ギルガメッシュと言う名の理不尽。
論破達成
軽いノリが好き!とかカニファン的なノリがいい!コメディがいい!って言ってくれた人ごめんなさい…
今回はボケは無いんです…
オールフォーワン出そうと思ったらそうするしかないと思いました。
戦闘シーンはむずい
「やはり無理か」
昼頃、街中で1番高いビルの上。そこで俺は1人で呟いた。これは生まれた時からの問題であった。どうやら俺は『乖離剣エア』を取り出せないらしい、いや安易に取り出すことを身体が拒否しているといったとこか。原作のギルガメッシュも『乖離剣エア』を抜くときは全力で戦うと決めた相手、ギルガメッシュがエアを抜く価値のある人間と判断した時しか使っていなかった。故に不本意に使うことを身体が嫌悪しているのだろう。
「一応、使えるようにしたかったのだが…」
最近立て続けに起こる出来事、原作で関わる人物を見かけることが多くなってきた。加えて、つい先日、オールマイトと鬼ごっこをしたが、明らかに全盛期より遥かに運動能力が落ちていることに気づく。そろそろワンフォーオールの後継者探しが始まるはずだ。そうなれば原作では出てこなかったが、オールフォーワンのような強者が出てくる可能性が高い。
「だが…この世界では滅多に抜くことはないだろうがな」
滅多に、と言った理由はこの世界で生きている人間は価値は未知数だからだ。人間の数だけ個性がある。この身体、ギルガメッシュが認める好敵手がいるかもしれない。それだけ強い個性を持っていたらヒーローかヴィラン、どちらかには必ずいるだろう。いや、既に1人いるか…。
「…で?我の後ろで何をしている雑種」
先程から後ろに気配があるのを感じていた俺は、その気配に向かって声をかけた。気配を読めるようになったか…俺もギルガメッシュに近づいてきているということか。口調変換も無くなってきたし。
「流石は古代メソポタミアの英雄王と同じ名を冠している方だ」
すっ、と出てきたのは顔に黒い霧がかかっている、黒霧というヴィラン連合の1人であった。まあ、いつかは接触してくると思っていたが、原作が始まる前とはな。
「我はギルガメッシュだ。贋作でもなければ偽物でもない」
「それは失礼しました。ギルガメッシュ様」
妙に口調も態度も紳士だなこいつ…だが、接触してきたということは何かしら目的があるに違いないのは明白だった。この態度は何かしらの願望を言いにきたのだろう。
「目的を吐け、場合によっては我自らの手で貴様を処罰せねばならん」
黄金の波紋が20、黒霧を囲むように形成された。場の緊張感が高まる。黒霧は言葉を誤れば命はない、と思っていたに違いない。
「実は貴方をヴィラン連合という組織に勧誘…」
「死ね、雑種」
「なっ⁉︎」
20の波紋から高速で宝具が射出される。避けれるスピードではない。黒霧の個性、ワープも間に合うはずもないのだが…何故か無傷で済んでいた。
「念のためにバリアの個性をつけといて正解だったよ」
空から突如声が聞こえてくる。そいつは拍手をしながら、ゆっくりと降りてきた。確かエアウォークという個性だったはずだ。この個性を持つ人物は原作においても1人しかいない。まさか黒幕がこんな表に出てくるとはな。
「はっ、まさか畜生が釣れるとは思いもしなかったぞ」
「初めて会う人間に畜生とは随分と嫌われたものだ」
「何が人間か、お前は地中を好みとするモグラであろう。オールフォーワン」
オールフォーワンはふむなるほど、頷く。
「上手いこと言うね。でも、これでも一応モグラ達の支配者と呼ばれているんだ」
「どうでもよいわ、たわけ。とく失せよ」
正直、ここでこいつと関わりたくないのだ。話すだけで神経を逆撫でにする奴と話していれば、自分が何をするのか分からない。ここは早く帰って欲しかったが、オールフォーワンは帰ろうとはしなかった。
「本当は勧誘しに来たんだけど、目的を変えることにするよ」
「ほう、ではなにをすると?」
「君の実力を知りたくなった。だから試させてもらうよ」
「何故この我がお前のような畜生と戦わねばならん」
「君が見せたくなくても無理にでも戦ってもらうさ!」
そう言ったオールフォーワンは空に高く飛び上がって、飛び道具のような個性をこちらに放ってくる。それを難なく阻んだ俺は仕方なく、オールフォーワンを迎撃することにした。
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僕は彼の実力を見誤ったのかもしれない。こちらはエアウォークの個性を十全に使って回避しているが、彼は一歩も動かずに僕の攻撃も軽くいなし、その上で撃ち墜とそうと黄金の波紋から剣やら槍やら斧やらを射出してくる。こちらの攻撃は当たることはないが、こっちも撃ち落とされるわけでもない。ジリ貧だ。
だから、個性だけではなく、僕はギルガメッシュに言葉でも責めることにした。
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「君はオールマイトの親友だそうだな」
ああ、やはり言葉で責め立ててくるか、もしかしたらと思っていたんだがな。オールマイトに嫌がらせをするためにわざわざ師匠の息子を連れてくるぐらいなのだから。
「何故そんな力がありながら、僕とオールマイトの戦いの時にいなかったんだい?」
「君は恐れたんだ。オールマイトが平和の象徴として、悪への絶対的な抑止力として君臨し続けていることを。君はヴィランだ。だから親友を見捨ててまでも排除したかったのさ。」
「君の企みは見事うまくいき、あと数年もしないうちにオールマイトは引退するだろう。良かったじゃないか。君の目論見は成功した。ああ、なんて醜い奴なんだ君は」
とまあ、全くの見当違いの事を言っているわけだが、それでも胸の奥からマグマのように燃え滾る感情が湧き上がってくる。これは怒りだ。でもこの怒りはあのような畜生に友を傷つけられた、その事に対する怒りだ。俺の怒りはギルガメッシュの怒りでもある。それだけ俺(ギルガメッシュ)はオールマイトを認めているのだ。
このまま、宝具を射出し続けてもいずれ逃げられるだろう。流石は原作でも最強の座に位置する奴だ。原作の事を考えるとこのまま逃した方が良いが、友を傷つけた罪、少しばかり痛い目に合わせていいんではないか?あんな畜生に向ける剣はない、だが友のために1度くらい抜いてもいいんではないだろうか?
ーなぁ、ギルガメッシュ
宝物庫から鍵を取り出す。その名は『王律鍵バヴ=イル』。それは宝物庫の最奥にある『乖離剣エア』を取り出すために必要な鍵。いつもなら、これを取り出す前に躊躇・嫌悪などといったさまざまな感情に見舞われるのだが今回はその様子もない。鍵を捻った刹那、1つの場所から数多の紅の線が絡み合い天高く登っていき、また1つの場所へと集約されていく。
「目覚めよ。エア」
握った剣の刀身が回転し、嵐を思い出させるような暴風が吹き荒れる。
俺はこの世界に来て初めて『乖離剣エア』を展開した。
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まずい、徒に刺激し過ぎたか。
僕は自らの過ちに気付く。なんだあの剣は。あれをまともに受けてしまっては跡形もなく僕の身体は破壊し尽くされるであろう。オールマイトとの戦闘などこれに比べればミジンコのようだ。急いで黒霧を見つけて逃避しなければならない。
黒霧を探す。いた。先程のビルの上で暴風の余波に当てられ気絶している。あそこまで行くにはギルガメッシュまで近づかなければならない。だが、今近づけば間に合わない可能性が高い。五分五分といったところか。
「僕がこんな賭けをすることになるとは」
そう言って、持てる個性を全て使い、黒霧へと近づいて行く。
「自ら近づいてくるとは殊勝なことよ!」
今は返答している余裕はない。そして辿り着き、黒霧の個性を強制的に発動させて、アジトへ繋がるワープを形成する。早くしなければ、時間は刻一刻と迫ってくる。そしてついにその時が…
「死して拝せよ!ー天地乖離す開闢の星 !」
きた。気絶した黒霧を先にワープの中へと投げ込み。僕も急いで入ろうとする。だが、少し間に合わなかった。暴風を受けた反動で運良くワープの所まで飛ばされ中へと入ることができたが、腕が一本まるごと持っていかれてしまった。
「ぐぅぅぅぅ!」
この前に奪っておいた個性の超再生で根元から腕が生えてきたが、まだ少し痛む。まさか僕が逃げ帰ることしか出来ないとは…
「ふぅ。まさかまだあんな反則級の人物はいたとはね」
あれには関わらない方が賢明だろう。幸い話してみた感じ、我々の行動を積極的に邪魔するという意志はないはずだ。ならば支障はない。僕は今回動き過ぎたな。ただでさえこんな身体なのだ。しばらくは大人しくしなければ…
「次はいつ相対することになるのかな?」
オールフォーワンは1人で呟き、アジトの奥へと歩いて行った。
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…やはり逃げられたか。このくらいで倒されるようじゃボスやってないだろうし、威力も最小限に抑えたのだ。当然といえば当然である。
そしてエアを宝物庫にしまう。オールフォーワンは次に表に出てくるのはオールマイトとの決戦の時であろう。これ以上、俺が干渉するのはまあ無粋というものだ。
…まあ、とりあえず腹が減ったな、と行きつけのラーメン屋に足を運ぶのであった。
ZEROのシーン再現したった。
下手くそだったらゴメス
恐らく最初で最期の『乖離剣エア』発動描写…
次回、原点回帰。ネタに飛びます。
黒霧まさかの戦力外通告。
オールフォーワンとの決戦
まるで最終回のようだ。
感想待ってます