スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜 作:『シュウヤ』
失踪はしてないんです。これからまた頑張ります許して。
パルミドに戻った一行は、念の為全員一緒に行動する。愛がナイフ片手に聞き込みをした効果もあってか、わざわざちょっかいをかけてくる人物はいなかった。
何事もなく情報屋の自宅のドアの前まで辿り着き、愛がノック。
「──はい」
返事があった。
顔を見合わせる穂乃果達の前で、愛はドアを開ける。
「──おや、愛さんじゃないですか。戻ってきていたんですね」
「それはこっちのセリフだけどね、せっつー」
「もしかして留守中に来てましたか? それはすみませんでした」
「いーのいーの。アタシもこの街久しぶりだったし」
「ところで、後ろの方々は……?」
「ああ、アタシ今このメンツで旅してるんだ。たまたまこの近くに来たから、せっつーの情報仕入れておこうかなって」
「なるほどなるほど。背中を預けられる仲間と共に冒険……素敵ですね!」
情報屋は瞳を輝かせて立ち上がり、
「皆さん初めまして。この街で情報屋を営んでおります、せつ菜といいます。以後お見知り置きを」
優雅に一礼。
「あ、どうも〜……」
つられて穂乃果達も会釈。にこや凛の姿については一切触れてこなかった。
「それで愛さん、お求めの情報とは?」
「あ、えっとね──実は今、ドルマゲスっていう道化師を追ってるんだよ。すっごい逃げ足速くて、見失っちゃったんだよ。何か情報……持ってない?」
「道化師の男の話なら、つい最近耳にしましたよ。なんでも、マイエラ修道院の院長を殺害した犯人だとか……」
その時の一件を思い出し、一同は空気が重くなる。
「私が得た情報では、そのドルマゲスという道化師は海を歩いて渡り、西の大陸へ向かったそうですよ」
「西の大陸……。もうちょっと、詳しい情報はないの?」
「残念ですが、私が知るのはここまでです……。力及ばず、申し訳ないです」
「謝んなくていいって! せっつーがくれた情報だけでも大助かりだよ!」
「じゃあ、とにかく西の大陸に向かわなきゃだね!」
穂乃果は拳を握りしめる。
「あの、水を差すようで申し訳ないんですけど……どうやって西の大陸へ?」
「えっ?」
せつ菜の声に、穂乃果は首を傾げる。
「……そもそも、ここってどの辺なの?」
「…………愛さん、苦労されてるようですね」
「いやーなんて言うか、役割分担? ほのほのに助けられる事だってあるからさ」
せつ菜は棚から世界地図を取り出すと、南東の一点を指差す。
「この辺りが、パルミド地方です。そしてこちらが、西の大陸を代表するサザンビーク国領」
そこから左へ指を滑らせていく。当然、その間は大海によって隔てられている。
「北のリーザス地方にあるポルトリンクと、マイエラ地方にある船着場は定期船が出ていますが……西の大陸へは、距離が長い上に最近魔物が凶暴化している為定期船は運行していません」
せつ菜は地図の真ん中辺りでバッテンを描く。
「自分の船があれば話は別ですが……」
一度顔を上げたせつ菜は、一同の表情を見てすぐに察する。
「そう簡単に手に入る代物でもありませんからね」
「で、でも西の大陸には行かなきゃいけないんでしょ? 何か方法があるはずだよ! 探そう!」
一瞬もめげない穂乃果の態度に、せつ菜は目を輝かせる。
「なるほど……アツイ人ですね!」
「でしょでしょ? せっつーと気が合うかもね」
「これは私も感銘を受けました! では一つ、耳寄りな情報を。役に立つかは分かりませんが!」
せつ菜はもう一度地図に指を落とすと、北の大陸のポルトリンクを示す。
「この港町から西に進むと、そこに広がる荒野に打ち捨てられた古い船があるそうです。海が近くもないその場所にどうして船があるのか分かりませんが、その船は古代の魔法船とのウワサです。──もし、その船を復活させる事ができれば、世界中の海を自由に渡れるはずですよ!」
おお、と色めき立つ一行だったが、
「どーやってその船を動かすのよ。魔法船だかなんだか知らないけど、この中で誰か船の修理なんかできるの?」
にこの真っ当過ぎる言葉で我に返る。当然誰も手は上がらない。個性豊かなお仲間ですね、というセリフを、せつ菜は愛のウインクで飲み込んだ。
ふと地図を見ていた愛が、
「てゆーかこの道ってさ、前に行った時地震が何かで岩が崩れて通行止めって言われたじゃん。進めないよ」
「ああ、その事なら大丈夫ですよ。最近ようやく、道が開通したらしいですから」
「あ、そうなの? じゃあひとまず行く事はできる訳だ」
「ち、ちょっと待ちなさいよ! まさか本当に行くつもり……?」
「だって他にアテもないし……ここは麦にすがってみようよにこちゃん!」
「藁よバカ」
地図を見たにこは、
「この荒野からトロデーンに抜ける事もできる……のね」
小さく呟いた。
「じゃあもう勝手にしなさい。私はついて行くだけだからね!」
「──ありがとねせっつー。おかけでちょっと前進したかも」
「お役に立てたなら何よりです!」
ペカッと笑顔を向けたせつ菜に、おずおずと曜が手を上げる。
「……あの〜、結構色々と情報貰っちゃったんだけど、私達そんなに持ち合わせは……」
「ああ、情報料の事ですね! それならご心配なく! 愛さんとは旧知の仲ですし、昔から助けてもらってますから。愛さんやそのお仲間さんからは、お金は頂きませんよ!」
「アタシはただウワサ好きなだけなんだけどね〜」
安堵の息を吐いた曜を見て、
「なるほどなるほど……役割分担、ですね」
せつ菜は意味ありげに頷いた。
・穂乃果
LV21
はがねのつるぎ
くさりかたびら
せいどうの盾
鉄かぶと
スライムピアス
・曜
LV20
鉄のオノ
せいどうのよろい
鉄の盾
ヘアバンド
金のブレスレット
・愛
LV21
まどうしの杖
おどりこの服
キトンシールド
とんがりぼうし
金のロザリオ
・千歌
LV21
ホーリーランス
レザーマント
騎士団の盾
はねぼうし
聖堂騎士団の指輪