ランスの孫。ウィルの忘却編   作:神崎風水

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2話 盗賊討伐

 

 

 

  翌朝

―宿屋【あいすくりーむ】―

 

 

 

昨日ランスと話が出たとおり、朝食はJAPAN風の味噌汁とごはんが出て、美味しくたいらげ宿屋を出る。

 

「うーむ、おかしい。昨日どうなったんだ……」

「何をだ? まぁいい。手形と盗賊について酒場、武器屋、道具屋に聞き込みを頼む」

 

どうやらスリープの影響か、ランスは昨晩の事をよく覚えてないらしい。

布団にしっかり入り、気持ちの良い朝を迎えた。

しかし、確か奈美に襲い掛かった筈と思案する。

ランスの考えさせるのを忘れさせる為に、今日の予定を頼み込む。

 

「何故、俺様がキサマの言う事を聞かねばならんのだ」

「二人で一緒に聞きまわりたいか? 可愛い子居たら奪うぞ」

「ふ、ふざけるな! 誰がさせるか! ふん、行ってやろうじゃないか」

「ああ、そうしろ」

 

お願いであろうと、言う事を聞くのを嫌うランス。

不満をぶつけるも、行く先で可愛い女の子が居た時に奪うと宣言するウィル。

すると、額に # を浮かべ、怒鳴り散してドスンドスン と、蟹股でその場を去って言った。

 

「――あの、ネイルさん。いってらっしゃい……ちゅ♪」

「ああ、っと。いいのか? 奈美。宿の前で」

「大丈夫ですよ。誰も見てませんから」

「そうか。んじゃ、行ってくる(見てないね……かなみ達が二人で見てるんだが、まあいっか)」

 

奈美が箒を持って近寄り、送り出しの挨拶を同時に頬にキスをする。

特に照れた様子もなく、この事がまわりに知られるても良いかと問いただす。

周りを確認済みと奈美は微笑み、ウィルは手を上げ宿を後に歩き出す。

 

他人がどう見ようと気にしないウィル。

しかし、宿屋の美人女将に男がいるとなると、売り上げに影響すると心配していた。

奈美の言うとおり客の目は無いが、忍者の目はあったりする。

二人がそんな事をイチイチ言い振り回る事は無いだろうと、気にしない事にした。

 

 

 

―情報屋―

 

 

 

薄暗い部屋に生物と機械の複合物体のようなコンピュータがある部屋。

そのコンピューターの前に、一人の女の子お菓子を咥えながらがキーボードを打っていた。

誰かが部屋に入るのを感じ、振り向いて挨拶をする。

 

「あ、いらっしゃ……って、ウィル。何か用?」

「あのな、嫌そうにしなくてもいいだろう。情報屋には情報を求めて来たに決まってる」

「どの口がいう……貴方に私の情報が必要? 私の初めてを奪っておけば……後は、用済みの癖に……」

 

客に笑顔で挨拶しようとするが、ウィルと分かると一瞬嬉しそうな顔をするも、すぐに不機嫌になる。

情報を求めて来たウィルに、女性はトゲのある嫌味と言い方をしてきた。

 

「なぁドロシー。なんだかんだで、何度も来てるぞ、俺は」

「っ! けど、この街に居るのに週一回。来た回数が少ない」

「そりゃぁ……まあな。(だってよ、週1回のが溜まってるんだよな~)」

 

左手の人差し指で頭部後ろ、首と髪の襟足をポリポリ と、掻きながらバツ悪そうに顔をしかめる。

此処に来てると言われて一瞬ビクッ と、体を振るえるも、会いに来るのが少ないと文句を言う。

痛い事実を言われて肯定し、内心では滅多に来ないのは多く得る為と言わずに思っている。

 

来た事に喜んだのは、情報の料金が金ではなく体で払うから。

情報収集と趣味の研究意外、全てを効率よく済ませることが心情だったドロシー・ノイマン。

情報屋を開業し、顧客も上々上手くいっていた。

その内に裏情報まで手に入れた事で報復を受け、体と命の危険にさらされる。

絶対絶命の危機に駆けつけたのがウィルで、ドロシーを襲っていた7人を一瞬にして殺害。

その後も、たまに現れる組織の連中を何度も撃滅。

余りのタイミングの良さに疑い調べるも、組織との関係は表裏共に真っ白。

純粋に助けてると分かると、好意を抱き結ばれる。

ただ、その後に自身に変化を感じる。

効率良く早く事を終わらせ、難解だったのが容易になり、自分が生まれ変わった感覚に襲われる。

そして、今まで以上に得た知識によって、ウィルの過去や本質を知り異常性に気付いてしまったのだ。

 

「わかった。何が知りたいの?」

「盗賊について。手形の手に入れる方法。後、ある二人を、今日と明日かくまってもらいたい。地下室あるよな?」

「第3区の外れにある。入るのにくしゃみ必要【かぎりない明日戦闘団】のボスがライハルト……酒場の娘が攫われ現在不要な手形を依頼料として貰える。匿うのはユキとアキね。と言うか、どうして地下室知ってるのよ」

「サンキュー……つか、俺も二人の名前言ってないぞ? ドロシーも、すんげー、予測力してるな。地下室は、お互い様ってことだ」

 

質問に、キーボードをブラインドタッチで情報を引き出しすらすらと答えていく。

ウィルが知るはずの無い地下室の存在を言い、ドロシーも負けずと言っても居ない二人の名を言い当てる。

ずるして知った知識に対し、ドロシーは集めた情報の元、ウィルが行うであろう行動を予測し答えを導き出していた。

 

そして、情報料を払おうと奥の部屋にお姫様抱っこで連れて行く。

そして、ベットに寝かせるが、ドロシーの顔を見て困った様に頬をかく。

 

「今日は、えらく不機嫌だな、おい」

「当然よ……数年前からちょこっとやって来て。ここ一ヶ月女生徒を漁り。奈美さんとミリーを落としパティと一回」

「いや、それは前からだろ? 何で、今日になって言うんだよ」

「リーザスで、貴方が秘密裏に保護を二人同時に必要なのはデル姉妹。その姉妹を保護すると言う事は、近日中に街を出ると言う事。でしょ?」

「……流石、天才……」

 

ベットに連れ込めば、今までの流れから上気するの必然だった。

不機嫌な原因を言うべく、今まで手出しした女性達を上げる。

別に、誰にどんな女達に手出しをしてると言われようと気にしない。

しかし、ドロシーの集めた情報から導き出したデル姉妹の状況と、今後の結末。

過程を抜いてるが、今まで週1回会いに来たのなら、またしばらく来ない事を理解してるのだ。

流石にウィルも「天才」としか言葉が出ない。

 

「……しょ……もぅ」

「お、おい……(こ、こいつは……すげぇな)」

 

ウィルが困ったとそっぽを向いている間に、ドロシーは瞳を潤ませポツポツとかすれ声で何かを言う。

泣いてるのが分かり、流石にどう声を掛けようか悩む。

それと同時にドロシーから感じる気配に驚き胸が高鳴る。

 

「もう来ないんでしょ! 私の才能と初めて奪い終えたから、用無しなんでしょ!!」

「(こりゃぁ……欲しいな)ああ、そうだ。ブラン家の次女を救い出したら、一年後までな」 

「ッーー!? いや! いっちゃ、いやあぁ!」

 

ドロシーは不安・消失感・寂しさ・孤独等の負の感情を爆破させ、カンシャクを起こす。

その負の感情の高ぶりと密度に歓喜し、追い討ちをかける様に新たな情報という名の知識を与える。

一年間も会えないという思いに、顔を振ってイヤイヤをする。

 

「(久しぶりだぜ。ココまで、負の感情を高めた女はよぅ)いいから脚、開けや」

「やだあぁぁぁーーー!!」

 

ウィルの無情な行動に、ドロシーはとうとう幼子の様に泣き叫ぶ。

しかし、力では敵わず教えられた快楽にも逆らえず、そのまま強引に事を済まされていく。

 

 

 

―1時間後―

 

 

 

最初は泣き叫んで居たが、次第に体は反応してしまい何時もと同じになっていた。

ドロシーは泣き止み、確かに胸の重みは軽くなった。

しかし、離れたくないと思いから腕にしがみ付き離そうとしない。

想像以上の魔力総量を得た事と、ウィルのもう一つの悪い癖が出た。

 

「ドロシー……安心しろ。お前もメープル街に連れて行く」

「ううぅ……ひっく、ひっく……え?」

 

髪を撫でながらデル姉妹と一緒に連れて行くと宣言する。

鼻と鳴らし身体を震えさせたが、ウィルの言葉にそれが止まる。

 

「いや~、お前が欲しくなった。ここに置いてくのは、惜しいわ」

「……ほ、ほんとうに?」

「ああ、知ってるだろ? 誤魔化し、黙るが嘘は言わねー。それが俺だ」

 

正直な感想を言い、ドロシーが理解できる自論を言う。

 

本来、ドロシーならほって置いても大丈夫と思いっていたが、あれだけ負の感情を生めるなら欲しくなる。

それの反動によっておかしくなる前に、確実な絆と支える友や家族が必要と判断した。

後は、その負の感情が愛しくなるのが、ウィルの歪んだ愛情と悪い癖。

今後の予定と流れを説明し、情報屋を後にした。

 

「待って!」

「ん~? まだ、何か必要か?」

 

情報屋を出て少し歩くと、扉を開けて呼び止められえる。

脚を止め、振り返りながら「何だ?」左手の人差し指で頭部後ろ、首と髪の襟足をポリポリ と、掻く。

 

「コロシアム見に行くから。貴方に賭けるから!」

「ぷ、ぷはははは。おいおい、人混みは大丈夫か?」

「だ、大丈夫! 行くから!」

 

意外なアウトドアな発言に思わず笑う。

人ごみが苦手なドロシーに、ふざけながら「来れるかよ」と言う。

顔を下げ胸元の服をギュッ! と掴み、顔を上げると同時に「行ける!」と、叫び情報屋に引っ込んだ。

 

「おー、おー。すんげー、変わり様……ホント。ちょくちょく、想定外な事が起こるもんだな」

 

肩を落とし「ふ~、ヤレヤレ」といったポーズを取る。

能力で予想できていても、些細な事で流れが変わると再認識した。

その後ランスと合流すべく、酒場へと向った。

 

 

 

―商店街前―

 

 

 

買い物かごを片手に鼻歌を歌いながら、パリス学園の制服を着てニコニコ此方に歩いてくる。

公園の方からやってくるランスを見かける。

 

「あっ、ランス様……こんにちは」

「……シィル……お前は、何をしてるんだ」

 

笑顔で挨拶してくるシィルに対し、ランスの機嫌が悪い。

 

ウィルの言った事を守り、酒場、武器屋、道具やに行ってきた。

しかし、酒場は開店前でイラつき、武器屋は情報無しでミリーを襲おうとしたら【ポータブル爆弾】を取りだし死のうとするので諦めた。

道具屋で盗賊について聞けて【火炎木の葉】を持って来ればと、約束を取り付けご満悦。

情報屋の事を聞いて行ったが(ウィルが居たので)店が閉まっていて入れず、再度城門突破を試みるも失敗に終わる。

道具屋のみ情報と楽しみができ、残りは全く駄目、その為に機嫌が悪かった。

 

「課外授業です。特別生徒の役目らしくて」

「課外授業だと? 買い物がか? ふざけるな! 学園の情報集めが、お前の仕事だろう!!」

「ひんひん……ランス様、痛いです……うぅ……ごめんなさい」

 

かなりの威力で拳骨を落とす。

買い物かごを持つ反対の手で頭を押さえ涙目になる。

痛みを堪えつつ、悪くないのに謝る。

 

ウィルの助言で学生服は下校まで着てる事、ランスには「正論を言わず謝れ」と教わっていた。

シィルの様子を見ていたが、まだ腹のムシが収まらずもう一撃叩こうとすると。

 

「だぁ! イライラする!!「おいおい、一発で勘弁してやれ」ぬぐ! うぐぐ!……手、離せ」

「あ、ウィルさん」

「よっ! つかよ、授業中に何で買い物してるんだ?」

「えっと、じつわ……」

 

振りかざした右手首をウィルが掴み止める。

強引に殴ろうとするもビクともしないので、仕方無しに諦め手を離させ手を降ろす。

救いの手が差し伸べられ、嬉しそうに微笑む。

フン と、そっぽ向いて拗ねるランスをほっておいて、どうしてこの場にいるか問いかける。

 

ミンミンの指示で、買い物が特別生徒の役目と言い前の子達もしてたと言う。

 

「はぁ? 雑用がか?(ん? この視線は)」

「ふん! ふざけた特別生徒の役だな。どういう学園長だ」

「言われて見れば、変で、っ! ひんひん……痛いです」

「う~ん……(なるほど、そう言う事か)」

 

説明に呆れてると、監視の忍者意外二つの方向から視線を感じる。

ランスは優遇されてるわりに、やってるのが雑用と学園長の人間性を疑う。

シィルも気にもせず買い物をして、二人に注意されて変に思い口に出すと「当たり前だ、ボケ」と叩かれる。

一方ウィルは腕を組み空を見上げながら、目に魔力を集中させて城のバルコニーと学園長室を横目に見る。

学園長の方はカーテンの陰から、城では王女が望遠鏡で此方を見ていた。

 

つまり、特別生徒の商店街の買い物は、城から出れない王女の見定めに使われてたと推測した。

学園長が選び、セラが学園態度を見て、外見と買い物の様子を王女が見ていたことになる。

 

「まあ、ここで油売っても、仕方ないよな」

「ふん、もういい、早く学校に行け」

「ふぇーん、わかりましたぁ」

 

これ以上、此処に居ても仕方ないとシィルを追っ払う。

すると、意外にもランスから意味深に話しかける。

 

「……で、何が見えて、何が分かった。教えろ」

「……気付いたのか?」

「ふん。キサマがあからさまに腕組んで空見上げながら、目に魔力集中させてただろうが」

「ぬぬぅ……そんなに不自然だったか。酒場で話す」

 

シィルを叩いたりしても、ウィルの行動には目を光らせていたらしく目と表情で何かを確信したのを読み取ったようだ。

ウィルの動きは別に不自然ではなかった、ただランスが観察してただけ。

それに、シィルを叩いたのも、ウィルの顔と目を見せないため殴るという行動にでたが、やり方に問題も有る様に思える。

ヘタな演技とランスの追求にショックを受けつつも、ここではなく酒場でと二人はその場を後にする。

 

 

 

―酒場【ぱとらっしゅ】―

 

 

 

カウンター席でグラス片手に話すウィルにバン とテーブルを叩いてランスが怒鳴る。

 

「何だと?! ガセネタじゃないのか! それと、さっき締め出し食らったのは、キサマの所為か!!!」

「もう少し、声落とせ。確かな情報だ、さっき城を見た。情報屋の方は、すまんな」

 

ウィルの情報に驚くと同時に、先ほど情報屋で締め出し食った原因が分かり怒る。

左手でグラスを回し、右耳を右手で塞ぎながら謝る。

 

ヒカリを忍者達がリーザス城に連れて行った事。

過去四年間4人の特別生徒をミンミンが選び、城の上役が誘拐させてる事。

先ほどの買い物は、城からその人物を見るためで、此方を覗く望遠鏡をもった人影を見たと説明する。

 

「ちっ、そうなると。是が非でも手形を手に入れなければならんぞ」

「まあな。後、盗賊の方も、一応片付けた方がいいだろう」

 

酒を煽りながら、城の中に入る重要性を再認識する。

宿屋で聞いた盗賊の話を出し、一応の可能性と次のフラグを立てる。

 

「――盗賊退治するのか? ついでにといちゃ悪いが、すまん、頼みを聞いてくれないか?」

「あん? ゆっとくが俺様は、安くないぜ」

 

バーテンダーであるマスターが、二人の話に耳を傾けてたらしく前に移動してきた。

依頼の言葉にランスが自分を高く売りに出す。

少しでもいい値で儲かるようにするのは、ランスの上等手段だ。

 

「謝礼は通行手形でどうだ? お前さん達がさっき言ってた品だ」

「その通りだ。マスター、言ってみな。看板娘……だろ?」

「こら! キサマが勝手に決めるな!(うっししし……しめしめ、通行手形ゲットできるぜ、ラッキー!)」

 

通行手形と聞き、ウィルがマスターの心情を読み取り依頼を受けようとする。

ランスが肩を掴み怒るも、内心は必要なモノが手に入り内心喜んでいる。

 

「そうなんだ! 俺の、自慢の娘が盗賊にさらわれてしまったんだ。助けてくれ!!」

「その娘……美人か?」

「この写真を見てくれ、親の俺が言うのもなんだが美人だろ!」

(可哀想に……『可愛い』でなく、『美人』か……既に餌食だな)

 

オヤジがテーブルに手を付き頭を下げる。

娘に反応しランスが【美人】と問うと、オヤジが顔を上げて棚にある写真を取って見せ【美人】と返してきた。

一方、それを聞いてたウィルが、その娘の状態を嘆く。

 

ランスは意識して使ってないが、処女は『可愛い』といい、大人を『美人・美女』と言うのだ。

先ほど、娘と聞いて、少し考えた後に”美人”と聞いた。

つまり、既にその娘は盗賊達に奪われてる事を示す。

序に、奈美・ミリー・パティを美人美女と言い、ヒカリやウィリスを可愛いと言っている。

 

「で、その盗賊は、何処を住処にしてる? 流石に何も分からないじゃ、コッチも困るぞ」

「第3区の外れにある。【かぎりない明日戦闘団】のボスがライハルト。可愛い娘を誘拐し、他はやたらめったに殺害してる」

「む、娘は無事だよな!!」

「命は無事だろう……」

 

ランスがマスターに盗賊のアジトを聞くと、ウィルがドロシーに聞いた情報をスラスラと述べる。

殺害という言葉に反応し、焦った様子で娘の安否を聞いてくる。

流石に「既に犯されてるが、命は無事だ」とは言えず、はぐらかして答える。

 

「よし、この依頼引き受けた。この長い髪の娘は、この俺様達が救いだして”ヤル”」

「ありがとう。頼んだぞ。それとこれは、少ないが報酬の先払いだ」

 

盛大に笑いながら、既に助けたのも同然と言わんばかりに威張る。

再度頭を下げ、後ろを振り返り棚から金貨袋を取り出し差し出す。

ランスに手渡たそうとすると、横かウィルが横取りして。

 

「待て。情報では、数名の女の子達が攫われてるらしい。帰ってからその娘達と祝いをしたい。一部を料理に使ってくれ」

「おい、こら!……勝手に依頼料を減らすな!」

「む、そうか。娘だけじゃないのか。分かった、救出の人数関係なく、200GOLDで祝いをさせてもらう」

「またんかぁ!!」

 

盗賊団の情報で、何人かの女の子が攫われてる事を補足する。

そして、少女達の癒しと励みになればとパーティーを開く費用を差し引いてもらう。

ランスが報酬が減る事に文句をいうが、二人は全く聞こえない振りして話を進める。

600GOLDを依頼先払いとして、ランスに手渡す。

受け取って不満を叫ぶが、二人は既にバーテンに戻り、酒場の出口に向っていた。

 

 

 

―盗賊団【かぎりない明日戦闘団】のアジト―

 

 

 

岩を敷き詰め、木で上左右を固定した洞窟と言うより炭鉱にも見える入り口。

二人が洞窟に入ろうとすると、結界が張ってあり弾かれる。

 

「うお!? 生意気に、結界なんか張ってやがるぞ! むむむ……よし! キサマのまほ、むぐ!」

「おいおい。俺は、お前と同じ戦士だ。結界はな……(コチョコチョ)」

「ふが、なにを。は、はくしょん!!! んん! 何しやが、と、おぉ?」 

 

結界など盗賊の癖に生意気だと怒り、考え込む。

何か思い出したように閃き、ウィルに向って何かを言おうとするが口に手を当てて黙らせる。

モゴモゴ と、しているランスに自身は戦士と主張し、長いピンクの髪を数本掴みそのままランスの鼻穴をくすぐる。

鼻をくすぐられ、盛大にくしゃみをする。

それと同時に入り口に向って押されるので、文句を言おうとするも結界をすり抜けた事に気づく。

ランスが結界を通り抜けた事に驚いてる間に、鼻をくすぐった髪先をナイフで切り捨てる。

 

「どう言う事だ?」

「何、情報屋から結界は【くしゃみ】で消えると聞いてたんだ」

「それなら最初から言え! しかも、俺様にダサイくしゃみさせるとは何事だ!!」

「よっと。いや、入れたからいいだろう。行くぞ」

「ごらあぁ!! 待ちやがれ!!」

 

片足状態で、トットット と、結界をすり抜けた事に驚きながら振り返る。

すると、しれっとした顔で情報屋か聞いてた事を説明し進み出す。

ランスは利用された事に怒り、つかみかかろうとするが簡単に回避される。

肩透かしを食らわされ、入り口に振り返るも既にウィルは洞窟に入っており怒鳴りながら追いかけて行った。

 

洞窟に入るとすぐに左右の分かれ道に辿り着く。

 

「分かれ道……さて、どっちだ?」

「俺様の勘が言っている。左だ!」

「よし、なら左だな」

 

ウィルの言葉にランスが答え、何の迷いもなく左に進む。

別にどう行けば良いのか知ってるわけではない、ランスの勘は高確率で当るのでソレを当てにしているのだ。

ほどなくして小さな部屋に着く。

 

部屋には白髪の右目に眼帯し手に斧を持ち、全身剣傷付け、獣毛皮を着た男が居た。

二人に気付くと睨みつけるながら、歩み寄ってくる。

 

「ん? 見ない面だな、何者だ。どうやって結界を抜けて……新入り? いや、聞いてないぞ」

「貴様こそ、何者だ!」

「俺は上の階に上る門番でもある、ムララ様だ。わはははは」

 

ムララの言葉にランスが答え、その返しに脳無し様に高笑いをし出す。

結界はそう簡単に抜けれるものではない、メンバー勧誘の話も聞いてなく首を傾ける。

考えてる中、ランスの言葉に反応し名をなのり、何時も通り手の平を上にして差し出すと。

 

「上に行きたんだろ? 200GOLDを耳揃えて出しな」

「あほか、し「いいだろう」本気か?」

「ああ、今出してやる」

(馬鹿か、金をドブに……む? ふっ、ああ、アレか。なるほどな)

 

ムララの言葉に先ほどから高笑いや態度にイラ付いてたランスが一言いって、殺そうとする。

しかし、それをウィルが遮り、金をやると言い出す。

腰の後ろに手を延ばしながら、ムララに向って左30度に移動し前に出る。

ウィルが金を出す事に馬鹿にしていたが、その不自然な動きにナニをしようとしてるか予測する。

 

「んー、っと。よし、これでいいか?……おっと、すまん」

「よし、いいだろう。って、何やってんだ」

 

金を数え注意を引き、袋につめて紐を縛る。

そして、金の入った袋を差し出しムララに受け取らせようとする。

後一歩のところで袋を落とし、それを拾おうとムララは斧を置いて膝を折る。

 

「はっ! バーカ!「ぎゃああぁぁ!!」アホだな」

「全くだ。今まで、そうやって手を出してきたんだろ? 最後は楽した分、存分に苦しめ」

「ぎゃぁぁ!! て、テ、手がぁ!! 俺の手がぁ!!」

 

袋を拾おうとしたムララの手をランスが横から切りかかり手首から先を斬り飛ばす。

金袋を回収し、ゴミを見るようにのた打ち回るムララに聞こえてるか関係ないしに言い放つ。

手首から血が噴出すのを、もがき苦しみ叫ぶ。

そして、ウィルが右子指で耳の穴をほじりながら。

 

「はぁ、うるさいし。止める(殺す)か」

「確かに、うるせぇなー。フン!!」

「ぎゃぁぁ!!」

 

ウィルの言葉に、ランス同意して剣を振り下ろし後始末する。

気合一発、一撃でムララを斬り殺す。

 

このやり取りは、今までが初めてではなかった。

ランスの実力を持ってすれば、簡単に殺せる相手だったが、今までに何度も似たようなことをしている。

大抵金を要求するクズは金にしか目が行かず、金貨の数を見せつけ数えて袋を落とすとそれだけに目が行く。

二対多数の時等、金を見せつけわざと落とすと全員が二人から目を離し隙を作り簡単に斬り殺せるのだ。

今回、30度前に移動する事でムララからランスを視野から見え難くした。

金の枚数を数える際に、親指で反対の手首を擦る仕草をした。

それは、手首を斬れと言う合図で、トドメもランスがやる事で経験地を稼げと言う合図でもあった。

 

成れた手付きで、まるで”ソコにサイフ”があると言わんばかりに、3秒でムララの懐から金貨の入った袋を取り出し、ランスに向ってほかる。

それを受け取り、中をみて「おー、なかなか」と喜びサイフに仕舞いこむ。

その後、階段を上るのだが。

 

「あんぎゃぁ! やばい。足が痛くて上がれんぞ」

「ん? ああ、確かに何か仕掛けて有るな」

 

ランスは足の裏に痛みを感じて階段から飛び退く。

ウィルも真似て階段に足を乗せ、何事も無いようにすまし顔で降り仕掛けがあるのを確認する。

そのまま上がり続けると、ダメージを受けるだけならいいが、死ぬ可能性もあるのであたりを調べる。

周りを探すも仕掛けが何もなく、あるとすれば先ほどの死体のみ。

 

「まいったな。殺す前に、仕掛けを吐かせれば良かった」

「キサマが手首を斬って、俺様にトドメさせと言ったんだろうが!」

「ああ、すまん。さっきの分かれ道を行って探してみよう」

 

部屋を探しても特に何もなく、仕掛けを知ってたであろう死体を見て嘆く。

ランスも同じごとを考えたらしく、既に動かない男を蹴りながら文句を言う。

素直に侘びを入れ、着た道を戻り分かれ道に向った。

 

 

 

―拷問部屋―

 

 

 

分かれ道を進み、途中の部屋で薬4個と盗賊の靴を見つけた二人。

ウィルがムララと同じ靴を見つけて、階段の仕掛けは靴が関係あるとぼやく。

すると、横からランスが掻っ攫い履いくと「キサマは、あの盗賊の死体から取れ」と言って奪う。

 

その後、まだ何かあるかと、もう一つの部屋にやって来た。

 

「……何だ、この部屋……器具が散乱して、拷問部屋か?」

「……お~い。たすけくれぇ~」

「!?……あ! おい、誰か埋まってるぞ」

 

部屋に入ると、ガラクタがあり鞭や棍棒等の拷問器具が散らばっている。

部屋を見回していると、何処からか声が聞こえて来て二人は驚き剣を抜き構える。

二人は声の主を探すと、ランスが意外な所に人が埋まっているのを見つける。

 

コンクリートの壁から、顔と両手だけひょっこり、と、むき出ししになった男がいる。

赤い髪にウエーブが掛かってるが、その波一定でなくだらしない。

むき出しの手や顔に傷があり、くたびれた中年のコンクリ男がいた。

 

「お前、何してるんだ? なんだ、新手のSMか、何かか?」

「いやいや、違うよ。私の名前はブリティシュ。好きこのんでコンクリ埋まってないよ。助けてくれよぅ」

(……初めまして。娯楽の為に束縛されし、過去の英雄よ……)

 

ランスが埋まったコンクリ男に、周りの器具や傷を見て、そういう趣味かと問いかける。

固定されてても首は動く様で左右に振り、危ない趣味を否定して自己紹介する。

涙を流して懇願するブリティシュ。

その姿を見てたウィルは心の中で、何故ここの居るのか表す挨拶を心の中で言う。

 

「お前、金持ってるか? 可愛い娘とかいるか?」

「ごめんよぅ。お金はない。自慢の4歳の娘ならいるよ~♪」

(……いやいや。アンタの娘はもう、ババアを通り越して生きてないだろ……転生してれば、知らんが)

 

慈善事業が嫌いなランスは、金か可愛い娘を報酬に求める。

ブリティシュは金無しと謝り、泣き面から笑顔で娘を自慢して答える。

一方、先ほどから黙ってるウィルは内心で、1500年の歳月が過ぎてる事を突っ込む。

 

「残念だな、俺様はロリコンじゃないんだ。さらばだ」

「そんなぁ~、助けてくれよぉ~……」

「……ランス、先に言ってくれ。俺は、もう少しコイツをからかってから追いかける」

「がはははは! 好きにしろ。俺様は先に行って酒場の娘を助け出してやる」

 

4歳と聞いて、手をシッシッ と、振りランスは回れ右をして後ず去る。

その様子に、再び涙を流し助けを求めるコンクリ男。

ところが、ウィルはコンクリを蹴って、この場に残ると言い出した。

その様子に、壺にはまったのか大笑いし目的と報酬の娘を求め拷問部屋を出て行った。

 

「私を、助けてくれるのか~い?」

「俺は、からかうと言った筈だが?」

 

コンクリ男の言葉に答え、ウィルはブリティシュの左手を右手で叩く。

そして、何やら詠唱しだし……完成をすると。

 

「火爆破! 火爆破! 火爆破!」

「あぶな、うわ! ぶぼ! ごふ!」

 

無詠唱で火爆破をまわりに3発放つ。

爆炎で周りから見えなくなった瞬間、詠唱していた認識障害結界を張る。

 

「ごふぅ……? コレは結界かい?」

「ああ、監視されてるからな。んで、アンタに頼みがある。エターナルヒーローのリーダー……戦士ブリティシュ」

「!?……君は、一体何者?」

 

咳き込んで居たが、急に周りの気配が変わり疑問に思うブリティシュ。

ウィルは胡坐をかいて座り込み、コンクリ男の正体を言う。

すると、一瞬驚いた顔をして、くたびれた顔が真剣な表情になり、雰囲気も変わる。

 

「俺の名は、ウィル・ライン。そうだな、ホ・ラガと似た知識を持つ、と言えば理解できるか?」

「ウィル君か……いや、まってくれ。ホ・ラガだって? アレは壮大な嘘の筈……まさか、そんな……」

 

ウィル名を聞き、意外な人物の名を聞いて、ブリティシュの脳内で記憶が呼び起こされる。

その後、ホ・ラガから聞いてない情報と願いを説明される。

 

 

 

―30分後―

 

 

 

全てを聞いても、半信半疑なブリティシュ。

信頼を得る為に、一つの証拠を提出する。

 

「まあ、そうそう信じるのは無理だろう。明日、サムライ日光に会わせてやる」

「ホントにか? いや、信じるけど、信じられない。私は君を知らないからね。けど、もしも日光に会えたなら信じよう……全て」

 

ウィルは証拠に日光との再会を約束する。

信じられない話だが、1500年もたった今に昔の話を普通の者が知ってる訳が無い。

嘘をついた事が無い日光に会えたならば、全てを信じ助けになる事を約束する。

 

「んじゃ、結界を解く。解いたら、即効に顔蹴るからな。道化を演じてくれよ、今までの様に……」

「……分かった。ただ、ちょーっとくらい、手加減して欲しいかなぁ~」

 

ウィルが結界を解く準備をし、直後に認識障害結界と同じ事をすると言う。

先ほどまで真剣だったブリティシュは、急に道化の口調と顔に戻り情けない面でお願いをする。

 

「おらぁ! なかなか蹴りの練習になった。いいサンドバックだったぜ」

「いたた~……酷いよぅ……。こんなにも酷い痛めつけ方は、初めてだよぅ……」

「はぁ? 拷問道具で痛めつけられるより、蹴りのが酷いか? 傑作だ」

 

結界と解くと同時に顔を蹴りつける。

道化を演じ情けない表情をして泣き言を言う。

そんな様子に呆れ顔しつつ、先に説明しておいた明日の為の準備をすべく一本の刀を取り出す。

 

「はぁ! せい!」

「おぉ? 見事な闘気法だねぇ。刀に気を通し岩床に刺せるなんて、すごいすごい」

 

気を操り日本刀を気で覆い、床に突き立てる。

その様子を楽しそうに眺めてる。

もしも手が自由に動かせたなら拍手してたであろう雰囲気だ。

 

「コレを抜けるヤツが居たら、好きに使えば良い。もしかしたら、解放(殺す)してくれるかもな」

「やだよぉ~、物騒な事言わないでくれよぉ~」

 

ゾンビとムシ効果の付与をされた日本刀を眺めつつ、それらしい事を言って置き土産とした。

日光の身を案じた一振りと理解しながらも、筋違いな身の危険を表し怯える演技をする。

そして、ランスを追いかけ拷問部屋を出て行った。

 

 

 

―オカマ兄弟の部屋―

 

 

 

部屋ではランスが緑髪を右側でしばった女の子を膝の上に乗せて犯していた。

 

 

「いいねわよぅ、お兄ちゃん。その腰の動かし方、最高だわよぅ」

「お兄ちゃん、もう少し脚を開かせてよん、よく見えないわん」

「がはははは。グットな締め付けだ。お? そうか。おりゃ!」

「あ、ん! うぅ……どうして、私がこんな目に……ああ!」

 

モヒカンとパイナップル頭が、ランスと女の子ヤってるのを前で鑑賞しながら煽っている。

具合の良い女の子とヤレテ、褒められ気分が良いようで言われるままにランスは娘の脚を一杯まで押し開いた。

両手を縛られなすがままの女の子は、涙を流しつつも体が反応する。

そんな様子を見た人影が、オカマ兄弟の背後に移動して肩をポン と、叩く。

 

「ほらほらぁ、もっと胸を揉んであげ、何よ? ひッ!? でぶぅ!!」

「いいぞォ~、もっと激し!? 弟よ! あ!? べしぃ!!」

「おぉ? キサマにはヤラせんぞ。もう少し、なんだからな!」

「ぅぅ、もう、やだぁ……」

「お前なぁ……」

 

とりあえず、問答無用で殴り飛ばし二人の盗賊を壁にめり込ませる。

ランスは吹っ飛ばされた盗賊と、その様子をさも気にせず、手出しするなと文句を言う。

涙目の女の子を見ながら、額に指を当て目を閉じて呆れる。

ココで止めてた方が少女にとってもランスにとっても無駄ではないが、後で扱い難くなる。

仕方無しにめり込ませた盗賊のサイフを盗み、ヒーリングで治療しスリープで寝かせる。

 

「お、お。イクゾ!!」

「ッ! あぁぁ!!」

「――ふぅ……終わったか? ホレ、あの二人のサイフだ。始末しとけよ」

「がははは……おっと。ズボン履いたら済ませる」

 

すっきりしたランスと、解放されてうな垂れる女の子。

ご機嫌に笑い、サイフを受け取り立ち上がる。

離れたランスが向ったのを見ると、毛布を取り出し女の子の介抱に入る。

 

「はぁ、はぁ……次は、貴方ですか?」

「いんや、またの機会に。誘われたら、構わんがな『ウォーターボール・キュア』おっと、慌てるな息はできる。風呂と思え」

「え?……!! あ、何コレ……気持ちいぃ……」

 

息を荒くした女の子は手のロープを切られると、次は何をされるのだろうと諦めた様子。

女の子に毛布を羽織わせ、水風呂魔法をかける。

突然球体の水の中に閉じ込められ慌ててもがく女の子に、大丈夫と説明し治癒と洗浄を行う。

水球内でも会話が出来るので、名前やどうして此処に居たかの聞き込みをする。

 

「私の名前はフララ。公園で遊んだ帰りに誘拐されました。仕事? してませんよ。14歳なので、まだです」

「フララちゃんか。災難だったな、キチント街まで送り届けよう」

「……何だと……じゅ、1……4……だ、と?」

 

最初は「もっと早く、助けて欲しかった」と、文句を言ってた女の子。

色々愚痴を言って話してる内に打ち解けたのか、自己紹介と経由を語り出す。

流れを聞き、今後の身の安全を保障し、送り届ける事を約束するウィル。

序に、話ながら下着や服を幾つか取り出し、ドレを着たいか選ばせてのんびりしている。

一方、ランスは呆然と死んだ魚の目をして、ぼーぜんと両手をダラーンとして放心状態。

既に二人の盗賊は始末し終え、剣を仕舞い聞き耳を立てたようだ。

どうやら、フララの年齢に対し自身のプライドを汚した事にショックを受けてるようだった。

 

 

 

―女盗賊の部屋―

 

 

 

その後、治療を終えてフララは服を着込み3人は部屋を出る。

盗賊のボスの部屋の鍵を探して、向かい側の部屋に入る。

 

「ん~! ん? バウンド兄ぃ、終わったー?」

「お! いい尻してるな」

「バウンドだと? (やっと再会か、迷子のレス・兄妹)」

 

部屋では盗賊らしき女の子が、部屋をゴソゴソとお尻を此方に向けて掃除をしてる。

ベットの下を掃除しているようで、扉が開いた音に反応して問いかける。

その様子にランスはお尻に目が行き、ウィルは名前に聞き覚えがあるような素振りをする。

 

「え! バウンド兄ぃじゃない!? お前達は誰!……あれ? ウィル兄ぃ?」

「よう、久しぶりだな。ソウル」

「ちっ! 何だ知り合いかよ」

「えぇ! ウィルさん、盗賊の仲間なんですか!?」

 

返って来たのは兄の声ではなく、慌てて振り返り剣を抜き構える女盗賊。

警戒をしていたが、一人の見覚えあるウィルに気付き剣を降ろす。

ウィルの言葉にランスが苛立ち、フララが裏切られたかと驚く。

 

「たく、何でこんな所で、”また”盗賊してるんだ。地図とキースのトコに紹介状を書いてやっただろう」

「ごめん……地図と手紙は、国境越えてから無くしちゃって……後、お金も」

「ドジだな」

「ドシなんですね……」

「あぅ、ごめん……」

 

後ろの二人を置いておいて、赤い糸のようなバンダナに茶髪を後ろでに伸ばし、少し汚れた盗賊服に左腕に赤いバンドと爪跡のあるソウル・レスに話しかける。

事情を問われ、バツ悪そうに準備してくれたモノや金も無くしてしまった事を白状する。

路頭に迷ったところ『かぎりない明日戦闘団』に拾われ、今に至ると説明する。

ランスとフララに突っ込まれ、頭を下げて体が萎んでいく様に見えなくもない。

 

このソウルとの出会いは約4年前出来事。

父親がボスの盗賊団が博打のような行動に出て、カラークリスタルを求めてカラーの森にやって来た。

カラーの森の守護鬼と化してたウィルに全滅させられ、傷ついた兄の身替りになると庇い立つ。

その意志の強い瞳とウィルの記憶にある二人なので、当時10才な少女と兄をカラーの森で少し世話をする。

ある程度鍛えた後に、ヘルマン国境の手形と自由都市アイスまでの地図と紹介状を手渡し旅立ったが、ギルドに戻っても居なかったらしい。

 

「ふぅ……さっき、バウンドって言ってたな。何処にいる?」

「バウンド兄ぃなら。ボスの部屋で、捉まえた女の子達を犯してるよ?」

「何!? ヤってるだと!! 俺様のまだ見ぬ美女、美人達をよくも!!」

「え! う、うん。最近来た娘と前からの3人娘を犯してるよ? わたしはその……(チラッ)……だから、部屋で待ってるの」

(あ、この子も、そうなんだ……あれ? ロリコン?)

 

ウィルの問いに兄の所在を答え、そこで起きてる事にランスが反応し大声だしながら詰め寄る。

イキナリ詰め寄られ戸惑いつつ答え、ウィルの顔見た後に部屋で待機してる理由をのべる。

同い年のソウルの反応にフララが気付き、先ほどの出会いを思い出して冷や汗を流す。

 

ソウルの情報にランスがヤル気を出し、ボスの部屋の鍵を受け取り先を急ぐ。

 

 

 

―親分の部屋―

 

 

 

洞窟奥の部屋では、鎖で捕らわれてる女の子と3人の少女達が盗賊達に犯されている。

 

「もう、やぁ……だれ、か……あぁ」

「ヒャッハー! おれ達以外いやしねー、よ。もっと喘げや」

「あぁ…ッ!……い、やぁ……」

 

少女達は、拉致されてから何日も毎日犯されており、元気がない。

今も、何時間も犯かされており、悲痛な声が部屋に木霊する。

そんな中、壁にモタレ腕を組み、呆れ気味に盗賊たちを見いる美成年がいる。

茶色い短い髪に赤いバンドの様バンダナを額にした、なかなかの筋肉しつな歳は25才ほどの男。

彼こそがソウルの兄のバウンド・レスその人。

 

「おう、バウンド。お前は参加しないのか」

「ええ。オレはお頭がヤってる、その子が良いんで……」

「ひゃはは。贅沢だなー、おめぇはよう。楽しめりゃ、コイツらでも十分可愛いじゃねぇか」

「いや、オレはいい。(昔は盗賊として普通にヤってた。けど、今は……)」

 

乱交に参加しないバウンドに、ボスであるライハルトが動きを止めて声を掛ける。

見つめる先に居るのは鎖に両手をつながれ、長いストレートな緑髪を背中まで伸ばし服が破られ、かろうじて胸や大事な部分が隠れてる女の子。

それを聞いて、猿の様に動いてた一人が動きをそのまま、バウンドからいながら誘う。

しかし、目を瞑り右手を上げて盗賊の誘いを断る。

 

「まあいい。おい、お前ら! 今日楽しんだら、明日は新しいエモノを襲うんだ。しっかりやっとけよ!」

「へい! お頭!」

「まかせてくだせぇ!」

「かぎりない明日戦闘団は最強! リーザス。いや、世界一を目指ますぜ!」

 

ボスの言葉に、少女達を犯す3人は息巻いて楽しむ。

 

「はぁ~……無理だろうなぁ」

「だな、雑魚の浅さかな叶わぬ夢だ」

「誰だ! んだぁ! てめぇらは!!」

「他の奴らや、ムララのヤツはどうした! 部外者が何で侵入しとる!!」

「貴様達どっから入って、ん! お前はブルーとレッドが犯してる筈のガキじゃねぇか! なんで此処にいる!」

「なッ! ソウル。どうして……ウィ、ウィル兄貴!?」

 

ウィルとランスが盗賊達を馬鹿にする。

声に反応して盗賊たちが、一斉に声のする入り口に目をやる。

そこには見覚えない戦士が二人がおり、その背後に少女が二人。

何故、最深部であるこの部屋に侵入者がおり、更には仲間のソウルと二人に犯されてる筈のフララまでいる。

一方、壁にもたれてたバウンドは、何故ソウルが居るのかとの疑問を吹き飛ばす存在に目がいく。

盗賊達は慌ててズボンを履き、武器を構える。

 

「いや~、ゴミ掃除に来たんだよ。此処は臭くい上に来るのに何匹も片付けて、臭く気持ち悪いわでたまらん。序に、迷子の馬鹿を連れ戻しにな」

「がははは! 序に貴様達のサイフや財宝寄越せ。俺様が有効活用してやる」

「お前達、おもしろい事を言うな。俺の機嫌が最高長に達した……死ね、殺す、滅殺する!」

「そうだ、そうだ。裏切り者のソウルとそのガキも再調教してやる!」

「い、いやよ! 誰がアナタ達みたいなブサイクと! 二度と、ごめんよ!」

「こ、ころす! 殺してやる!!」

 

盗賊は、簡単に女の子達を盾にしたり人質にしたりする。

此処に到着するまでいた盗賊達は、ランスとウィルに襲い掛からず、ソウルやフララを人質にしようとして者が多かった。

そこで、ウィルは金も持たない者達をゴミと称し、来るまでに掃除してた挑発して壁にもたれる馬鹿に合図する。

ランスは高笑いし、先ほど盗んだモヒカンのブルーとパイナップルのレッドのサイフを見せ付ける。

ボスのライハルトは額に # を浮かべながら大鎌を構える。

手下達も裏切り者とフララの今後を叫ぶが、ソウルの背中に隠れるフララに見事に断られブチ切れた。

 

(おい、ボスは俺様に寄越せ。雑魚も後で回せよ)

(ああ、その方が確実だな。油断するな、結構強いぞ)

(ぬかせ! 誰にもの言ってやがる! 後、鎖に繋がれた酒場の娘は俺様が助ける!)

 

ランスはコールの魔法を使いウィルと密談する。

大鎌といった、変わった武器を使うボスは意外にもランスとレベルが近いので警戒する。

最後にランスが一方的なコールで思念会話を止めて、二人はそれぞれの獲物に向う。

今この場に中で、一番美味しそうな歳の美女は酒場の娘。

3人の少女は手出しする気になれず、狙いを定めたのだ。

一方、ウィル雑魚3匹の方に歩み寄り。

 

「さて、お前ら。時間が惜しいから簡単に済ませるぞ」

「ふ、ふっざけんな!」

「3対1で敵うと思ってるのか!」

「殺す、殺す、ころすぅ!!」

 

ウィルの言葉に頭に上った血が更に上り、叫びながら突っ込む3人。

目を血眼にし、言動も危ない。

同時に剣・短剣・斧・を構え3種それぞれ持ち、3人が一列縦に並び飛び掛って来る。

伝説の陣形技も、怒り狂い冷静さを欠ける使い手が5流なら意味が無い。

迫る3人を眺め、ウィルはため息を一つして。

 

「ふぅ、やれやれ……剣舞斬!」

 

シャン と、剣を抜き、見ためには気合一閃。

3人と何事も無いようにすれ違い、ウィルは【人切りの剣】を鞘に収める。

 

「?……んだよ! 上手くかわしやがった」

「ま、まぐれだ!」

「もう一回、いくぞ……へぶっ!!」

 

何時の間にか、通り抜けたのか分からない3人。

振り返り切りかかろうとするが、その場にうつ伏せに倒れる。

同時に、3人が手に持ってた剣・短剣・斧がカラン と、床に転がる

 

「あ、足がうごかねぇ!」

「何しやが……! ゆ、指が!!!」

「ぎゃあぁぁ!! 足がぁ!! 指がねえぇ!!」

 

すれ違った時既に、両足のアキレス腱と武器を持つ手の指を親指以外の4本切り落としてあった。

振り返る事は出来たが、前に出ようとすると足が上がらずうつ伏せに倒れる3人。

顔を打ちつけ何かと思い、痛みがやっと脳にいったようで指が切られた事にやっと気づく。

 

「しばらく、そうしてろ。少女達に与えた、苦痛と悲しみは……そんなものじゃ、ないぞ」

「さっすが、ウィル兄ぃ。男には容赦な~い」

「す、すごい……サッキより、ワイルド(惨酷)だぁ……」

「……あの、ウィル兄貴、そのオレは……」

 

のた打ち回る3人を見下ろし、その光景に怯える3人の少女に近寄る。

その手際にソウルは憧れの念を送り、フララは一歩下がりながらも何とか留まる。

バウンドはばつ悪そうに近寄り、何かを言いたげにするも言えず。

 

3人の少女の中には、10才に満たない少女も含まれている。

そのような幼女にも盗賊たち犯した後が、くっきりと刻まれており目に見える。

数日経ってるにも関わらず、洗われた様子がなく汚された血の跡がしっかり残っている。

先ほどの光景に、流石に逃げることはないが怯える少女。

 

「わ、た、しもコロスの? お兄さん、も……苛め、るの?」

「いや、何もしないよ……ソウル知ってたか? バウンド、一度は改心したんだろう……逆らえよ」

「わたしは、ここまでとは……知らなかったよ」

「すまない、ウィル兄貴……」

「私の時より……酷い……」

 

ウィルを見上げ、震えながら途切れながら言葉を話す少女。

よくある光景とわかっていても、気分のいいものではない。

可哀想と言いたげな元盗賊のソウルに確認する。

申し訳無さそうバウンドに、酷いと思うならお頭相手に逆らえよと、ひと言。

フララは自分より幼い少女3人が、ここまで酷い目に合ってるとは知らなかった。

自分は助け出されて、こんな目に遭わなくて良かったと思うと同時に、手に胸を当てて押さえる。

 

ウィル・バウンド・ソウル達は、少女達をランスとボスの戦いに巻き込まれないよう抱いて移動する。

反応が鈍い少女達に服を着せ「ウォーターボール・キュア」で治療する。

初めは怯えてた少女達も、汚れ破られた服の代わりに可愛い服を着せられる目をパチパチとしてた。

そして、水球の中に閉じ込められて慌てるも、痛めつけられた体と内部の痛みが引いていくのを感じる。

息もできて、水が体を洗ってるようででくすぐったく、気持ちいいのを感じる。

治療されてるのをなんとなく理解すると、水球体の中から話をするまで回復する。

 

「――あ、あの~、ウィルさん。アッチはいいんですか?」

「ん?……あ~、おーい、ランス。何ヤッテるんだよ?」

「がははは。見ての通り、助けた謝礼をもらってる」

「あぁ……あん……そこは、やぁ……んっ!」

 

魔法の制御をしてるウィルにフララが後ろの様子を伝える。

呼ばれて振り返ると、両手を上に鎖に繋がれたまま、片脚を持ち上げられて犯されている娘。

ランスは楽しそうに笑い、もう一方の手で胸を揉みながら謝礼と言ってのける。

拘束されてる為、逆らう事も出来ず犯される、酒場の娘。

よく見ると、多少顔が赤くそれほど嫌そうに見えなくもない。

 

目線をずらすと、ボスの首が胴と離れており、のた打ち回るっていた3人は血溜りを作って身動きしてない。

 

「あのなぁ、普通せめて鎖外してからヤレよ」

「がははは。こんな美女を目の前に、我慢できるか! グットだ」

「んぁ、ああん。だ、いじょうぶです。ふぁぁ……んっ、此処で止められたら、中途はん、ぱに……あっ!」

 

ウィルは止める気はないようで、鎖を外してこの場で犯すのでなく、きちんと場を設けろという。

だが、当然やめる気のないランス。

腰と手を止める気配はない、そこに、酒場の娘が大丈夫と言うので。

 

「だ、そうだ」

「……みたいですね」

「いいなぁ……ウィル兄ぃ、わたしも欲しいよぅ」

「ソウル、はしたないぞ」

「……へ? やっぱり……」

 

ウィルは少女達の為に振り向き、3人分の大きな球体の魔法制御に集中する。

少女達は大分回復しており、指や手を動かし軽く泳いでもいる。

フララは軽く呆れ、ソウルが背中に抱き付き胸を押し当て欲しがり、バウンドがたしなめる。

3人のやり取りに、フララが先ほどの読みが確証に変わる。

 

その間に少女達の治療が終わり、軽い携帯食料とお菓子や水を与え介抱する。

盗賊であったレス・兄妹に怯えると思われたが、ソウルは女であった為に問題なし。

また、バウンドは罪悪感からか盗賊達の目を盗んでは、水や食料を与えてた為に打ち解けている。

少女達いわく「ひどい事しなかったし、優しいし、カッコいいもん」だ、そうだ。

 

その後、スッキリしたランスと酒場の娘に風呂魔法を掛ける。

流石に、そのまま酒場に帰ったなら、オヤジにもろバレだろう。

破られた服の変わりに、何故か”元の服”が偶然持っておりソレに着替え終える。

盗賊団を壊滅し、少女達と酒場の娘を救出成功した。

荒野を街に戻る際、戦闘力のないフララと少女と酒場の娘を4人で守りながら無事に到着するのであった。

 

 

 

 








  ≪武器≫

 【人切りの剣】

闘神都市2から、シードに貰った剣の一つ。
攻撃力101にして、人間属性があり人類に恐ろしい効果を発揮する剣。
ただ、服程度なら問題ないが、鎧や他のモンスターにはそれなりの剣。
ただし、人間に対して恐ろしい切れ味で、斬り方によっては相手も気付かず3時間は生きれるとか。


  ≪技≫

 【剣舞斬】

元は瑞原流の奥義・刃の剣を元にあみ出した技。
全身を闘気法で剣速を強化し、一息に3回~9回斬りつける技。


  ≪魔法≫

 【認識障害結界】

聞こえ覚えあるそのまま。
自分の姿を違うものに見せたり、会話や行動までも違う事に見える結界。
近くで見てる場合は上位なモノには効果ないが、遠見なら効果あり。
今回は、ブリティシュを蹴って馬鹿にする映像を結界に組み込んで見せた。
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