スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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こんな亀の歩みみたいな更新ペースで、完結いつになるんでしょう?
あ、新キャラ出ました。


第20話

城の中に入った四人だが、様子は外とあまり変わらなかった。入ってすぐにある石畳の泉には綺麗な水がたたえられていたが、その隣に立つ衛兵はとても暇そうである。

「毎日お祈りばっかで、ろくに仕事も無いからねぇ。どうしてこの国を訪れたんだい?」

衛兵は肩をすくめて、天井を見上げる。

「国王なら、そこの階段から行ける最上階の部屋に閉じこもってるよ。……肝心の国王があれじゃあね」

国王に会える望みは薄いと察しているのか、衛兵もあまり多くは語ってくれない。

四人の目的は国王ではなく小間使い。それとなく訊いてみると、

「ああ……今の時間なら、多分最上階で国王の説得をしてるんじゃないかな。毎日毎日、気の毒になってくるよ」

どうやら城の人間には周知されているようで、これまたため息と共に教えてくれた。

衛兵に礼を言うと、階段を登る四人。

「なんだかなー。王様は人望があるんだか無いんだか分からないね」

「一人で抱え込んでも、いい事無いのにね」

さらに階段を登ると、広い空間に出た。

「ここは謁見の間です。今は国王の代わりに、大臣が対応しております」

二年間も大変だ、と曜は思ったが、勿論声には出さない。

「──ほほう、旅の者とは珍しい。アスカンタによくぞ参った。……すでに存じているとは思うが、我が国は亡くなられた王妃の喪に服しておるため、王には会えんのだ。すまぬがお引き取り願おう」

晴れない表情で、大臣は淡々と言葉を紡いだ。

「何度も言ってきたんだろうなぁ……」

察しのいい曜は、聞こえないように呟く。

「ねえ大臣さん、この上の部屋には行ってもいいの?」

愛が天井を指差す。

「それは構わぬが、王は頑なに部屋から出ようとしない。“あの子”の言葉ですら届かないのに、失礼ながら見知らぬ旅人の言葉が響くとは思えん……」

「ちょっと興味あるだけだから、そんな気にしなくていいよ。絶対に粗相もしないから」

許可を取った愛は、

「そんじゃ行ってみよ〜」

スタスタと階段へ向かう。

「……愛ちゃん、ドア壊すとかしないでよ?」

「しないしない。愛さんを何だと思ってるの。──それに、曜の方が前科あるじゃん?」

「あ、あれは非常事態だったし!」

聞いている大臣が不安になるような会話をしながら、四人は最上階へと向かう。

──最上階は、真ん中に部屋が一つあるだけだった。入り口も一つだけだが、当然、そのドアは閉ざされている。

「──っと、ちょい待ち」

先頭を歩いていた愛が、三人に制止をかける。

「どうし──」

たの、と口を開きかけた穂乃果も、聞こえてきた足音に口を閉じた。

少し戻って階段から様子を伺うと、

「──お加減はいかがですか?」

赤みがかった茶色の髪の毛の少女がドアをノックしていた。

「もしかしてあの子が──」

「──私です。小間使いの歩夢です。……お昼にお運びしたお食事も召し上がられなかったようですね。夕食は、王様の好物を作りますので……」

歩夢と名乗った少女は、ドアに向かって話しかけると、小さく俯いてしまう。

「王様、お願いです。せめて、お返事を……。お元気かどうかだけでも……」

すがるような口調の願いも、ドアは沈黙を守り続ける。

「……失礼致します」

分かっていた事なのか、歩夢は頭を下げるとそのままうなだれて階段を降りていった。

『…………』

すぐ真横にいる穂乃果達には一瞥もくれずに。

 

 

「……あんまり、見たくない所を見ちゃったね」

「だねー。ちょっと言い出しづらいかも」

「お爺さん達が心配してるのと同じ……いや、それ以上に、歩夢って子は王様を心配してるみたいだし……」

「とりあえず、一応王様に挨拶だけしておこうかな?」

愛はドアノブに手をかけるが、当然鍵がかかっている。

「アスカンタの王様〜。旅人さん達がご挨拶に来ましたよ〜」

反応は無い。

「国民みんな、心配してましたよ〜」

反応は無い。

「ドア、壊していいです?」

「ちょちょ⁉︎」

反応は無い。

「ダメかー」

「色々な意味でダメだからね!」

「冗談だって。そんな本気にしないでってば」

冷や汗をかいた曜を、愛は笑い飛ばす。

「……ここの景色、綺麗だよね」

ふと、千歌が呟いた。三人が視線を向けると、

「こんな綺麗な景色の国を治める王様なんだから、きっと優しい王様なんだと思う。もう一度、景色眺めてみませんか?」

千歌の問いかけにも、やはり反応は無い。

「ダメかぁ」

「まあ仕方ないよ。私達は、私達のできる事をしよう。あの歩夢ちゃんに、伝言を伝えないと」

穂乃果は千歌の背中を叩くと、階段を降りていく。

 

 

すると、そこに先ほどの歩夢と大臣が何やら話をしていた。

「お食事もほとんど手つかず。ゆうべも、一晩中玉座の間で泣き明かしていらしたご様子。王妃様がご存命の時は、あれほどお優しくて賢い王様でしたのに……。お側仕えでありながら、何の役にも立てず、申し訳ございません……」

「そうか……王は今日も……。お前は何も悪くはない。ご苦労だったな、歩夢。──だが、なんとしても王に元気を取り戻していただかなければ……。このままでは国が傾く……しかし、一体どうすればいいのだ……」

案の定、明るい内容ではなさそうである。

「話しかけづらいなぁ……」

穂乃果が呟くと、

「もしかして、旅のお方?」

ようやく気が付いたのか、歩夢が振り返った。

「我がアスカンタの王は、誰にも会おうとはしません……。夜になるとこの玉座の間へ降りてきますが、誰の言葉も耳に入らないのです……」

歩夢は小さく首を振った。

「話しかけにくいだけじゃなくて?」

「もし信じられないというのなら、一度ご覧になるといいと思います」

歩夢は顔を伏せ、歩み去ってしまった。

「……どうする?」

「うーん、ここまで来ちゃったし、一度王様の姿を見てみたくはあるかな」

あまり気は進まないものの、全員その意見には賛成。一度城を出ると、宿屋で夜になるまで待機する事にした。

「こんな国に泊まろうなんて、お客さん変わってるね……。やめろとは言わなけどさ」

店主に奇異な目を向けられたが、四人は各々休む。

「私、にこちゃん達に報告してくるよ」

と、一度穂乃果は街の外へ向かった。

 

 

 

 

──夜。意外にも開城されているお城へと戻った四人。

「不用心なのか、そもそも守る必要が無いのか……」

大体の現状を知ってしまった今、後者の可能性が濃厚だと感じてしまう。

謁見の間へと続く階段まで来ると、何やらすすり泣く声が聞こえてきた。

『…………』

四人は一度顔を見合わせると、階段をゆっくり登る。

「──…………何故だ?」

部屋を除き込むと、立派な玉座の前で崩れ落ちる人影を見つけた。

間違いなく、あれが噂のパヴァン王だと思われた。

「──あのー、もしもし?」

ひとまず、穂乃果が話しかけてみる。

「どうして……シセル、君は僕をひとり置いて天国へ行ってしまったんだ……」

「皆さん、心配してますよー」

「あれから二年。僕の時計は止まったままだ……」

「はるばる、旅人さんがご挨拶に来ましたよ〜」

「何一つ、心が動かない……」

「えーっと……お腹、空きませんかー……?」

「せめてもう一度だけ……夢でもいいんだ。もう一度、君に会いたい……」

思い思いに話しかける四人だったが、聞こえてくるのは独り言のみ。返事が返ってくる事は、ついに無かった。

 

 

「どうしよっか……」

「こりゃー愛さんでもお手上げ。仮にも王様だから、あんまり手荒な真似はできないしなぁ」

どうしようもないので諦めて階段を降りると、

「──あっ」

反対側から、階段を登ってきた歩夢を見つけた。

「もしかして、玉座の間で王様とお会いになりましたか?」

「会ったというか……」

「見ただけというか……」

昼間言われた通り、会話は成立しなかった事を伝えた。

「旅の方、我がアスカンタ王は、今は誰の言葉も耳に入りません。無礼を許して下さい」

頭を下げた歩夢に、これ幸いと四人は質問をぶつける。

「あ、はい。『シセル』というのは、二年間に亡くなられた王妃様の名前です」

「もう一度会えたら、って言ってたよね」

「突然の病死でしたから……。もし、シセル王妃がもう一度目の前に現れたら、王様も元気になってくれるかもしれないのに……」

「まあ、会えないからこその死者だもんね……」

暗く沈む空気。

「──!」

不意に、歩夢が顔を上げた。

「そういえば、私のおばあちゃんが、昔沢山お話しをしてくれました。不思議なお話を、沢山。その中に、どんな願いも叶える方法があると聞いた気がするのに……思い出せない……」

再び、俯いてしまう歩夢。

「おばあちゃんに会いに行けば、簡単に分かるだろうけど、私にはお城の仕事が……」

「お婆ちゃん、心配してたよ」

サラッと、本当にサラッとアスカンタ王国を訪れた目的を果たす穂乃果。

「……今は、お城を離れられません。──お願いです。面識があるようですし、私のおばあちゃんに今の話を詳しく聞いてきて欲しいんです。ただのおとぎ話かもしれない……。でももしそれが本当なら、私は王様の願いを叶えてあげたい……!」

強くなる声色。そんな歩夢の手を、穂乃果は握った。

「私達に任せて! 一緒に王様を元気にしてあげようよ!」

「ほ、本当ですか⁉︎」

「ま、ほのほのならそう言うと思ったよ」

他の三人も、特に驚かない。まだ付き合いの浅い千歌も、大きく頷く。

「お願いします……! どうか、お願いします……」

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV18

はがねのつるぎ

うろこのよろい

せいどうの盾

ターバン

スライムピアス

 

・曜

LV17

鉄のオノ

せいどうのよろい

せいどうの盾

ヘアバンド

金のブレスレット

 

・愛

LV18

ダガーナイフ

くさりかたびら

せいどうの盾

とんがりぼうし

金のロザリオ

 

・千歌

LV17

ロングスピア

騎士団の服

騎士団の盾

はねぼうし

聖堂騎士団の指輪

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