真・恋姫†無双~一人で三人、三人で一人~ 作:やまかっちゃん
~曹操side ~
あの日、私はいつも訪れる平凡な日々に飽き飽きしていた。今の曹家の官職は、豫州に含まれる郡、沛国の都尉になる。
私は、このまま家の中や庭で過ごしていても、今の自分の飽き飽きしている感情を、満足させるようなことはないだろうと思い、気分転換に出かけることにした。
この時の私は、ある程度の武術を修めていたこともあり、自分自身に自信を持っていたことや、曹家が沛国を統治していたことによる安心などの要因で、油断していた。
「おいおい、嬢ちゃん、こんな荒野のなか、一人でいたら危ねえぜ」
「そうそう、一人でいたら俺達みたいな恐~いおじさん達に連れ拐われちまんだぜ」
「「「「「「「ぎゃはははははは」」」」」」」
(チッ、街の門から目をつけられていたなんて、油断してたわ。対集団との戦い方なんて、学んでないわ。とりあえず途中で引き返して街に戻るにも、今は逃げるしかないわね)
「なんだ、嬢ちゃん、おじさん達と追いかけっこでもするつもりかい?」
「なら、早く逃げないと、おじさん達に捕まっちまうぞ~」
「「「「「「「ぎゃはははははは」」」」」」」
~数分後~
私は未だに、賊から逃げていた。引き返すタイミングを完全に逃していたのだ。
(どうしよう、引き返すタイミングを見誤ったわ。街からもだいぶ離れてしまったし。もう駄目なのかしら。っっっいや、駄目なら駄目で、一人でも多く道連れにしてやるわ)
しかし、華琳は、自分達が走っている方向に男の子の姿を見つけてしまった。
(このままじゃ、あの男の子まで巻き込んでしまうわ)
「其処にいるあなた、このままじゃ危ないから早く逃げなさい!(大声)」
「お~い、大丈夫か~?」
(うそ!なんでこっちに向かってくるのよ!?)
「なんであなたこっちに来てるのよ!?早く逃げなさい、此処は私が引き止めとくから」
(この子だけでも、逃がさないと)
「おいおい、逃がすわけないだろ。其処のガキも変わった服を着ているし、売りゃあ高く売れるだろうよ」
「親分、ガキは殺して嬢ちゃんは売る前に俺らで楽しみましょうよ」
「それもそうだな、そうするか」
「まあ、こいつらもこんなこと言ってるし。それに俺も君に聞きたいことがあるしさ。とりあえず此処は協力しようよ。ね?」
(一応、この子も武術には自信があるのかしら?そのうえ、武器らしき物は見当たらないけど大丈夫なの?)
「あ~~もうっ。わかったわよ。ところであなた、武器は無いようだけど大丈夫なの?あと何人相手にできる?」
「武器はあるから大丈夫だよ。あと全員でも問題はないけど」
(何馬鹿なことを言ってるの!ふざけてるの!)
「「「「「「「ぎゃはははははは」」」」」」」
「あなた、こんなときに何ふざけたこと言ってるのよ!?」
「いや別にふざけたわけじゃないよ?ほら一人目」
彼がそう言った瞬間
「はははっぱぎゃっ!?」「っぺげゃ!!」
賊の一人は何かで首を刎ねられ、その奥にいた賊の眉間には槍が刺さっていた。
「これで二人目」
(何、今の!?私には何かで賊の首が刎ねられたと思ったら、次の瞬間には奥にいた賊の眉間に槍が刺さってた!?ていうか何処に槍があったの!?)
「てめえっ、よくもなかっあべし!?」
「遅いよっと、これで三人目と」
私はきっとこの時から刹那に惚れていたのだろう。なぜなら、このとき自分が、彼に見惚れていたことを、自覚できるほどのことだったのだから。
(彼、かなり武術や体術を修めていることは確かね。いつの間にか槍から刀になってるし。何より彼の太刀筋は綺麗で美しかったわね。はあ~~)ポケ~~
「ちょいちょい、お~い大丈夫?お~い」
「おっとごめんごめん、ところで意識は戻ったな?意識が戻ったなら危ないから後ろに下がってろ」
(彼に質問無視された!?)ガーン (ううん、それよりも)フリフリ
「舐めないで!私だって闘えるんだから」
(彼にも私の良いところ魅せたいし)
「…そうか…‥なら早い者勝ちだな!」
「げふぁっ!?」「ふぎゃっ!?」「逃げっぐは!」「助けっいぎ!」
それからそう時間もかからずに賊を全滅させたわ。とりあえず此処にいても仕方ないので、私の家がある沛国に移動することになった。
「ところでまだ自己紹介してなかったな。俺は北条刹那で8歳だ」
(あら?私と同い年だったのね)
「私は姓名は、曹操、字は、孟徳よ、あと年齢はあなたと同じ8歳よ」
(いきなり、顔がこわばり始めたけど、どうしたのかしら?)
「俺恥ずかしながら迷子なんだけど、此処何処だかわかる?あと国も」
刹那が言った言葉で、私は、刹那が、この国の人間ではないこと、何かしら事情があることに気付いた。
「此処は沛国で、国は漢よ。そういえばあなたの服装からしてこの国の人間じゃなさそうね。何処の国の人間?」
(考えることを潔く諦めたような、どこか無理矢理納得したような顔で空を見上げ始めたけど、刹那は沛国に行ったあと、どうするのだろ?)
「話せば長くなるんだけど、それでもかまわないか?」
(この話で、刹那の事情を聞けるかも)
「ええ、大丈夫よ」
(刹那のことを一つでも多く知りたい)
「頭狂ってると思うかもしれないけど、どうやら俺は、1900年近く前の世界に迷い混んでしまったらしい。信じるかどうかは、君次第だけどさ」
(そうだったのね。そうだとすると刹那はこの世界で独りっきりなんだわ。どうにかして、刹那を私の家に連れて行くことはできないかしら?)
「刹那の顔を見てれば、嘘を言ってないことぐらいわかるわよ。そうすると真名のことも知らなそうね」
「真名?それはどういうものなんだ?」
(ああ、やっぱり知らなかったのね。それじゃしっかり教えないと後々大変なことになりそうね)
「真名っていうのは、私達の真の名のことよ。真名を許可なく呼べば、誰であろうと殺されても、文句は言えないわ。それほど尊いものよ。ついでに私の真名は華琳よ」
(今までは、他の人に真名を言うときはなんともなかったけど、刹那に教えるときは、少し恥ずかしいわね)
「っておいおい、さっき真名は尊いものって自分で言ってたのにいいのかよ!?」
「いいわよ。一応刹那には命を助けてもらってるしね。たぶんあのままだったら私は切り抜けられなかったと思うから。…‥…‥……私でも単純って思うほど刹那に惚れちゃったんだから仕方ないじゃない(小声)」
(聞こえて…‥‥ないわよね?)
「っっ!?悪い、とても言いづらいんだけど最後まで聞こえちゃってるんですけど」
「??っ、~~~~~~っ!?!?」ボフン
(うそ、うそ、うそ!?どうしよ、どうしよ、このあと、どんな顔で刹那の顔を見ればいいのよー?)
「もう、刹那の馬鹿!こんなときは気を遣って、聞かなかったことにしなさいよ」カオマッカ
「~~ぅぅ…‥ふう、華琳、今更卑怯な気もするけども、俺も言われてついさっき、自覚したばかりで上手く伝えられるか、わからないけど、俺も一目見た時から好きになりました。付き合って下さい」
(本当に?嘘じゃないのよね?今私とてもドキドキしていて、また幸せで、嬉しい。この気持ちをどうやって伝えればいいの?…‥って早く返事返さないと、でも刹那の世界での付き合いますっていう返事の返し方がわからないわ。どうすればいいのかしら?…………これなら、今の私の気持ちと一緒に伝わるかしら?でも恥ずかしいわね)
「えっと‥…んっ…‥」「‥…んっ!?!?」
私はそっと唇を触れさせる程度だが口づけをした。
どれくらいの時間が経ったのだろうか、実際には数秒程度だろうが私達には数十秒にも数分間にも感じられた。
「ぷはっ‥‥ごめんなさい、刹那の世界での付き合うっていう返事の返し方がわからなかったから」
(私の今の気持ちも伝わったかしら?)
「ありがとう。でもできれば、男として奪われるより奪いたかったな」
そして自然とまた目が向き合い
「「…‥んっ‥…」」
今度は相手側から唇を重ねられた。でも先程より短く。けれども、息苦しくない程度に数回繰り返された。
(今度は、刹那からしてくれた!嬉しいわ!)
「もう、でも私今まで、今が一番幸せだわ。そういえば、…‥初めて…よね?」
(初めてじゃなかったらどうしよ?想像してきたら悲しくなってきたわ)
「勿論、前前世も、前世も含めて初めてだよ」
(よかった、私は刹那の初めてになれたのね。でも、あれ?)
「…そう…私も初めて‥よ。でも前前世も、前世もって、どういうこと?」
「あっ!」
(さっそく私に隠し事かしら?)
「えっと…ごめん、隠し事をしたかった訳じゃないんだけど俺、前前世と前世の記憶があるんだ。だから今世の記憶もたぶん引き継ぐと思うんだ」
(ああ、また刹那のことを知ることができたわ!)
「へ~~そういうこともあるのね!じゃあ、もし私も今世の記憶を引き継ぐことができれば、そのときは、また来世でも出逢いましょ!」
「とりあえず、早く街まで行きましょ!家族にも早く紹介したいし(小声)」
「おう!」
(今度は聞こえなかったぽいわね)ホッ
そうして私達は私の家がある沛国まで歩いて行った。
〈曹操孟徳(華琳)〉
北条刹那(魏)のメインヒロイン、刹那(魏)のことは何でも知りたがる
現在、8歳
刹那(魏)のことになるとキャラ崩壊、もしくは自重という言葉が存在しなくなる
性格、ドSで若干百合部分がある
戦場での立ち位置 魏の総大将