Fate/wizard of genesis 作:ゆーーーーん
自宅に着き、リビングにあるソファに腰を下ろす。
「完敗だったわね。」
何もかもが規格外だったバーサーカー。
神速のランサー、宝具を爆散させるという謎の射手。
そして、衛宮のセイバー。
強者揃いの聖杯戦争で勝ち筋を見つけなければならない。
「凛さん、キミに伝えなければならないことがある。」
アラジンが伝えたかった事。
「この世界での僕は魔力に限りがある。ルフのいないこの世界では自身の魔力しか使うことが出来ないんだ。」
凛のいる世界とアラジンがいた世界の在り方の違い。
理の違う世界で思わぬ形でアラジンは制限を設けられていた。
「ルフ・・・」
「うん、前にも少し話したけどマギとはルフに愛される存在。僕がいた世界ではルフから魔力をもらうことで本来なら一瞬で魔力が枯渇してしまうような大魔術も扱うことが出来た。だから、今の僕は本来の力を扱うことが出来ないんだ。」
「そんなはずはないわ!あなたの行ってきた偉業はスキルや宝具として使えるはずよ!」
そこで凛は一つ思い出す。
「まさか、知名度補正・・・?」
「僕もそれだと思う。この世界に僕を知る者はいないから。」
あらゆる面で逆境に立たされていた。
困難に次ぐ困難、勝ち筋はおろか、自らのサーヴァントは制限を設けられていると来た。
それでも。
そんなことで。
遠坂凛は思考を止めない。こんなことでは止まらない。
そんな主を見てサーヴァントはにんまりと笑う。
「なに笑ってんのよ。」
従者のそんな態度に慣れてきた主は優しく叱る。
「やっぱり君は勇気ある人だ。僕が大好きな王様と似ている気がする。」
懐かしそうに凛の顔を見る。
「それにね、凛さんの右手にある令呪を使えば僕本来のマギとしての力を使うことが出来ると思う。」
「令呪によるブースト!」
嬉しそうに自身の右手を眺めだす凛。
「つまり、あなたのマギとしての力を使える回数は3回・・・」
「どこで使うかは大胆で慎重に選ばないとね、凛さん!」
「あなたわかってて、無茶言ってるでしょ・・・」
呆れた表情を見せながらも自分を信頼してくれていることがわかるその言葉が少しうれしく感じていた。
「ところで、あなたは聖杯に何を願うの?」
勝ち筋が見えてきたからこそ浮かぶ疑問。
創世の魔法使いと呼ばれた魔法使いは聖杯に何を願うのか。
アラジンは少し考え、にやりと笑いながら答える。
「ふふふ、秘密。」
「なっ!、教えなさいよ!」
アラジンのほっぺをつまみ答えを聞き出そうとする。
「ひっひはいやあいか!」
痛いじゃないかとは言えず、じゃれあう二人。
夜が更けていく。