Fate/wizard of genesis 作:ゆーーーーん
「はぁ・・・」
宝具のようなもので吹き飛ばされたアラジンはどこかの家の庭にたたきつけられていた。
周りを見渡すと武家屋敷のような立派な建物だった。そして二つの人影を見た。青いドレスに鎧をまとったような女性と先程、校舎で倒れていた赤髪の男の子だった。
「君たち・・・」
アラジンが声をかけようとしたとき、青い女性が一瞬で近づき腕を振り下ろす。
わけのわからない行動だが、アラジンの防御魔法は何かを防ぐ。
青い女性とアラジンお互いが何が起きたのかわからない状況で女性の叫び声が響く。
「キャスター!」
先程の爆発から離れていた凛がターバンに乗って、アラジンの近くに寄り地面に降りる。
アラジンの傷の具合を確かめ、すぐに敵対するサーヴァントへ視線を戻す。
そして、その先にいた赤髪の男の子に気づく。
「衛宮くん?」
「遠坂か?」
同級生に気が付いた凛は今更ながら髪を整える。そして極上の笑みを浮かべながら一つ提案をする。
「衛宮くん、よかったら中でお話しましょ。」
凛としてはこの場での戦いは避けたかった。予想では相手のサーヴァントはセイバーであり、ただならぬ気配から高レベルなサーヴァントだと推測していた。
「わかった。俺も聞きたいことがあるんだ。」
すんなりと提案を受け、家の中へと案内する衛宮。しかし、その間もずっと相手のサーヴァントだけはアラジンから目を離さずにいた。
***
「お待たせ遠坂、キャスター。」
「お茶、ありがとう」
衛宮が用意してくれたお茶を飲みながら、聖杯戦争の説明を始める。
時折、衛宮が困惑や反論の言葉はあったものの、聖杯戦争の説明はすぐに終わった。
衛宮は黙りこくって俯き、対してセイバーはきっちりと背筋を伸ばして凛の話を聞いている。
「とりあえず、一度教会に行っておかないと」
「え? 教会って確か隣町だよな?」
「そうね、まあ、今からなら夜明け前までには帰ってこれるんじゃない?」
ここから歩いて一時間、今の時間帯なら話を聞いて帰ってくればそのくらいになるだろう。
「明日じゃだめか?」
「だめよ」
行きたくないオーラを発する衛宮をバッサリ切る。
「セイバーもいいでしょ?」
「はい。シロウ、あなたの知識のなさは致命的です。此度の戦い意図して参加したわけではなくとも、契約をした以上、自覚していただかなければなりません」
セイバーの言葉にうっと衛宮が唸る。
「教会で話を聞くことで少しでも理になるならそうすべきでしょう」
そうセイバーに言われて衛宮は頷くしかなかった。
***
教会に着き、凛はふと、この教会の神父になんの報告もしていなかったことを思い出した。嫌味を言われるだろうと渋い顔になる。
凛の予想通り、ねちねちした嫌味とともに似非神父は、衛宮にプレッシャーをかけた。しかし、それ以外は特に問題もなく話し合いは終了した。
教会を背に四人は歩き出す。アラジンとセイバーはあった当初とは打って変わって、楽しそうに話している。主にアラジンがだが・・・。
凛は足を止め振り返る。
「ここでお別れよ衛宮くん。これ以上いたら戦いずらくなっちゃうわ。」
できるだけ突き放すように衛宮に言い放つ。さすがの彼でもわかってくれると思っていた。
「俺はできれば戦いたくない。遠坂ともキャスターともだ。」
愕然とする凛をよそにアラジンは嬉しそうに衛宮を見る。
「まあ、今日のことは感謝してる。絶対に一生忘れない。ありがとう遠坂、キャスター」
「私もこれまでのことは感謝します。健闘を」
勘弁してほしい。本当に戦いづらくなりそう。
「そ、それじゃあ衛宮くん、さっきの言葉は忘れないでね。いくわよキャスター」
そういって話を強引に打ち切り、二人と別れキャスターと歩き出す。
二人と別れてから、凛はキャスターに悪態をつく。
「ねぇ、さっき嬉しそうにしてたでしょ。あなたも自覚になさいよ。」
「ふふふ、ごめんね。」
どう見ても謝ってるふりをするアラジンに凛はため息をつく。
「こんばんわ、キャスターとそのマスター。」
突然かけられた声に振り向く。
そこには圧倒的な存在感を放つ異様がいた。見上げるほどの巨躯、鉛色の肌。
「バーサーカー?」
先程のセイバーよりも勝てるイメージがわかなかった。セイバーと別れてしまった今、キャスター一人でこの絶望的な局面を乗り越えなければならない。
「さっき、お兄ちゃんといた人たちだよね。そのキャスターが気になっちゃったから先に来たの。これが終わったらお兄ちゃんに会いに行くわ。」
無邪気な笑みとともに勝ちを確信するセリフ。バーサーカーと相まって異様さが際立つ。
「そういえば、あなたにはまだ挨拶してなかったわね。はじめまして、凛。私はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」
あのアインツベルンの人間。
規格外の化け物を引き連れている理由が少しわかった。
「私のこと知ってたのね。」
少しでも余裕を見せるために減らず口をたたく。
「じゃあ、殺すよ。やっちゃえ、バーサーカー!」
暴力の権化が牙をむく。
「■■■■■■■■■■■■■■ーーーー!!!!!!!!!」