あの日の話だ、当初は感染者の隔離と情報封鎖で対応を行っていた日本政府は感染の拡大に対処が追い付かなくなっていた。 らしい
いや、知らねぇよ?当時はやっと学校に通い始める様な歳だったんだ、又聞きだ。
んーでだ、それでも偉いもんでパニックやら暴動やらは起きなかったらしいが警察や自衛隊は元人間に対処する方法なんて無かったし(撃ち殺しゃ良かったのによ)当時の政治家達もどうしたもんかとメェーメェー鳴くばかり。
それでもなんとか耐えてちゃ居たが限界が来た。
ホントかどうかは知らない、何せこの話を俺にしたオッサンは根性無しの自称元カツドウカ?で皆からホラ吹き扱いされてた。
ある日の事さ、警察官の一人がヤツラと間違えて子供を撃ち殺した。
らしい。大事な所だ
そっからはあれよあれよのあらよっと、あっという間だ。
どっかの誰かが日本は俺達を殺す気だと大ボラを吹き、吹いた本人も予期しないぐらいに火が燃え上がり、色々な事が出来なくなって、ヤツラに辛うじて対処していた連中は身動きが取れなくなり、そして。
こんな世界になった。
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中国地方 日本皇軍 海軍管理島 伊五七零番
第零七資材運搬用道路上
あの後、俺とアリサは妙にテラついた黒い車の後ろに乗せられ何処へ行くとも知れないドライブに連れ出されていた。
運転席にはさっきの男、船の中でアリサも俺と同じ様に両手を縛られ座らされているが慣れたものなのか楽しそうに昨日行った海軍のパーティーの話をしてる。ヤギの肉が美味しかっただの、シャンパンを飲んだだの。
「アリサ、お前なぁ、ちょっとは兄貴を巻き込んだ反省とか無いのか?」
こっちは寝起きにトランクス一丁で連れて来られたのだ、身体の中の酒を抜きにトイレに行く暇も無かった。
「お兄ちゃん、ソレ毎回言ってて嫌にならない訳?」
「毎回言いたくなる様な状況で巻き込んで来るなって事だよ、俺の恰好見えてるか?」
クソッ、腹が冷えて来た。
「オイ!アンタ!便所に寄ってくれ!それぐらいは良いだろ?俺の小便掃除するハメになるぞ!」
「サイッてぇー」と、ジトッとした目でアリサが俺の方を見てくる。ウルセェ!トランクス一丁なんだよ!聞こえる様に舌打ちをして運転席の男がバックミラー越しに俺を見た。
「暖房をつける、我慢しろ」
驚いた、この車暖房がついてるらしい。
「そう言う段階じゃねぇんだってぇ、わっかんねぇかなぁ?折角の良いシート、汚したく無いだろ?」
重力を感じさせない緩やかさで車が止まった、ごねた甲斐がある
「……見える所でしろよ、お前が見えなくなったら妹を殺すからな」
「あいよ」
拳銃を構えて俺を脅す男へ軽やかにそう返し俺はスタスタと街道の端へ歩く。
さーて、ここからどうするか