向日葵畑の向こうに(完)   作:coltysolty

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12才の少年ハリーは、サッカー選手を目指していた。貧しい家庭から大学に進学し、サッカー選手になる夢を抱きながら、ある出来事から放射能の研究家になるまでのお話。

少年ハリーの同級生、ジャスミンやムハマンドにふりかかる災難を目の前に、ハリーが決意したこととは・・・




1日のはじまり

まぶしい朝日が窓からふりそそぐ。ハリーは身支度を整えて、冷たい水で顔を洗い、ケバブをほおばった。カン蹴りサッカーでぶつかった時の、膝の傷がひりひり痛む。2,3日我慢すれば、傷口もふさがるだろう。ハリーはジャージをまくって、膝を水でざっと洗うと、テーブルの上に置いてあるカバンを無造作に肩にかけると、さっと外に出た。

 

一面に広がる向日葵畑を横目に、学校までの道のりを急いだ。数メートル先に、ブロンドの少女が歩いている。

「ジャスミン、おはよう!」

 

クラスメートのジャスミンの肩をたたきながら声をかけると、ハリーはジャスミンを追い抜いて学校への道のりを急いだ。

 

(今日は午前授業だから、午後から校庭をつかえるな。ムハマドのボールを借りてサッカーができる!)

 

ムハマドの父は町医者をしているため、この界隈では裕福な家の子だ。一般の子はサッカーボールなど買える余裕はなく、サッカーボールは空き缶。小学生の男の子達は、空き缶をボールに見立てサッカーをする。学校で使っているボールは裕福層や他国から寄贈されたものだ。

 

(今日、ムハマド来てるかな。授業が終わったらサッカーしようって、約束しとかないと、ボール使わせてもらえなくなっちゃうな)

 

向日葵畑の横を駆け抜けて、西にある学校に着いた。布カバンを机に乱暴に置くと、すぐにムハマドを捜した。ムハマドはいつも少し早くきていて、教室の隅で読書をしている。ムハマドは医者の息子ではあるが、病弱なためあまり体を動かすことはしなかった。サッカーボールを持っていても長い時間遊ぶことはできないため、ハリーに頼まれて、ボールを貸すことがある。

 

「あ、いた。ムハマド、おはよう!今日の午後、ボール貸してもらえる?」

息せき切って走ってきたハリーは、早口でムハマドにボールの貸し出しを依頼した。

 

「ハリー、おはよう。ボール、いいよ。今日は街まで行って検査する日なんだ。だから、僕の家に行って、メイドさんに言って、渡してもらって」

ムハマドは、快くハリーの要求に応じた。

 

「ムハマド、ありがとう。でも、検査って、大丈夫なの?前も検査で学校休んだよね?」

体を使っていっしょに遊ぶことはない、ムハマドとハリーだったが、ハリーはムハマドの顔色が薄く蒼白になっていることに気が付いて、心配したようだった。

 

「だいじょうぶだよ。街の先生はお父さんの友達だから、いつも検査のあとにチョコレートをくれるんだ。そのチョコがすごく美味しくて。あ、そうだ。サッカー終わって、ボール返しにくるときに、間に合えばあげるよ。夕方までには戻るから、ぼくん家で少し待ってて」

か細い声で答えるムハマドの優しさに、ハリーは喜びいさんで

 

「うん!ムハマド、ありがとう!検査が痛くないよう、すぐ終わるように祈ってるよ。調子がよいときは、僕たちとサッカーしような!」

 

ハリーはサッカー選手になりたかった。しかし、貧しい家の子供がナショナルチームに入るためには、大学生にならなければいけない。この国は、クラブチームがないため、代表選手は大学生の選抜で構成されていた。家計費からは当然、学費など払えない為、奨学金を得なければいけない。

 

(サッカーするためには、一生懸命勉強して、国から奨学金をもらって、大学にいかなくちゃ。)

 

3代に渡って使われた、ボロボロの教科書を開き、熱心に授業に聞き入った。




なぜか急に別のお話を思いついたので、書いてしまいました。今日から違う部署でのお仕事でストレス満載なので、逃避行動かもしれません・・・・(泣)
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