十三世界でただ一人   作:来海杏

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エースコンバット×IS③

チョッパー&ミュージシャン

 

私は間違って居たのだろうか?

 

 

 

12歳の夏に始まった内戦は未だ終わらず、武装勢力との形ばかりの停戦も大国の介入と共に崩れさった。今はまだ軍事物資の支援を主とした形で済んでいるが、それも何時まで続くだろうか、ズルズルと引き伸ばされる軍産複合体同士の代理戦争に戦時しか知らない子供達が増えていく。

 

 

 

もしこの内戦が終わったとしても銃の撃ち方しか教えられていない子供達に私は仕事を与える事が出来るのだろうか。

 

 

 

逃げ出したくなる現実、恥と後悔から自分自身を終わらせてしまいたくなるが私が責任を果たさぬまま死ねば誰もこの様な立場の後を継ごうとはしないだろう。

 

 

 

 

 

この国の首相として、私は責任を果たさねばならない。

 

 

 

 

 

超大国の軍産複合体、彼らからの圧力を拒んだ所で他の武装勢力と彼らが手を結ぶのは明らかだった。武装勢力のいずれかがこの内戦の勝者となれば後にあるものは弾圧と虐殺だ、清廉潔白を以て国民に支持されこの立場についたが私は現実に屈して彼等の支援を受け入れる他無かった。

 

 

 

それが他の国の軍産複合体や有象無象の介入を招くと分かっていてもだ。

 

 

 

結果、この国以外で生まれた人間がこの国の為に戦い、この国で死んでいく異常な事態を招いている。彼等が戦闘中に死んでもそれは戦死ではない、事前契約に基づき彼等、あるいは彼女等は業務中の事故死として処理される。

 

 

 

兵士として扱われず、障害を負おうとも充分な保証も受けられず、ジュネーブ条約の適用すらされない傭兵達、私達がこの内戦に勝利しようとも彼等はこの国の公的記録には残され無い。彼等の派遣元の企業に何枚かの記録が残るだけだ。

 

 

 

そう言う契約で私はこの国に彼等を招き入れた。

 

 

 

私は間違って居たのだろうか?この国の内側で収まっていた死の嵐にこの国以外の人間を巻き込んだだけなのだろうか?

 

 

 

 

 

私は責任を果たさねばならない、だが

 

 

 

誰に?

 

 

 

どうやって?

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

最近首都で流行っている歌がある、いや首都に限らず国中か

 

 

 

ラジオの海賊放送で取り上げられたそれは娯楽の少ない状況下の国民達の間で爆発的に流行し、今ではこの国の反戦の象徴となっている。

 

 

 

戦争なんて下らない、俺達の歌を聴けと

 

 

 

 

 

歌い始める前にその男達が言う言葉は今や反戦家達のスローガンだ、私はこの言葉に、この男達に希望を見出だしている。

 

 

 

 

 

私だけでは無い、今やこの国にとって男達は希望だった。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

俺とアレィーラゥは戦場跡で、外人どもの小競合いの跡地で出会った

 

 

 

馬鹿みたいに外人どもが張り合って逆に戦力は拮抗したらしくて、俺にはよくわかんないんだけどニィちゃんが言うにはそうらしい。けどそれでもヤツら猫のケンカ見たいに急に小競合い始めてはやめてを繰返して、結局それに巻き込まれてこの国の皆が迷惑してる、傭兵って最低だ

 

 

 

俺とアレィーラウはそう言う小競合いの跡地から珍しいモンを拾って武器商人に売ってお金を稼いでたんだ。

 

 

 

 

 

とうちゃんとかぁちゃんが死んでからニィちゃんは傭兵や武器商人や時折いるそれ以外の物好きな外人を相手にこの国の案内とかをしてお金を稼いでた。

 

 

 

この稼ぎを始める前、俺だけニィちゃんに助けて貰うばっかりで何にも返せないのがイヤだったからこの稼ぎ思い付いた時はもしかして俺は世界一の天才なんじゃないかと思ったね。

 

 

 

こんな凄いこと思い付くの俺だけだぞ!って、だからアレィーラウと跡地で初めて会ったとき俺は叫び出しそうになったよ。

 

 

 

幽霊だ!

 

 

 

 

 

でも、幽霊がホントに居るなら悪くないかもしれない。とうちゃんとかぁちゃんにあの日何があったか聞くんだ。

 

 

 

 

 

とうちゃんとカァちゃんは俺とニィちゃんの誕生日プレゼントを買いに行った帰りに傭兵達の検問に捕まったらしい、其処で横暴な傭兵達を相手にとうちゃんは勇敢に戦って死んだんだってニィちゃんは言ってた。

 

 

 

 

 

でも、ニィちゃんはとうちゃんとかぁちゃんの死体を俺に絶対に見せようとはしなかったし、あの日以来ニィちゃんはめったに笑わなくなった。

 

 

 

……傭兵ってやっぱり、最低だ。

 

 

 

 

 

 

 

それでも俺達は生きなきゃなんない、だからいつも見たいに跡地にアレィーラウと何かを探しに行ったら、アイツ等が居たんだ。

 

 

 

 

 

満月の夜、スクラップの山の上で真っ赤な月を背にしたシルエットがいきなり俺達に話し掛けて来た。全裸の男二人、ドッグタグの男と珍しい色のサングラスの男。

 

 

 

「おーい!助かったぜ!」

 

 

 

良いとこに居てくれたぜ少年!妙に親しみを感じさせるドッグタグの男が俺に話し掛けて来て、俺は慌てて背後にアレィーラウを庇った、アレィーラウは女の子だから、悪い傭兵から何をしても逃がしてやるつもりだった。

 

 

 

 

 

「なぁ少年よぅ?このままじゃ風邪引きそうでよ」

 

 

 

 

 

どっかから、服ぅ持ってきてくんないか?二人分

 

 

 

顔の前で両手を合わせ俺達に必死に頼み込むドッグタグの男に、俺は何だか警戒するのも馬鹿馬鹿しくなって。

 

 

 

ちょっと待ってな、そう言って家にとうちゃんの服を二着取りに帰ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが多分、全部の最初だ。

 

 

 

傭兵達の救国神話、俺達の国の新しい神話

 

 

 

その始まり

 

 

 

最っ低で馬鹿話ばかりしていた彼等が俺達の国を救ってくれたんだ。

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