スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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ちなみに実際にプレイしてた時、ボス戦が三ターンで終わって「ええ……」となりました。
通常攻撃しか見てなかったのに……。


第16話

修道院を出た三人は、

「な、何よあんた達。そんなに慌てて」

そこで待機していたにこと凛に顛末をかいつまんで説明する。

「ドルマゲスかもしれない道化師が修道院長の部屋に⁉︎」

「そ、それはヤバいにゃ! 早く行かないと!」

「私達は行っても足手まといになるだけだし……頼むわよ」

「任せて!」

穂乃果は大きく頷くと、千歌の言葉通り川沿いの土手を駆け出す。

「にこちゃん達も、修道院で何か変化がないか見ておいて。様子見るだけなら、ここからでも見えるし」

「分かったわ」

「気を付けてにゃ」

「キニコちゃん達もね。ピリピリした騎士団員に魔物と間違われたりしないでよ?」

「そんなドジ踏まないわよ」

親指を立てて、曜と愛も穂乃果を追う。

 

 

大きな川の中央に浮かぶ小島には、立派な建物が建っている。今の所変化は見られないが、どうなるかは分からない。

「急がないと……」

穂乃果は突き当たりまで進むと、

「──ここ?」

ようやく足を止めた。

昔の修道院、と言われたが、あるのはほんの少しの建物の残骸だけ。とても修道院と呼べるような規模のものではない。

「ここ……だよね?」

「多分……」

「愛さん的には、あの石碑が怪しいと見た」

愛が指差した先には、真ん中にぽつんと立つ小さな石碑。白いシンプルなものだが、穂乃果の持つ指輪と同じエンブレムが彫られている。

穂乃果が近付いてみると、エンブレムの中心に小さな穴が空いているのが分かった。

「もしかして……」

穂乃果が指輪を穴にはめてみると、

ズズズズズ…………と地鳴りのような音が響き、地下へと降りる階段が現れた。

「は〜……どういう仕掛けなんだろ」

「魔法の一種……なのかな?」

「まあとにかく、道は開けた! 早く行こう?」

「……うん」

 

 

階段を降りた三人は、

「……う」

立ち込める瘴気のような空気に顔をしかめた。

「聞いた話によると、昔この修道院で伝染病が蔓延したんだって。それで沢山の人が亡くなって、それでこの修道院を捨てて今の修道院を建てたらしいよ」

いつの間にそんな情報を手に入れたのか、愛が口を開く。

「それにしたっていやーな場所だね……」

「同感。早く抜けちゃおう」

しかし当然、打ち捨てられた廃墟。魔物が巣食っている。

 

[がいこつたちがあらわれた!]

 

白骨化した、剣を持った兵士のような魔物。

「やっぱりいるんだね!」

穂乃果は剣を構え、斬りかかっていく。

 

[穂乃果のこうげき! がいこつAに23のダメージ!]

[曜のこうげき! がいこつAに26のダメージ!]

[愛のこうげき! がいこつAに21のダメージ! がいこつAをたおした!]

 

「くっ……結構タフだよ!」

 

[がいこつBのこうげき! 穂乃果は8のダメージを受けた!]

 

対するダメージはさほど痛くないものの、数で責められては厳しそうである。

 

[穂乃果はかえん斬りをはなった! がいこつBに28のダメージ!]

[曜は蒼天魔斬をはなった! がいこつBに36のダメージ! がいこつBをたおした!]

[がいこつたちをやっつけた!]

 

「ふぅ……これは気を引き締めないとかもね」

 

[ハエ男があらわれた!]

 

「うわ気持ち悪っ!」

「倒す倒す!」

「全力攻撃っ!」

 

[ハエ男をやっつけた!」

 

ハエのような顔で飛び回る小柄な男のような魔物は、哀れ集中砲火を浴びて倒れ伏せた。

「こんなのまでいるなんて……一刻も早く抜けよう!」

当初の目的を忘れかけている穂乃果が、大きな声で嘆いた。

 

 

院内の階段を更に降りると、見るからに毒々しい色をした水たまりが広がっていた。

「……触ったら気分悪くなりそう」

「それだけで済めばいいけど……」

「極力触りたくないよねー」

幸いにもここは廃墟。散乱する壊れた家具を集め、即席の足場を作る三人。脆くなっていたり、そもそも腐っていたりと危険な足場を慎重に渡っていく。

「──っぷはぁ〜!」

「何とかなったね〜」

「もう一度は、愛さんもごめんだなー」

毒沼に落ちる事なく渡りきった三人は、安堵の息を吐く。

「……ううん、休んでる暇はないよ。こうしてる間にも、ドルマゲスが院長を狙ってるかもしれないんだもん!」

自らを奮い立たせるように、勢いよく立ち上がる穂乃果。

「ほのほのは強いよね〜」

「まったくだよ。一緒にいるだけで元気貰える」

愛も曜も、苦笑しながら立ち上がる。

「きっともうちょっとのはずだから、もう一踏ん張り! 頑張ろ〜!」

「「おー!」」

 

 

毒沼を超えたすぐ先の階段を登ると、小さな通路。その先には両開きの扉があった。明らかに今までと違うその扉の雰囲気に、

「お、もしかして出口じゃない?」

穂乃果は勢いよく扉を開ける。

「…………」

そしてそこに立っていた、ゾンビのような聖職者と目が合った。

「失礼しました〜」

パタン、と閉まる扉。

「って何で閉めちゃうの!」

当然曜からのツッコミが入る。

「だってだって! 目の前にゾンビがいるんだもん! ビックリするよ!」

「そうは言っても、この修道院跡地の門番って感じなんじゃないの? 闘わないと、修道院長さんが危ないままだよ?」

「うっ……確かに」

穂乃果は意を決して覚悟を決めると、

「──でりゃっ!」

もう一度扉を開け放つ。

するとそこに立っていたゾンビは、

「おおおヲ……おヲォォおォ……!」

地の底から湧き上がるような声で喋り出す。

「苦しイ……くるシい、苦シイ……。神ハいずコにおらレル……? こノ苦しみハ、イツマデ続く?」

杖を持つ手が、ワナワナと震えている。

「おヲオぉお……! 死ンだ死んダ死んだ死ンダのだ! ミナ、苦しミながら死んデ行ッた! あノ恐ろシぃ病ガ我ラを、コの修道院ノ全テを死に包ンだ! 苦シイ、クるしイ、クルシイ……!」

「……もしかして、伝染病で亡くなった、昔の修道院長さんなのかな? そんな話聞いた気がする」

「……何だか、可哀想だね。凄く、苦しそうで」

「……二人共」

シャリン、と剣を抜く穂乃果。その瞳は、真っ直ぐ前を見据えていた。

「──行くよ」

「……分かった」

「勿論」

「我が苦シみぃッ! 我等ガ苦シミっ! おマエにも、味わワセてやるゥゥゥッ!」

 

 

 

 

 

[なげきの亡霊があらわれた!]

 

「闘って、楽にしてあげよう!」

 

[なげきの亡霊は仲間を呼んだ!]

[くさった死体とがいこつがあらわれた!]

 

「仲間も呼ぶんだね……」

「集中攻撃されると厄介だし、横から倒していこう」

「オッケー」

 

[穂乃果はかえん斬りをはなった! くさった死体に28のダメージ!]

[愛の攻撃! くさった死体に25のダメージ! くさった死体をたおした!]

 

[なげきの亡霊はベギラマを唱えた!]

[穂乃果は27のダメージを受けた!]

[曜は28のダメージを受けた!]

[愛は28のダメージを受けた!]

 

「くっ……強力な魔法……!」

 

[がいこつのこうげき! 穂乃果は8のダメージを受けた!]

 

「この……っ好き勝手させるかぁ!」

曜の斧の一振り。

 

[曜は蒼天魔斬をはなった! がいこつに38のダメージ! がいこつはマヒして動けなくなった!]

 

がいこつの動きが止まる。

「おっ、痺れた……? これはチャンスだよ!」

「分かってる!」

 

[穂乃果は全身に力をためた! 穂乃果のテンションが5上がった!]

 

「ほのほの、気を付けてね」

 

[愛はホイミを唱えた! 穂乃果のキズが回復した!]

 

「ありがとう愛ちゃん!」

 

[がいこつはしびれて動けない!]

[なげきの亡霊のこうげき! 愛は20のダメージを受けた!]

 

「おっと、今度は愛さんピンチだね……」

呪文からの連撃で足元がふらついた愛。

「愛ちゃん⁉︎」

「大丈夫?」

「ヘーキヘーキ。それより二人は攻撃に集中しなさいって」

 

[愛はホイミを唱えた! 愛のキズが回復した!]

 

立て直した愛を確認し、穂乃果は再度臨戦態勢。

 

[穂乃果は全身に力をためた! 穂乃果のテンションが20上がった!]

 

「私も!」

 

[曜は全身に力をためた! 曜のテンションが5上がった!]

 

「愛さんもサポートしちゃうよ!」

 

[愛はピオリムを唱えた! 穂乃果のすばやさが25上がった!]

[曜のすばやさが20上がった!]

[愛のすばやさが28上がった!]

 

なげきの亡霊は、再び杖を掲げて呪文を唱える。

 

[なげきの亡霊はベギラマを唱えた!]

[穂乃果は26のダメージを受けた!]

[曜は28のダメージを受けた!]

[愛は25のダメージを受けた!]

 

愛の的確なサポートで立ち回ってはいるが、強力な全体攻撃を受け続ければとても愛一人ではカバーしきれない。

 

[穂乃果は全身に力をためた! 穂乃果のテンションが50上がった! 穂乃果はハイテンションになった!]

[曜は全身に力をためた! 曜のテンションが50上がった! 曜はハイテンションになった!]

[愛はホイミを唱えた! 曜のキズが回復した!]

[なげきの亡霊のこうげき! 穂乃果は18のダメージを受けた!]

 

「うぐっ……! ──でも、そろそろ反撃だよ!」

 

[曜は蒼天魔斬をはなった! なげきの亡霊に218のダメージ! 曜のテンションが普通に戻った]

[穂乃果はかえん斬りをはなった! なげきの亡霊に199のダメージ! 穂乃果のテンションが普通に戻った]

 

全力で放った二人の一撃だったが、敵を倒すまでには至らなかった。

「そんな……倒せなかった……!」

 

[なげきの亡霊のこうげき! 穂乃果は21のダメージを受けた!]

 

「くっ……!」

重なるダメージに、穂乃果の足元がふらつく。

「穂乃果ちゃん!」

 

[曜は“やくそう”を使った! 穂乃果のキズが回復した!]

 

「ありがとう曜ちゃん!」

それを横で見ていた愛は、

「愛さんだって、見てるだけのサポートじゃないんだぞ〜!」

何やら闘志を燃やして呪文を詠唱する。

 

[愛はイオを唱えた!]

[がいこつをたおした!]

[なげきの亡霊をたおした!]

[まもののむれをやっつけた!]

 

痺れたままのがいこつもろとも、愛の呪文で敵を一掃する。

「た、倒した……?」

「……っはぁ〜! 疲れた〜!」

「二人共、お疲れ様」

三人が互いを健闘し合うと、

「──おおヲぉお……っ! 神ヨ……。神ょおぉぉオ……!」

なげきの亡霊は、虚空へと手を伸ばす。

「いま、御許に参りマす……」

そして、光の粒子となって消えていった。

そして、

 

[穂乃果たちの体力が全回復した!]

 

疲れ果てていた穂乃果達の身体が、一瞬で元気になった。

「……祝福、って事なのかな」

「やっぱり、本当は悪い魔物じゃなかったって事だよ」

「天国に行けたといいね〜」

回復した事実とは別に、三人は晴れやかな顔で天井を見上げた。

「──さ、それはともかく先を急がなきゃ!」

三人は気を取り直し、脇にあった通路へと駆け出した。

 

 

 

 

その先にあったのは、頭上へと伸びるハシゴだった。ハシゴは目の見える範囲で途切れている。

「あそこが、出口って事なのかな」

「かもね。急ごう!」

三人は順番にハシゴを登る。先頭の穂乃果が一番上に到達すると、

ゴゴゴゴ、と石が擦れるような音がして光が差し込む。

「外だ……!」

穂乃果、曜、愛の順に外へ飛び出すと、

ゴゴゴゴ、と再び出口は閉まる。

明らかに人力でも機械仕掛けでもないのだが、

「何か聖なる力が働いてるって事なんだね」

原理までは分からない。

穂乃果は、目の前にそびえる建物の壁を見上げる。

「ここは……」

「多分、修道院長の建物の裏手だと思う」

「うん、さっき土手から見たから間違いないよ」

辺りは、すっかり夜。決して寒い季節ではないのだが、時折吹く風が不気味な寒気をもたらす。

「……嫌な寒さ。穂乃果ちゃん、気をつけよう」

「……うん」

人工的な音は何もない、静かな夜。その静寂が、かえって緊張感を煽る。

「……じゃあ、行くよ」

穂乃果は意を決して、建物のドアを開いた。

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV17

どうのつるぎ

うろこのよろい

せいどうの盾

ターバン

聖堂騎士団の指輪

 

・曜

LV16

石のオノ

たびびとの服

うろこの盾

ヘアバンド

金のブレスレット

 

・愛

LV17

ブロンズナイフ

くさりかたびら

せいどうの盾

皮のぼうし

金のロザリオ

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