スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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鞠莉推し諸君、期待を裏切ってすまんな。


第13話

ポルトリンクへ戻った三人が船を降りようとしていると、後ろから鞠莉が駆け寄ってきた。

「今、魔物を倒したお礼に次の出発は私達の都合に合わせてもらうようお願いしてきたの。あなた達は戦闘もして疲れてるでしょうから、今日はゆっくり休んで明日、準備が終わったらここに来てくれるかしら。私の出発も、それに合わせるわ」

という鞠莉の申し出を、ありがたく受ける三人。宿に向かう前に、街の外で待機している凛とにこに顛末を報告する。

「ふーん。そんな事があったのね。中々戻ってこないから、海に落ちて溺れたのかと思ってたわ」

「にこちゃん、キノコだから泳げないんだにゃ。羨ましいんだよね〜」

「そんな事言ってないでしょうが!」

「まあまあキニコちゃん。私らも別に泳いだりはしてないからさ」

「そういう問題じゃないわよ。……まあ何にせよ、南の大陸に行けるようになったってんなら良かったじゃない。これでドルマゲスを追えるわね。あんた達、よくやったわ」

「にこちゃんの為に頑張った訳じゃないよ?」

「……そこは嘘でもいいから感謝しときなさいよ」

 

 

 

 

──翌朝、

宿を出た三人は、一度ポルトリンクの外へ。

にこと凛を置いていく訳にもいかないので、どうにかして定期船に乗せなければならない。そのまま向かえば、トラペッタのような騒ぎになる事はまず間違いない。荷物に紛れさせるというアイデアも、

「この私が荷物扱いなんてごめんだわ!」

と却下。

「じゃあもう仕方ないし、これしかないんじゃない?」

と、愛が荷物を漁った。

 

 

 

 

「──ようやく来たデースか」

定期船の停泊する波止場で腕組みをしていた鞠莉は、穂乃果達の姿を見つけるとニヤリと笑った。

「待ちくたびれたわ。さ、早く行きましょ……そちらの方々は?」

踵を返そうとした鞠莉は、フードを目深に被ったにこと凛の姿を見て首を傾げた。

「この二人は旅芸人なんだけど、仕込みに時間がかかるからって予め終わらせてきてるんだよ。サプライズで盛り上げる為に、こうして隠してるって訳」

弁がたつ愛が、用意していた嘘をスラスラと紡ぐ。

「oh〜、そういう事なのね! 私も機会があれば、是非見てみたいわね!」

鞠莉も特に怪しむ様子もなく、二人の乗船を快諾する。

「うまくいったね」

「流石は愛ちゃん」

「それに、旅芸人って事にしておけばバレても誤魔化せそうだし」

「おぉ……賢い……」

定期船に乗り込みながら、曜と穂乃果は小声で話す。

「何で私がこんなコソコソしなきゃいけないのよ……。ドルマゲス絶対許さないんだから……!」

ブツブツ呟くにこは、強風でフードが外れないようさっさと船内に入っていく。

「イカリを上げろーっ! 本船はこれより、南の大陸へ向かう!」

大きな声が響き渡り、定期船はゆっくり動き始める。

到着までどうしようかと目を合わせた三人だったが、

「せっかくノンビリできる船旅なんだし、航海気分を味わおうよ!」

とワクワク顔が隠せていない曜の提案で、三人は潮風に吹かれる事にした。

 

 

三人が水平線を眺めながら談笑をしていると、

「ハァ〜イ。三人で何の話?」

鞠莉が手を振って歩み寄ってきた。

「あ、鞠莉ちゃん」

「隣、いいかしら?」

「勿論!」

穂乃果はわざわざ横へずれて、鞠莉を間に入れる。

「あら、フフッ。優しいのね」

「鞠莉ちゃんは、南の大陸に着いたらどうするの?」

「勿論、ドルマゲスを追うわ。その為に旅を始めたんだもの」

鞠莉の瞳は、南の水平線、その先を見据えていた。

「じゃあさ、穂乃果達と一緒に旅しない?」

すると鞠莉は、少し驚いたように穂乃果を見た。

「どうせ目的は同じなんだし、その方が穂乃果達も助かるっていうか」

鞠莉は、しばらく黙る。曜と愛は何も言わない。

波の音と、吹き抜ける風だけが響く。

「──そうね」

「! じゃあ──」

「でもごめんなさい」

明るくなった穂乃果の声を遮って、鞠莉は口を開いた。

「あなた達は、あなた達の理由でドルマゲスを追ってる。私は、サーベルト兄さんの為にドルマゲスを追ってる。同じようで、違うのよ。──『自分の信じた道を行く』。だから、Sorryね」

キッパリと断った鞠莉。一瞬、空気が重苦しくなったが、

「う〜〜〜んそっか〜〜〜〜。それは残念だなぁ〜〜〜」

本気で落ち込む穂乃果。それがあまりにオーバーリアクションすぎて、

「……ぷっ」

鞠莉は吹き出す。

「またどこかで会えるかもしれないでしょう? その時はよろしくね」

「うーん……それもそっか!」

切り替えの早さは流石か。穂乃果は元気に顔を上げると、

「鞠莉ちゃん、何か面白い話して!」

唐突な無茶振り。

「いや、穂乃果ちゃん、この流れでどうしてそうなるの……」

「OK!」

「いいの⁉︎」

「あっはっは! ほのほのもマリーも面白すぎ!」

 

 

四人の楽しげな会話は、

「南の大陸の船着き場に向けて、おも舵いっぱーいっ!」

船旅が終わるまで続いた。

 

 

 

 

・穂乃果

LV14

どうのつるぎ

うろこのよろい

皮の盾

皮のぼうし

金のブレスレット

 

・曜

LV14

石のオノ

たびびとの服

うろこの盾

皮のぼうし

スライムピアス

 

・愛

LV14

ブロンズナイフ

皮のこしまき

うろこの盾

皮のぼうし

金のブレスレット

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