぁ!?」

 

言われたウィルは、首後ろをポリポリ と、左手の指先で掻きながら答える。

その内容にしばし唖然となり、同様しながら黒幕に驚く。

数年も様子見して、王女が関わるとなるとギルドに対し、とばっちりがくるかもしれない。

 

ウィルが一ヶ月以上前から、パリス学園の保険医として潜り込んで居たのは知っていた。

既に目星をつけた筈なのに、ランスと組んでシィルに制服や学園に偽名入学させる手筈までしている。

危険で厄介な依頼と思って居たが、国の王女が関わって来るとは想定外だったようだ。

 

「うーーん。その話、ホントウの、ホントウに、マジカ?」

「そうだが?」

 

破格な依頼だが、国が関わるとヘタしたら命が危ういし、牢獄入りも容易。

あまりに平然としているウィルに、カタコトで問うと平然と普通に返された。

頭が痛くなるのを感じ、手を額に当てて目を閉じる。

 

「ふぅ……いや、もういい。お前達なら大丈夫、なんだな?」

「無論」

 

ため息をついて顔を上げ目をパチパチ させて、もう何も言うまいと顔を見る。

そして、依頼をこなせる事を再確認すると、頷き簡単にOKをだした。

 

「んじゃ、俺は学園に戻る。ハイニによろしくな~」

「ああ、頼んだぞ」

 

軽く手を挙げ、額に指を当てるウィル。

キースの言葉を受けるとその場から姿を一瞬で消す。

 

「ホントに……規格外な、奴だな……」

 

消えた理由も知ってるし、理解もしている。

ただ、普通不可能な事を可能にしている異常者に、何度目かになる呆れをする。

ノロノロとした動きで、再度葉巻に火をつけて誤魔化すようにプカプカ と、煙を吹かしていた。

因みにキースの動きが鈍いのは、上半身に50㌔と下半身に50㌔の重み負荷がかけられている為。

普段動く事無いのを、重量という負荷でレベルを下げない為に負荷がかかる魔具を身に付けいる。

鎧の重量と違い、服全体にかかる重量は身動きにかなりの負担がかかるのだ。

 

 

 

―パリス学園の教室―

 

 

 

白いヒカリが着ていた同じ制服で、ふわふわしたピンクの髪をリボンで左右をしばり、めがねを掛けた女の子が教室に入室する。

先生の紹介の元、先ほどの転入生が黒板の前で女生徒の視線を受けながら挨拶をする。

 

「皆さん、初めまして。私の名前はシィル・アートです。よろしくお願いします」

(え?……シイル・”アート”?)×教室全生徒

 

自己紹介と趣味など話、拍手に迎えられる。

ただ、教室の全女生徒がアートという名に興味を引く。

 

今、自己紹介した女の子は、本名をシィル・プラインという。

実は、彼女はランスの奴隷で、守銭奴ボブに捕まりそれをランスが15000GOLDで買い取った魔法使いだ。

特殊な魔法が彼女には掛けられており、ランスの命令には絶対服従の首輪の魔具が付いている。

魔法が得意でないランスにとって、レベル13の魔法使いシィルはとてもやくにたつ相棒である。

パリス学園の内情を知るために、キースから渡された資料と偽名や制服を受け取り、難なく試験をパスして途中入学し潜入に成功したのだ。

 

授業が始まり、瞬く間にお昼を迎えるチャイムが鳴ると一斉に女生徒がシィルの元に集まる。

 

「あ、あの。皆さん、どうかなさったんですか?」

「いえね。シィルさんに、お聞きしたい事が御座いまして」

「は、はぁ……」

 

転入初日から囲まれて、何か失敗をしたのかと内心ドキドキ と心音が早くなる。

委員長らしき生徒が代表して、なにやら質問があるらしい。

何だろうと、周りの勢いに圧され返事をする。

 

「あの、シィルさんて。あの、アートさんですか?」

「はい? えーと、それって、どういう?」

 

キースに準備された偽名で、アートが誰を指すのか分からないシィル。

疑問しか浮ばないので、何を言いたいのかと問い返す。

 

「ですから! 「ああ、そうだよ。私の妹さ」あ、やっぱり!」

「ネイル先生!!」×全女生徒

「はい? え! (ウィルさんが、先生? 妹?)」

 

苛立ちを見せ、委員長らしき子が声を上げると同時に誰かが扉を開けて入室する。

言葉を遮り、シィルを自身の妹と宣言する。

すると、一斉に女生徒達がその教師の名を呼んだ。

振り返ると、知り合いが居り先生と呼ばれ、自分を妹呼ぶ事に疑問で溢れる。

 

「皆、すまないね。妹には内緒にしていたんだ。校内の案内を兼ねて、連れ出してもいいかな?」

「は、はい! どうぞ!」

「へ? え? どういう?」

 

ネイルと呼ばれたウィルが、シィルの手を取り皆に説明をする。

代表で委員長が答え、困惑するシィルは教室から連れ出されていった。

 

 

 

―保健室―

 

 

 

あの後、ウィルに手を引かれ保健室に連行されたシィル。

部屋に着くと鍵を閉め、弁当とお茶をだされ食事をしながら説明を受けた。

 

「――えっと、私がここに潜入する意味って、あったんですか?」

「無いな……そんな顔するな。ゼスのお嬢様だったんだ。久しぶりに、学園生活を楽しんでもらおうかと思ってな」

「もう……それなら、前もって言ってくれれば良いのに……相変わらず、意地悪なんですから」

「はっはっは。わりー、わりー」

 

ウィルが既に一ヶ月も前に保険医として勤務しており、ヒカリの情報はとっくにリサーチ済み。

そして、制服や偽造身分と準備して、学園生活をゼスの時のように味わう為に準備してたこと。

序に自分と同じ偽名を使い、簡単に馴染めるように準備した事を聞かされる。

ただ、知らないところで準備され、いきなり言われ驚きつつも昔を思い出し口に手を当てて笑うシィル。

左手の人差し指で頭部後ろ、首と髪の襟足をポリポリ と、掻きながら笑い誤魔化す。

 

ウィルとシィルは数年前にゼスで会っており、学園でちょっとした付き合いがあったのは過去の話。

シィルが奴隷として買われ、アイスの街に着いた時に再会しランスと知り合いだった事に驚く。

その日の内にランスに家を買ってくれたり、その後も何かと世話をしてしたりする。

 

話が弾み説明を全部聞き終えた後。

 

「ま、そういうわけだ。ランスが来るのは1週間後だっけっか? それまで楽しめや」

「はい♪ ありがとう御座います……アレ? なんか言葉使いが、さっき違いませんでした?」

「ああ、それは礼儀正しい保険医を演じ、女生徒を頂くのに便利だからだ」

「!……はあぁ~~~。あい、変わらず。その癖治らないんですか!!」

「あー……そりゃぁ無理!!」

 

ウィルの気遣いに、嬉しそうに微笑むシィル。

潜入捜査をせずに学園生活を送れるのは楽しいし嬉しい。

お礼を言ってふと思い返す、今は普段どおりの口調だが、先程は何かキザったらしく自称が「私」だった事に。

ウィルが女生徒を美味しく、簡単に食べる演技と聞いて深~、い、ため息をする。

そして、どうしてランスとウィルは女の子に対して酷いのかと、思わず怒る。

怒鳴られて、首を傾け天井を見上げるも、無理とキッパリ答え反省の色が全く無い。

 

「いや、昔から、ゼスでもそうだったろ? 今更、どう”直”せと?」

「やめて下さい! 可哀想だとは思わないんですか? 治してください」

「ん~~……ヤダ!」

「っーー!!!」

 

昔を思い返し説明し、更生する気が無い事を伝える。

一方、ウィルのそういう所だけが認められないと、相手の女性の事を言う。

拗ねた子供の様に結局申し出でを断り、その反応に顔を真赤に怒りで声が出ないシィル。

 

ゼスでも昔からそうだった、見た目女子にも見える容姿。

そのわりに鍛えていて、羽振りがよく魔法が使え、強く優しくカッコイイ。

ただ、女の子に節操がなく、何十人と手出ししていた事を思い出す。

ランスには首輪の関係で言う事は出来ない。

しかし、ウィルは対象外なので”似た二人”をランスに言えない代わりに何度かぶつけている。

ただし、当然の如くウィルは治す気配も、直す気もまったくなく諦める事になるしかない。

 

「ふぇーん。なんで、ウィルさんもランス様も「待った」……へ?」

「ランスについては言うな。その首輪の効力が、切れるまで……な?」

「……はい」

 

陰口を言うつもりはなかった。

しかし、似た二人を重ねてしまい思わず、主人の文句を漏らしてしまいそうになる。

主人に対しての反抗は、首輪の効果で罰が起こる。

その事があるので、ウィルはそれ以上言わない様に止め、シィルも返事をする。

 

しばらく気まずい雰囲気が続き。

 

「ま、ともかく。オレは大体此処に居るから。困ったら来れば良い」

「あ、はい。ありがとう御座います」

「ただし。鍵掛かってる時は無理だ。女生徒連れ込んでるから」

「!! もう! 知りません!!」

 

結局収まったところに堂々巡りをさせる。

何時もの雰囲気にもどし、シィルを教室へと送っていった。

 

 

 

  一週間後

―パリス学園の保健室―

 

 

 

本来体調が悪い生徒が休むベットの上では、一人の女生徒と保険医が肌を重ねていた。

 

「あ、ん。ああぁー!」

「ふふ、可愛いよ……『シィル……』(ふぅん。来たか、ランス)」

 

とある女生徒を初めてを奪い、3度目の絶頂に導いていた。

息を荒くしている女生徒の頬をなで、囁いているとランスの声が脳内に聞こえて来る。

初級魔法の《コール》を使った思念波がパリス学園に発せられたのだ。

ただ《コール》の思念波は魔法使いやであれば誰でも聞こえる。

故に、詳しい事を言わずシィルの名前のみ、を呼んだ。

ランスは普段魔法を封印しているが、初級魔法のリーダー・コール・雷の矢程度なら五回は使用可能。

ランスの《コール》によって、3人と生徒の一人が感知する。

 

失神した女生徒の体を清め、魔法治療して下着や服を着せる。

成れた手付きで毛布を掛け、女生徒をベットに寝かせ部屋を出る。

 

「んー、じゃ。行くとしますか」

 

部屋を出て、ランスとシィルが見える場所に移動する。

 

 

 

―パリス学園の裏口―

 

 

 

建物影に隠れ様子を伺うと、既にシィルは到着しておりランスに報告を終えているようだ。

 

「何ィ!! 一週間も潜入して、その程度の情報しかないのか!」

「ひんひん、いたい。ごめんなさい。(だって、調べたのウィルさんだし。情報は分割にって、言われてるもん)あいた、ひんひん」

 

 

学園長ミンミン・特別生徒等の情報を聞いて、犯人の目星が付いてない事に怒り頭を小突く。

目に涙を浮かべ謝り、内心はウィルの指示で動いてるのを思うも、言ったらもっと酷い目にあると言われており、泣きながら謝り続ける。

シィルからもたらされた情報は、ウィルによって制限されておりランスの来た回数と日によって言うように指示されていた。

ウィルのお陰か、何度か叩かれただけで解放される。

 

「ふん! 次に来た時は、もっとマシな情報寄越せよ」

「あ、はい! 頑張ります」

(……うーむ、メガネにお下げ、それに制服も……よし)

 

文句もいい訳もせず、ただ謝り続けるシィルに気分を戻し次の時に期待する。

ランスの言葉に元気よく笑顔で答えるシィルにランスは普段と違った魅力に気付く。

手を引いて、目に付いた倉庫に連れ込む。

 

「やるぞ、脱げ」

「あの、ランス様。まだ授業が残ってて……」

「えーい、うるさい」

「あーーーん、やめて下さい」

 

倉庫に入ると、御あつらえ向きに新品のマットが目に入いる。

そこにシィルを押し倒し、服を脱がし襲い掛かる。

授業があると正論を言うも、あっという間に脱がされ犯されたのだった……。

 

 

 

―30分後―

 

 

 

「がはは。しっかり調査しておけよ」

「うぅ、酷いです」

 

上機嫌になり、倉庫を出てランスは学園を出て行く。

涙目にりつつ、後始末をしているシィル。

下着と制服を着込み、匂いが付いてないかと服を嗅ぐ。

すると、倉庫の扉が開き誰かが入って来た。

 

「おつかれさん」

「っ!?……あ、ウィルさん?……あの、見てました?」

「いんや、倉庫から出て行くランスを見かけたんでな。予想できた」

「そ、そうですか……」

 

イキナリ声を掛けられ驚き、さっきまでの事を見られたかと顔を赤くする。

ランスが去った後に来たのでホッとし、それでも少し気が重い。

そんなシィルに、ウィルが手をかざし魔法を唱える。

 

「さてと『ウォーターボール・キュア』」

「あ、ふあぁ~~……気持ち良い……」

 

何処からともなく水の球体が現れ、シィルの体をを包みこむ。

冷たくも熱くもない適度な温度、体を清められる感覚と脱力感が薄れる。

球体内の気持ちよさに、ため息と言葉を漏らす。

 

ウィルが発動させた魔法は、治癒魔法の《回復の雨》を水魔法で制御した混合魔法。

簡単に言えば風呂と軽い傷と体力まで微力に回復せるもの。

ウィルが大抵ヤッタ女の子達にかける魔法で、初めてで傷ついた粘膜をも癒し、匂いも無くす優れもの。

風呂嫌いなものでも、綺麗になれるし水の中なのに息つぎできる風呂でもある。

 

「あの、ありがとう御座います」

「なに、気にするな。後、先生に体調を崩して休んでた事にしてある。安心して教室に戻れ」

「はい。ホントに何からなにまで、ありがとう御座います」

 

風呂に入れてもらい、匂いの心配を無くしお礼を言う。

手を振って気にしたようすもなく、更に時間が立ち過ぎたフォローもしていた。

再度頭を下げてお礼を言うと、シィルは校舎に入っていった。

 

「ふぅ……さて、次はランスとあの女忍者か」

 

軽いため息をもらし、反対側の中央公園を見る。

そして、サイフを盗まれているランスの元に向った。

 

 

 

―中央公園―

 

 

 

公園の中では、パンと野菜等の買い物もった女の子のサイフを探す報酬に体を要求し承諾させてサイフを探してた。

しかし、かなりの時間探してる中ランスはサイフを盗まれ、取り戻そうとしていた。

 

「そ、それは……俺様のサイフ……」

「そうよ? この件からは、手を引いた方がいいわよ」

「ぬかせ! 返しやがれ」

 

ランスのサイフを手に、手を引けという覆面女忍者。

サイフを取り戻そうと襲い掛かるも、簡単に交わされる。

 

「無駄よ。いいから、この件から、っ! キャー!!」

「うん。中々柔らかい胸だな」

「ウィル! よくやったぞ!」

 

サイフを左右に振って、再度通告する女忍者が悲鳴を上げる。

バッ! と、その場から離れ、胸を押さえてウィルを睨む。

ランスはウィルがサイフを奪い取ったのを確認して褒める。

 

「この助平! よくも! って、それ私のサイフ!?」

「ん? コレか? ほらよ……後、髪に枝毛あるぞ」

「くおらぁ! 何返してる!」

「くっ、覚えてなさい!」

 

胸を揉まれ睨みつけると、自身のカエル型のサイフが目に写る。

ウィルは手に持ったサイフを投げ返し、髪を一本弄りながらぼやく。

サイフお返しに奪ったのを、いとも簡単に返すウィルを怒る。

サイフを手に掴み、忍者は捨てゼリフを吐いて姿を消した。

 

「おい、何故逃がした!」

「ん? 忍者だぞ? 追いつけるかよ」

「嘘ぬかせ……まあ、いい。サイフは戻ったし、そろそろ日が暮れてきた。宿を探すぞ」

 

ウィルが女忍者を逃がした事を問い詰める。

両手を左右に広げ、首を振って逃げたのを追いつけないと首を振る。

ランスはサイフを奪い、盗み、髪の毛一本を抜きながら胸を揉むようなやつが、安易に逃がすのはおかしいと言う。

それに、ウィルの実力を持ってすれば、逃げた女忍者を追いかけて捕まえるを可能なのを知っている。

恍けるので、追求しても無駄と諦め宿を探しに公園を出た。

 

 

 

―二階建ての屋根上―

 

 

 

公園横のビル屋根の上では、先程の女忍者が公園を出て行く二人を観察していた。

 

「ふぅ、コレで手を引いてくれればいいけど……」

「にょほほ。無理でござろうなぁ」

「そっかな? あ、あれれ?」

 

観察しながら、この件から手を引いて関わらない事を願う。

すると、背後からもう一人のくのいちが現れ、笑いながら宿に向う二人を目で追う。

振り向かず答えながら、ふと手にしたカエルサイフの異変に気付く。

先ほどは胸を触られた事に取り乱し、動向を観察し口読みの読唇術に意識がいって居たので気がつかなかった。

それもその筈、会話読んで居ると「あの女、地の果て追い詰めて犯してやる!」と言っており、奪われてたまるものかと思っていた。

 

「サイフが重い……え! 何コレ!」

「どうしたでござる?」

「中身が多いの……3000GLODもある……ん? て、紙?」

 

カエルサイフが重く丸くなっている。

そして中を確認すると驚きの声を上げる。

先日出費がかさみ、中身が少なかったのに今はぎっしりコインが詰まっていた。

コインに埋もれる中、折り畳んだ紙が入っており手に取って読む。

 

『故郷に仕送りをして、親友と買い物に出かけ懐が寒いのはわかる。だが、シャンプーやリンス等のコンディショナーをケチり、髪や肌の手入れを怠るのはどうかと思うぞ。この金を使って肌と髪や身なりを整えろよ。見当かなみちゃんへ』

 

と書かれていた。

 

「な、な、なぁーー!! どう言う事!? 会った事無いのに! さっき会ったばかりなのに、どうしてこんな事知ってるの!!」

「にゃんと! 凄い、でござるな……(てか、ウィルも書き過ぎでござろうに)」

 

見当かなみと書かれた女忍者は叫び、驚き戸惑い荒れる。

もう一人のくのいちも、内容見て驚くふりをして内心愚痴る。

 

かなみの情報では、ネイル・アートを呼ばれた男はパリス学園で生徒を手篭めにしているのは知っていた。

自身から誘うのでなく、来る女子を頂くので「そんな娘達は放って置いていいわよ」と言われていた。

ヒカリ・セラ・ミンミンに近づく事もなく、何かを探る気配も無いのでただの女好きを判断され、女生徒本人達が望んでいるので放置されていた。

だがどうだ、かなみの給与の使い方や親友との買い物、今月厳しいので切れた肌のケア商品をケチって肌が荒れて髪が痛んでる事を知っている。

本名すらばれているので、危険視する事にした。

 

「……最悪、殺さないと……」

「にゃ~、厳しいと思うでござるよ? 気配を消す穏行に、サイフを奪い盗み金と手紙を入れる手際。簡単に胸を揉む手腕」

「うっ! け、けど。危険よアイツ……手、貸してくれる?」

「まあ、それが統領の命令で、かなみ殿を助けるでござる。構わないでござるが……殺すのは、ムリポ?」

 

かなみはネイルの危険度を最上位に位置づけする。

殺す事を考えると、もう一人に実力の違いを説明される。

言われて再認識するも、自身や雇い主に親友までも危険があるかもと思い、手助けを求める。

幼い13才のくのいち少女に助けを求めるのはどうかと思うが、しかし実力はかなみより上である。

くのいちは甲賀の統領の頼みと、伊賀の統領の命令で今この場にいるらしい。

ただ、流石にかなみより強いくのいちも、ネイルの実力には敵わないと、無理だしをする。

 

「えっと……あまり深く関わらないで、監視だけにしてきましょ」

「うぃうぃ、そっちのが正解でござるよ(まぁ、監視してるだけでも、ウィルには気付かれるけどね)」

 

結局、辿り着くその時まで監視のみに留める事にした。

ただ、監視事態が刺激してる事になるらしいが、それは言う事が出来ないようだった。

 

 

 

―宿屋【あいすくりーむ】―

 

 

 

日が暮れてたので街の宿屋に到着する。

宿の前では箒を持ち赤い着物を着て、黒髪を三つ網お下げを右肩に回した女将が掃除していた。

 

「いらっしゃ、あ、ネイルさん。お帰りなさい」

「ああ、ただいま。奈美さん」

「なんだ、キサマは、もう此処に来ていたのか……ネイル?」

「まあな、宿代は俺が払う(偽名だ、便利だからな)」

「ふん、当然だ(ふん、用意が良いな)」

 

客を出迎える途中ネイルに気付き、ランスに対し挨拶を途中で止めてお帰りをする。

ネイルも帰宅の挨拶を言い、ランスはウィルが違う名前で呼ばれる事に疑問に思う。

すると、何事も無いように会話しながら《コール》を使い念話する。

 

その後、それぞれ別の部屋に案内されて、風呂を済ませ食事を終える。

食事を終えて後は寝るだけだが、ランスは暇を持て余す。

そして、キースの資料に女忍者は二人と聞いていた事を思い出す。

ウィルが奈美と呼んで居た女将はJAPAN人に思えた。

そこで、呼び出して確認し、女忍者との関係を探ろうとする。

 

「おーい、奈美さーん。ちょっと来てくれ」

 

ランスが大声で呼ぶと、奈美が他の客の浴衣だろうモノを手に部屋に現れた。

 

「はーぃ、はい、なんでしょうか?」

「奈美さんはJAPAN出身か? 一人でこの宿をやっているのか? 歳は? ヒカリって娘の事を知らないか?」

「はい、堀川奈美と言います。父も母も弟を産んですぐになくなったので。19才です。ヒカリ? さあ、知りませんが」

 

ランスの問いに、全て答える奈美。

その後も、通行手形・城・コロシアム・盗賊が可愛い娘をさらう事を聞きだした。

JAPANの事を聞いてる内に明日の朝食の話になり。

 

「じゃあ、朝ご飯はJAPAN風の味噌汁とごはんにしますね」

「うむ、恐怖の味噌汁だな」

「? あぁ……今日、ふの味噌汁ですね」

 

ランスは知りえる知識を持ちいり、親密になろうと下準備をする。

そして、怪談話をだして奈美も思い当たる話をするといった感じに良好だった。

忍者の事を忘れて口説きに掛かる。

 

「君とても美人だ、抱きたい」

「ありがとう。でも、お断りします」

「ムカ! 何を! 女忍者の癖に生意気な!」

「何を訳のわからない事言ってるんですか? ばかにしないでください。私は柔道5段なんですから」

 

ランスの言葉にお礼を言うも、抱かれる事については横を向いてキッパリ断る。

ツーンと断られ、苛立ちお門違いな事を言って肩に手を掛ける。

手を払いのけ、柔術技能が高い事を説明し手に持ってた浴衣を置き構える。

 

「うるさーい!!」

「っ! きゃぁぁぁ! 巴投げ!!」

「うぉ? ぎゃっ!!」

 

手を払いのけられた事に怒り心頭なランス。

両手を前に襲い掛かり、押し倒す。

今までの乱暴な男客より、早く力強いランスに布団に押し倒される奈美。

その勢いをそのまま利用し、腹を足で押し上げランスの両肩を掴み投げ飛ばず。

目線がまわる事に一瞬戸惑い、背中を打ち付ける衝撃に意識を失った。

 

「はぁ! はぁ、はぁ……もう、なんて人なの(似てるのは、顔だけね)」

「ぐ……ぅ……」

「――はぁ、予想つくが、大丈夫か? 奈美」

「……はい。大丈夫です」

 

息を荒げ、乱れた着物をただし気絶したランスを見下ろす。

すると、部屋にネイルがやって来て奈美の肩に手を置き抱き寄せる。

寄り添い返事をするのを聞きながら、今度は髪を撫でる。

奈美が落ち着くのを待ち、事情を聞いた後布団にランスを寝かせる。

 

「やれやれ。もうちょっと手順踏めば、上手くいっただろうに……」

「私は嫌です。見捨てるんですか?」

「いや、そんな事はしないさ……スリープ」

「良かった……ネイルさん?」

 

奈美の死んだ兄が、ランスに似ている事を知っているネイル。

もう少し手順を踏めば、奈美もなびいたかもしれないとぼやく。

しかし、既にネイルに寝入れられてる奈美は嫌がり、胸元から見上げる。

心配そうにしているのを大丈夫だと微笑み、ランスに睡眠魔法を掛ける。

微笑まれ安堵して、魔法を使うネイルを何をと首をかしげた。

 

「なーに。邪魔されたくないだろう?」

「あ、はい! お、お願いします」

 

ネイルの言葉に何を意味したか理解する。

顔を赤く染め、寄り添いながら部屋を出て女将の寝室に移動していった。

その後、女将の部屋から色気のある鳴き声が聞こえてきた。

 

 







   《魔法》
 
  【コール】(半オリ)

初級魔法のリーダーと対をなす魔法。
鬼畜王において、ラガールが荒野から城まで念波をとばしたアレ。
指定した範囲に念波を飛ばし伝える事ができるが、個人特定はできない。
それ故、指定した一帯に魔法使いが居れば、思念の内容が駄々漏れ。


  【ウォーターボール・キュア】(オリジナル)

回復の雨を水魔法で制御した混合魔法。
回復の雨を元にしてるので、微力な回復に洗浄効果と消臭効果を加えた魔法。
治療液ポットの酸素マスクが、不要なモノと思えば分かりやすい?
汚れは浄化され、吸い込んでも無害、酸素入り。
水であっても、球体の外にでれば一瞬蒸発。

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