ランスの孫。ウィルの忘却編   作:神崎風水

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7話 第50回、リーザスパラパラ杯開催

 

―宿屋の女将の部屋―

 

 

準備を整え、いざ行かん。

 

「最初に謝っておく。フララと葉月、わりぃな。……ソウル、暴走モードの説明したか?」

「「はい?……え゛っ!?」」

「あっ、うん。あれヤルの? 最初からアレかぁ~……ガンバ!」

 

ウィルの言葉を聞き、フララは後ろ手に後退ろうとするが肩を掴まれる。

葉月は文月の背に隠れ、ソウルはのん気に応援する。

若葉マークにはキツイ試練が始まった。

 

 

―30分後―

 

 

「く、るし……あ、アア。こわ、れるぅ~んっ♪」

 

フララ14才の体には厳しいようだが、レッド&ブルーやランスとの経験からか気持ち良さそうにダウンした。

次は葉月だが、少し顔色が悪いというか、引きつっている。

 

カジノでアキの時も失神目的だったので激しかったが、今の行為は昼間の3倍比。

葉月の時は初めてだったので、気遣いながら優しかった。

文月との時も同じように丁寧だったが、今は違う。

 

「ウィルさん。あ、あの。やさし、ひゃあぁぁ!!」

「葉月ちゃん、ガンバレー」

 

葉月の願い虚しく、ソウルの応援の目下試練開始。

 

 

―30分後―

 

 

「ひぃあぁん♪ 昼間と、つぁ! 違い、すぎぃぃいい♪」

「あぁ、葉月……良い顔、するわぁ~♪」

 

葉月は昼間との違いに怯えていたが、実際に体験するとキツイ中に良さを見い出したようだ。

たまに顔をしかめるが、最後に良い顔してダウンする。

文月は葉月の様子を見て……本当にいいのか? と思えるほど、娘の成長を嬉しそうにしている。

さて、次からが本番と言えるソウルの相手を開始した。

 

 

―30分後―

 

 

苦戦するなー、と思って居たが。

意外にも意外。

 

「くっ……あっ、あんっ♪ 来てぇ! ウィル兄ぃ……!!」

「くぅ!! はぁ、ふぅ。ふぅー……よし、次は文月か」

「あ♪ はぃ♪」

 

ひしりと抱き付くソウルの番を終えて、文月に向き直る。

文月は自分の番と笑顔で答える。

此処からが大変と思ってはじめようとすると、意外な言葉が飛んできた。

 

「あ、ウィル兄ぃ。あたし寝るね。風呂必要ないから、3人とも」

「……は? いや、もういいのか?」

 

ソウルの言葉に思わず手が止まる。

ありえない、昨晩も数年ぶりだからと7回は頑張った。

それが、一回で満足して寝ると言う。

ソウルを目で追うと自分の布団に行くかと思いきや、何も無いところから下着を3枚取り出す。

そして、下着を履いて葉月の布団の中に潜り込む。

 

 

―ウィルサイド―

 

 

「――なに? ソウル、何処に入り込むんだ」

「んっ、あ、んん!……クー、ス~」

「――あらあら」

 

ソウルは何をしてるんだ? 寝てる筈の葉月が悶えてるぞ。

ナニを布団の中でゴソゴソと。

文月は分かってる様子だが……。

今度は、フララの布団の中に。

 

「んぁ、んっ、あんっ! ふぁ? ソウルちゃん……んっ」

「んっ……フララちゃん。おやすみ~」

「ぅん、おやすみ~……すぅ~」

 

また、布団の中でゴソゴソと、フララも悶えてるな……ホントにナニしてる?

目が覚めたか、って! おいおい……何時の間に、そんな関係にかなりのフレンチだなぁ、おい。

今度は上半身まんま、抱き合って寝るんかい!

ソウル……おまっ、ナニしてんだよ!

 

「奈美。ソウルとフララって、こうだったか?」

「えっと、はい。昼間フララちゃんが手伝いに来て。二人で仕事させて休憩を取った2時間後に、ピッタリくっ付いて仕事に戻りました♪」

「若いって、いいですわねぇ~♪」

「よくねぇよっ!!」

 

奈美、お前どうしたんよ。

ドロシーか? ソウルか? ナニ吹き込まれたよ……。

前は淑やかで可愛かったのによぅ。

いや、今も淑やかだがオープンすぎるし、考え方変わり過ぎるだろっ!

 

文月はまぁ、俺が目覚めさせたな。

旦那を亡くして、いやあの感じは葉月を育てるのに心血注いでたな。

最初に相手して、葉月の後の乱れようと来たら……。

ああ、この二人が一番の難関だ……気合入れんと寝れんっ!!

 

 

―朝、AM:4時―

 

 

 

「はぁっ、あっ、くるっ、んあぁぁーーー!!」

「きちゃうっ、はぁっ、あっ、あああぁぁーーーっ!!」

「っ! くうっ!! はぁ……ふぅ……」

 

もう何度目かの到達に、流石に昼間を入れてHPに厳しいものがある。

【元気爽快】を使用してなんとか、”目覚めさせ”てしまった二人を相手していた。

最初は暴走モードで押し込むつもりだったが、奈美に「4時の調理時間まで、お願いします」と言われ、時間制限あるならと頑張った。

文月が下に奈美が多いかぶさり、余韻に浸っていたが時間が来ていた。

 

「ふぅ、文月さん。次は負けませんよ」

「ええ、奈美さん。わたくしだって」

「いや、勝負はいいから。時間だぞ『ウォーターボール・キュア』」

 

もう、大所帯客の朝食の仕度を開始しなければ間に合わない。

奈美と文月を水風呂で包み、汗と体液の汚れを落とそうとする。

 

「「はい。はぁぁ~~……生き返ります。あ、中は不要です。髪と外だけで」」

「ん? そうか。了解」

 

全裸の二人は目を閉じ適温の水中で夢心地。

疲れた体に皮膚外部から水分を補給し、疲れを癒し体力まで回復する。

そして、仲良きかな、二人揃って同じ事を言う。

言われて制御を変更して、清めを終える。

 

「ウィルさん、ありがとう御座いました。食事の時間まで、おやすみなさい」

「普通、ありえないのですけど、このような事があるとは知りませんでした。有難う御座います、ウィルさん」

「此方こそな。明日、というか今日大会なければ、二人が満足するまで相手するんだが……二人とも凄く良かったぞ(いやぁ、時間制限あって、マジに助かった)」

 

畳の上に立つと奈美は頭を下げ礼を言い、食事の時間までおやすみの挨拶を済ませる。

文月も横に並び立ち、普通有り得ない行為と思いつつも、知った幸せに頭を下げる。

一つ忘れてるが、二人ともまだ着替えてないのに、笑顔と真剣な顔をしてるのは婦女子の余裕だろうか。

二人の礼といい訳をしながら、素直な感想と褒め言葉を答える。

ただし、激しく失神させたり落とすのでなく、二人に合わせた行為の為に疲れたことを悟られないようするのは男の意地だ。

そして、着換えを始める二人を見て、ギョッ っとする。

 

「む? 着物に下着をぉ!? な、何故ソレを持ってる!!」

「くすくす、今ごろですか? 寝てる3人も履いてますよ?」

「うふふふ、出来ないのが残念ですけど。中に留めていられる……イイ、ですわね」

 

二人の履く下着は、トッキが付いており栓をする用途がある。

それは、メープル街が主に生産しており、他の街にも搬出されてるが滅多にない一品。

焦るウィルに奈美が、先刻ソウルが何故布団に潜ったのかを説明する。

文月はウィルの体についても聞いてるので、次ぎが出来ないのを残念に思いつつも、温もりの保管を喜んでいる。

 

「ぐわぁぁ! ど、何処から……ッ! ドロシーのヤツかぁ!!」

「クスクス、せ・い・か・い。ですよ」

 

一番初めはウィルが作らせたものだが、まだ日も浅い5人に性癖が知られ、頭にハンマーを食らった気分だ。

いい訳をもう一つすると、当初はメルフェイスの体の為に作られ、留める場合と排出した時の持続期間を調べる目的だった。

下着の使用耐久を調べるために戦闘や普段生活する際、色っぽく羞恥心で顔を赤くする姿に興奮した。

そこで、職人のじーさんに頼み、色々な種類を作ってもらい試して楽しんだ。

その後、エロ爺が数量限定品としてウィルに内緒で販売したところ、一部の客が殺到して今の販売拡大に至ったのだ。

 

顔に手を当てながら出所を考える……が、考えるまでもなく、この場に居ない自分の動きや経由をよく調べてる女を導き出す。

流石に恥ずかしいのか、今まで見せたことないウィルの行動と表情に、思わず奈美を変なスイッチが入りからかう。

そして、ウィルの余り知られたくない部分突付いて楽しんだ二人は、割烹着に着換え調理場へと向かった。

一方ウィルはドロシーに対し、今夜御礼をしに情報屋へ行こうと心に決める。

 

 

―朝、宿屋前―

 

 

パラパラ杯の席取りのためか、宿の客は朝食を食べ終えると直ぐにコロシアムに向かい、その客を全て送り出した。

今、宿屋の前に居るのは奈美達にバウンドの少女たち家族と酒場親娘。

そこに、メルフェイスとシィルが到着して、皆それぞれ自己紹介をする。

そんな中、ウィルは情けないため息を漏らす。

 

「んあぁ、ふぁんぅん~……」

「ウィル兄貴、なんですか? その変な、ため息は?」

「……あぁ、バウンドか。このリックサック持っててくれ。血で、汚れるからなぁ……」

「げっ!……あ、アレですかい?! 頑張って下さい!」

 

よくわからない変なため息に、バウンドが横から声をかける。

その問いに振り向きながら、道具袋代わり(【倉庫腕輪】擬態)のバックを手渡す。

その言葉を聞き浮ぶのは、女性の恐ろしさとウィルの潔さと男気?

まぁ、元々の原因を作ってるのはウィル自身だが、矛先を全てを受け止めている。

何故大会に行くのに、ズボンとYシャツのみでいるのか不思議だったが、理由は直ぐに分かる事になる。

 

「私の名前はメルディ・ライン(・・・)よ。よろしくね」

「「「「へっ?……ええっ!?」」」」

「ああ、やっぱり。驚くよなぁ……(メルのヤツ、そーとぉ怒ってるな。こりゃ……)」

 

パリス学園の魔法女教師の偽名を紹介すると、奈美・文月・葉月・フララが大声を上げる。

この場にいる全員に名を紹介してるのだが、メルフェイスの目線は4人を順に流し見て微笑む。

その目と微笑みに、今回の事件の流れを伝えてた内容との違いに(連れ込む女性の数)メルフェイスの怒りを理解し受け止める。

 

ライン(・・・)って、どういう事ですか! お嫁さん、奥さんですね!」

「選ばない、と言われてましたけど……バツイチですものね、しょうがないですよね……」

「奈美さん、お母さん……(違うよ。シィルさんは偽名で、妹って言ってた。メルディさんも偽名な筈。けど、特別なのは事実。ウィルさんが容認した偽名だし)」

 

奈美が見事に勘違いを起こして、怒りをあらわにする。

反対に自身の境遇に落ち込み、ズーン と、暗い雰囲気をかもし出す文月。

ウィルは誰かを選ぶ事がなく見境なく手出しするが、既に相手がいたからと回りも勘違いをおこす。

そんな中、葉月は冷静に物事の前後と流れやウィルとメルディを見て、的確に真実を導き出す。

そして、このままじゃいけないと、二人に歩み寄り誤解を解こうとしたがソウルの手によって妨害される。

 

「あははは。ハイ、二人ともコレ(投げナイフ)その思い(嫉妬・怒り)を、ぶつけよぉ~♪」

「!……そう、そうですね。騙した罰ですよね。クスクス……」

「!……ええ、ウィルさんと一緒に、あの人の元へ行けば、邪魔されない。ウフフフ……」

「っ! 二人とも!? ちょっとぉ! ソウルちゃん。何でナイフなんか渡すの!!」

 

ソウルは一昨日貰ったフォーマルリング(収納指輪)を使いたくしょうがなく、投げナイフ何本か取り出し二人に手渡す。

二人の反応はよく知ったもので、こんな時は兄をヤルのが一番と思ってる。

奈美は手渡されたナイフを驚き眺め、危ないスイッチが入り微笑みが怖い。

文月もナイフの刃に自身の姿を映し見て、邪魔されないあの世に連れて行こうと思考がぶっ飛ぶ。

二人の変貌に恐怖しながら、ソウルに問い詰めようとする葉月。

その間にフララにもナイフを手渡すと、横から声がかかる。

 

「ソウルちゃん。私にも2本頂戴~♪」

「あ、私も欲しい。何時もの、お返しをしないと……ふふふ」

「ええ!! ドロシーさんとミリーさんまで!? 二人ともどうしたんですかっ!」

「うにゅ? 葉月さんもハイ、どうぞ」

 

ドロシーとミリーは、まるで飲み物を注文する様に気楽にナイフをソウルに求める。

葉月はありえないこの今の状況に驚きつつも、ソウルに渡されたナイフを受け取ってしまう。

この事態はドロシーは勿論、ミリーもこうなる事を聞いていた様子。

ソウルと仲良しなフララも承知しており、悪いとわ思ってるようでナイフとウィルの顔を見比べている。

外野と化した酒場のオヤジとパルプテンクスは唖然とし、少女達親子は娘の目を塞いで見えないようしている。

 

「――あわわわ。メルフェイスさん! 止めないと、ウィルさんが……!」

「いいのいいの、大丈夫よ。死にはしないから♪」

 

シィルはこの面子の初期儀式みたいのを知らないため、止めさせようと肩を掴んで揺する。

メルフェイスはシィルのふわふわ髪に手を入れて、気持ちの良い感触に微笑みながら答える。

ウィルの性格と性分を知っていても、今回の事件限り関係と言ってたのに、フタを空けて見れば6人も目の前にいる。

メルフェイス自身が苛立ちを後日に晴らすにしても、今痛い目に遭うのは当然と思っている。

ソウルの掛け声に導かれ、7人は一斉に”ウィル危機一発”をすべく駆け出した。

 

「それじゃぁ、逝っくよぉー!」

「「やあぁぁ!! お覚悟ぉ!!」」

「「ウィルさん、ごめんなさぃー!」」

「「天誅ぅー!!」

「ふぅ……(ソウル、楽しそうだな。二人の憎悪の負の感情は中々。謝ってるわりに、気合入ってるなぁ、おい。仕返しを楽しんでるし)」

 

ウィルはナイフを手に突撃してくる7人の様子を、空の雲の形を眺める感じで受け止める。

ソウルはノリノリ笑顔で、両手に逆手でナイフを持って突撃しくる。

腹とかでなく、肩や胸に刺すのが目に見える。

奈美と文月にフララはよくある腰位置で固定して走ってきて、葉月は何故か二本のナイフ刃先を下に向けて走ってくる。

どうやら、刺すのでなく斬る様に見えるのは気のせい……ではなさそうだ。

昔、父親に教わった切り込みをする気であろうとも思える構えだ。

ドロシーとミリーも同じように腰位置で向かってきた。

ドスッ、ザシュ、サクッ、と肉を刺し斬る鈍い音がする。

本来女性の力で容易く刺せるものではないが、ソウルが持つ投げナイフは刺さる事に特化させた一品。

非力でも、Yシャツのみで体に力を入れず脱力していれば容易に刺さる。

そして、ウィルの体に10本のナイフが突き刺さる。

 

「づッ!……(葉月。斬って刺すとは、アキの分もかよ)」

「「大丈夫ですよ……私たちも直ぐ後を……んっ! 抜けない? どうして!」」

 

ウィルは葉月の斬り刺しが、ここに居ないアキの分と瞳を見て理解した。

奈美と文月はまだスイッチが入っているようで、次の行動を自害しようとするが刃物が抜けず戸惑っている。

奈美と文月以外は、刺した後に手を放して直ぐ離れた。

ソウル以外の4人は少なからず動揺を隠せない。

初めて人を刺した感覚と、その相手が好いた男だから。

 

「自害なんてさせるかよ」

 

未だにナイフを抜こうとする二人の頬を撫でて顔をこちらに向けさせる。

そのまま交互に口付けして、負の感情をご馳走になる。

その後、落ち着いた二人を見計ると、メルフェイスに付いて説明する。

 

「メルディ・ラインは偽名で、メルは”妻”じゃあない。俺は誰か一人を選ばないが”優劣”は付ける。メルは俺にとって、掛け替えのない相棒の一人だ」

「うふふふ、ごめんなさいね。本名はメルフェイス・プロムナードよ。新しい貴女達を見て、つい悪戯したくなったのよ」

「二人が言ってる事は事実よ。ソウルとフララはし大体理解してるし、葉月ちゃんは気付いたみたいね」

 

負の感情を吸収され、変なスイッチが解除され冷静さを戻した二人は、ウィルの言葉を信じる。

メルフェイスの言葉とドロシーが補足説明するのことで、その場に居た全員を大よその流れと理由を理解した。

 

「むぅ~……ウィルさん。何度からかって、私を怒らせるんですか……もぅ……」

「そう、みたいですわね……(メルフェイスさんを優先してるのは、事実みたいですし……それに)」

 

奈美はまた自分がウィルに弄ばれた事を知り不機嫌になるも、流石になれたというか諦めた感を出して拗ねる。

文月も負の感情を吸収された事で冷静になり、真実とこの場に居ないメルフェイスと同等の女性達の存在に気付く。

その後、ウィルはシャツを脱ぎ傷見せながら『全回復』を使い、傷を塞ぎ回復する。

ただ、シャツを脱いだウィルの引き締まった上半身を見て、奥様方が生唾ゴックンしたとか、しないとか。

 

 

―コロシアム―

 

 

対戦者発表を見るために、一同は対戦カードが張り出された場所に到着する。

ウィルの名前は第一試合なので直ぐに見つかったが、ランスの名を探す中に在るはずの無い名前があった。

 

「――うをい。何でソウルとバウンドの名前がある?」

「あははは、ドロシーさんに聞いたの。パラパラ杯三日前に規定人数が足りない無い場合。手形無くても入城と申し込みできるって♪」

「参加資格の7品ですがね。一般的には認知薄いですが、色々な材料になるんですよ。んで、ソウルと俺も持ってたんで、足りない部分は先日、ランスさんと一緒に採取してたんですよ」

 

ウィルの問いかけにレス兄妹が答える。

意外な抜け道と、どこまで運命と言う予定が狂うものかと頭が痛くなる思いだ。

ドロシーを引き込んだことで、周りの運命の歯車が予想外に崩れ回りだしたことを再認識する事となる。

 

 

 

Aブロック

第一試合 ネイル・アート  VS ドギ・マギ

第二試合 おたま男     VS チャネラー伊藤

第三試合 ボーダー・ガロア VS 黒ヒゲサミー

第四試合 小川健太郎    VS ラフレシア頭巾

 

Bブロック

第一試合 チルディ・シャープ VS カリギュラ

第二試合 銀河爆神ドルガーラ VS 戦士カキタロス

第三試合 アッシュ・根性   VS 邪悪大帝Σ

第四試合 松本大和      VS ナチスパンサー

 

Cブロック

第一試合 ユラン・ミラージュ VS ゲラーミン

第二試合 ハリケーン斉藤   VS 総統K

第三試合 ソウル・レス    VS 白井クナイ

第四試合 アジマフ・ラキ   VS ワートナー

 

Dブロック

第一試合 レオパルド・マーラー VS くぐつ伯爵

第二試合 バウンド・レス    VS ぶるま大使

第三試合 ごんご        VS フブリ・松下

第四試合 ランス        VS 白井カタナ

 

 

 

対戦相手は上記のようになり、上手い具合にそれぞれ分散してる。

対戦表の中には見覚えある名前があり、健太郎との対戦は無いと判断する。

一回戦はどんな奴かと思い返そうとすると、丁度よく相手の男が現れる。

 

「んん~? 今大会優勝候補のドギ様の対戦相手がどんな奴かと思えば、顔だけの優男じゃねぇか」

「なんですって!!」×女性陣

「――いいって。俺がネイルだが、お前が対戦相手のドギか。そっちの子は可愛いな」

 

斧を担いだむさ苦しい大男がウィルに近づき、上から下を見た後馬鹿にする。

後ろの女性陣がカチン と来て怒るが、手で制する。

初見挨拶を交わしつつ、後ろの女性に目を向ける。

青瞳にオレンジの長い髪に水着のような奴隷服着た悲しい表情をした女の子。

 

「ぐわははは、俺の奴隷のマニだ。お前の後ろの女達を俺に寄越せ。お前なんかには、もったいねぇぜ」

「……ふむ、いいだろう。「ええっ!?」ただし、勝負で勝てた方が一人の女を手に入れる。どうだ?」

「ぐわはははっ! いいぜぇ。ドイツを賭けて勝負するんだ?」

 

ウィルの言葉にマニの肩を掴み寄せ、自慢げに高笑いしながら後ろの女性達をいやらしく見つめる。

ドギの要求を簡単に了承するので、女史達が驚きの声を上げる。

彼女たちの反応を気にもせず、まさかこうも簡単に奴隷を追加ゲットできると喜ぶドギ。

 

「メル……いいな?」

「ええ、良いわよ」

「ぐひっ、ひひひ……すげぇ上玉じゃねえか、いいぜぇ~、最高だぜっ!」

 

振り向きもせず、メルフェイスに声を掛ける。

驚きも嫌悪を感じさせず、髪をかぎあげウィルの前に出てドギと対面する。

嘗め回すようにメルフェイスを眺め、鼻の下を伸ばすどころか舌なめずりをしている。

 

一方、後ろの女性陣はナニがどうして、そんな事を了承できるのかと驚きで一杯な顔をしている。

ただし、ドロシーとソウルは驚きはしていない。

ウィルが負けるはずが無いと、確信を持って信頼しているから。

 

そして、メルフェイスは奴隷契約書に署名と奴隷首輪をはめる。

次に、マニの契約内容を見せてもらい修正する。

 

「――ふむ、これで。俺かお前か勝った方が女を手に入れる。仮に死亡した場合も同上でいいな?」

「ぐわははは、いいだろう。だが、大会ルールで殺したら反則負けだぜぇ?」

「念の為だ。だいたい、お前が死亡した場合、マニも一緒に死ぬように設定とは、酷い奴だな」

「はんっ! 裏切り防止と、俺の奴隷を誰か好きにされて、たまるかってんだ」

 

契約書に手を加え、勝者が相手を死なせた場合も可能とする。

大会ルールがあるために”ソレ”にドギは気付かず、”その事体を起す為”にマニの身の安全を確保する目的があった。

ウィルの言葉にドギは奴隷でも、もしも毒を混入して自身を殺すような事がないようにと、誰かに奪われるくらいなら死なばもろともと言う。

話が付いたところで、ドギはご機嫌にその場を後にしようとする。

 

「あ、あの、ごめんなさい。でも、どうしてあんな無謀な勝負をしたんですか?」

「ん? そりゃー、きみが可愛いからさ」

「そうそう。私は大丈夫よ、勝つのはネイル。それより、貴女の方が心配なのだけどねぇ~……」

「え? それって、一体「おいっ! 早くきやがれ!!」はいっ! あ、失礼します」

 

マニは去り際にウィルとメルフェイス前に止まり問いかける。

その言葉に可愛いから助けたいからと言うネイルとメルディ。

後半の言葉に疑問を持ったマニが再度問いかけようとすると、ドギの怒声によってその場を後にする。

ただ、二人は何事も無い様にしてるが、お尻をメルフェイスに抓られてたりする。

今朝刺されたばかりなのに、コロシアムに来てまで、次の女の子を手に入れる為に利用するのだから当然とも言える。

その光景を見て、安堵と同時に友人の心配する奈美がいた。

 

(もぅ、また新しい子に唾つけて……それはそうと、ソウルちゃんはいいとして、ランスさんはどうしよう……増えないけど、危険すぎる)

 

友人の白井家の姉妹が参加してるとは思わず、それと同時にあの家のしきたりを心配する。

ウィルと対戦しないので増える問題はないが、ランスの場合……確実にもめる。

絶対に、話を最後まで聞かずに襲い掛かるに違いない。

奈美が、宿で同じ目に遭っているのだから。

かといって、辞退する二人ではないし対戦変更も無理。

大会に出たのはカタナなので、覚悟の上と納得するしかなかった。

 

 

―トトカルチョ会場―

 

 

一行は、次の目的地の賭け会場に到着する。

すると、元気な声でパニィが対戦カードの発表と賭けを請け負っていた。

一獲千金を目指す人々で会場は賑わっている。

 

「はーい、注目ー。パラパラ杯の全一回戦の対戦カードは、こうなってまーす」

 

パニィが掲示板を指し棒で示すと、注目している人々が一層ざわめき出す。

本来、ネイル・アートの関係者であるもの達、本人は勿論勝敗に賭ける事はできない。

しかし、一つだけ可能な賭けをできる分野がある。

 

「おーい。パニィさーん!」

「あら、ネイルさん。どう大会一回戦、最初の気分は?」

 

人々がパニィや他の受付係りに、一回戦の勝者を選び金を賭けている。

そんな中、ネイルに呼ばれてパニィが此方に気付きやってくる。

本来、忙しいこの時に個人へ挨拶などしないが、大会第一試合の選手なので心境を探りトトカルチョのネタに使う気であろう。

ネイルがメルディ達を紹介して、自身に賭ける手続きを申し出る。

 

「――問題ないよ。それより、かれ等が私に賭けるので、手続きをお願いしたい」

「えっ? 駄目よ、対戦者関係者は賭ける事……って! アッチの賭けぇ?!」

 

ネイルの言葉に、パニィがお決まりの断り文句を言おうとするが、特別枠の賭けに気付き驚く。

勝敗を関係者が関わると、わざと負けたりして八百長が起こるので禁止している。

しかし、一つだけ抜け道があり、優勝者として賭ける事は可能だ。

一戦づつ賭ける場合と違い、優勝者を選ぶ場合は大会開始前にかけるので八百長もくそもない。

誰もが優勝を目指し戦うのだから。

 

「分かりました。それじゃ、此方の方で書類に明記と、賭け金を渡して下さい」

「おっと、VIPの【はの5番】で、書類をお願いしたい」

「ええっ!? ネイルさんて、保健医じゃぁ。『はの5番』って、相当ですよ?……貴族様?」

 

パニィの言葉に、優勝一律の賭け専用受付が対応する。

その書類にVIP席の場所を追加して、掛け金が運ばれてくるよう手配する。

パニィの貴族発言については、口に指当てて「内緒」で誤魔化した。

そんな中、ドロシーとミリーにメルディが別の場所に案内された。

 

「あれ? ドロシーさんとミリーさんとメルディさんはどうして?」

「ああ、あの3人は掛け金が1万Gを超えますので、違う別室で」

 

奈美が3人が別の所に向かうのに気付き、問いかける。

すると、受付嬢が高額者は危険防止の為に別室に向かうと説明する。

 

 

 

その他の面子が賭けの手続きをしている時、別の所から3人の男女が向って来る。

その中の男子が、トトカルチョ会場に居る女の子に気付き慌てる。

 

「(あ、あの子は……不味い、逃げよう)美樹ちゃん。僕は本選会場の方に行ってるよ。じゃっ!」

「健太郎様? はい、美樹様は私にお任せ下さい」

「ええ! もう、頑張ってね~! 健太郎く~ん!!」

「――? 健太郎さん?」

 

美樹と日光に別れを言って、健太郎は反転して会場を後にする。

走り去る健太郎を大声で応援する美樹。

その声に、葉月が気付き振り返ると、走り去る元彼の後姿を確認した。

分かれ道を左に曲がり、壁に持たれて必死に走った息を整える。

 

「はっ、はぁ、はぁ。ふぅ~……あ、焦った~。なんで、カジノに居ないでこんな所に?」

 

息と切らせ、この場にいる筈のない彼女が居たので焦った。

浮気相手と出くわし、気まずくなるのは必須。

後で会って話せば良いと思う健太郎だが、今回の出会い回避は悪手だ。

人間関係は些細な事で亀裂が入り、直すのは容易ではない。

状況を知らない健太郎だから仕方ないが、今回の場合、会って紹介したほうが正解だたっとは知る芳も無い。

 

 

―はの5番、VIPルーム―

 

 

あの後、ウィルたちと美樹と日光は合流して各々と自己紹介を果たす。

そのまま、ネイル・アート優勝に賭けた全員は、VIPルームにやって来た。

皆、初めて来るコロシアム会場を一望できる部屋に、驚き喜ぶ一同と特に少女たち。

そんな中、美樹が葉月を引きつれ部屋を出る。

その様子を見ていたウィルは、嫌な予感をして後を付ける。

 

「――あのー、美樹ちゃ、さん。話とは、なんでしょうか?」

「うーん、とね。健太郎君と……どうやって、出会ったの?」

 

 

年下の美樹を「ちゃん」付けで呼ぼうとするが、身震いする恐怖を感じ敬語になる。

美樹は健太郎との関係を聞こうと考え、少しの間を開けて出会いがどういうものだったか聞く事にした。

体液と血の気配から健太郎とキスした当日、ウィルに抱かれた事を知っている。

「この尻軽泥棒猫!」と怒りが沸くも、なんとか怒りを抑え健太郎との出会いと、今日の今に至る(ウィルとの関係)経由を聞き出そうとする。

 

「あ、幼馴染なんですよね? アレは……」

 

美樹の雰囲気と言葉に、健太郎が言ってた「幼馴染と旅をしてる」というのを思い出す。

そして、トトカルチョ会場での情景から健太郎と美樹の関係性を導き出す。

葉月は出会いを語り出す、ゴロツキに絡まれてた所を助けられた事柄を。

その後、何度かデートした事を素直に話し、カジノでの接客前に結ばれようとキスした事を話す。

本来、幼馴染にそんな事を話すのはありえないが、葉月にとって過去の思いで。

しかも、健太郎は葉月を見て逃げたと思っている。

あの時、紹介されたなら自分との事は話さなかっただろう。

しかし、母の病気と借金自身を救われ、身も心も捧げた今となってはどうでも良い。

寧ろ幼馴染に自分との関係を知られるのを恐れ、逃げたと思った今だからこそ告発した。

 

「そうなんだ~……ウィルお兄ちゃんと居て幸せ?」

「はい! お母さんと一緒に、恩返ししたいと思います」

 

健太郎の優しさを知り、ウィルが恩を売って親娘を食った、葉月の関係と流れを知った美樹。

先程より明るい雰囲気になる美樹に、笑顔で意気込みを答える葉月。

 

葉月は部屋に戻り、美樹は用事があるとこの場に残る。

その後ろからウィルが美樹へと歩み寄り、先ほど見たビジョンの光景になるべく横に並ぶ。

 

「美樹ちゃん。葉月とは分かりあえたかい?」

「……ああ、勿論だ。この、女の敵めっ!」

「んぐっ!?……ぐぶっ! プリ「魔樹だ」魔樹さま、ですか……」

 

ウィルの問いに雰囲気の違う魔樹が、魔力を籠めた手刀を腹に突き刺す。

投げナイフの時と違い、魔力手刀の威力に吐き血をしながら、刺された部分のシャツを真赤に染める。

魔王人格の魔樹より、ウィルの事情は諸もろばれ状態。

 

その後、内臓をえぐられる感覚に苦痛を浮かべつつ、魔樹の推論に素直に答え続けた。

 

「――しかし、本当にウィルはレベルが77なんだな。3レベルしか上がらないではないか」

「っ! 待ってくだ、ぶふっ! さい。どういうことです?」

「なんだ? 弱者が強者を痛めつければ、魂を多く取り込みレベルが上がる。当然だろう?」

 

血の付いた右手を眺めながら、魔樹がレベル4になった事をぼやく。

ウィルは思わず問い正そうとするが、吐き血をして仕舞いなんとか手で押さえ再度問いただした。

すると、500以上であれば、これだけ痛めつければ10~30は容易といってくる。

その言葉に、自分と少数しか知らない、裏技的なレベル上げを知ってる事を知る。

 

魔樹によると、魔王や魔人は自動レベルアップな為、既に知ってる事実と言う。

更に、初期では最弱の魔人として、仲間内で虐められていたケイブリスは現在では最強である。

しかし、ククルククルが殺され魔王交代した事で、代々の魔王によってレベル上げの為に痛めつけられていた事を知る。

ケイブリスの魔王になる目的は、これ以上痛めつけられるのは嫌だと言う事。

もう一つは、カミーラへの求婚目的と知らされる。

 

「そうでしたか……『プチ・ボール』お手を失礼」

「うむ、殊勝な心がけだ。しかし、お前の治療はいいのか? そのままだと、死ぬぞ」

「いやぁ、『女王人魚のメロウ』を抱いてまして。技能出し入れ操作すれば、大丈夫です」

 

魔樹の話を聞き、血で汚れた手をプチボール(小型治癒水玉)で血と骨で傷ついた手を癒す。

穴の開いた腹を眺め、魔樹は軽症な自分よりも重傷なウィルを心配する。

その言葉に、魔樹と美樹のレベルを簡単に上げれるようにと、技能の関係性と体について答える。

その間に開いた腹はジュクジュク と修復されていく。

 

「お前……よく、人の中で生きられるな。既にバケモノの域に到達してるぞ」

「ははは、俺はまだ人のつもりですよ。それに、これでも……まだ足りないです」

 

ウィルの体を見て、ある程度の事情を知る魔樹は流石に呆れる。

乾いた笑いをしつつ、人間であろうとし尚力が必要という。

流石に鋭い視線でウィルを睨みつける。

 

「何を目指す?……いや、いずれ聞くとしよう」

「すみません。いずれ、時が来たら……」

 

魔樹の視線を真に見つめ返し、真剣な顔でにらみ合う。

意外にも魔樹が先に折れて、話そうとしないウィルに勝ちを譲る。

 

その後、本日二度目の服を着換えVIPルームに戻る二人。

美樹と一緒に部屋へ戻ると、全員に挨拶を交わしソウルとバウンドを連れて退出する

メルフェイスに部屋の説明を頼み、3人は選手待機室へ向かう。

残った一同はメルディ(メルフェイス)の説明を聞くべく顔を集中させる。

 

「この部屋から、飲食は自由に頼めます。御酒はない様にしたので、どれでも好きにどうぞ」

「何でも! いいのですか? 高そうな部屋ですけど」

 

メルディの説明に少女達の両親が驚き質問する。

こんな高そうな部屋で、飲食注文の制限なく自由。

後から高額請求がない事を皆に伝える。

 

「ええ、既に部屋代に100万Gを払って「ひゃっ、100万Gおぉぉ!?」はい♪ なので、気にせずどうぞ。後、そのパネルから掛け金を入れて、個々の勝敗を賭けれます」

「ああ! おかーさん、しっかり!?……はい? それは、ネイルさんやレス兄妹とランスさんも可能で?」

「そのとおり。VIPって卑怯ですよねぇ~♪」

 

更に続く説明にVIPルームの使用料に、親御さん達や奈美とフララに酒場オヤジとパルプテンクスが気を失う。

文月を支えながらなんとか生き残った葉月は、この部屋で選手関係者も、一戦ごとの賭けは禁止を敗れる事実を確認する。

金に関しては、カジノのお陰か多少の耐性はできている。

それに、葉月も最初は二人分で500万Gの払い出し減らしに買われたの身だ、その時に比べれば100万G位ならと容認できた様子。

お金と権力の卑怯さを微笑みながら、一同に説明するメルディ。

そして、ドロシーの勝敗予測を元に、気絶した者を起こして勝率の高い、儲け作業を開始した。

 

 

―将軍VIPルーム―

 

 

この部屋には、リーザスの将軍と副将の軍人たちが居た。

そんな中、大会参加のプロフィールや対戦表を見て、有望そうな選手を眺めていた。

 

「どうですか、バレス将軍。見込みありそうな選手は居ますか?」

「エクスか。う~む、ボーダーとユランかのぅ。しかし、この二人は入隊断るからのぉ~」

「がっははは。そんなもの見ても、実際の戦いを見ないと無駄だろう」

「そうですね……自分も戦う姿を見てみない事には、なんとも」

 

白・黒・青・赤軍の将軍が順に感想を述べる。

白軍の将軍エクス・バンケットは見た目どおりのメガネをかけた知将。

黒軍の将軍バレス・プロヴァンスは隻眼の宿将で、パラパラ杯を一番長く見ている爺さん。

青軍の将軍コルドバ・バーンは豪快な巨漢の騎士で、見合った豪放な性格ながら気が利く面もある。

赤軍の将軍リック・アディスンはリーザスの赤い死神の異名を持つ、リーザス軍最強の騎士。

50回と言う事も有り、珍しく将軍が勢ぞろいし、副将に仕事を任せ見学にきたようだ。

 

「そうよねぇ。こんなプロフィール見ても……てぇ!! ウィル!?」

「ぽやぽや~、おお~ぅ。ホントですぅ~」

「あら、ほんとに、ウィルね」

 

ルミーナが写真付きのプロフィをめくり見て、知り合いの顔を見つけ驚く。

その様子に、左右横から覗き込むナミールとプルマ。

紫軍の隊長プルマ・エトシハはリーザス魔法部隊隊長で、青い長髪をなびかせる美人。

紫軍の副将ナミール・ハムサンドはおっとり魔法使いで、緑の瞳に長いブロンズ髪のウェーブのかかった双子の姉。

紫軍の副将ルミーナ・ハムサンドは弱気と勝気な妹剣士でありながら双子と言う事で魔法隊に所属している。

姉と似た容姿に、雰囲気と表情の違いと赤い瞳以外そっくりな双子の妹。

 

「え? ウィルって、あのウィルが出てるの?」

「何と! ウィル殿が出場してるのですか?!」

 

レイラとハウレーンがウィルの名を聞き慌てて駆け寄ってきた。

金軍の隊長レイラ・グレクニーはリーザス親衛隊の隊長で、赤茶髪を後ろで一本に縛った長髪でリーザスで2番目の腕を持つ剣士でもある。

白軍の副将ハウレーン・プロヴァンスは名将バレスの娘にして女騎士で、父に似て非常に生真面目な性格で、以前に後姿をウィルと見間違えられたりもした。

その二人に写真を見せる。

そして、ルミーナが慌てて、この会場にいる筈のメルフェイスに確認を取らせる

 

「おねーちゃん! メルに確認!」

「んっ、りょうか~い……《メル、メル。彼って優勝する?》」

『(……あら? ハムたちも居たの? ええ、狙い目よ)』

 

ルミーナは直ぐに優勝をするか、この会場に居る筈のメルフェイスに確認を取らせる。

ナミールはコロシアム全体に『コール』の魔法を発動させて返事を待つ。

『コール』に応え魔法使いなら聞ける無い様ダケに、返事を簡易的に話す。

 

「ぽやぽや。O~K~、だってぇ」

「よしっ! エクス様。私たちも優勝者を賭けて、宜しいですか?」

「ん? うーん、まあ、優勝者に賭けるのでしたら。大丈夫でしょうかね?」

 

ナミールの言葉に拳を握りガッツポーズをするルミーナ。

エクスに賭けの有無を確認し、疑問系な返事なのにOKと受け取る。

 

それを聞いた女性達は、慌ててトトカルチョ会場へと向かう。

ネイルの実力を知るが故に、また、ナミールからOK出されたので意志は決まったようだ。

ナミールは今月の給料全部を妹に手渡し、部屋に残った。

 

「ぬぅ!? レイラ隊長やハウレーンまでもか! 一体、どういうことじゃ?」

「ああ、彼のネイル・アートは偽名ですよ。本名はウィル・ラインという冒険者です」

「ふんっ! 偽名であろうと、俺はこのクズ男は好かん! ロリコンの変態野郎があっ!」

「?……何を怒ってるのです? コルドバ将軍」

「ぽやぽや~……(ウィルさん、ワザとですねぇ~。ナニしてたか一目瞭然です。けど、これなら13倍にもなります。相変わらずなのですよぉ~)」

 

レイラや娘までも、優男に見えるネイルの優勝に賭けるとは思いもよらずバレスが怒鳴り、状況を知りそうなエクスに尋ねる。

エクスの言葉に何故偽名を? と考え込むバレスを他所に、コルドバが怒りをあらわにする。

現段階ではロリコンでないので、一般常識によって毛嫌いしてる様子。

そのやり取りをみながら、ナミールは相変わらずなウィルの考えを予想する。

 

確かにメープル街を出てしまったので、連絡は取り難い。

それがまさか、リーザスのパリス学園で女生徒を食い漁ってたとは思わず、同時に優勝と掛け金を女性達にプレゼントするのと理解する。

 

「バレス将軍、後ほど説明しますよ。コルドバ将軍、まだナミール副将もいるのです、抑えてください。リック将軍は……知らない方がいいですね」

「むぅ、了解した」

「ぐっ! ナミール副将、すまない」

「はぁ? 分かりました」

「ぽやぽや~、御気になさらずにぃ~」

 

エクスは新参でありながら、若い故にか外の情報や知識をフルに活用する。

バレス達を納得させて、この場を納めた。

 

レイラとハウレーンがウィルと知り合いとは知らなかったが、他の3人は知ってて当然。

エクスが優秀な人材として”元メープル村”から引き抜いた3人なのだから。

コルドバが忌み嫌い、ナミールが呆れる無い様とはプロフィールにある”趣味”の一文である。

その内容故に男に嫌われ、気付かない女史大勢が応援する内容でもある。

その趣味とは『青い葡萄を、狩り取る事』一般的には、ムシモンスターの葡萄を狩る事を意味するのだが、一部のモノが見ると違う意味に見える。

パリス学園の保健医という職が、それを連想させる事にもなっている。

そのため、優勝オッズが13倍と高配当になっているのだ。

 

 

―闘技場の舞台上―

 

 

舞台上にはネイル・アートとドギ・マギが入場済み。

後は、開始の合図を待つばかり。

 

「ぐわははは。よく逃げずに来たな」

「逃げる必要はない。負ける(死亡する)のはお前だ」

 

斧を担ぎ、馬鹿笑いするドギ。

ネイルはJAPANの白っぽい着物を着込み【村正】を腰に差して対峙する。

何気に、日光の着物に似てるのは狙ってるのであろうか。

 

『さあ、皆さん、お待たせしました! 第五十回、リーザスパラパラ杯の開催です!』

 

試合実況アナウス担当のシュリの言葉に、ワァァ! と、コロシアム全体に観客の歓声が沸き上がる。

 

『Aブロック一回戦、第一試合は美女(ネイル)野獣(ドギ)とも呼べる一戦。オッズは1.3と1.7とドギ選手が優勢です。私個人は、イケメンのネイルさんを応援してます』

 

シュリの解説に女性観客から黄色い歓声が飛び、男達からブーイングの嵐。

ドギを応援する男達は「倒せ、殺せ、イケメンは死ね」と、暴言という応援が飛ぶ。

応援する観客が男女に分かれたように、オッズによる賭けも男女に分かれている。

 

そして、審判司会者のパニィが白い旗を掲げ……振り下ろす。

 

「では、試合……始め!!!」

「うをおぉぉらァあァぁ!!」

「……(プチ氷の矢……ついで……ココだ! 指弾!)」

 

パニィの開始の合図と同時に、ドギが怒号のを発して走りウィルに襲い掛かる。

【村正】抜きもせず、両腕を太股横に下げた上体で『プチ氷の矢』を舞台の石版に放ち薄い氷の膜を張る。

その氷の張った所に足を乗せ滑り倒れ込むと同時に、気を凝縮した指弾を二発お見舞いする。

ドギは腕に痛みを感じ、斧を掴むの力が緩みスッポ抜ける。

 

「むをぉぉ!? ぐぎぃっ! げぎゃっ!……い! いつつ、ギャアアァ!!!」

「――え? ええぇ!! それまで! 勝者、ネイル選手! ドクター! と、た、担架を早くっ!!」

『――な、ななな。なんと! ネイル選手。何もしないで、7秒で勝利したぁ!!』

(……ふむ、気付かれてないみたいだな。コレでオッズが、また上がるだろう)

 

前のめりに倒れこみ、舞台とキスしたドギ。

痛みに耐えつつ起き上がるところに、スッポ抜けた斧が降下してきて頭に落ちる。

一瞬静まり返る観客席、少しすると女性の悲鳴と男達や観客の大歓声が沸き起こる。

パニィすらも、目の前でナニが起きたか一瞬理解できず、慌ててネイルの勝利を宣言して医者と担架を要請する。

シュリも解説者席から舞台で起きた事に頭がついていかず、遅れて時計を見て驚きの声を上げる。

 

ウィルはこの試合に関して、まともに戦う気はなかったようだ。

武器が穢れるとまで思い、運で勝ったかの様に演出した。

もう一つが重要で、大会では対戦相手を殺してしまっては失格になる。

しかし、先ほどの様に”事故”で死亡してしまった場合は話が別なのだ。

そして、オッズが上がり、両親たちや学園の彼女たちが多くの金が稼げるようにと画策したのだ。

 

「あ、ネイル選手。そっちは違いますよ?」

「ん? いや、こっちからも、勝者の待機部屋に行けるよな? 用があるんだ。構わんだろ?」

「え、ええ。問題ないですけど……ま、いっかな?」

 

ウィルが自分の来た入り口と反対の、ドギの入場した入り口に向かう。

それを、担架で運ばれる死体のドギを見送っていたパニィが気付き呼び止める。

アッチに用があると、はぐらかして納得させて入り口付近にいるマニの元に向かう。

 

「よう、待たせたな」

「っ! は、はぃ……」

 

マニの前に到着して、声を掛けるが怯え震えながら返事をする。

マニにとって、主人に代わろうと奴隷である事に変わりない。

あの様にドギが死亡して、特に嬉しいとか感傷も沸かない。

ただ、メルと呼ばれた彼女が、自分と同じ目に遭わなくて良かったと思える程度だ。

 

「んじゃ、行こうか」

「あ、あの……何処にですか?」

「勝者に容易された、待機部屋だ。簡易ベットもある。アイツに玩具を入れられて、準備万端だろ?」

「っーー!! うっ、ぅぅ……おねがい、します……」

 

マニの手を握り、歩き出すウィル。

引き連れられ、何処に向かうかと問われベットのある部屋と答える。

そして、試合前にドギに入れられたヴヴヴ と、音がする玩具を気付かれ、恥ずかしさに羞恥心と悲しみで一杯になる。

可愛いと言われ少し期待をしたが、目の前のネイルもドギと同類なのだと涙を流し、奴隷としてお願いをする。

マニの肩に手を回し抱き寄せ、部屋に向かうウィル。

 

(ああ、良い負の感情だ……しかし、あれだ。つい苛めたくなるが、優しくしてやらんとイカンよなぁ)

 

冷たい態度と言葉を投げ掛けたことで、マニの負の感情が増幅するのを感じる。

怯える態度に、つい苛めたくなる衝動を感じつつも、そんな事をしたらドギと同じ。

また、VIPルームに連れて行くのにそんな事したら……魔樹に何回殺されるか、わかりゃーしない。

部屋に着くまでに恐怖を感じさせ、ベットで優しくしてやろうと心に刻む。

 

 

その後、マニの新しい奴隷としての第一歩が、始まろうとしていた……。

 

 

 




   ≪武器≫

   【村正】

普通の日本刀より威力があり、扱いやすい。
JAPANの有名な刀鍛冶によって作られた名刀。
今回は、日光の衣装に合わせて選んだ刀。


    ≪アイテム≫

 【フォーマルリング】(収納指輪)

ソウルがウィルに貰ったリングは万能タイプ。
武器・防具・装飾・多種アイテムを10個づつまで収納可能。
回復系、消費品複数(99)のアイテムを10個まで収納できる。
所持金は65535Gをイッテに収納できるのが万能タイプ。
投げナイフは消費品に該当するため、99本持てる。


  ≪余談豆知識≫

  VIP【はの5番】

VIPのは1~4番までは、飲食と賭けをその場で出来る部屋でそれなりの価格。
「はの5番」は最高位のVIPルームで、クサレ貴族が大人数で利用し、割り勘で使用するほどの部屋。
4番までと同じ設備に追加でシャワーとベットまで準備されており、ルームサービスはすべて女性従業員。
ただし、女性従業員は大会が終わるまで、調理場や待機所に戻れる事は無い。
つまり、カジノの裏接客のコロシアム版が、某黒便覧の古謡を模して「はの5番」VIPルーム。
それを、メルディ達が使うことで、今回の餌食を防止した。
ついでに、全女性従業員たちは一緒にドロシーの儲けに乗れる。



  ≪改装前のトーナメント表≫

Aブロック
第一試合 ネイル・アート  VS ドギ・マギ
第二試合 おたま男     VS 松本大和
第三試合 ボーダー・ガロア VS 黒ヒゲサミー
第四試合 小川健太郎    VS タイガー・ジョー

Bブロック
第一試合 チルディ・シャープ VS モーリス
第二試合 カリギュラ     VS 戦士カキタロス
第三試合 アッシュ・根性   VS マッドウルフ
第四試合 ゼクト・レオン   VS マルーシュ

Cブロック
第一試合 ユラン・ミラージュ VS ゲラーミン
第二試合 ジェロニモ・武   VS ヨライオン
第三試合 ソウル・レス    VS 白井クナイ
第四試合 アジマフ・ラキ   VS ワートナー

Dブロック
第一試合 くぐつ伯爵   VS プルトニウム
第二試合 バウンド・レス VS ぶるま大使
第三試合 ごんご     VS フブリ・松下
第四試合 ランス     VS 白井カタナ


闘神都市3の「ちょこっと更新1~8」を見て、折角だからと公式設定あるキャラを使用。
原作では、ぶるま大使はメガネのイケメンマント男だったが、今作はマッチョでw

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