Fate/wizard of genesis 作:ゆーーーーん
「■■■■■■ーーーー!!」
バーサーカーの斧剣を
「もう終わりだね。ばいばい、キャスター。」
何か期待していたのだろうか。まるで壊れそうなおもちゃを見ているかのよう雪の少女。
「そんなことないさ。」
この絶望的な状況で不敵に笑うアラジン。
「
アラジンを守っていた防御膜から、八つの蛇の頭を模したものが飛びだし、バーサーカーに襲い掛かる。
「防御だけの僕じゃないんだよ。」
自信満々に告げるアラジンからの初めての攻撃にして奇襲。全方向から襲い掛かる蛇の首を至近距離にいたバーサーカーにそれをよける術などない。
はずだった。
一つ、二つ、三つと全ての攻撃を器用にかわしていくバーサーカー。狂戦士とは思えないその軽やかな動きにアラジンも凛も戸惑いを隠せずにいた。
「すごいね。バーサーカーくん・・・」
「ふふっ、私のバーサーカーは最強なんだから。」
圧倒的な力に巧妙な技、バーサーカーに隙はなかった。
焦る凛はアラジンを見る。だが彼に焦りは見えなかった。
まだ何か策はあるのか思考をめぐらす凛にアラジンは声をかける。
「凛さん、僕はまだやれるよ。僕は君が呼んだサーヴァントなんだ!焦る必要なんてないのさ!」
アラジンは杖に魔力を込める。
凛は体から力が抜けていくのを感じた。
いまままでに感じたことのない量の魔力がラインを通じ、アラジンへと流れていく。
「バーサーカー!」
何かを感じ取ったイリヤがバーサーカーに指示を出す。その声は初めて焦りが見えた。
「重力魔法!」
バーサーカーの圏外に距離をとるため、飛翔するアラジン。
凛とアラジン。二人は空へ舞い、上からバーサーカーを見下ろす形となった。
「いくよ、バーサーカーくん。この魔法はある王様の真似事さ。」
青い雷が杖から広がり、轟き、唸る。
「
青い雷は一直線にバーサーカーへと突き落ちる。
バーサーカーを焼き殺すのは一瞬の出来事だった。
「キャスター、あなた結構やるのね。」
「ふふふ。」
その強力な一撃は使用者である二人への疲労のダメージもあった。
煙が晴れ、見えたのは上半身のなくなったバーサーカーの姿だった。
イリヤを見るとこちらを睨んでいた。
しかしすぐに笑みを浮かべた。
その可愛らしい笑みは凛にはとても不気味なものに見えた。
なぜ、自分のサーヴァントがやられたのに笑っているのか。
「すごいわね凛、あなたのサーヴァント。」
バーサーカーの下半身がピクリと揺れる。
「まさかバーサーカーを二回も殺すなんて。」
「な、にを言って・・・」
予想だにしない言葉に二人はバーサーカーを見る。
すると、みるみると逆再生のように元に戻っていくバーサーカーの姿があった。
なぜ、どういうことなのか。疑問ばかりが凛の頭を駆け巡る。
アラジンですら動揺を隠せずにいた。
「教えてあげる凛。バーサーカーの真名はヘラクレス。十二回殺さなければ死なないの。」
その正体に愕然とする凛。本来、弱い英霊を強化するためのクラスである狂戦士。ヘラクレスなんていう究極存在をバーサーカーとして召喚したこの状況。でたらめにもほどがある。
「大英雄ヘラクレスは神に与えられた十二の試練を乗り越えて不死の権利を得た。そして、バーサーカーは乗り越えた死の数だけ命のストックがある。それがバーサーカーの宝具『十二の試練』。そして、同じ攻撃はもう意味がないわ。」
サーヴァントそのものが肉体。十二の命。一度受けた攻撃への耐性。
さらに追い打ちをかけるのが、ふたりに魔力がほとんど残っていなかった。
「ねえ、凛。今回は見逃してあげる」
「なんですって?」
この場に不釣り合いなまでに無邪気な笑み。だが、そこに込められたのは先程の絶対的な自信。
たとえここで見逃し、こっちが対策を立てたとしてもいつだって私たちを殺せるという自信だ。
「ただの気まぐれよ。お兄ちゃんたちにも今日は近づかないであげる。それじゃあまた遊ぼうね。」
そう言い残してイリヤは完全に元に戻ったバーサーカーとともに姿を消す。
ふたりの長い夜は勝利を確信した後の完敗ともいえる結果で終わる。
挨拶が遅れました。
久々の投稿ですが少しずつ進めていきます。
完結までしばらくお付き合いください。