IS-Greedy beast-   作:reizen

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最近思うんですよ。息抜きに小説を書くのは息抜きになっていないって。

……でも気が付いたら書いているんですよね。何でだろ。




DQBクリアしたけどフリービルドモードでこれと言って作りたい物が出てこないので簡単な探索以外は何もしていない。


第1章 欲望、渦巻くままに
#1 知識不足の留年生活、開幕


 もし、神という存在でもいるならば俺は生涯その存在を恨むかもしれない。それが今年17になる高校生の4月初日に抱いた本音だった。

 そもそもこれからの学園生活は死亡率99%はマークされるであろう高難易度。一体何がどうなっているのかというと、俺ともう一人以外は全員女なのである。話によると用務員は力仕事がメインであるものの数が少ないことから男がいると言う話だが、交流する可能性は限りなく低いだろう。

 というか、希少性のある俺に未だに女があてがわれないのはどういう了見だ? そろそろ美女の10人や20人相手させられてもおかしくないはずなんだが………。

 

(それはともかく………暇だなぁ……)

 

 教室で大人しく待っているが、さっきから誰も話しかけてこない。俺は時期が時期だからか本来存在しないはずの31人目として窓側最後尾の絶好ポジションに陣取っているが、さっきまで前にいた女子もどこかに行ってしまったので話し相手がいない。俺が好きなゲームも一応はあるが………

 

(……ゲーム、するか)

 

 でも正直なところIS関連のゲームってたまに本業じゃない人も声を当てているから嫌いなんだよな。何で声優を使わないのか疑問だ。それに、狩りゲーのように機体を大きなカスタムできる仕様じゃないのがさらに残念だ。

 まぁ、今はそんなことはどうでもいい。たぶん……いや絶対に重要なことじゃない。

 どうでもいい思考を止めると、狙ったのか誰かが教室に入ってきた。………制服を着ていないが、もしかして生徒だろうか? 冗談ではなく、そう感じさせそうな雰囲気を放っている。

 その人が教室を軽く見回し、数えると安心した風に言った。

 

「全員揃ってますね。じゃあ、SHRを始めますよ」

 

 それを聞いてようやく全員がその女性を「教師」と認識し急いで席に着く。俺もそうだがその女性が教師にはとても幼く見える。……よく言えば、とある部分の主張が凄いけど、この教室内にもその教師に劣るとは言えかなり大きい胸を持っている奴がいたが、そいつにはあまり話しかけないようにしよう。顔を見たくても胸を見ている可能性が高いからな。

 ゲームを直してIS学園の説明を聞く。山田真耶と名乗った彼女は「それではみなさん、一年間よろしくお願いしますね」と締めくくったが生徒たちは俺も含めて誰も返事しなかった。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと……出席番号順で」

 

 少し諦め気味にそう言った。所謂賽を投げた状態だろう。

 出席番号順……というか狙ったのか端から自己紹介をしているが、その間に俺は勉強することにした。

 しばらくして……

 

「織斑君……織斑一夏君!」

「は、はいっ!?」

 

 何かを考えていたのか、山田先生に呼ばれた織斑だがしばらく返事をしなかった。もしかして、「この空間やべぇ。女いすぎ」とか思っているのだろうか?

 

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ごめんね、ごめんね! でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑君なんだよね。だからね、ご、ごめんね? 自己紹介してしてくれるかな? だ、ダメかな?」

 

 こ、腰ひっく!!

 IS―――インフィニット・ストラトスが発表されて10年が経った。女にしか動かせないそれが原因で女たちは調子に乗りはじめた。俺の義母もその手のタイプで、俺がIS学園に入学すると聞いたその日にひと悶着があって今では連絡すら取り合っていない。今頃有能な家政婦でも雇っていることだろう。

 織斑は山田先生を宥め、自己紹介をすると宣言。山田先生が観劇して涙を流しているようだが………彼女はどうしてあんな感じなのだろうか?

 

(いくら何でも怯えすぎ……なのか……?)

 

 まぁどれだけ考えたところで彼女の過去がわかるわけでもなし。織斑の自己紹介に耳を傾ける。

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 それだけだった。いやまぁ、この状態でまともな自己紹介をしろと言われたところでできるとは思っていない。………どうやらそう思っているのは俺くらいなもので、女子たちは続きはまだかまだかと期待の眼差しを向けていて、織斑は妥協案がないかと周囲を見回して探る。あ、今フラれた。

 そして今度は俺と目が合ったので、俺はサムズアップして返した。

 

「………い……」

「「「………い?」」」

 

 まさかここで某特撮の下級兵の鳴き真似でもするつもりか? 勇者だな。…と感心すると織斑は大きな声で叫ぶように言った。

 

「以上です!!」

 

 見事に他の生徒をこかせた織斑。やるなぁ。俺にはそんなユーモアなんてないから自己紹介が正直不安になってきた。

 

「あ、あのー………」

 

 止めてやれ、山田先生。いくら何でもこの環境でそれ以上は流石に辛い。………と思っていたら、織斑が攻撃された。織斑は恐る恐るという風に後ろを向いてから―――

 

「げぇっ!? 関羽?!」

 

 また叩かれたが、今のは流石にしょうがないだろう。一応美人に対して「関羽」って…………そう言えばそんな名前の女がいたっけ? 何かの漫画だったけど忘れた。

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けて済まなかったな」

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」

 

 気のせいか、山田先生は織斑先生と呼んだ女性に気があるようだ……え? レズなの? もしかして教師同士で夜な夜なあんなことやこんなことが行われているの?

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言う事はよく聴き、よく理解しろ。できない者にはできるまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言う事は聞け。いいな」

 

 なんという暴君っぷりだ。こんな暴君に付いて行く奴なんて早々いるわけがな―――

 

「キャーッッ!! 千冬様! 本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです! 北九州から!」

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」

「私、お姉様のためなら死ねます!」

 

 ………これが訓練された信者か……。

 ちょっと………いや、かなりヤバい奴らだな。正直引く。

 

「………毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

 

 どうやら本人も乗り気……いや、もしかしたら心からウザがっているのかもしれない。

 だがそれは彼女らにとってはさらなる火種でしかないようで、

 

「きゃあああああっ! お姉様! もっと叱って! 罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように躾をして~!」

 

 ま……まともな奴がいない……。

 俺はクラスメイトのその発言に心から引いていた。何だこいつら、正気か?

 

「で?」

 

 その一言でパタッ、という擬音が似合うくらいに声援が止んだ。スゲェ。

 

「挨拶も満足にできんのか、お前は」

 

 と、織斑に厳しく言った織斑先生……あれ? もしかして親戚か何かか?

 

「いや、千冬姉、俺は―――」

 

 容赦なく出席簿を振る織斑先生。ん? 千冬姉? 姉?

 

「織斑先生と呼べ」

「……はい、織斑先生」

 

 どうやら姉弟のようだ。何それ、出来レース?

 じゃあこの状況って割と本気で孤立無援じゃね? やっぱ切り札は最後まで取っておくべきだな。

 周りが織斑姉弟の関係性を今知ったようだが、知らなかったのか。もしかして情報操作でもしていたのか?

 

(………ん?)

 

 何故か俺の方に視線が集中している。何故だ。

 

「そろそろSHRも終わりだが、ちょうどいい。桂木、自己紹介しろ」

 

 たぶんその「桂木」は俺のことなんだろうが、確認ために誰のことかと探しておこう。

 

「お前だ、桂木悠夜。それとこのクラスに「桂木」はお前以外にはおらん」

「あ、そっスか」

 

 立ち上がってすぐ、間髪入れずに自己紹介をした。

 

「桂木悠夜です。これまでISの勉強をあまりしなかったので1つの上の年齢でありながらみなさんと勉強することになりました。ですがあまり気負いせず接していただけると助かります。一年間よろしくお願いします」

 

 我ながらうまくできたと思う。たださっきからちらほらと「普通だ」というコメントが来ているけど、ISを動かせるという点を除けば俺は普通の人間なんだっての。

 

「………まぁいいか。どこかのバカよりはまともだったからな」

 

 おい担任。アンタも何を期待しているんだ。

 

「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で身体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。良くなくても返事をしろ。私の言葉には返事をしろ」

 

 なんという鬼畜っぷりだ。これが今の世の中の女の代表格なのだから恐れ入る。

 俺は正直、1年も持つかなと不安になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直、今は少しイラッとしている。

 たぶん山田先生は俺に気を遣って聞いてきたのだろうが、俺は少ない期間ながらキッチリ前半部分ぐらいは勉強してきたんだ。2か月近くあっても大して勉強しなかった馬鹿と一緒にされるのは本気でムカつく。そして織斑、何でテメェは「信じられない」という顔で俺の方を見ているのかねぇ?

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

「……………あぁ……古い電話帳と間違えて捨てました」

 

 殴られて当然だと思った。

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」

 

 そう言えば、小さくだけど「必読」ってあったな。

 

「後で再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」

「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと……」

 

 確かに分厚かったな。俺も軽く流したが、実際理解したのは半分の10分の1程度だと思う。

 

「やれと言っている」

「………はい。やります」

 

 あれだな。織斑はたぶん常日頃から鬼に虐げられていたんだな。可哀想に。……とか思いながら俺は笑みを浮かべているけどな。

 

「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった()()を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ」

 

 そんな正論が織斑に向かって言われる。どうやらモンド・グロッソというISの世界大会で優勝したことのある織斑千冬でもISを兵器として認知しているようだ。

 

「………貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」

 

 まぁ俺は少なくとも生きるためにここに入学したから関係ないな。

 

「望む望まざるに関わらず、人は集団の中で生きなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな」

 

 うっわ辛辣だなぁ。

 まぁでもこれは仕方ないだろう。人の在り方として、平和に解決するならば集団に融け込むしかない………とはいえ、それは果たして悪意ある行為によって集団から弾かれたものに対して納得させられるかはまた別だけど。

 

(………ま、無理だろうな)

 

 そう。まずそういう人間に辛辣な言葉を浴びせた時点で敵意を持ち、殺意を持つだろう。しかも言うのがなんと織斑千冬―――自分たちを陥れた奴らの代表格と言ってもいい人間だ。そんな奴にそのようなことを言われたら、間違いなく罵声しか飛ばない。

 そしてあの女はおそらくそれを理解していない。もしこの少女たちの中に父子家庭でつまらない理由で父親を陥れられていたら、間違いなく今ので敵意を持ったと言える。

 

(結局、俺には関係ないんだけどな)

 

 この思考は所詮、余裕がない男のたまの息抜きの手段だ。

 

「え、えっと、織斑君。わからないところは授業が終わってから放課後教えてあげますから、頑張って? ね? ねっ?」

「はい。それじゃあ、また放課後によろしくお願いします」

 

 そんな普通のまともなやり取り……と思ったんだが……。

 

「ほ、放課後……放課後に二人きりの教師と生徒……。あっ! だ、ダメですよ、織斑君。先生、強引にされると弱いんですから………それに私、男の人は初めてで………」

 

 山田先生は重度のゴミらしい。教師と生徒の禁断の関係を授業中に妄想するとか………というか、俺のことはスルーですかそうですか。

 

「で、でも、織斑先生の弟さんだったら―――」

 

 ―――バキッ!!

 

 俺の手元でシャーペンが粉々になった。

 全員が俺の方に注目する。粉々になったの、結構お気に入りだったんだけどな………。

 

「失礼。お気になさらず、授業を続けてください」

「は、はい!」

 

 いざという時のために持ってきていた袋に残骸を放り込む。そして俺は心中で山田先生に対して思った。

 

 ―――無駄乳をぶら下げた年増が発情してんじゃねえよ、気持ち悪い




「どうせまたぶっ飛んだ設定で異能力者なんだろ?」と思った方、大丈夫です。異能の方にはぶっ飛んでいないので。もっと言えば悠夜君はぶっ飛んでいないので。
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