敵(ヴィラン)の名はギルガメッシュ!   作:ドライヤー

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色々と迷惑かけてすみませんでした。

後書きみといて下さい。


彼女がまさかの再登場。


真夏の海part1

暑い、ただこの一言に尽きる。

 

真夏の海、浜辺に打ち上げられる波。太陽の光は人間の事など気にするはずもなく、無慈悲に私の体に直接浴びせてくる。日焼け止めを満遍なく塗っているがなにせこの暑さだ。紫外線を浴びた肌は間違いなく黒色となり、水着の跡がくっきりと出るに違いないだろう。

 

私たちは仕事でとある海に来ていた。この海は元々、多少有名といったところだった。少し前までは本当に海を愛する人だけが知っている穴場みたいな場所だったのだが、海辺の近くに高級ホテルが建てられ一躍有名になったのだ。噂では謎の投資者が現れたらしいが…

 

今、私はヒーローデビューに向け着々と準備を進めている。なのに何故このような場所にいるのか?疑問に思う方もいるだろう。その理由としては女性のヒーローはTVや雑誌に顔を出すのが年々増加しており、人気を得るために写真集を出すヒーローが増えて来ている。その一環として浜辺で私の水着の写真を撮り、新人デビュー!と事務所が出版している雑誌に大々的に記載するらしい。

 

「はぁ、こんな事したってヒーローの器が決まるわじゃないのに…」

 

そう私はある男にヒーローとしての心構えを教わった。目を瞑り鼻歌を歌いながら彼の言葉を噛みしめる、脳裏に思い浮かべる。あの出会いは偶然であり私にとって絶対に忘れない大切な思い出だ。

 

彼はその事を毛ほども覚えていないかもしれないが…。

 

できれば、彼が覚えてくれてたらいいなと両手を胸の前におき、胸中で数秒間祈った。

 

そして祈り終えた後、私は周りを見渡す。

 

この周辺一帯は私達のスタッフやら機材やらで占領しているが、少し離れた浜辺ではパラソルが列を並べ、陰で休んでいる人やアイスや焼きそば、シャーベットを食べていたり、ビールを飲みバーベキューをしている人がいたりする。海を見れば友達とはしゃいでいる人たちや、子供がいる幸せそうな家族、中には甘い雰囲気を漂わしている若いカップルが水の掛け合いをして楽しんでいた。

 

私は若いカップルから目が離せなくなる。

 

それを見ながら、羨ましいという気持ちが私の心に渦巻いている。

 

そういえば恋愛は今までまともにしてきたことはなかったなぁ。

 

中学生の頃にヒーローに憧れてから毎日毎日、訓練に明け暮れる日々。ただ一心に目標へとかけ進み夢にまで見たヒーローまであと一歩。恋愛などする暇もなく、彼氏などできるはずもなかった。気が付けばもうすぐ20歳だ。

 

将来、結婚など果たしてするのだろうか?相手は見つかるのだろうか?

 

そう思った瞬間、脳裏に彼の姿がよぎる。

 

「って違うから!彼はヴィランだから!」

 

咄嗟に自分に向かって言い訳をするが、言葉とは裏腹にどんどん妄想は膨らんでいく。あの突き刺さるような視線、まるで心の奥深くに無遠慮に入ってくるかのようだった。思わず『ギル様に見下され隊』に入ってしまうくらい…、海辺で彼と手を繋いたり、ビーチバレーなどをして楽しんだり…。

 

「Mt.レディちゃーん!そろそろ撮影始めるよー!」

 

スタッフの声で我に帰る。

 

「はーい!今行きまーす!」

 

返事をし、私は撮影スタッフのもとへと向かって歩き始める。その一歩一歩と共にプロヒーローへと近づいている実感がふつふつと湧いてくる。

 

「もし、私が立派なヒーローになって彼を捕まえたら彼はどんな反応をするのかしら?ふふふっ」

 

私はプロヒーローになって彼を捕らえる妄想に浸りながら、撮影を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




真夏の海、全5話くらいします。もしかしたら増えるかも?

Mt.レディ好きな方、勝手な脚色ごめんなさい。

シンリンカムイとMtレディ?いいえ知りません。

謎の投資者…既にお気付きの方はいるのだろうか…?



ここまで早く復活するとは自分でも思っていなかった。

久しぶりにマイページ開いたら感想が大量に来ていて正直いうと嬉しかったです。本当にありがとうございます。
また書こうと思えたのも皆さんのおかげです。

精神武装は思った以上に早くできたらしい。

活動報告できればみといて下さい。

感想待ってます。

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