スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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ようやくマイエラ編スタートですね。誰がどのキャラになるのでしょうか?
お楽しみに!


第14話

船着き場に着いてすぐ、

「それじゃあ私はもう行くわね。この周辺くらいなら分かるから」

鞠莉はさっさと外へ向かってしまった。

「初めての土地だし、流石に出発は少し情報集めてからにしようか」

曜のもっともな提案により、三人は手分けしてこの大陸もといこの辺りの土地の情報を収集する。

 

 

一時間ほどで合流すると、宿屋の屋上へ向かう。そこにいた女性に話を聞く。

「あなた達、聖堂騎士団って知ってる?」

「せいどうきしだん?」

聞き覚えの無い言葉に、穂乃果は首を傾げる。

「聖堂騎士団を知らないなんて!」

ちょっと怒られた。

「聖堂騎士団は、マイエラ修道院にいる集まりよ。修道院の治安維持と、オディロ修道院長様の命をお守りしているの。マイエラ修道院はホラ、ここからすぐよ」

女性が指差した先に視線をやると、川べりに建てられた大きな協会のような建物が見えた。

「あなた達も、一度行ってみるといいわ」

女性に礼を言って階段を下りた三人は、

「──だってさ」

「どうする?」

顔を見合わせる。

「まあ、そこに行ってみるのがいいかもね。今の所何も情報ないんだし。有名な建物みたいだし、何か情報得られるかもよ?」

「そっか。それもそうだね!」

穂乃果は勢いよく頷くと、街の外で待つにこと凛に話を伝える。

「ふーん、まあいいんじゃない? それしかできる事ない訳だし」

やるのはアンタ達に任せるけどね、とにこは付け足す。

「よーし、じゃあ出発だ!」

 

 

 

 

意気揚々と出発したものの、大陸が変わった事で生息する魔物にも変化が。

 

[リンリンがあらわれた!]

 

出迎えたのは、金色のベルのような見た目に、不気味な笑い顔の魔物。

「何かイヤーな感じ……」

顔をしかめた穂乃果。

 

「リンリンAは仲間を呼んだ!]

[なんと、デンデン竜があらわれた!]

 

リンリンがベルを鳴らすと、その音につられたのかでっぷりとした黄色のドラゴンが姿を見せる。

「絶対ヤバそう……!」

穂乃果は直感的に危機を覚え、

「それもあるけど、仲間呼ばれるのも厄介だよ……」

曜はどちらを優先的に倒すか悩む。

「ねえほのほの、あのデンデン竜って、ドラゴンだよね?」

愛が意味深な発言をすると、

「! そっか!」

穂乃果は自分の剣を見下ろす。穂乃果は膝を折ると、グッと力を込める。

「覚えたてのこの特技で……!」

そして大きく飛び上がり、全力の上段斬り。

 

[穂乃果はドラゴン斬りをはなった!]

[デンデン竜に42のダメージ!]

 

「ほのほのやるぅ〜」

 

[愛のこうげき! デンデン竜に29のダメージ! デンデン竜をたおした!]

 

「こっちは任せて!」

 

[曜は蒼天魔斬をはなった! リンリンBに38のダメージ! リンリンBをたおした!]

 

曜の斧の一撃で、まだ行動していなかったリンリンを屠る。

「曜ちゃんナイス!」

「あとは──」

「中々に厄介な事してくれたアイツだけだね」

三人揃って、取り残されたリンリンへ視線をやる。リンリンの下卑た笑みが、怯えたように見えた──気がした。

 

[まもののむれをやっつけた!]

 

新大陸初戦闘も危なげなくこなし、三人はハイタッチ。

 

 

その後歩みを進めていると、馬小屋らしき建物を発見した。

「馬ねぇ……。馬がいれば、移動が格段に早くなるんだけど……」

にこがごちるが、

「言ってても仕方ないにゃ」

凛に一蹴される。

「分かってるわよ。そもそもこの人数の馬を用意するなんて、いくらかかるか分かったもんじゃないわ」

にこも分かっているのか、仏頂面で返す。

「──あれー? 誰も何もいないよ?」

中の様子を伺っていた穂乃果が、不思議そうな顔で出てきた。

「何もいないって……。馬小屋でしょ? 修道院の馬が飼育されてるんじゃないの?」

にこが視線をやった修道院は、もう目と鼻の先である。

「まあ、もぬけの殻の馬小屋に用はないわ。さっさと行きましょ」

確かに、とかそうだねー、とか少し肩透かしを食らった感じの一行だったが、立ち止まっていても仕方ないので目前の目的地へ足を向けた。

 

 

 

 

マイエラ修道院に到着し、

「じゃあそこで待ってるから。有益な情報期待してるわよ」

にこと凛を置いて中へ入る。一般に解放されているので、入る分には問題なかった。

「有名な教会みたいだし、門前払い食らったらどうしようかと思ってた」

「いやいやそんな事……あるかもって思っちゃった」

「お祈り捧げたら許してくれるかもよ?」

談笑しながら、ひとまず正面の女神像の前に立つ聖職者らしき男に近づく。

「あの──」

「薄汚い旅人が聖なる祭壇に軽々しく登るでない!」

穂乃果が口を開いた瞬間に、物凄い剣幕で怒鳴られた。

「ご、ごめんなさい」

その迫力に押されて、穂乃果は慌てて数歩下がる。

「まったく罰当たりな! 聖堂騎士団にちゃんと見張ってもらわなくては……」

こちらを睨みながらブツブツ呟く男を尻目に、

「……やな感じだね」

「偉そうっていうか……」

「ああいうのは近づかないに限るよ」

話が通じないと判断し、三人は周囲を探検する。

 

 

「──お、こっちにドアがあるよ」

正面の入り口とは反対側にドアを発見した愛。どうやらドアの向こうも出入りは自由らしく、三人はドアを開ける。レンガの壁と大理石の石畳が綺麗な空間ではあったが、近くを歩く聖職者達の視線は冷たい。

「……世界三大聖地って言うから、もっと凄いのを期待してたんだけどな〜」

「愛ちゃん聞こえるってば!」

気にせず不満を漏らした愛の口を、曜は慌てて塞ぐ。

「あ、ねえ、奥にもまだ扉があるよ」

穂乃果が指差した先には、確かに他より立派な扉が鎮座していた。そして、青い制服を着た男二人も。

「……あれ、通してくれるかな」

明らかな『通せんぼ』状態に、曜は悩む。

「とりあえず聞いてみようよ」

臆せず近づいた穂乃果。

「──何だお前達は!」

「怪しい奴め。この奥に行って、何をする気だ?」

案の定歓迎されず、

「何ってほど何かしたい訳でも……」

返答に困った穂乃果を、男は軽く突き飛ばす。

「この先は許しを得た者しか入れてはならぬと決められている」

「この聖堂騎士団の刃にかかって命を落としたくなくば、早々に立ち去るがよい!」

あまつさえ、腰のレイピアに手を伸ばす始末。

「ちょっ……!」

あまりにも不遜な態度に曜が声を荒げかけた瞬間、

バンッ!

と頭上の小さな窓が開いた。

「──入れるな、とは言ったけど、手荒な真似をしろなんて言ってないよ。聖堂騎士団の評判落とすつもり?」

そして、やや不機嫌そうなキツい声が降ってくる。そして声の主が姿を見せた瞬間、穂乃果の前にいた二人は腰を落として手を床についた。

「こ、これは果南様! 申し訳ございません!」

果南と呼ばれた頭上の声の主の女性は、長いポニーテールを揺らしながら隙の無い笑みを浮かべた。

「私の部下が乱暴しちゃってごめんね。でも、よそ者って問題を起こしがちだと思わない? 私達はこの修道院を守らなきゃいけないからね。見ず知らずの旅人をそう簡単に通す訳にはいかないの。分かる?」

「それは、まあ……」

問題起こしたのそっちじゃんという言葉を飲み込み、穂乃果は小さく頷く。

「……ただでさえ、こっちで問題抱えてるっていうのにさ。──あ、話逸れちゃったね」

果南は何やら呟くと、穂乃果達三人の格好を見下ろす。

「ここは修道士の為の建物だよ。キミ達には縁がないと思うけど?」

「それは……否定できないけど」

「部下達は血の気が多くてね。次は私でも止められるか分からないよ?」

サラリと脅しを混ぜてきた果南は、踵を返して窓の奥へと消えていった。

「さあ団長のお言葉を聞いただろ」

「お前らはドニの町がお似合いだ!」

窓を見上げていた三人に、制止をかけられて消化不良らしい男二人が厳しい言葉をぶつけてくる。

「ええそうしますよーだ!」

「行こ、ほのほの」

「あ、うん」

舌を出してあかんべーしながら、曜と愛は穂乃果を連れて修道院の外へ向かった。

「あの人……きっと凄い人だ」

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV16

どうのつるぎ

うろこのよろい

せいどうの盾

皮のぼうし

金のブレスレット

 

・曜

LV15

石のオノ

たびびとの服

うろこの盾

ヘアバンド

スライムピアス

 

・愛

LV15

ブロンズナイフ

くさりかたびら

うろこの盾

皮のぼうし

金のブレスレット

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