スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜 作:『シュウヤ』
千歌が呪文、【ルーラ】を唱えると、一行は一瞬でポルトリンクの入り口へ降り立つ。
「は〜、便利な魔法ねぇ。せつ菜って情報屋に言われた時は大して気にしてなかったけど、ここまで戻るのもかなりの距離よね……」
長い旅路を思い出してげんなりしたにこ。
「この魔法も万能じゃないから、自分の知った場所じゃないと作用しないんだけどね」
「ん? あれでも千歌ちゃん、ここ通った時まだ出会ってなかったよね?」
首を傾げた穂乃果に、千歌は若干気まずそうに頭をかく。
「あー……うん、実は、コッソリ定期船に忍び込んで羽を伸ばした事が……。トラペッタまで観光に行きました、ハイ」
「……無賃乗船じゃないの」
「果南ちゃんに怒られて衝動的に……反省してます」
「ま、まあまあ。おかげで助かったんだから良しとしようよ! 今は何とかしてドルマゲスを追いかけなきゃいけないんだから!」
「こんな集団で呪い解けるのかしら……」とぼやくにこの背中を押しながら、曜はポルトリンクを横目に西側へ進む。
以前は土砂崩れで塞がれ通行止めを強いられたが、瓦礫は綺麗に撤去され地面には街道が伸びていた。
「この先に……その魔法船ってのがあるんだよね?」
「動かし方も分からないボロボロの、ね」
元々期待していないにこは、言葉が強い。
徐々に周囲の草地が減り荒々しい岩肌が露出する様子を見ながら、そろそろかな? と曜は呟く。
──“それ”は、すぐに見つかった。
水に浮いていない船そのものは、想像以上のサイズ感がある。穂乃果達の目の前に鎮座するそれは、大きな壁のような感覚を与えていた。
「船……だね」
「こんな荒野のど真ん中に本当に船が……」
「そもそも、壊れてないのかしら……」
にこが船の底を撫でると、積もり積もった埃や塵が手を覆った。致命的な欠陥は目視できないが、少なくとも、相当の年月放置されている事は確かだった。
「仮に使えるとして……どうやってこんな巨大な船を海まで運ぶのよ。人手がいるとかの問題じゃないわよ」
にこは遠方を見渡すが、荒野は切り立った岩山に囲まれている。船を運び出す場所などなかった。
「これって、ただの船じゃないんだよね」
船の周りをぐるりと一周した愛が、にこと同じく側面に手を当てる。
「せっつーの言ってた情報は間違いじゃなかった。魔力で動く魔法船……か」
「愛ちゃん、何か分かったの⁉︎」
「んー、カン!」
「えっ……えぇ?」
にこやかな笑顔を向けられた穂乃果は、思わずつんのめる。
「でも何かある。それは間違いないと思う」
その声色に、いつもの軽い冗談が含まれていない事を悟る。
「……しょーがないわね。どの道これに賭けるしかないんだものね」
「にこちゃん、どこ行くにゃ?」
歩き出したにこは、一度振り返る。
「ここにいたって、もうできる事はないでしょ。だったら情報を集めないと。近くに立派だった図書館があるんだから」
「それって……」
「……戻るわよ。私達の旅の始まり、──トロデーン城へ」
・穂乃果
LV22
はがねのつるぎ
くさりかたびら
せいどうの盾
鉄かぶと
スライムピアス
・曜
LV21
鉄のオノ
せいどうのよろい
鉄の盾
ヘアバンド
金のブレスレット
・愛
LV22
まどうしの杖
おどりこの服
キトンシールド
とんがりぼうし
金のロザリオ
・千歌
LV22
ホーリーランス
レザーマント
騎士団の盾
スライムのかんむり
聖堂騎士団の指輪