Digimon/Grand Order 作:LAST ALLIANCE
後2、3話で序章、もとい特異点Fは終わります。
今回は文字数少なめ(1万字未満)ですが、第8節:マシュの特訓から第10節:大聖杯目前までの内容が中心となっています。
第一特異点からは本当なら出ない英霊(ヒロインXとか)が結構出るので、楽しみにしていて下さい。
「マシュ、どうかした?」
「はい。情けないですが……」
立香、マシュ、オルガマリー、キャスターの4人を乗せ、低空飛行で大聖杯がある所に向かっているオメガモン。その道中、マシュは顔を俯けている。
マシュは自分の悩みを打ち明ける。これまで骸骨兵やサーヴァントとの戦いで充分な経験値を積む事は出来た。しかし、まだ宝具を使う事が出来ない。自分を欠陥サーヴァントと自虐的に言うのだから。
(英霊と人間が融合したデミ・サーヴァント……英霊の切り札、それが宝具。それをあっさり使えるようになったら、英霊達の面目が立たないのも分かるよ)
かつては八神一真と言う人間だったオメガモン。生前もオメガモンとなって戦っていたが、その時はオメガモンの人格があったからどうにか出来た。
今は自分一人でどうにかしないといけない。幸い、これまで使っていた力や動きを再現可能である上に、生前の経験がある為、上手い事カバー出来ている。
「それは問題ねぇと思うぜ? 英霊と宝具は同じもんなんだから。お嬢ちゃんはサーヴァントとして戦える。もうその時点で宝具が使えるようなもんだ。なのに使えねぇって事は、魔力が詰まっているだけだ。吐き出させるに限る。オメガモン、ちょっと寄り道して良いか?」
「マシュさんに宝具を使えるように特訓するんだな? 良いぞ!」
「済まねぇな」
オメガモンはキャスターの言葉に頷きつつも、自分が情けなくなって来た。聖騎士となり、ホメオスタシスの使命を受けて転生した世界。自分の出身世界と色々と異なる世界。普通ならば有り得ない展開。
未知の世界と新たなるシチュレーションに慣れている最中なのだが、マシュは自分よりも条件が悪い中で戦い、弱音を全く言わない。彼女の根性が凄い以上に、自分自身の不甲斐なさに苛立ちを感じる。もっと上手く戦えるとオメガモンは思い込んでいる。
「お嬢ちゃん、構えな」
「えっ?」
「宝具を使えるようになるには、戦うのが一番だ。俺は遠慮なしで立香を殺す。サーヴァントの問題はマスターの問題。お嬢ちゃんが立てなくなった時、テメェも死ぬ」
「マシュ……全力で戦うんだ! 味方だからって容赦するな!」
「マシュさん。これは君が乗り越えるべき試練。自信を持て。君は強い。その強さを魅せてやれ!」
立香と契約しているサーヴァントはマシュ・キリエライト。キャスターは今回限りの協力者。オメガモンは異世界から来た客将。立ち位置が微妙で、どう行動すれば良いのか悩んだが、自分が為す事に薄々気が付いた。
これから立香はマシュと共に戦い続ける。様々な困難に立ち向かう。それは分かる。自分がいれば如何なる敵に遅れは取らない。そう言い切れる自信はあるが、それは果たして彼らの為になるのだろうか。聖騎士は否と考える。
―――この世界で起きた異変はこの世界の住民で解決する。
「武装完了……行きます!」
「たまには知的に行きますか!」
それがオメガモンの理想であり、その為の協力は惜しまない。自分が主役になってはいけない。手本になって良いが、間違っても前に出過ぎてはいけない。そうなると、彼らは自分に依存して堕落してしまう。それだけは絶対に避けたい。
だからオメガモンは見守る事に徹した。目の前でマシュとキャスターの戦闘が始まる。先に動いたのはマシュ。彼女は盾を構えながらキャスターとの間合いを詰めていく。
しかし、それを許すキャスターではない。ルーン文字を刻み、灼熱の火炎弾を放ってマシュを牽制する。更に強力な火炎攻撃を繰り出し、徐々に追い詰めていく。
「キャスターは本気でマシュを……!」
「あぁ。キャスターからその意志が感じ取れる」
「止めなくていいの?」
「これは彼女の試練だ。越えなければ前に進む事は出来ない。ここで朽ち果てるか、宝具を使えるようになって前に進めるか……それは彼女次第だ」
オメガモンはマシュとキャスターの戦闘に介入しない。何故なら自分の役割を理解しているから。立香達を見守りながら手助けし、時には良き方向へと導く。それがこの世界でのオメガモンの役割。
かつての自分もそうだった。生前自分がなったオメガモンは秘奥義を封じられていた。自分と一体化した事で、使えるようになった。使いこなそうと、強くなろうと、オリジナルに近付こうと思った。だから自分を鍛えつつ、様々な相手と戦って経験を積み重ねた。
強くなろうと前に進み続けた結果、八神一真は人間でなくなり、そして亡くなった。今はオメガモンとなり、新しい世界で戦っている。その結果に後悔はしていない。立ち止まらず、手を抜かず、前に進み続けた結果に訪れた結果だからだ。
だからこれからも前に進み続ける。いつまでも異世界だからと言って慢心してはいけない。次の戦いが正念場となる。自分が希望の光となり、立香とマシュを照らして輝けるように。彼らは必ずやり遂げる。オメガモンはそう信じながら目の前の戦闘を見守る。
「そろそろ仕上げと行くか……我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社……倒壊するはウィッカー・マン! オラ、善悪問わず土に還りな!」
「あっ……!(守らないと……使えないと……私は先輩の足手まといになってしまう! 偽物でも良い! 今だけでも良い! どうか私に力を!)」
キャスターが宝具を発動すると共に、現れたのはウィッカー・マン。無数の細木の枝で構成された巨人。火炎を身に纏っており、大きさは本来のオメガモンの身長はある。
全長十数メートルの燃え盛る巨体。それを目にしたマシュは恐怖に震えながらも、自分と融合した英霊に願う。宝具を使えるようになりたいと。今だけでも良い、貴方の事を教えて欲しいと。
「ハアアアアァァァァァァァァッ!!!!!」
ウィッカー・マンの剛腕とマシュの盾が激突し合い、轟音が鳴り響きながら凄まじい衝撃波が巻き起こり、周囲一帯を丸ごと薙ぎ払う。
もう片方の剛腕が振るわれる。盾兵を押し潰そうと、巨人の力が凄みを増していく。その時、巨人の攻撃を受け止めているマシュの盾が光り輝き、正面に巨大な結界のような物が展開された。
ーーーーーーーーーー
「私……宝具を展開出来たんですか……?」
「ヒュウ。何とか一命は取りとめると思ったが、まさか無傷とはな……褒めてやれ立香。アンタのサーヴァント、お嬢ちゃんは間違いねぇ。一級品の英霊だ」
「先輩……オメガモンさん。私、今……!」
「あぁ。おめでとう、マシュ!」
「凄かったぞ! よく頑張った!」
宝具を展開し、ウィッカー・マンの攻撃を正面から防ぎ切ったマシュ。彼女と共に喜びを分かち合うオメガモン達。真名を会得する事は出来ず、自分と融合した英霊の事も分からないが、今はそれで良い。
大事なのはここからだ。戦いはまだ始まったばかりで、マシュはスタートラインに立っただけだ。立ち止まらずに前を見て突き進む。簡単な事だが難しい。それでもマシュは出来るとオメガモンは信じている。何故なら自分の仲間だから。
「宝具の真名は……そうね。『
「は、はい! ありがとうございます、所長!」
特訓が終わり、宝具を使えるようになったマシュ。オメガモンは再び巨大化して立香、マシュ、オルガマリー、キャスターの4人を乗せて低空飛行で移動を開始する。
キャスターの案内とロマニのサポート。オメガモンはそれらに従いながら柳洞寺へ向かい、そこから地下の洞窟に突入した。
大聖杯は洞窟の奥にあり、少しばかり入り組んだ所となっている。この洞窟は半分天然で、半分人工の洞窟。魔術師達が長い年月をかけて拡げて来た地下工房。
その大洞窟の中を進んでいる最中、キャスターがセイバーについて話し始める。何度も戦っているが、中々歯が立たないセイバーのサーヴァントについて。
「奴の宝具を見れば誰だって真名が分かるし、正体に突き当たる。他のサーヴァントが倒されたのも、奴が強いのもそうだが、宝具があまりにも強力だった。王を選定する岩に突き刺さった剣。その2振り目。お前さん達の時代でも有名だろうさ」
「『
「(まさかこの世界でアーサー王と戦うとはな……)何者だ!」
オメガモンがいた世界では、パラティヌモンと言う名前のデジモンがいる。彼女はアーサー王が転生したデジモンで、全ての聖騎士型デジモンの原型となった聖騎士王。
後にアーサーパラティヌモンとなったが、その強さはオメガモン以上だ。何の因果なのか、聖騎士は騎士王と再び剣を交える事となった事に運命を感じたが、キャスターの話を続けるように何者かの声が響き渡った。
「相変わらず聖剣使いを守っているのか、てめぇ」
「守っている覚えはないがね。つまらん来客を追い返すくらいの仕事はするさ」
オメガモン達の目の前に現れた1騎のサーヴァント。浅黒い肌に赤い外套を纏った白髪の男性。彼がセイバーを守るアーチャーのサーヴァント。
アーチャーは涼し気な様子でキャスターの視線を真っ直ぐ受け止めながら、皮肉めいた言葉に応える。まるで悪友みたいな雰囲気だ。
「つまり門番みてぇな物か。何からセイバーを守っているかは知らねぇが、ここらで決着を付けようや。永遠に終わらないゲームなんざ退屈だろう? 良きにせよ、悪きにせよ、先に進まないとな」
「どうやら事のあらましは把握しているようだな。対局を理解しても自らの欲望に熱中する……魔術師になっても変わらんな。文字通り叩き直してやろう」
「ハッ、弓兵が何を言いやがる。行くぞオメガモン、お嬢ちゃん。俺の詠唱時間を稼いでくれよ?」
「心配するな、キャスター殿。貴殿が魔術を使う前に終わらせる!」
「武装完了……行きます!」
アーチャーとの戦闘が始まった。前衛はオメガモン。後衛はキャスターとマシュ。先に動いたのはオメガモンからだった。
背中に羽織っているマントを翻しながらアーチャーとの間合いを詰め、ウォーグレイモンの頭部を象った手甲からグレイソードを出現させ、目にも止まらぬ速さで斬りかかる。
それに対し、アーチャーは手に携えていた黒い弓を消滅させた。両手に二本一対の陰陽の夫婦剣―干将・莫耶を出現させ、オメガモンが繰り出した強烈な唐竹斬りを受け止める。
「双剣使いのアーチャーか……面白い!」
「アーチャーだからと言って、弓しか使わない訳じゃない。そういう事だ!」
目を細めながら楽し気に声を張り上げるオメガモンと、吠えながら聖騎士を跳ね除けるアーチャー。彼らは甲高い金属音を響かせる剣戟を開始した。
そのオメガモンを援護しようと、マシュとキャスターが攻撃を繰り出そうとしたが、それに気付いたアーチャーが一石を投じた。大量の剣を一斉に出現させると共に射出し、マシュとキャスターを牽制する。
「おのれ……!」
「はぁっ!」
更に大量の剣が一斉射出され、地面に突き刺さると共に次々と爆発していく為、マシュとキャスターはオメガモンの援護に向かう事が出来ない。
仲間のピンチに苛立ちを覚えるオメガモンの懐に入り、アーチャーは干将・莫耶を振るって聖騎士の胸部を斬り付けるが、純白の聖鎧には傷一つ付いていない。
「何……!?」
「多少の衝撃を感じたが、傷やダメージは受けていないらしい」
オメガモンが身に纏う聖鎧は高純度“クロンデジゾイド”を精製して造られた。並大抵の攻撃では傷一つ付けられない。それこそ一撃で都市や国と言った広範囲を消し去ったり、オメガモンと同等の実力者でない限りは。
一度距離を取ったアーチャーは干将・莫耶を構え直し、オメガモンもグレイソードを構え直す。数秒の睨み合いの後、アーチャーが口を開いた。
「お前はサーヴァントでも無ければ、英霊でもない。初めて見る奴だな。何の為にこの世界に来て、何故戦う?」
「神様に頼まれたからだ。この世界に訪れる厄災を消し去って欲しいと。この世界の未来と、この世界で生きる全ての人々と日常を守る為に私は戦っている」
「何だと?」
「私は正義の味方ではない。己の信念を貫く為に戦う聖騎士だ。本当に理想が叶うかどうかも分からない……例え今は目の前で起きている事で手一杯でも、私は絶対に諦めない! 屈したりしない! 理不尽で世界を蝕もうとしている邪悪には絶対に!」
オメガモンの嘘偽りのない真っ直ぐな言葉と信念。それを聞いた誰もが胸を打たれたようにハッとなった。つぶらな空色の瞳から放たれる純粋な思いをアーチャーは感じ取った。
しかし、それがアーチャーを怒らせたようだ。オメガモンには救いたいと願う明確な誰かがいない。その在り方が如何に歪で醜悪としか思えなかった。
「私は1人の青年を救えなかった……彼が生きる日常や、帰るべき場所も、彼自身の命も……何もかも! だから今度こそ全てを失わせたりはしない! 守りたいと願った物全てを!」
「ならば理想を抱いて溺死しろ!」
オメガモンが言ったのは生前の自分自身。ディアボロモンによって本来の日常と命を奪われた。聖騎士と一体化して転生した時、かつての自分は既に消え去っていた。
自分が戦わないといけないと言う脅迫概念と共に走り続けた。それが苦痛だと思う事も、破綻していると気付く間もなかった。それでも2つの世界と、そこに生きる皆を救えた事を感じ取り、彼は息を引き取った。自分の生き方に後悔はしていない。
アーチャーの干将・莫耶がそんな聖騎士目掛けて振り下ろされるが、オメガモンはメタルガルルモンの頭部を象った右手の籠手で受け止める。
「理想と共に心中するつもりはない。私は戦って生きる! もう二度と全てを失わないですむように!」
二度と生前のような事にならないように。誰かを悲しませないように。オメガモンは強い意志と共に干将・莫耶を跳ね除け、アーチャーを弾き飛ばす。
体勢を立て直して着地するアーチャーに追い打ちをかけるべく、オメガモンは右手からガルルキャノンを展開する。照準を合わせながら砲身の内部で生命エネルギーを消滅エネルギーに変換・凝縮し、砲弾の形に圧縮して撃ち出した。
「『
「ウオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!」
アーチャーは光で出来た七枚の花弁が展開して青いエネルギー弾を防ぐが、その際に花弁を2枚破壊された。一枚一枚が古の城壁と同等の防御力を持つと謳われていて、投擲武器や、使い手から離れた武器に対して無敵という概念を持つ概念武装。
その隙にオメガモンはアーチャーとの間合いを詰め、大上段に掲げていたグレイソードを勢い良く振り下ろす。
砲撃から唐竹斬りに繋げた連続攻撃。『
「どうやらお前の剣と銃はこの守りを突破出来なかったみたいだな」
「それはどうかな? 私の攻撃はまだ終わっていない」
オメガモンがグレイソードを構えると共に、刀身から太陽の灼熱が放射されていく。万象一切を灰塵に帰す輝きと熱量を併せ持っている。
アーチャーは花弁に魔力を注ぎ込んで防御力を底上げしようとするが、それよりも前にオメガモンは返す刀でグレイソードを振り上げ、『
太陽の灼熱で焼き尽くされ、グレイソードの左斬り上げを喰らったアーチャー。そのまま吹き飛ばされ、壁に激突して崩れ落ちる。致命傷を受けて無事でいられる筈がなく、身体が光の粒子となっていく。
「見事だ……自分が信じた道を貫き通す意志と力の強さ、存分に見せてもらった。私の負けだ。せめて名前だけは知りたい……」
「私はオメガモン。かつて人間だった、ただの聖騎士だ」
「オメガモン……か。何処かで聞いた覚えがある。機会があれば味方として会いたいな……さらばだ」
「また会おう、アーチャー。次は仲間として会えると良いな」
光の粒子となって消滅したアーチャーに、次に会った時は仲間として一緒に戦いたいと告げたオメガモン。微笑みを浮かべながら、優しい声色だった。
これでセイバーを守る門番がいなくなった。アーチャーを倒して一息付いたオメガモンは巨大化し、立香達を乗せて移動を始めた。
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「そろそろ大聖杯だ。ここで一休みするか」
キャスターの提案で、セイバーとの決戦前に一休みする事となったオメガモン達。ここまで長いようで短かったが、立香はマスターとして一番必要な物を持っている。
魔術回路とかマスター適正の話ではない。運命を掴む天運と、それを目の前にした時の決断力。とは言えど、一般人である為、休憩が必要となったのはご愛嬌だ。
顔色がいつもより良くない。使われていなかった魔術回路がフル回転しており、脳に負担をかけている。それに加えて、精神的な問題もある。突然のサーヴァントとの契約。いきなり大役を任された事による重圧。立て続けに予測不可能な事が起こった。無理もない。
マシュが蜂蜜の沢山入った暖かい紅茶を用意し、オルガマリーは何故か隠し持っていたドライフルーツを全員に振る舞い、決戦前の腹ごしらえを済ませた。
「オメガモン……アーチャーとの戦いで言っていた話、あれは本当だったの? 青年を救えなかった話は」
「そうだ。私は元一般人のオメガモンだ」
『ッ!?』
オメガモンは立香達に正直に生前の事を全て明かした。かつて自分が八神一真と言う名前の一般人だった事。社会人として平和に過ごしていた時、ディアボロモンの襲撃に遭って命を落とした事。オメガモンと一体化して復活し、そこから戦いが始まった事。
数々の戦いの中で特殊能力を使用した結果、クオーツモンとの最終決戦でデジモンとなった事。邪神ミレニアモンとの最終決戦で特殊能力を使用して戦いに勝利した数日後、沢山の仲間に見守られながら息を引き取った事。
人間の魂が消滅した事であの世に逝く事も、輪廻転生で第三の人生を歩んだり、他人に生まれる事も出来なくなった。しかし、魂の中に宿ったオメガモンのデータを使い、オメガモンとして転生する事が出来た。
転生させてくれたのはデジタルワールドの神様、ホメオスタシス。彼女から滅びに向かっている世界を助けて欲しいと頼まれ、この世界にやって来た。
「失望したか? 私はかつて人間だった聖騎士。しかも人間と言う種族ではない。デジモンだ。君達と共に戦っている私はそういう種族なのだ」
「失望はしないよ。だってオメガモンはオメガモンだから……俺が憧れたヒーローである事に変わりない。俺達を守って戦ってくれたじゃないか!」
拒絶される事前提で全てを明かしたオメガモン。自分は元人間のデジモン。英霊やサーヴァントとは異なる存在。自分が歩んだ道のりはこの世界に生きる人々には理解出来ない。
そう思っていたが、立香は拒絶しなかった。目の前にいるオメガモンは本物だ。自分を助けながら敵を倒した。例えそこに至る過程がどんな形だとしても、彼は本物の聖騎士。そう信じている。
「私は貴方の思いを知ったわ。かつて自分が取りこぼした物を知っているから、それが何なのか分かっているから、貴方は守りたい物の為に戦える。貴方は本物のヒーロー。例え大多数の人間が偽物と言っても、私は本物と胸を張って叫ぶわ」
「オメガモンさん、私は貴方の事を少しだけ知りました。貴方は2つの世界を救った凄い聖騎士だと。だから胸を張って下さい。例え偽物だとしても、世界を救ったと言う事実は本物ですから」
「アンタのやった事はすげぇ事だ。胸を張れ。かつての自分を知っているから立香の為に戦っているんだろ? その心を忘れんな」
「皆……ありがとう」
オルガマリー、マシュ、キャスターも同じだった。オメガモンが掲げる信念と、それに込められた思いを知ったから。彼らはオメガモンの事を仲間だと思っている。時間はまだ短いが、共に歩んでいる事には変わりない。
休憩を終えて再び洞窟の奥へと向かっていくオメガモン達一行。大聖杯とセイバーが待っている。そこが最終決戦の場所となる事は目に見えている。
LAST ALLIANCEです。
後書きとして、本編の裏話を話していきます。
・王道ではないオメガモン
オメガモンに個体名を付けるとすれば、”アストレイ”になるでしょう。
王道ではない。普通ではない。そういう意味を込めて名付けたいです。
・聖騎士が戦う理由
自分がかつて取りこぼした物を守る為。当たり前の日常。帰るべき日常と場所。
立香君はかつての自分になろうとしている。だからそうならないように導き、代わりに戦う。それが聖騎士の戦う理由です。
・仲間って良いね!
やっぱり支えてくれる仲間って良いですね。
最強物でなくしたのは、あくまでRPGである事を意識しているからです。
仲間がいるから戦える。仲間がいるから安心出来る。
以上になります。
皆さん。よろしければ感想・評価・お気に入り登録の方よろしくお願いします。
あたたかい感想とか前向きなコメント、作品の質を向上させるようなアドバイスや、モチベーションが上がるような応援メッセージや高評価を頂くと、作者のやる気が究極進化します。それが執筆意欲に繋がります。
それでは次回をお楽しみに。LAST ALLIANCEでした!
次回予告
ついにセイバーとの最終決戦に突入したオメガモン達。
その激戦を終えて現れたのはレフ・ライノール。
彼の口から語られる真実とは!?
第4話 聖杯と真実