スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

2 / 45
茶番を織り交ぜつつ、ドラクエっぽさが出せたらなと思ってます。
※今回から、文末に各キャラクターのレベルと装備を記載します。


第2話

ユリネに案内された民家に入った三人の目の前には、幾何学な模様を描く絨毯に頑丈そうな丸テーブル。そしてその上に置かれた、大きな水晶玉。

「ほ〜、いかにも! な部屋だねぇ」

愛が感心して呟くと、ユリネは小さく笑って椅子に座った。

「お話、しますね。……私が助手を務める占い師の希さんは、とても有名な占い師でした。世界各地から、探し物を求めて連日人が殺到していました。希さんは、それを百発百中で言い当てていたんです」

「へ〜、凄いんだねぇ希ちゃんって!」

「でもある時から、そんな占いが全く当たらなくなってしまったんです。当たらない占いなんて意味ないとばかりに、客足も途絶えて……」

大変そうなんだなぁ、と穂乃果はぼんやり考える。

「それで、私達へのお願いって? その、当たらなくなっちゃった希さんの占いと何か関係が?」

「はい! ……多分、この水晶玉がただのガラス玉になったからで……」

ユリマがそこまで話した所で、

「何の話をしてるんや」

正面のドアが開いて、件の希が入ってきた。

「あ、え、えっと……」

気まずそうに微妙な顔をする穂乃果に、望みは顔を向ける。

「アンタら……さっき酒場におったな。占いならせえへんよ。何か困ってるんなら、他を当たって欲しいんや」

億劫そうに話すと、

「希さん!」

「……ウチはもう寝る」

ユリマの声を聞こえなかったフリをして二階へ上がってしまった。

「……ごめんなさい」

ユリマは失礼を詫びると、

「でも、占いが当たらなくなって誰よりも困っているのは希さん自身だと思うんです! どうか、どうか協力していただけませんか……?」

どうする、と一応二人へ振り返る穂乃果。だが、その表情は返答を待つつもりなどなさそうだった。それを分かっていたのか、曜も愛もすぐに頷く。

「勿論! 穂乃果達で良ければ!」

穂乃果の力強い肯定に、ユリマの顔がパッと明るくなる。

「本当ですか⁉︎ やっぱりお告げ通りだわ! そのお告げによると、ここトラペッタから南、大きな滝の下にある洞窟に水晶が眠っているようなんです」

穂乃果は周辺の地図を取り出すと、ユリマに場所を示してもらう。

「この街道を真っ直ぐ進むと、突き当たりにある洞窟ですね。どうか、よろしくお願いします」

「任せてよ!」

 

 

 

 

「……ふうん。占い師の水晶玉探し、ねぇ」

にこ達の所に戻った穂乃果達は、事の顛末を話す。

「ま、いいんじゃないの? もう引き受けちゃったんだし、今さら断るわけにもいかないでしょ? それに、」

にこは一度言葉を切ると、小さく笑う。

「その希って占い師の力が本物なら、ドルマゲスの手掛かりを占ってもらえるかもしれないじゃない?」

「おお、にこちゃん頭いい!」

本気で目を輝かせた穂乃果に、

「……いや、普通思い付くでしょ」

にこは照れを通り越して呆れた。

「そうと決まれば早速出発ね。目指すは滝の洞窟よ」

 

 

 

 

トラペッタから続く街道。その道中にも、当然魔物がいる。

 

[スライムがあらわれた!]

[しましまキャットがあらわれた!]

 

先ほども倒したスライムと、白と茶色の縞模様の大きな猫。

「あ、ちょっと可愛いかも?」

「魔物だよ⁉︎ そんな呑気な事言ってる場合じゃないよ⁉︎」

曜がツッコミを入れる隙に、しましまキャットは攻撃態勢に入る。

 

[しましまキャットのこうげき! 穂乃果は2のダメージをうけた!]

 

「いったーい! やっぱり可愛くない!」

勝手に憤慨した穂乃果は、剣を構える。

 

[穂乃果のこうげき! しましまキャットに7のダメージ!]

 

「流石に、スライムよりはタフだねー」

 

[愛のこうげき! しましまキャットに6のダメージ! しましまキャットを倒した!]

 

二撃目には耐えられなかったのか、しましまキャットは後ろに吹っ飛び倒れた。

「よーし私も!」

曜も斧を横薙ぎに振るい、スライムを攻撃する。

 

[曜のこうげき! スライムに7のダメージ! スライムを倒した!]

[魔物のむれをやっつけた!]

 

「洞窟に向かう前に、少し鍛えた方がいいかもね〜。この辺の敵は弱いけど、洞窟には手強い相手もいるかもしれないし」

穂乃果に“やくそう”を手渡しながら、曜が提案する。

「そっか〜。ドンドン進みたかったけど、曜ちゃんがそう言うならそうしよっかな」

「アタシも進みたいけど、ほのほのは突っ走りすぎだもんね」

「うっ……気を付けます」

楽しそうに愛に言われては、穂乃果は従うしかない。

「じゃあ気を取り直して、ガンガン進もう!」

「……アンタ、話聞いてた?」

元気に右手を突き上げた穂乃果に、にこは呆れた視線を送る。

 

[リップスがあらわれた!]

[プークプックがあらわれた!]

 

穂乃果達が対峙したのは、緑色の体色をした、大きな唇を持ったナメクジのようなモンスターに、角笛を持った下半身が羊の人型モンスター。

「よーし、倒しちゃうよー!」

シャリン、と剣を抜いた穂乃果。

 

[プークプックはひつじかぞえ歌を吹き鳴らした!]

[穂乃果は眠ってしまった]

[曜にはきかなかった]

[愛にはきかなかった]

 

「えへへ……もう食べられない……」

「ちょちょ、穂乃果ちゃーん⁉︎」

「勢いが滑っちゃったね〜! スリーップだね!」

「ちょっと強引じゃない⁉︎」

流れるような出来事に、ついつい曜は双方にツッコミを入れる。その隙を突いて、

 

[リップスは曜の顔を舐めまわした!]

[曜はとりはだが立ってしまった!]

 

「うひゃっ⁉︎ 気持ち悪いっ」

不意を突かれた曜は、身震いで攻撃どころではなくなってしまった。

「それなら私が!」

唯一動けた愛が、剣閃を煌めかせる。

 

[愛のこうげき! リップスに6のダメージ!]

[プークプックのこうげき! 穂乃果に3のダメージ! 穂乃果は目を覚ました!]

 

プークプックの持っていた笛を目の前で吹かれ、

「…………はっ!」

夢の中だった穂乃果は頭を振った。

「うむむ……! よくもー!」

 

[穂乃果のこうげき! リップスに6のダメージ! リップスを倒した!]

 

「曜、大丈夫?」

曜をチラリと見ながら、愛は短剣を振る。

「うん、私ももう大丈夫!」

曜も復活したのか、斧を構えて振り下ろす。

[曜のこうげき! プークプックに8のダメージ! プークプックを倒した!]

「魔物のむれをやっつけた!」

 

武器をしまった穂乃果は、清々しい笑顔で一言。

「さあ、この調子で行こう!」

「……こんなのに戦闘を任せるのが、不安でしょうがないんだけど」

危なっかしい戦闘を見ていたにこが、不安を漏らす。

「じゃあにこちゃんも戦えばいいにゃ。トラペッタの街に武器屋あったよ」

「いや、私武器とか使った事ないし。近衛兵だった穂乃果達に任せるしかないのよね……」

「文句の多いお姫様にゃあー」

「うっさい。そもそも姫なのはアンタの方でしょ」

「そうだけど、凛堅苦しいの苦手だし〜。こうやって猫ちゃんみたいになれて、のんびり幸せだにゃあ〜」

「呪いにかけられたってのに、危機感ないわね……」

「にこちゃんのキノコも、とっても似合ってるにゃ」

「ケンカ売っとんのかおのれは」

 

 

 

[くしざしツインズがあらわれた!]

[いっかくウサギがあらわれた!]

 

続いて現れたのは、赤と緑の横に連なったパプリカのようなモンスターに、額にツノの生えたウサギ。

「うっ……ピーマンは苦手……」

「いやモンスターだから!」

くしざしツインズのフォルムに拒絶反応が出たのか、穂乃果は若干身を引いた。

「苦手を克服してこその、ほのほのっしょ!」

すかさず飛んだ愛の激励に、

「そ、そうだよね! ピーマンなんて怖くないっ!」

ちょっとだけ強気になる穂乃果。

「ありがと、愛ちゃん」

「いーのいーの。ほのほのチョロいから」

「……それ、本人には言わないであげてね?」

「分かってる……よっ、と!」

 

[愛のこうげき! いっかくウサギに6のダメージ!]

[いっかくウサギのこうげき! 曜に3のダメージ!]

[くしざしツインズはルカ二をとなえた! 穂乃果の防御が8下がった!]

[曜のこうげき! くしざしツインズに6のダメージ!]

[穂乃果のこうげき! くしざしツインズに7のダメージ! くしざしツインズを倒した!]

 

「よーしピーマン克服したぞー!」

高らかにガッツポーズをする穂乃果。

「いやまだ戦闘終わってないからね⁉︎」

「てかほのほの、さっき敵に何かされたよね?」

「あーうん、何だろ? ちょっと力が入りにくい気がする」

穂乃果が首を傾げていると、攻撃が飛んでくる。

 

[いっかくウサギのこうげき! 穂乃果は5にダメージ!]

 

「うわっ、強い!」

「ダメージが増えてるね……。さっきの呪文はそういう事なんだね」

「痛いぞこらー!」

 

[穂乃果のこうげき! いっかくウサギに8のダメージ! いっかくウサギを倒した!」

[魔物のむれをやっつけた!]

[穂乃果は火炎斬りを覚えた!]

[穂乃果はホイミの呪文を覚えた!]

[曜はかぶとわりを覚えた!]

[愛はポイズンダガーを覚えた!]

 

「お、何かちょっと強くなった気がするよ!」

「敵を倒していけば、その分経験値になるもんね」

「これは、戦いが楽しくなりそうじゃん?」

「よーしまだまだ強くなるぞー!」

と案の定先へ進もうとした穂乃果を、

「ちょっと待ちなさい」

にこが制した。

「どうしたのにこちゃん。トイレ?」

「そういうデリカシーの無い発言やめなさいよ……」

げんなりしたにこは、気を取り直す。

「そろそろ暗くなるわ。今日は一旦街に戻って、休んだ方がいいわよ」

「えー何で? 穂乃果はまだまだ頑張れるよ!」

「そういう訳にもいかないわよ。いい?」

「夜になると、より強くて凶暴なモンスターが出てくるにゃ!」

「……そういう事。つまり、」

「夜はゆっくり休んで体力を回復して、朝になったらまた出発すればいいにゃ!」

「…………。焦っても仕方な「焦って怪我するよりいいにゃ!」…………アンタわざとやってるでしょ!」

むんずと凛の猫耳を鷲掴みにするにこ。

「やーにこちゃんやめるにゃ〜」

やれやれとそんな二人を眺めながら、

「じゃあ、にこちゃんのお言葉に甘えさせてもらおうかな」

「にこは何も言ってないでしょ。言ったのはこっちの猫」

「いやいや、にこにーの気遣いは心に染み渡ったよ」

「流石はにこちゃんだよねっ! 優しい!」

全てを理解した目、少しからかいの入った目、純粋な目に見つめられ、

「……あーはいはい。騒がれたら嫌だからにこはもう街には入らないけど、アンタ達はゆっくり休んできなさい」

にこはそっぽを向いて手を振った。

 

 

 

 

翌日、目的の滝の流れる洞窟の入り口にやってきた一行。

「ここがそうみたいね」

にこが流れる滝を見上げながら口を開く。

「私と凛はここで待ってるわ。基本的に戦力外だし、邪魔にならないようにしなきゃよね」

ちょっとだけ寂しそうにする穂乃果。

「なんて顔してんのよ。さっさと水晶探し出して、戻ってきなさいよね」

にこは穂乃果の額を、指で小突く。

「……気を付けて行ってきなさいよね。負けたりしたら承知しないんだから」

「にこちゃん……」

穂乃果は、隣の曜、愛の顔を順番に見つめ、

「うんっ! 行ってくる!」

大きく頷いた。

 

 

・穂乃果

LV6

どうのつるぎ

たびびとの服

皮の盾

バンダナ

ーーー

 

・曜

LV7

石のオノ

布の服

皮の盾

皮のぼうし

ーーー

 

・愛

LV6

ブロンズナイフ

布の服

皮の盾

皮のぼうし

ーーー

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。