スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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期間空いてしまいました。すみません。
今回から、アスカンタ編の始まりです。新キャラは誰でしょうか?


第19話

街道を道なりに進んでいると、大きな川にぶつかった。頑丈そうな石橋はかかっているものの、すでに日暮れは近い。

「そこに教会があるよ」

すぐ近くに教会が建っていた事もあり、そこで宿を取る事に。

教会にいたシスターに交渉しようとしたが、

「旅の方、よろしければ我が教会で休んでいらしてはいかがですか?」

見透かされたのかみなに言っているのか、シスターから宿を提供してくれた。

「あ、じゃあお言葉に甘えて」

「今日は我が神の定められた祝祭日。いつもはご寄付をいただくのですが、今日でしたら無料でお泊めしますよ」

「わ、やったラッキー」

 

 

 

 

街とは違い『善なる心であれば種族を問わない』教会では、にこや凛でも問題なくベッドが用意される。

「ん……」

久しぶりの布団にくるまっていたにこだったが、ふと目が覚めてしまい空気を求めて外へと出る。そこで、

「あれは……」

一本の木に寄りかかる千歌の姿を見つけた。

「──隣、いいかしら」

「あ、にこちゃん」

許可を待たず、にこは近くの切り株に腰を下ろす。

「千歌。あんたも色々と大変だったみたいね」

「え……」

「言わなくたって分かるのよ。果南って団長と、──オディロ院長との事」

「…………」

「ま、詳しくは知らない私が首突っ込む事でもないけどね。一人で抱え込むのはやめなさいよ」

「……うん」

「……それと、オディロ院長の事。──ごめん」

「にこちゃんが謝る必要なんてないよ」

「私が出しゃばらなけば、結果は変わってたかもしれないって思うと……責任感じるのよ」

「にこちゃんが悪い訳じゃないってば。……それに、きっとあの場にいた誰も、ドルマゲスには勝てなかった。私も、コテンパンにやられちゃったしね」

「…………」

「……でも、だからこそ、野放しになんてできない。もっともっと強くなって、ドルマゲスを倒す。私の剣には、オディロ院長や果南ちゃん、沢山の人の想いが乗ってるんだから」

「あんまり気負い過ぎるんじゃないわよ。私は戦闘はできないけど、あんたには一緒に闘ってくれる仲間が三人もいるんだからさ」

「うん、心強い。──にこちゃんだってそうだよ? 早く呪い解こうね。最高に可愛いにこちゃん、見てみたいし」

「可愛すぎて気絶しても、知らないわよ?」

「それは楽しみ!」

二人が話している間に、東の空は白み始める。

「っと、もう夜明けだね。そろそろ戻ろっか」

「そうね。──頑張りなさいよ」

「……うん」

 

 

 

 

「おはようございます。どうぞ、あなた方の旅に神のご加護がありますように」

教会のシスターに礼を言うと、一行は外に出る。

石橋を渡った先には、小さな民家が一軒だけ建っている。何か情報はないかと中に入ってみる。

「お邪魔しま〜す」

出迎えてくれたのは、一人の老婆。

「不気味な道化師ですか……? いえ、そんな話は聞いた事がありませんね」

「そうですか……」

ドルマゲスの収穫は無かったが、

「おばあさん、一人暮らしなんですか?」

「いいえ。お爺さんと、孫娘が一人。お爺さんは夜には帰ってきますけれども……」

語尾が弱くなった老婆に、鋭い愛が質問をぶつける。

「孫娘さんは、どこかに住み込みなんですか?」

「ええ、アスカンタのお城で王様の小間使いをしています。優しくてたいそう気の利くいい子なんですけども、ここ二年ほどは一度も帰らず……」

「二年も⁉︎」

一同驚きの声を上げる。

「おばあさん、そのアスカンタのお城ってどうやったら行けますか?」

「お城への行き方ですか? このまま道沿いに行けば、見えてきますよ」

「分かりました。お話、ありがとうございます」

民家を出た一行は、

「お城へ行けば、何か分かるかもしれないね」

「少なくとも今のままじゃ手がかりないし、そのアスカンタ城って所に向かってみよう!」

「その小間使いさんにも、おばあちゃん心配してるぞって教えてあげないと!」

次なる目的地を定めた。

 

 

 

 

老婆の話の通り、しばらく街道を進むと大きな円筒状の建物のある街が見えてきた。

「あれがアスカンタ城かな?」

「お城って割には面白い形してるね〜」

「それに黒いし」

愛の言葉通り、お城には真っ黒な垂れ幕がいくつも垂れ下がり重々しい雰囲気を醸し出していた。

「……なーんか陰気な感じするわね」

街に入れないのをいい事に、にこは容赦なく発言する。

「もしかしたら王様の趣味なのかもしれないんだし、あんまり悪く言うのはやめよう? ね?」

千歌にたしなめられるが、

「……何かありそうね。あんた達、情報収拾頼むわよ。ドルマゲスの行方を聞き出してきてちょうだい。……いい? く・れ・ぐ・れ・も・面倒事に巻き込まれるんじゃないわよ?」

念を押された四人だったが、

「善処しまーす」

返事は雑だった。

 

 

城下町へと入った四人は、

「……うわ」

小さな声を上げた。

『…………』

まだ日が高い時刻だというのに、外を歩く人はまばら。しかも、着ているのは全員同じような黒い喪服のような服。お店もあるにはあるが、店員はみな沈痛な面持ち。

「にこちゃんが言ってた事も、あながち間違いじゃないのかも……」

「いやいや、普段からこんなだったら流石に気が滅入っちゃうでしょ」

「まあ何はともあれ、とりあえず聞き込みっしょ」

「そうだよね! ──あの、」

千歌はすぐ近くを歩いていた青年に話しかける。

「ここに、杖を持った不気味な道化師が来たりしませんでしたか?」

「道化師? ……ふん、こんな陰気な国に道化師なんかが来る訳ないだろ。目立って仕方ない」

まったくもって正論である。

「……アンタ達、旅人か? 悪いがこの国には何も無いよ。さっさと出て行った方が得だと思うけどね」

青年の口調は冷たい訳ではないのだが、どこか投げやりである。

「あの、この国で何が起きたのか、教えてくれませんか?」

青年は発言した曜をチラリと見やると、

「……おれ達だって、こんな陰気な生活したくないさ。だが国王の命令だからな。仕方ないのさ」

青年は大きく息を吐き出すと、

「……お妃様が、亡くなったのさ」

それだけを口にした。

「「「「…………!」」」」

『亡くなった』、という単語に四人は毛を逆立てたが、

「病気にかかっちまってね。治療虚しく、って感じだ。……それがもう、二年も前の話さ」

続けられた言葉に肩の力を抜いた。

「『おきさき』って、王様の奥さんの事だよね?」

頭の弱い穂乃果は、隣の曜にこっそり耳打ち。

「うんそう。二年も前に病死したのならドルマゲスは関係ないと思うけど……」

「二年間こんな感じって、マジ?」

「おまけに、国王のパヴァン王は最上階に閉じこもって誰とも会おうとしない。……この国の未来はどうなるんだろうかね」

青年は、知っている事は話した、と言わんばかりに大きく肩をすくめた。

青年に礼を言った四人は、顔を合わせる。

「……どうする?」

「この国が暗い雰囲気な理由は分かったけど……」

「お国の事情を、愛さん達が解決できるとは思えないしなぁ〜」

「とりあえず、この国で働いてるっていう小間使いさんに会ってみようよ。目的の一つはそれなんだし」

千歌の言葉に、そういえばそうだと三人は思い出す。

「小間使いさん、どこにいるんだろう?」

「王様の小間使いなんだから、お城の中じゃないかな?」

「それじゃ行ってみよう。王様は引きこもってるみたいだけど、お城には入れてくれるのかな〜」

四人は真っ黒い装衣に身を包んだ門番へと近づく。

「城への出入りは自由だが、国王への面会は難しいだろう。──王妃様が亡くなられてはや二年が経とうとしている。それなのに我が王ときたら……いや、何でもない」

ブツブツ呟く門番に、千歌は少しだけ目を丸くする。

「こんなに不満があるのに、ちゃんと命令に従って職務を果たしてるんだ……。パヴァンって人は、もしかしたら凄い王様なのかもしれないね」

「だとしたら、二年間も引きこもりなんて勿体ないなー。何とかして引きずり出せればいいんだけど」

「愛ちゃん、あまり物騒な事言わないでよ……」

「まあまあ、まずはその小間使いさんを探してみようよ。何か話聞けるかもしれないし」

そう言って穂乃果は、陰気な空気に包まれた扉に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV18

はがねのつるぎ

うろこのよろい

せいどうの盾

ターバン

スライムピアス

 

・曜

LV17

鉄のオノ

せいどうのよろい

せいどうの盾

ヘアバンド

金のブレスレット

 

・愛

LV18

ダガーナイフ

くさりかたびら

せいどうの盾

とんがりぼうし

金のロザリオ

 

・千歌

LV17

ロングスピア

騎士団の服

騎士団の盾

はねぼうし

聖堂騎士団の指輪

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