Digimon/Grand Order   作:LAST ALLIANCE

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予告を投稿したばかりですが、プロローグが完成したので投稿します。
FGOとデジモンのクロスオーバー小説となります。
見てみると、Fateとデジモンのクロスってそう多くないんですよね……
FGOやFateシリーズの細かい設定が抜け落ちたりする事もありますが、その時は暖かく指摘して下さい。今回からルビ機能を使い始めました。今まで存在を知らなかったです(汗)
それでは新しい小説をお楽しみ下さい。
ちなみに前作を知らない人でも普通に読めるようになっているので、ご安心下さい。

p.s.予告編を投稿したばかりなのに、UAの伸びが凄いです。『Fate』シリーズの人気、流石としか言えません。パワーバランスには注意しますので、Fateファンの皆さん、デジモンファンの皆さん、ご安心下さい。

p.s.立香君の設定を見て、不自然な所に気付いて修正しました。数合わせで訓練受けていないのに召喚の詠唱言える訳ありませんよね……





Fighter(特異点F 炎上汚染都市 冬木)
第0話 転生する聖騎士


 とある世界に1人の人間がいた。何処にでもいるような青年。名前は八神一真。彼は普通の人生を送っていたが、1体の悪魔―ディアボロモンに当たり前の日常を破壊され、悪魔によって命を落とした。

 しかし、彼はとある聖騎士―オメガモンと一体化する事で命を繋いだ。ディアボロモンを倒した事で、彼の新しい人生と日常が始まった。“電脳現象調査保安局”にスカウトされ、そこから戦いの日々に身を投じた。

 

―――僕の命はオメガモンに助けられた。本来だったら死んでいた僕は、オメガモンに全てを捧げなければならない。そして戦わなければならない。戦えない全ての人々の命と日常を守る為に。

 

 脅迫概念にも似た思いを抱えながら、一真は戦い続けた。最初に挑んだのは“デジクオーツ”事件。“デジクオーツ”と呼ばれる異世界。そこに迷い込んだデジモン達は人間の心の闇や欲望を使って自らの力を増幅させ、人間界で様々な事件を起こして来た。

 迎えた最終決戦。全員の力とオメガモンの活躍によって、“デジクオーツ”を造り出した全ての黒幕―クオーツモンを倒した。しかし、その時にオメガモンの特殊能力を使った代償として、一真の身体と精神が“デジモン化”してしまい、完全なデジモンとなってしまった。

 次に挑んだ“世界樹大戦”。『電脳世界(デジタルワールド)』の神様―イグドラシル。2つある人格の1つ、マキ・イグドラシルがデジモン達の殺戮を『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』に命じた。人間界を崩壊させ、デジタルワールドと統合して新たなる世界を作り上げる計画―『NEOプロジェクト・アーク』の遂行を推し進めた。

 人間界とデジタルワールドを守る為に、オメガモン達は戦った。『聖騎士団(ロイヤルナイツ)』を悉く打ち破り、マキ・イグドラシルとの最終決戦を迎えた。

 その最終決戦で、マキ・イグドラシルが“千年邪神”と呼ばれているミレニアモンと一体化していた事が明らかになった。最終的にミレニアモンと戦って勝利し、ミレニアモンこと秋山千冬を説得した事で戦いは終わった。デジタルワールドに平和を取り戻すと共に、オメガモン達は再び人間界を救った。

 しかし、その代償は大きかった。一真の人格と精神が完全に消え失せた。それでも直ぐに消え失せた訳ではない。“世界樹大戦”が終わって数日後。一真は自分の家で沢山の人間やデジモン達に囲まれている。

 

「皆……頼むからそんな悲しい顔しないでよ」

 

 デジタルワールドの神様―ホメオスタシスの膝枕の上で、一真は悲しい顔を浮かべながら全員に呼び掛けるが、彼らの表情は変わらない。

 自分達の仲間であり、英雄たる人間が死のうとしている。既に分かっていた事だが、彼らは受け入れる事が出来ない。彼の死を受け入れたくないのだから。

 

「世の中……どうにもない事だってあるんだよ?」

 

―――なぁ皆笑ってくれよ。でないと心残りをしたまま僕はいなくなってしまう。それだけは嫌なんだ……

 

 もうどうしようもないのか。そう思った誰かが尋ねようとすると、一真の言葉を聞いて静かに口を閉じた。彼らは既に分かっている。八神一真がもう少しでこの世からいなくなると言う事を。彼の命はそこまで消耗していた。

 それは一真も同じだった。自分が死ぬ事を受け入れているのに、周りが受け入れてくれない。彼らは前に進む事が出来ない。彼らにこの世界を託す事が出来ない。

 

「オメガモン、いるかい?」

 

―――あぁ、いるぞ?

 

「今までありがとう。君がいなければ僕はとうの昔に死んでいたし、色んな人々やデジモン達に出会う事もなかった。本当に感謝している。人間として生き、人間として死ぬ。デジモンとして蘇り、そしてまた死ぬ。奇妙な人生だったけど、これもこれでありだな……」

 

 最後の時が近付いている事に気付いた一真。彼はオメガモンに感謝を伝える。オメガモンがくれた命が、何時の間にか多くの物をもたらした。

 一真とオメガモンが紡いだ絆は本物であり、彼らが歩んだ道もまた本物だ。共にいた時間は僅かだったが、そこには確かな絆があった。

 

「オメガモン。君は人間達と共に、そしてデジモン達と共に生き続けてくれ。そして僕が叶えられなかった理想を叶えて欲しい。人間とデジモンが共存できる世界の実現を。今までありがとう。また会おうね……」

 

 オメガモンに自分の願いと理想を託し、今までの感謝を述べると、一真は目を閉じた。それと共に地面に落ちる右手。安らかな表情を浮かべながら、八神一真は息を引き取った。

 人間界とデジタルワールド。途中で人間でなくなり、自分の命を燃やして2つの世界を救った英雄。彼らは多くの仲間と両親に看取られ、この世から去っていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 全てが真っ白に染まった世界。そこに一筋の純白の光がやって来た。その光は八神一真の姿を形成していく。彼は周囲をキョロキョロと見渡しながら、死んだ時を思い出す。

 彼は転生者と言える存在。自分の世界でディアボロモンに襲われて一度命を落とし、ホメオスタシスの力でオメガモンと一体化し、自分の世界に転生した。

 人間界とデジタルワールド。そこで2つの大きな戦いを経験したが、最初の戦いで“デジモン化”し、最後の戦いで人間としての完全な死を迎えた。

 オメガモンとしての力を引き出して向上させていく度に、八神一真と言う存在は死に一歩ずつ近付いていった。途中で肉体と精神が死んだが、精神は辛うじて維持出来た。

 しかし、最後の戦いで精神が消滅し、完全な死を迎えた。その事に関して言えば後悔はない。自分が選び、突き進んだ道なのだから。

 

―――後の世界はオメガモン達に託した。絶対に僕の理想の世界を創っていくだろう。例えどんなに道のりが険しく、時間が掛かったとしても、オメガモン達なら必ずやり遂げて見せる。僕の出番はここまでだ。後は皆に任せて眠るとしよう。

 

「ここにいましたか、一真さん」

 

―――ホメオスタシスさん……僕の世界で何かありました?

 

 彼の理想となる世界の実現。それを皆が必ず叶えてくれると信じながら、一真は自らの死を受け入れて深い眠りに付こうとした。

 しかし、それを妨げるように1人の女性の声が空間に聞こえて来た。茶色のおかっぱ頭をした美女。デジタルワールドの神様、ホメオスタシス。

 

「貴方のいた世界ではオメガモンが八神カズマと名乗り、デジタルワールドの復興に取り組んでいます。先の大戦で数多くのデジモン達が消え去り、世界の至る所が荒れ果てていますから……」

 

―――そう言えばそうでしたね。復興の事を皆で話していましたけど……結局何も出来なかったなぁ。ところでホメオスタシスさん、僕はどうなるんですか?

 

「貴方の魂はあの世に逝く事も、輪廻転生で第三の人生を歩んだり、他人に生まれる事も出来ません。貴方は人間の魂を失ったので……」

 

―――あぁ~そうだった……何てこった!

 

 一真は全てをオメガモンに捧げた結果、文字通り消滅する未来を待っている。オメガモンの力を引き出そうと、自らを差し出した結果、オメガモンは生前よりも凄まじい力を使えるようになり、そのまま引き継がれた。

 しかし、その代償に一真は“デジモン化”して人間としての肉体を失い、最後の戦いで人間としての精神や魂を失ってしまった。

 

「ですが、貴方はオメガモンとなった人間。魂の中に宿るオメガモンのデータを使えば、貴方をオメガモンとしてもう1度転生する事が出来ます。でも、そうなった場合は人間ではなく完全にオメガモンになりますけど……」

 

―――それは仕方ないです。でも……仮に転生しても僕を受け入れてくれる世界はあるのでしょうか?

 

「実はこの世界に来ている途中、滅びに向かっている別世界を見ました。それを見て私は放っておけないと思い、貴方に助けを求めました。ここに来たのも貴方に伝える為です」

 

―――な、何ですと!? それは見過ごせません!

 

 一真のいる空間に向かう途中、ホメオスタシスは滅ぼうとしている別世界を見た。そこは人間界なのだが、神様として世界の滅亡を見過ごす事が出来ず、消滅している一真をオメガモンに再度転生させ、その世界に送り込もうと考えた。

 その提案に一真は乗るしかない。自分の知らない世界が滅亡しようとしている。それを見過ごす勇気も無ければ、度胸もない。助けを求める声があれば直ぐに駆け付ける。それが一真と言う聖騎士だ。

 

―――ホメオスタシスさん。僕、行きます。僕の力が少しでも誰かのお役に立てるのなら、僕はどんな事をします!

 

「ありがとうございます。それでこそ一真さんです。オメガモンになった後、今まで使えた力は普通に使えます。貴方は貴方の力で戦えるのです」

 

―――ありがとうございます。ホメオスタシスさん。皆に伝えて下さい。僕は別の世界で戦っている。だから皆も負けるなと。

 

「はい。一真さんも負けないで下さいね」

 

 一真の目の前にいたホメオスタシスが消えると、彼の真上から突如として光が満ち溢れ、一真の身体を包み込むと共に身体を変えていく。

 その光の中で人格と身体が変わり始めた事を感じつつ、その空間から一真は別世界に向かっていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 とある人間界。冬木市。そこは周囲を山と海に囲まれた自然豊かな地方都市。地名は冬が長いことから来ていると言われているが、実際には温暖な気候でそう厳しい寒さに襲われることは滅多に無く、非常に暮らしやすい場所でもある。日本でも有数の霊地であり、質の高い霊脈を幾つも抱えている。

 その冬木市は今では焼け野原となった。大災害が来たのだろう。見渡す限りの廃墟に変わり果て、映画で見たような戦場となった都市。

 戦場となった冬木市には1人の男性がいた。青い瞳に黒髪の青年―藤丸立香。彼の所に無数の骸骨兵が近付いている。スケルトン。死して尚動き続ける骸骨兵。このままでは殺される。戦う力のない自分では。

 右手に刻まれている赤い模様、令呪を見る。ここで英霊召喚を行う事を考えたが、即座に却下する。本当ならば召喚用の魔法陣を敷き、英霊を呼ぶ為の触媒を用意しないといけない。しかし、今はそんな時間はない。それに詠唱も分からない。

 立香はマスター候補だが、数合わせの一般枠である為、訓練らしい訓練は全く受けていない。その為、召喚のやり方や詠唱も全く分からない。状況が状況だった為、仕方ないが、今はそういう事を言っている暇はない。

 

(もう駄目だ……)

 

―――諦めるな!

 

 どうにもならない現実に絶望した立香は全身の力が抜け、地面に崩れ落ちてしまう。そんな彼に襲い掛かる骸骨兵の集団。その様子を見た立香は自分の死を受け入れ、目を閉じようとした。

 しかし、周囲一帯に若い男性の声が響き渡ると共に、突如として真上に金色に輝く巨大な光の卵が出現した。一体何が起きたのかと思い、上空を見上げる立香と骸骨兵達。彼らの目の前で、次第に光の卵が消滅していく。

 光の卵の中から姿を現した者が立香の目の前に降り立ち、立香と向かい合う。全身を震わせながら、一生懸命声を絞り出す立香。目の前に立っている聖騎士。何処からどう見ても一級品ではない。超が付く一級品。静かに立っているだけで凄まじい威圧感とオーラを放っている。

 

「あ、貴方は……」

 

「聖騎士オメガモン。召喚に従い参上した。問おう。君が私のテイマーか?」

 

 全身を純白に輝く聖鎧で覆い、背中に内側が赤色で、外側が白いマントを羽織り、右肩に金色の三本の突起が付いているアーマーを装着し、右手が蒼い狼を象った籠手を付け、左肩に紋章を象った黄金の盾を装備し、左手が黄金の竜を象った籠手を付けた聖騎士。

 その聖騎士の名前はオメガモン。八神一真が転生したデジモンであり、人間界とデジタルワールドを救った英雄。

 オメガモンは立香を見下ろしていた事に気付き、聖騎士らしく片膝を付いて頭を垂れた。そして青年に問い掛ける。自分を呼んだのかを。若い男性の声色でありながら、威厳のある声を以て。

 この出会いから運命が始まった。それはオメガモンの人理修復の戦い。その始まりを告げる出会いだった。

 




LAST ALLIANCEです。
後書きとして、本編の裏話を話していきます。

・一真が息を引き取る場面

前作の最終回で亡くなった八神一真君。彼の死に際から物語が始まりました。
詳しい事を知りたい方は前作を読んで下さい。

・神による転生

本来だったら死ぬ筈でしたが、ホメオスタシスの頼みによって異世界を救いに行く事になりました。でも魂は消えかけで戦う力も無い。
そこで魂と肉体を再構築し、オメガモンになる事で転生しました。
生前はオメガモンの人格に戦いを任せ、必要に応じて能力を引き出す等のサポートをしていましたが、今度は自分の力で戦わないといけない状況となりました。
なのでこれから登場するマシュさんと立場・境遇は同じです。

・オメガモン登場シーン

実はここが一番悩みました。何処で登場するのかを悩みました。
一応物語に準拠する形になるので、序章の第1節からスタートになります。
でも内容的に言えば、アニメの『First order』を見た上でこの場面にしました。
(立香君が一人ぼっち→敵兵に囲まれてピンチ→英霊召喚するけど誰も来ない→でもオメガモンが来てくれた)
最終的にこの流れに落ち着きましたが、登場する所は『僕らのウォーゲーム』っぽくしました。そして台詞もアルトリアさんの台詞をオマージュしました。

裏話はここまでになります。
皆さん。よろしければ感想・評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメント、アドバイスやモチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が究極進化します。

それでは次回をお楽しみに。LAST ALLIANCEでした!

次回予告

骸骨兵を蹴散らしたオメガモンと、聖騎士を知っている立香はテイマーとパートナーデジモンの関係を結び、共闘する事を決めた。
そこにやって来たのは立香の後輩、マシュ・キリエライトとフォウと言う小動物。
彼らとの出会いがもたらす物とは?

第1話 動き出す運命


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