スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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よく考えたらククールのルーラでトラペッタに行けるのはおかしくない?


第32話

 千歌が呪文、【ルーラ】を唱えると、一行は一瞬でポルトリンクの入り口へ降り立つ。

「は〜、便利な魔法ねぇ。せつ菜って情報屋に言われた時は大して気にしてなかったけど、ここまで戻るのもかなりの距離よね……」

 長い旅路を思い出してげんなりしたにこ。

「この魔法も万能じゃないから、自分の知った場所じゃないと作用しないんだけどね」

「ん? あれでも千歌ちゃん、ここ通った時まだ出会ってなかったよね?」

 首を傾げた穂乃果に、千歌は若干気まずそうに頭をかく。

「あー……うん、実は、コッソリ定期船に忍び込んで羽を伸ばした事が……。トラペッタまで観光に行きました、ハイ」

「……無賃乗船じゃないの」

「果南ちゃんに怒られて衝動的に……反省してます」

「ま、まあまあ。おかげで助かったんだから良しとしようよ! 今は何とかしてドルマゲスを追いかけなきゃいけないんだから!」

 「こんな集団で呪い解けるのかしら……」とぼやくにこの背中を押しながら、曜はポルトリンクを横目に西側へ進む。

 

 

 以前は土砂崩れで塞がれ通行止めを強いられたが、瓦礫は綺麗に撤去され地面には街道が伸びていた。

「この先に……その魔法船ってのがあるんだよね?」

「動かし方も分からないボロボロの、ね」

 元々期待していないにこは、言葉が強い。

 徐々に周囲の草地が減り荒々しい岩肌が露出する様子を見ながら、そろそろかな? と曜は呟く。

 

 

 

 

 ──“それ”は、すぐに見つかった。

 水に浮いていない船そのものは、想像以上のサイズ感がある。穂乃果達の目の前に鎮座するそれは、大きな壁のような感覚を与えていた。

「船……だね」

「こんな荒野のど真ん中に本当に船が……」

「そもそも、壊れてないのかしら……」

 にこが船の底を撫でると、積もり積もった埃や塵が手を覆った。致命的な欠陥は目視できないが、少なくとも、相当の年月放置されている事は確かだった。

「仮に使えるとして……どうやってこんな巨大な船を海まで運ぶのよ。人手がいるとかの問題じゃないわよ」

 にこは遠方を見渡すが、荒野は切り立った岩山に囲まれている。船を運び出す場所などなかった。

「これって、ただの船じゃないんだよね」

 船の周りをぐるりと一周した愛が、にこと同じく側面に手を当てる。

「せっつーの言ってた情報は間違いじゃなかった。魔力で動く魔法船……か」

「愛ちゃん、何か分かったの⁉︎」

「んー、カン!」

「えっ……えぇ?」

 にこやかな笑顔を向けられた穂乃果は、思わずつんのめる。

「でも何かある。それは間違いないと思う」

 その声色に、いつもの軽い冗談が含まれていない事を悟る。

「……しょーがないわね。どの道これに賭けるしかないんだものね」

「にこちゃん、どこ行くにゃ?」

 歩き出したにこは、一度振り返る。

「ここにいたって、もうできる事はないでしょ。だったら情報を集めないと。近くに立派だった図書館があるんだから」

「それって……」

「……戻るわよ。私達の旅の始まり、──トロデーン城へ」

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV22

はがねのつるぎ

くさりかたびら

せいどうの盾

鉄かぶと

スライムピアス

 

・曜

LV21

鉄のオノ

せいどうのよろい

鉄の盾

ヘアバンド

金のブレスレット

 

・愛

LV22

まどうしの杖

おどりこの服

キトンシールド

とんがりぼうし

金のロザリオ

 

・千歌

LV22

ホーリーランス

レザーマント

騎士団の盾

スライムのかんむり

聖堂騎士団の指輪

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