十三世界でただ一人   作:来海杏

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転生したらアウトレイジみたいな世界なんやが?

 

大阪市内、ぱっと見普通の一軒家、ところがやで?蓋を開けてみればびっくり!!中にはギッチリ詰まったヤクザの詰め合わせがぁ~!?お歳暮かなー?

 

 

 

ここは関西最大の指定暴力団四代目桐ケ谷組の直系である染井組の組長、染井蓮二の数あるマイホームのひとつ

 

 

 

え?なんでそんなとこにおるかって??蓮二さんはやな?どえらいヤクザやねんけど、俺の育ての親でもあるっちゅう話やねんなこれが。

 

 

 

 

 

……ハァ、アカン。謎の説明口調で目の前に迫る湯気から現実逃避しとったが、そうもいかんわな。分かってる分かってる、俺はこの目前に迫るアツアツのおでん(大根3口サイズ)を何とかせないかんのや。

 

 

 

「あかんって!!ねえさんそれは無理やって!!無理!!無理!!」

 

「やっかましいねんゲン!!男やったら腹キメてガッといき!ガッと!!」

 

 

 

いやねえさん入らんて、ガッと行ったら喉ガバガバなるわ

 

 

 

今俺に向かって熱々のおでんをアーンしようとしているこのエライ別嬪な女の子は蓮二さんの実の孫で俺のお世話係でもある染井吉乃さん。俺は尊敬と敬意を込めてねえさんと呼んでる。

 

 

 

え?蓮二さん?俺の後ろでうっきうきで俺の事羽交い絞めにしとるよ??(怒)

 

 

 

「ゲン!せや!!ガッといけ!ガッと!!」

 

 

 

 

 

いややもう、間近でイケオジが…蓮二さん…そない笑わんといて…笑うたび落ち着いたええ匂いがするぅぅぅ

 

 

 

なんやねんもう、マ〇カーで負けたぐらいで殺意高すぎるやろ罰ゲームが。というか若い衆も言われた通りに確り用意せんでええねん…、普通なんやかんやちょっと温めで用意するやろがい!ほいでまたええ匂いするし!!腕上げたっすねタツさぁぁん!!!(部屋住みの若い衆筆頭、22歳。実家のペットはポメラニアン)

 

 

 

「ほら!アタシがあーんしたってるねんで?ん?なんや?嫌なんか?お?嫌なんか?」

 

 

 

あかん、ねえさんちょっとGOKUDOUモード入り出してるやん、この人切れると舌の巻き方半端無いから怖いねん。目つき土佐犬みたいになるし…。

 

 

 

「えぇぇいっ!!南無三!!」

 

 

 

 

 

オゴブッ、ッツアァァァァ!!!

 

 

 

ブェッ

 

 

 

 

 

あ、回想入りまーす、ブェッ

 

ーーーーー

 

 

 

人間人生は一度きりや、そんなもん難しゅう考える事でもない。ところがやで?【例外の無い法則は無い】とか何とか昔の偉い先生は言わはった。

 

 

 

流石先生、頭ええのう、おい。

 

 

 

最初に自分の頭の中が面倒臭い事になってると気付いたのは5歳の誕生日や、我ながらよう覚えとる。ちょーーっとばかし素行面には問題のあるお袋やったがその日は悪いもんでもキメとったんか珍しく俺に誕生日ケーキを作ってくれたんや、初めてのケーキ!色と見た目はとんでもなく悪かったがそんなもん関係あらへん!気持ちが嬉しかった

 

 

 

一緒に歌ったハッピバースデートゥユーに、吹き消した蝋燭の香り、切り分けられたケーキに噛り付いた時のあの味!!

 

 

 

マァァァァッズ!!!!

 

 

 

思えばこの頃からリアクションばっか取っとる

 

 

 

 

 

ま、とりあえずそんときは頭がチカチカするほどの不味さに俺は危うく気を失いかけてな、そこで思い出したんや。自分が、正確に言うなら自分の原材料が何か、ちゅうのをな。

 

 

 

俗に言う前世の記憶の話はここでは話とう無い、大して長生きもせん内に死んでもうたからなぁ!!アッハッハッハ!!ヒャーッ!!!

 

 

 

笑えるかぁッボケェ!!喉イワすわ!!

 

(イワす:壊すまたは故障させる)

 

 

 

 

 

後はまぁ、別に珍しい話でもない。男が出来たお袋が俺を置いて逃げ出し、頭が良いのか打算が効いたのか。子供の父親役を押し付けたのが関西最大のヤクザの大親分、染井蓮二やったっちゅう訳

 

 

 

 

 

蓮二さんが迎えに来た日?忘れる訳あらへんがな

 

 

 

「よう、坊主、お前の母ちゃんおるか?」

 

 

 

この時俺は4日間米粒一つ食うてなくてやな、指先一つ動かせんへんかったし喉もカラカラ。自分はまた死ぬんやとそんな事ばっか考えとって、次は幸せになりたいなぁと、そんな感じやった。だからまぁ聞こえるかどうかも分からへんかすれ声で俺は答えたんや

 

 

 

 

 

おらへん、母ちゃん帰ってこうへんねん

 

 

 

「そうか、ほなええわ。おう、お前ウチ来るか?」

 

 

 

 

 

俺は死にとう無かった、残った力全部で何度も何度も頷いて、大声で泣きたいのに声も涙も全然出てこーへん。はぁー神様仏様染井様、碌でもない人生二回も送らせといて俺をちゃあんと救ってくれたんはヤクザだけやった。

 

 

 

笑ろとき、笑ろとき、ここ笑うとこやから。

 

 

 

 

 

 

 

長い事入院して、出てきたときには俺は書類上あの人の子供っちゅうことになっとった。怖かったで?何で俺なんかの為にここまで?実はホンマに親父なんちゃうかなって、アホな事を考えたりもした。

 

 

 

でやな、この家に初めて来たときや。

 

 

 

 

 

「あんたがゲンか??」

 

ちっちゃいながらにキッツい顔した美人がやで?両手を腰に当てたりなんかして俺の方を睨んでくるんや、怖いのなんのって。でもまぁ、俺は俯きながら何とか答えたんや。

 

 

 

「はい、きょうからおせわになります。むこうじまゲンです」

 

 

 

そしたら、ねえさん、どないしたと思う??

 

 

 

ぎゅうーって俺の事抱きしめたんや、アタシの方が半年ぶん年上やから、って、思いっきり甘えて来るようにと言われた俺はやな。もうね、突然の事に大号泣よ。

 

 

 

笑え笑え(笑)笑うな!シバクぞ!!(怒)

 

 

 

けどまあ、そん時決めたんよ。

 

 

 

 

 

ヤクザに警察鬼悪魔、何が掛かって来ようがこの人らは守ろう、絶対に幸せにならなあかん人らやって。

 

 

 

 

 

何をしたらええか、目標が出来たんよ。

 

 

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