Digimon/Grand Order   作:LAST ALLIANCE

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土曜日に予告と第0話を投稿しましたが、物凄い反響(今までにない)を頂いたので、内心戸惑っています。Fateの人気を垣間見ました……(汗)
この小説は基本的にシナリオの区切りの良い所まで書いて、区切ると言うやり方を取っています。今回は第1節:燃える街から、第2節:霊脈地へまでの内容となっています。
原作に準拠していますが、台詞は所々を変えたり、地の文にしたりしています。
何処から何処までやれば良いのか分からないので、何かアドバイスがあればお願いします。
今回は後書きに簡単なQ&Aコーナーを設けました。この小説の方針を主に書きました。


第1話 動き出す運命

 人間界とデジタルワールド。2つの世界を救った八神一真。彼は最終決戦で命を燃やし尽くし、戦いを終えた数日後にこの世から去った。

 魂が消滅しているのを待っていた所に、デジタルワールドの神様ことホメオスタシスがやって来た。彼女は一真に別世界の危機を救って欲しいと頼み、彼の魂と肉体を再構築してオメガモンとして転生させた。

 別世界の地方都市、冬木市。そこで敵兵に襲われた藤丸立香は触媒と魔法陣無しで英霊召喚に挑み、英霊の代わりにオメガモンを召喚する事に成功した。

 

「聖騎士オメガモン。召喚に従い参上した。問おう。君が私のテイマーか?」

 

「オメガモン……!? 俺は英霊を呼んだ筈なのに、そんな英霊なんている筈がない……!」

 

 舞い降りた聖騎士の名前はオメガモン。白亜に輝く流麗で細身の聖鎧を身に纏い、右手が蒼い狼の頭部を象った手甲、左手が黄金の竜の頭部を象った手甲となっている。白兜で表情は伺う事が出来ないが、穏やかな様子で立香の目を見ている。

 威風堂々とした佇まいをしながらも優しい声で尋ねる聖騎士。その場にいるだけなのに、圧倒的な威圧感と存在感、そしてオーラが放たれている。それらに圧倒されながらも、立香はオメガモンを見る。

 

「そうなのか? 私は君の声を聞いて召喚に応じたのだが……どうやら私が間違えたみたいだ。私は英霊ではない。死んではいない。いや人間として死んだから英霊と言えなくもないか……」

 

「えっ!? いや、そ、そうなんだ……ってちょっと待って。オメガモンって言ったよね? 何か何処かで見た事があるようで、聞いた事があるような……」

 

 立香は目の前のオメガモンの姿を見ていると、何処かで彼の姿を見た事があると思い、腕組をしながら考え込む。

 21世紀の日本都市部に近い生活環境の中で暮らしていた立香。彼は思い出す。かつて自分が過ごしていた平和の日常の事を。数秒後に彼は思い出した。脳裏に焼き付いた映像を。記憶の奥底に眠っていた勇姿を。

 かつて小さい頃に両親と一緒に映画館で観た映画。その終盤で登場し、圧倒的な強さを見せつけたデジモン。それがオメガモンだった。

 

「オメガモン……オメガモン!? オメガモンってあれだよね!? 『僕らのウォーゲーム!』で初登場したすっげぇかっこ良くて強いデジモンか!?」

 

「ム? どうやら君は私の事を知っているみたいだな……」

 

「知っているも何も……俺、小さい頃に『僕らのウォーゲーム!』を家族で観て、その時からずっとオメガモンのファンなんだ。まさかこうして出会えるとは思ってもみなかったから……嬉しいんだよとても。ってそんな事よりも……オメガモン。前を見て」

 

 オメガモンが背後を振り返ると、そこには骸骨兵の集団が今にも攻撃して来そうな雰囲気となっている。1体1体から殺気を感じるが、オメガモンはそれに動じる事はない。

 何となく状況が分かった。彼は敵に襲われて助けを呼ぼうと何かしてみたが、その助けとして自分が来た。その敵が目の前にいる骸骨兵の集団だったと言う話だ。

 

「改めて説明するけど、俺は目の前の敵に襲われてて、俺一人じゃどうにも出来ないから、英霊を呼ぼうとしたんだ。でも英霊召喚のやり方が全く分からない俺じゃどうにも出来なかった……そんな時にオメガモンが来てくれた。オメガモン。頼む! 戦ってくれ!」

 

「任務了解。これより戦闘を開始する」

 

 カチャ、カチャという金属音を鳴らして骸骨兵の集団と対峙するオメガモン。人間で言う心臓、もとい電脳核(デジコア)が鳴動した。光の奔流のような純白の力が全身を貫き、脈打ち、活性化させながら頭に戦闘情報が流れ込んで来る。

 生前で経験した戦闘と1つとなり、聖騎士の戦闘をサポートする。時間の流れが緩やかになり、引き伸ばされていく。奥義を使うと言う選択肢もあるが、それでは面白くない。何しろ転生してからまだ時間が経っていない。戦闘に慣れなければならない。

 転生して訪れた世界を救う為に。オメガモンとして戦う。戦えない人々の為に。救いを求める誰かの為に。

 

(さぁ待ち望んでいた戦場だ。気を引き締めていこう!)

 

 立香の目の前でオメガモンが消失した。正確に言えば、消失したのではない。消失したと思わせる程の超スピードで移動し、相手が反応するよりも前に、目の前にいた骸骨兵に向けて右拳を叩き込む。

 その一撃で骸骨兵は木っ端微塵に粉砕され、同時に巻き起こった衝撃波が周囲にいた骸骨兵達を薙ぎ払い、吹き飛ばしながら破壊していく。

 別方向から斬り掛かって来る骸骨兵。その斬撃を黄金の竜の頭部を象った左手の籠手で受け止め、そのまま手刀を叩き込んで返り討ちにする。

 

「(成る程。身体の感覚はこういう所か……我ながら凄まじいな。人間とは比べ物にならないくらいだ。ならば攻撃の方はどうかな?)ハアアァァァッ……!」

 

 目の前から押し寄せて来る骸骨兵達。それを見ながらオメガモンは身体能力の手応えを感じると、今度は繰り出す攻撃の感触を確かめようとする。

 低く唸るような裂帛の気合と共に、オメガモンの右手に蒼く煌めく絶対零度の冷気が宿り、左手に橙色に輝く灼熱の火炎が宿る。その冷気は世界を停める程に鮮烈で、火炎は全てを焼き尽くす程に苛烈。

 

「『ダブルトレント』!!!」

 

 オメガモンは必殺奥義名を叫ぶと共に、両手を地面に突き付けた。次の瞬間には轟音が鳴り響き、火炎の輝きと冷気の煌きが静寂を瞬く間に消し去る。

 周囲一帯を満たす橙色の輝きと蒼い煌き。超高温と超低温。相反する2つの巨大な力を骸骨兵のみならず、周囲一帯を蹂躙していく。

 地面は焦げ、瓦礫が凍結する。お互いに激突した火炎と冷気は水蒸気爆発を思わせる爆風を巻き起こし、更なる破壊の爪痕を刻み付ける。

 

「す、すげぇ……」

 

―――生前は何気なく使っていたが、こうして実際に使ってみると本当に凄いとしか言えないな。人の身に過ぎた力だこれは……

 

 目の前に広がるのは見るも無残に広がる大地。つい先程までは建物や瓦礫、骸骨兵達がいたが、オメガモンが放った『ダブルトレント』によって一瞬で消滅した。

 立香は唖然となり、オメガモンは冷や汗を掻いた。それ程までに凄まじい破壊の爪痕を冬木市に刻み付けた。最早技の領域を超え、天災の領域に足を踏み入れている。それ程までに圧倒的な破壊であり、力による蹂躙だった。

 

「(どうやら迂闊に奥義は使えそうにないな……体力はそこまで使わないが、溜めが必要になる。グレイソードやガルルキャノンを普段は使いながら、必要に応じて今のような奥義を使う戦術で行こう)戦闘終了。敵兵の反応なし」

 

「お疲れ様! すげぇよオメガモン!」

 

「君の助けになって何よりだ。ところで君の名前を聞いていなかったな……」

 

「俺は藤丸立香。よろしく、オメガモン」

 

「あぁ、こちらこそよろしく。立香君」

 

 周囲を見ながら敵の『波動(コード)』を感じない事を確認し、肩の力と張り詰めていた緊張感を抜き、オメガモンは戦闘終了を告げて立香の所に戻った。

 立香はオメガモンに労いの言葉をかけ、自己紹介をしてお互いに握手を交わす。普段は相手を“~殿”と呼んでいるが、立香の事は“君”付けで呼ぶ事にした。その方が合っていると判断したのだろう。

 

ーーーーーーーーーー

 

「無事だったんですね先輩」

 

「マシュ! そっちこそ無事だったのか!?」

 

「はい。ですが想定外の事ばかりで混乱しています。先程敵兵に襲われましたが、何とかなりました。先輩は?」

 

「俺も襲われたよ。逃げられなかったから英霊を召喚しようと思ったけど、やり方が分からなくて……それでもう駄目だと思ったら来てくれたんだよ。オメガモンが。オメガモンのおかげで俺は助かったんだ」

 

「オメガモン……あの騎士の姿をしている人ですか?」

 

「人じゃなくて、デジモンと言う種族なんだ。説明は後でするよ。オメガモン。彼女はマシュ。俺の後輩だ」

 

 オメガモンと立香の目の前に姿を現したのは1人の少女。紫色の鎧に身を包み、右手に身の丈もある十字架型の盾を携え、片目を前髪で隠している。彼女の名前はマシュ・キリエライト。立香の事を“先輩”と呼んでいる。

 立香とマシュは再会を喜び合った。お互いに先程の骸骨兵に襲われたが、どうにかなったみたいだ。立香がオメガモンに助けられた事を伝えると、マシュは少し離れた所で敵が来ないかどうか見張りをしているオメガモンに目を向ける。

 その言葉に頷いた立香がオメガモンに向けて声を張り上げる。その声に反応したオメガモンはカチャ、カチャという金属音を鳴らしながら、彼らの所に歩み寄った。

 

「私はオメガモン。立香君の助けに応じた聖騎士だ。よろしく」

 

「私はマシュ・キリエライトです。よろしくお願いします、オメガモンさん」

 

『あぁ、良かった! やっと繋がった! もしもし、こちらはカルデア管制室! 聞こえるかい!?』

 

 オメガモンとマシュがお互いに自己紹介をしていた時、立香の制服のポケットから電子音が鳴り始めた。電子音が鳴っている物は一体何なのか。それを確認しようと、立香はポケットから1つのアイテムを取り出した。

 それは腕輪の形をした通信機。光っているボタンを押すと、電子画面からホログラムが映し出された。ホログラムに映し出されているのは好青年にも、優男にも見える青年。彼の名前はロマニ・アーキマン。カルデアの医療部門のトップを務めている。

 

「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライト。特異点Fにシフト完了しました」

 

(Aチーム? 特異点F? シフト完了? 何の事だ? 少し話を聞いてみよう)

 

 マシュはロマニと通信機越しに会話をしている。その内容はオメガモンにとって、初めて耳にする単語ばかり。単語の意味は全く分からないながらも、状況を掴もうと注意深く聞き耳を立てる。

 どうやらこの世界は自分がいた人間界でも、デジタルワールドとも違う世界のようだ。改めて自分が異世界に来た事を感じながらも、オメガモンは会話を聞いている。

 

「同伴者は藤丸立香1名。心身共に問題ありません。レイシフト適応、マスター適応共に良好です。彼を正式な調査員としての登録をお願いします」

 

『そうか……やっぱり藤丸君もレイシフトに巻き込まれたのか。コフィンなしでレイシフトして無事だったのか……それは素直に嬉しいよ。でもねマシュ……君が無事なのは嬉しいけど、その恰好は一体どうしたんだ!? 破廉恥過ぎるよ! 僕は君をそんな子に育てた覚えはないんだけど!?』

 

(レイシフト……どうやら彼らはこの場所で異変が起きている事を知り、調査しようと送り込まれたのだな。でも何かが起きた。そういう事なのかな?)

 

「これですか?……これは変身したんです。カルデアの制服では敵兵を倒せないと思ったので。……Dr.ロマン。私の状態をチェックして下さい。そうしたら状況が理解して頂けると思います」

 

 マシュとロマニの会話を聞きながら、オメガモンは彼なりに現状を分析する。立香とマシュはこの場所で異変が起きている事を受け、調査する為に派遣された。

 しかし、何らかの事態が起きてマシュは変身している。それにしても、ロマニの言葉は正しく聞こえる。マシュはスタイルが良く、胸も大きい。その上ヘソ出し。破廉恥と言われても反論する事が出来ない。

 

『君の身体状況を? わ、分かった……おっ? おおっ!? うおおぉぉぉぉぉっ!? す、凄い! 身体能力、魔術回路……全てが向上している! これは人間ではない! サーヴァントだ!』

 

「はい。サーヴァントその物です。経緯までは覚えていませんが、私はサーヴァントと融合した事で一命を取り留めました。今回の特異点Fの調査・解決の為、カルデアでは事前にサーヴァントが用意されていましたが、そのサーヴァントは先程の爆発でマスターを失い、消滅しかけていました」

 

(成る程……この世界の異変はあらかじめ察知されていて、事前に対策チームを編成していた。でも何らかの事態……いや何者かの介入によってその対策チームが機能しなくなった……そう考えた方が良いのかな?)

 

「消滅する直前、彼は私に契約を持ちかけました。英霊としての能力と宝具を授ける代わりに、この特異点の原因を突き止めて欲しい、と」

 

『そうか……英霊と人間の融合、デミ・サーヴァント。カルデア六つ目の実験……それがようやく成功したんだ』

 

(デミ・サーヴァント……英霊と人間の融合!? この世界でも私と似たような存在がいたのか……)

 

 マシュとロマニのやり取りを聞いていたオメガモンは理解した。ロマニが立香とマシュの仲間であり、医療分野を専門としている事に。

 更にこの場所での異変は事前に察知されていて、対策チームを派遣する筈が、どういう訳かそれが出来なかった事も。

 一番衝撃を受けたのはデミ・サーヴァントの存在。英霊と人間の融合。かつて人間だった自分はオメガモンと融合し、最終的に死を迎えた。今はオメガモンとなって転生したが、マシュも同じような運命を辿るかもしれない。

 似た者同士として彼女を助けたい。いや助けなければならない。自分のような経験を誰かにもして欲しくない。その強い思いがオメガモンにあった。

 

『マシュ、君の中に英霊の人格はあるのか?』

 

「いえ……彼は真名を最後まで告げずに、私に戦闘能力を託して消滅しました。ですので、私は自分がどの英霊なのか、自分が手にしているこの盾がどのような宝具なのかが全く分かりません」

 

『そうなんだ……でも不幸中の幸いだ。召喚したサーヴァントが必ず協力してくれるとは限らないし……けどマシュがサーヴァントになったのなら話が早い。何しろ全面的に信頼出来る。ところでそちらにいる騎士はどちら様?』

 

「オメガモンです。俺が敵に襲われてた時に来てくれました」

 

『オメガモン? 初めて聞く名前だね。えっ!? 藤丸君、君は何時の間にサーヴァントを召喚していたのか……いやこれはサーヴァントじゃない。英霊でもない。別の何かだ。まぁ後で話を聞くとして……どれどれ……って凄いじゃないか! 神霊と言える力を持っている! 良し! 戦力的には最強無敵の切り札だ! サーヴァントじゃないって所が良いね!』

 

 ロマニがオメガモンを解析して“神霊”と断言したのを聞き、マシュは目を丸くさせる一方、立香は納得するように頷いた。

 オメガモンはデジタルワールドにおける神霊クラスの実力者だが、人間界とデジタルワールドを救った英雄でもある。この世界の常識やシステムに当てはめると、“神霊”に該当するようだ。本人は複雑そうな顔をしている。

 型月世界における神霊は2種類ある。太陽や月といった天体や嵐、地震といった自然現象を信仰の対象とした“元からあった物が神に昇華した事例”と、初めは人間よりだったが、様々な要因で人間から逸脱し、信仰の対象になった“神として生まれ変わった事例”の2種類が存在する。オメガモンの場合は後者に類似している。

 

『藤丸君。そちらに無事にシフト出来たのは君達だけのようだ。そして本当に済まない。何も事情を説明しないまま、こんな事になってしまって……分からない事だらけで不安になったり、心配すると思うけど、どうか安心して欲しい。君には既に強力な味方がいるから』

 

(やはり思った通りだ。立香君は新米マスターで、マシュさんは駆け出しデミ・サーヴァント。ここは私がしっかりしないと駄目みたいだな……)

 

『サーヴァントは頼もしい味方である反面、もちろん弱点もある。それは魔力の供給源となる人間、つまりマスターがいないと消滅してしまうという事。現在データを解析中だが、今の所分かっているデータによると、マシュは君のサーヴァントなんだ』

 

「俺がマシュのマスター……ですか?」

 

『そうだ。つまり藤丸君。君がマシュのマスターと言う事になる。君が最初に契約した英霊が彼女と言う事になる。当惑するのも無理はないよ。君にはマスターとサーヴァントの説明をしていなかったから……』

 

「ドクター、通信が乱れています。途絶するまで残り十秒です」

 

『……そうか。ついさっき予備電源に替えたばかりだから、まだシバの出力が安定しないな……分かった。ここから2キロ程移動した先に霊脈の強いポイントがある。そこに向かって。そこから通信をすればこちらからの通信が安定する。くれぐれも無茶な行動を控えるようにね!』

 

 そう言い残すと、通信機の電子画面に映し出されたホログラムが消失した。つまりカルデアにいるロマニとの通信が途切れたと言う事になる。

 取り敢えずやる事は分かった。今いる場所から2キロ先にある霊脈の強いポイントに向かう事。その後はもう1度ロマニとの通信を試みる。

 

「……はぁ。いつもドクターはここぞという所で頼りになりませんね……」

 

「キュー。フー、フォーウ!」

 

「そうでした。フォウさんもいたんですね。応援ありがとうございます。どうやらフォウさんも一緒にレイシフトしたみたいです」

 

 そこに現れたのはフォウと言う名前の小動物。狐と羊を足して二で割ったような外見をしており、リス、ネコ、ウサギ等の要素を兼ね揃えている不思議な動物。

 カルデアを自由に散歩すると言う特権を持っている。立香とマシュ以外には懐かないらしいが、オメガモンを興味深そうに見つめている。

 

「このフォウと言う生き物は?」

 

「カルデアの仲間です。名付け親は私です。特に理由はありませんが、直感でフォウという単語が浮かびました」

 

「それは鳴き声を聞いてから付けたよな!?」

 

「細かい事は気にしてはいけません。あ、フォウさんの事をドクターに報告し忘れました……」

 

「キュ、フォウ、キャーウ!」

 

「……ドクターなんて気にするな? そうですね。フォウさんの事は次の通信で報告しましょう」

 

 フォウはオメガモンに懐いたのか、彼の白兜をペタペタ触り始める。聖騎士が小動物とじゃれながら突っ込みを入れると、マシュはそれを笑顔で受け流した。

 その数秒後にフォウの事を報告し忘れた事を思い出して表情を曇らせると、フォウの一声で次の通信の時に報告する事を決めた。

 

「先ずはドクターの言っていた座標を目指しましょう。ところでオメガモンさんはサーヴァントではないんですよね?」

 

「あ、そうだ。オメガモン。俺はデジヴァイスとかそういうのはないけど、君をパートナーデジモンとしてカルデアに迎え入れたい。どうかな……?」

 

「つまり君が私のテイマーになるという事だな? 分かった。そちらの世界の常識に従おう。“郷に入っては郷に従え”と言うからね」

 

 マシュとマスターとサーヴァントの契約を結び、オメガモンとテイマーとパートナーデジモンの契約を結んだ立香。自分を助けてくれた恩人であり、憧れのヒーローと共に戦いたいのだろう。

 その意志を汲み取ったのか、オメガモンは了承した。この世界に来た以上、この世界での常識やルールに従わなければならない。その所の分別は付いている。

 

「話が終わった所でドクターの言っていた座標に……」

 

「その件で提案がある。実は私は空を飛ぶ事が出来るのだが……もし良ければ君達2人を乗せて行こう。座標さえ教えてくれれば問題ない。位置さえ分かれば後はどうにかなるから」

 

「えっ!? オメガモンさん、空を飛べるんですか!?」

 

「あっ、そうだった! 忘れてたよ! オメガモン、君が空を飛べる事を!」

 

 今いる場所から2キロ離れた所にある霊脈の強いポイント。そこに向かおうとしている立香達に、オメガモンが提案をする。自分が飛行出来ると言う利点を活かし、2人を乗せて移動すると言う内容だ。

 聖騎士が飛行出来る事に驚くマシュと、提案に快く応じる立香。ここから2キロ歩くのは時間と体力がかかる。そう考えても、オメガモンの提案は魅力的だ。これに応じない理由がない。

 

「ではお言葉に甘えて……よろしくお願いします」

 

「お願いします!」

 

「了解した。流石に今の大きさだと2人を乗せる事は出来ない。少し少し身体を大きくするから待っていて欲しい」

 

 今のオメガモンの身長は3メートル程。流石に立香とマシュを乗せて飛行するのは不安があるのか、身長を巨大化させる事を告げる。

 単独飛行はまだしも、誰かを乗せての飛行は初めてとなる。オメガモンの言い分にも一理ある。全身に力を溜め込んで解き放ち、身長を10メートル程に巨大化させる。その様子に立香は目を輝かせ、マシュは言葉を失った。

 

「おおっ……!」

 

「何と……!」

 

「さぁ向かおう。案内よろしく」

 

 片膝を付いて立香とマシュを肩に乗せると、オメガモンは2人に自分の身体にしっかり捕まるように促した。途中で落ちて怪我されたらどうしようもない。

 飛行経験のない2人に気を遣い、転生してから初めてとなる飛行経験。オメガモンは低空飛行で、かつ安全速度でマシュの案内に従いながら、ロマニが伝えたポイントに向かっていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

(オメガモンでいるのも不便だな……生前みたく周りに気を遣わないといけない上に、戦いは周りを巻き込んではいけない。……不満を言っても仕方ない。でも何でサーヴァント、もとい英霊で呼ばれなかったのか? 神霊と言っていたが、何か関係があるのか?)

 

 右肩にマシュ、左肩に立香を乗せながら安全速度で低空飛行しているオメガモン。幾ら初めての飛行で慣れていないとは言っても、思っているよりも上手く飛行出来ている。やはり生前にオメガモンと一体化していた経験が役立っているようだ。

 飛行している最中も『波動(コード)』を放ち、敵襲に備えながら生存者を探す事を忘れない。この異変の手がかりを掴む為にも。

 そんな中、内心で独り言ちるオメガモン。彼は先程の『ダブルトレント』で刻まれた破壊の爪痕を覚えている。あのような攻撃を連射出来るのは嬉しい限りだが、周囲一帯を巻き込む為、そう簡単には使用する事が出来ない事を感じている。

 これは生前人間界で戦った時と同じなのだが、今回は猶更気を付けなければならない。何故なら仲間と共に戦わないといけないからだ。これまでは単独で戦闘を行っていた為、このようなスタイルは久し振りとなる。

 神霊に分類され、何の制約を受ける事もないみたいなのは喜ばしい限りだが、こうして見ると、やはり英霊で呼ばれた方が良かったのかもしれない。しかし、それだと弱体化して本来の力を発揮出来ない。それもそれで困る。

 

「先輩。もうすぐでドクターに指定されたポイントに到着します」

 

「早いな~やっぱり空を飛べるって良いなぁ~ありがとう、オメガモン」

 

「礼には及ばないよ。しかし生存者がいないのが辛いな。もしいたら一体何があったのかを聞けるのだが……」

 

「はい。見渡す限りの廃墟です。事前に読んでいた資料とは全く違います。資料によると、冬木市は平均的な地方都市だと書いてありました。2004年にこのような大災害が起きたと言う記録はありませんが……」

 

(2004年か。私がいた時代から10年以上前……割と最近だな。あの時は学生だったが、まさかあの時はこうなるとは思うまい……)

 

 もう少しでロマニが言っていた霊脈の強いポイントに到着する。そんな時にオメガモンは周囲をキョロキョロと見渡しながら、生存者に1人も出会っていない事を嘆くと、マシュもそれに頷いて答える。

 2004年1月30日。これが今の特異点の時間。オメガモンは2017年の世界から来た。つまり、13年前の別世界にやって来たと言う事になる。

 

「大気中の魔力濃度も異常です。これではまるで古代の地球にいるみたいです」

 

「一体何があったんだろう……?」

 

「キャアアアァァァァァァァァッ!!!!!」

 

「今のは!?」

 

「女性の悲鳴です。行きましょう、先輩! オメガモンさん!」

 

「何だか嫌な予感がするぞ……しっかり捕まれ!」

 

 突如として聞こえて来た悲鳴。それは女性の声だった。しかも前方、自分達が向かっている場所から聞こえる。表情を引き締めるオメガモン達。

 オメガモンはマシュと立香にしっかり捕まるように言うと、加速し始める。悲鳴が聞こえた場所に直行する為に。

 

「何!? 何なのよ!? 何で私ばっかりこんな目に遭わなくちゃいけないの!? もう嫌! 助けて! 助けてよレフ!」

 

「ウオオオオォォォォォォーーーーー!!!!」

 

 聖騎士達の目的地。そこでは1人の女性がスケルトンの集団に襲われていた。魔力を高密度に凝集させ、魔弾を放って1体ずつ骸骨兵を倒していくが、ジリ貧となっている。

 そこに裂帛の気合を上げながら突進して来たのは純白の流星。それは肩に立香とマシュを乗せたオメガモン。聖騎士は左肩に装備している黄金の聖盾―ブレイブシールドΩを突き出し、シールドアタックを繰り出す。

 超合金で出来ていて、超質量の聖盾が凄まじい勢いと共に激突して来た。その威力と衝撃は言葉に出来ない程、凄まじかった。この一撃で骸骨兵の集団は一撃で粉砕され、女性を助ける事が出来た。

 

「間に合った……」

 

「オメガモン、ナイス!」

 

「オルガマリー所長!?」

 

「あ、貴方達!? あぁ、もう、一体何がどうなっているのよ!?」

 

 間一髪で女性を救えた事にオメガモンは安心し、そんな聖騎士の活躍を労うように立香は聖騎士にサムズアップする。

 オメガモンの肩から降りたマシュはその女性を知っているのか、驚きの声を上げる。それは女性も同じなのか、驚愕と混乱に満ちた声を上げた。

 その女性の名前はオルガマリー・アニムスフィア。魔術師の名門アニムスフィア家の当主であり、『人理継続保障機関フィニス・カルデア』の所長を務める女性。立香とマシュの上司と言える。

 

「お怪我はありませんか、所長」

 

「平気。大丈夫よ。助けてくれてありがとう……え~と……」

 

「私はオメガモン。立香君のパートナーデジモンだ」

 

「オメガモン……と言うのね。私はオルガマリー・アニムスフィア。カルデアの所長。助けて頂きありがとうございました」

 

「いや、礼には及ばないよ」

 

 オメガモンから放たれる威風堂々とした雰囲気と、圧倒的なオーラ。それを目の当たりにして高位の存在だと気付いたのだろう。

 オルガマリーは丁寧にオメガモンにお礼をすると、オメガモンは苦笑いを浮かべながら答えた。やはり何処の世界に行っても、自分はこのような扱いなのだろうと割り切った。

 

「それ以上に貴方! 貴方よ! 私の演説に遅刻した一般人!」

 

(やはり一般人だったのか……私の事を知っている時点で、何となく感じてはいたが)

 

「何でマスターになっているの!? サーヴァントと契約出来るのは一流の魔術師だけなのよ!?」

 

(魔術師……この世界には魔術師がいるのか。アルファモンが見たらどう思うのだろうか……)

 

 オルガマリーの声を耳障りと思いながら、オメガモンは独り言ちる。自分が生きた世界にいる盟友、アルファモン。彼女は魔法剣士なのだが、人間の魔術師がいるこの世界を見たら果たしてどう思うのだろうか。

 そして話を聞く限り、立香は本来サーヴァントと契約出来ない事が分かった。何故なら彼は一流どころか、魔術師ではない。かつてのオメガモン、八神一真と同じ一般人。

 ようやく自分がこの世界に召喚された理由が分かった気がする。自分と同じ一般人の藤丸立香と、英霊と人間が融合したデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライト。彼らの力になる為に、この世界が自分と言う存在を欲したのかもしれない。

 

「アンタなんかがマスターになれる筈ないじゃない! マシュにどんな乱暴を働いてマスターになったの!?」

 

「そこまでにしてもらおうか、オルガマリーさん」

 

 オルガマリーの追及は続く。立香が視線を泳がせ、マシュが困惑する中、オメガモンは立香を守るように立った。

 白兜から見える空色のつぶらな瞳からは若干の怒りが見える。それが分からないオルガマリーではない。直ぐに追及を止めた。

 

「貴女は言い過ぎだ。例え彼がマスターの資格が無くても、本来ならサーヴァントと契約出来ないとしても、現実としてマシュさんのマスターとなった。それ以上彼を侮辱すると言うのならば、このオメガモンが断じて許さない。主君への侮辱は聖騎士として見過ごす事は出来ない」

 

「いえ、そんなつもりじゃ……ごめんなさい。言い過ぎたわ」

 

「今は過去の事を言っている暇はない。この事態を切り抜けてから思う存分言いたい事を言えば良い。……ところで一回状況を整理しよう。そちらの話も聞きたいから」

 

「そうね。私も貴方から聞きたい事が色々とあるし……」

 

 オメガモンの提案を受け、オルガマリー、立香、マシュの3人で情報整理と状況把握を始めた。立香はオメガモンの召喚や、マシュのデミ・サーヴァントへの変身を話した。

 立香とマシュはレイシフトに巻き込まれ、冬木市に転移してしまった。他に転移したマスター適性者はいない。オルガマリーが冬木市で合流出来た唯一の人間。

 

「そういう事だったのか……だが、どうして立香君と所長が転移に成功したのか?」

 

「共通項があるのよ、私達には。コフィンに入っていなかった。コフィンはレイシフトする時に使うカプセルみたいな道具。レイシフトする時はそのコフィンに入らないとなんだけど、生身のままでもレイシフト自体は出来る。……成功率は激減する代わりにね」

 

「そうなのか……そのレイシフト用の設備がカルデアにあるのだな?」

 

「そうよ? コフィンにはブレーカーがあって、レイシフトが95%を下回ると自動で電源が落ちるようになっている。だから彼らはレイシフトを行っていない。そう考えるとここにいるのは私達だけ……と言う事になるわね」

 

 カルデアにある設備の話を聞きながら、オメガモンはコクコクと頷く。現状はあまり良いとは言えないが、少なくとも悪くはない。

 しかし、今はまだ分からない事が多すぎる。冬木市で起きた異変や、カルデアと言う組織がどのような所なのかが。

 

「藤丸立香。緊急事態と言う事で、貴方とキリエライトとの契約を認めます。ここからは私の指示に従ってもらいます。先ずはベースキャンプの作成。こういう時は霊脈のターミナル、魔力が収束する場所を探しましょう。そこならカルデアとの連絡が取りやすいの。さて……この街の場合は……」

 

「このポイントです、所長。レイポイントは所長の足下です」

 

「えっ!? あ……そ、そうね、そうみたい。分かってた! 分かってたわよ、そんな事! マシュ、貴女の盾を地面に置きなさい」

 

(果たしてこの所長で大丈夫なのか……?)

 

 オメガモンが心配そうに見守る中、マシュは盾を置いて召喚サークルの設置の準備に入り、カルデアとの通信を試みた。

 カルデアにいるロマニとの通信に成功した。カルデアにある召喚実験場と同じような空間の中で、早速ロマニとの通信を始めた。話すのは所長のオルガマリーだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

『もしも~し! よし、通信が戻ったぞ! 3人共お疲れ様! 空間固定に成功した。これで通信も出来るようになったし、補給物資だって……』

 

「はぁ!? 何で貴方が仕切っているのロマニ!? レフは? レフは何処? レフを出しなさい!」

 

『えっ? えぇっ!? しょ、所長、生きてらしたんですか!? あの爆発の中で!? しかも無傷!?』

 

(爆発の中? 無傷? まさか彼女は既に……やっぱりか)

 

 ロマニの言葉に何かを引っ掛かりを覚えたのだろう。オメガモンは目を細めながら、オルガマリーを横目で見る。

 どうやらロマニがいる場所で大爆発が起きたのだろう。普通なら大怪我を負ったり、最悪の場合死んでいる。しかし、所長は無傷で生きている。

 試しにオメガモンはオルガマリーの『波動(コード)』を探ってみたが、何か様子がおかしかった。最悪の可能性だった。オルガマリーの肉体は既に死んでいると。彼女が存在出来ているのは理由がある。

 

「どういう意味ですか!? いいからレフは何処? 医療セクションのトップの貴方がどうしてその席にいるの!?」

 

『……何故と言われても僕も困る。自分でもこのような役目は向いていないと自覚してるけど……』

 

 ロマニの話によると、自分は本来仕切る人間ではないのだが、彼以外に指示を下す事が出来る人材がいないとの事。現在生き残っているカルデアの正規スタッフは20人未満。ロマニが作戦指揮を任されているのは、自分よりも上の階級者がいないから。

 オルガマリーが出すように言っている人物―レフ・ライノールは、管制室でレイシフトの指揮を取っていた。爆発の中心地にいた為、生存の確率は限りなく低い。

 

「そんな……レフが……? いえ、それよりも待って! 待ちなさい! 待ってよね! 生き残りが20人未満!? じゃあマスター適正者は!? コフィンはどうなったの!?」

 

『47人全員が危篤状態です。医療器具も足りません。何名かは助ける事が出来ても、全員は恐らく……』

 

「直ぐに凍結保存に移行して! 蘇生方法は後回しよ! 死なせないのが最優先だから!」

 

『あぁ、そうか! 思い出した! コフィンにはその機能がありました! 至急手配します!』

 

 ロマニがオルガマリーの指示に従って動き出すと、マシュは本人の許可なく凍結保存を行う事を許可した事に意外そうな表情を見せた。

 本来ならば犯罪行為だが、状況が状況だ。何より本人達の許可が取れない。命を落とす可能性が高い。所長として責任を負う事より、人命を優先したと言える。

 

「……死んでさえいなければ後でいくらでも弁明できるわ。とてもじゃないけど47人の命は私には背負えない! 死なないでよ! 頼むから! あぁもう……こんな時にレフがいてくれたら……!」

 

 その後、ロマニが戻って来て再び通信でのやり取りが始まった。彼は現時点で分かっているカルデアの損壊状況を一通り報告した。

 カルデアのレイシフトルームが爆破され、47人のマスター候補者達は瀕死の重傷を負った。これだけでもかなりの大事だ。

 しかし、現実は非情だった。カルデアは機能の8割を失っており、残っているスタッフは20人未満。残されたスタッフでは出来る事に限りがある。

 ロマニの判断でレイシフトの修理、カルデアスとシバの現状維持に動いている。外部との通信が回復次第、補給を要請してカルデア全体を立て直す。それが当面の動きだ。

 

『……報告は以上です』

 

「はぁ……ロマニ・アーキマン。安心は出来ないけど、私が戻るまでカルデアを任せます。先ずはレイシフトの修理を最優先で行いなさい」

 

『えぇっ!? 所長……そんな爆心地みたいな場所、怖くないんですか!?』

 

「私だって今すぐ戻りたいわよ。でもレイシフトの修理が終わるまでは時間がかかるんでしょ? 今の所この街にいるのは低級な怪物だけだと分かったし、神霊のオメガモンとデミ・サーヴァントのマシュがいれば、例えサーヴァントが現れても大丈夫だから。これより藤丸立香、マシュ・キリエライトを探査員とし、オメガモンを協力者として特異点Fの調査を行います」

 

 事故等のトラブルはどうであれ、与えられた手段と状況下でどうにかしようとしているカルデアの皆。彼らの言葉を聞いている内に、オメガモンは無意識ながらこの世界で足掻き続ける人々を守りたいと言う気持ちが芽生えた。

 オルガマリーはロマニに立香達と共に冬木市、特異点Fの調査を行う事を話す。とは言えど、現場にいるスタッフが未熟な為、異常事態の原因と発見に専念する事になった。解析・排除はカルデアが復興した後に行う流れだ。

 

『了解です。健闘を祈ります、所長。これからも短時間なら通信は可能です。緊急事態になったら、遠慮なく連絡をお願いします。此方も何かあったら通信します』

 

「分かったわ。通信を切ります。そちらの仕事をこなしなさい」

 

 オルガマリーはロマニとの通信を切った。ここで救助を待つと言う考えもあるが、そういう訳には行かない事情が彼女にはあった。

 カルデアに戻った後、次のチーム選抜にどれだけの予算と時間がかかるのか。人材集めと資金繰りも直ぐには出来ない。今回の不始末の責任として何らかの処罰が待っている筈。

 そんな事になったら身の破滅だ。手ぶらで帰る訳には行かない。彼女には誰もが認める成果が必要となった。

 

「先ずはこの街を探索しましょう。この異変の原因が何処かにある筈だから」

 

「そうですね……所長。移動するならオメガモンに乗って下さい。彼は空を飛べるので」

 

「えぇっ!? そ、そうなの!? なら……お邪魔させてもらおうかしら」

 

「了解。では……」

 

 オメガモンはもう1度全身に力を溜め込んで解き放ち、自分の身体を巨大化させた。その様子に唖然となったオルガマリーは、恐る恐る聖騎士の身体に乗った。彼女を見て苦笑いを浮かべる立香とマシュ。聖騎士は微笑ましい様子で見守る。

 彼らを乗せて低空飛行を行い、冬木市を探索し始めるオメガモン。狂った歴史の原因を探す為に。この特異点の異常を解明する為に。

 




LAST ALLIANCEです。
後書きとして、本編の裏話を話していきます。

・オメガモンの事を知っている立香

この作品では、立香君はオメガモンの事を知っている設定にしました。
彼にとって、オメガモンとは憧れのヒーロー。
これがオメガモンの苦悩を招く事となりますが、それはまた別の話です。

・オメガモンの強さ

実はこの作品で一番悩んでいる所なのです。
最強物にしたくないのでバランス調整をしているのですが、召喚された経緯が経緯なので、英霊ではない状態に。
しかも設定とか色々準拠したら、神霊扱いになるよな~というかならないとおかしいよなと考えて今の形に落ち着きました。
もしアドバイスがある方がいたら、遠慮なくお願いします。
ただし暖かいお言葉でお願いします。暖かい言葉ですよ?

・自重する事にした攻撃

経験もあって使いこなせない訳ではありませんが、改めてデジモンの必殺技の威力の凄まじさを見せ付けられました。これ以後、オメガモンは自重します。
余程の事がない限りは。相手が強かったり、事態がイレギュラーでない限りは。

・テイマーとパートナーデジモン

デジモンと言えば、やっぱりテイマーとパートナーの関係。
最初は君付けですが、いつかは呼び捨てになります。いつかは。

・似た者同士

人間とデジモンが一体化していたオメガモンと、人間と英霊が融合したデミ・サーヴァントのマシュ。共通点はありました。
自分が迎えた終わりが訪れないよう、オメガモンはマシュの支えになろうと頑張ります。

裏話はここまでになります。ではここからQ&Aコーナーに移ります。

Q:この小説の方向性は?

A:最強物にはしません。活躍はしますけど。主人公が皆と協力しながら戦うので、それぞれに見せ場を与えます。ただシナリオには本来登場しないサーヴァントも出す予定です。

Q:オメガモンの立ち位置は?

A:先述しましたが、実は今でも凄く悩んでいます。強過ぎるのも良くないし、かと言って弱いのも良くないので。
なので間を取って仲間と連携して敵を倒したり、どうしようもない時にのみ力の一端を使う方針にしています。特に獅子王戦ではガチで行く予定です。

Q:他のデジモンは出しますか?

A:敵デジモンは出ます。味方は出ません。その方がバランスが取れるので。予定では特異点のラスボスと関係したデジモン(いなければ悪魔や魔王系)を出します。

以上になります。
皆さん。よろしければ感想・評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメント、作品の質を向上させるようなアドバイスや、モチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が究極進化します。それが執筆意欲に繋がります。

それでは次回をお楽しみに。LAST ALLIANCEでした!

次回予告

冬木市を探索するオメガモン達。
そこに襲い掛かるのは聖杯の泥に汚染されたサーヴァント、もといシャドウサーヴァント達。初めてのサーヴァント戦に苦戦するオメガモンとマシュ。
そこに駆け付けた1騎のサーヴァント。彼の目的は?

第2話 サーヴァントとの戦闘


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