スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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このタイミングって、キラ帰省中なんですよね。
でもいいチャンスだからここではもう一回登場です。


第35話

 一度元の世界に戻ってきた一行。

「で、誰かその“月影のハープ”って楽器に心当たりはあるの?」

 返答は沈黙。

「そりゃそうよね。そう簡単にはいかないか」

「絵里ちゃんが言うには、穂乃果達四人が全員行った事ある場所なんだよね?」

「そこで会った誰かが、楽器のある場所を知ってる……はず」

 絵里の言い回しが独特だったのもあり、見当の段階から暗礁に乗り上げる。

「ん〜〜〜〜〜〜〜…………」

 穂乃果は腕を組んで唸ると、

「──あ」

 何かに気付く。

「心当たりあるの⁉︎」

「ううん、分かんない」

「っ」

「分かんないけど、分からないから行ってみようよ!」

 疑問符を浮かべる仲間達に、穂乃果は明るい笑顔を向けた。

 

 

 

 

「ここは……」

 【ルーラ】で穂乃果達が降り立ったのは、

「──トラペッタじゃない」

 かつて騒動になった、旅の最初に訪れた街。

「私、穂乃果ちゃん達とはこの街来てないけど……」

 一応、千歌が記憶違いでない事を確認する。

「そうじゃなくて、穂乃果達は探し物をしてるんでしょ?」

「「──あ」」

 ここで、曜と愛も目的を理解する。

「……私は中には入らないわよ。用事があるならさっさと済ませてきなさい」

 この街でいい思い出が無いにこは、仏頂面で外壁の影に歩いていった。

「とにかく、行こう!」

 

 

 迷う事なく街を進んだ穂乃果は、奥まった路地に建つ一軒家の前へ。

「……なんだか遠い昔のようだねぇ」

 愛の呟きを背に、穂乃果はドアをノック。

「開いとるよ」

 返事はすぐに来た。

「お邪魔しま〜す」

 ドアを開けた穂乃果は、正面に座る占い師と目が合う。

「待っとったで。何やら大変な事態になってるみたいやな」

 希は微笑むと、目の前に置かれた水晶玉に手を置く。

「……誰?」

「占い師の希ちゃん。見つけられないモノはないって評判なの」

「ひゃ〜、それは凄い」

 初対面だった千歌は、隣の曜へこっそり耳打ち。

「もしかして、全部お見通し?」

「詳細はウチにも分からん。超人ではないからね、大まかにしか把握はできないんよ。……でも、穂乃果ちゃん達が何か探し物をしてるのは分かる。それでウチを頼りに来た事も」

 希はウインクすると、

「じゃ、早速……。──む〜、むむむ……」

 水晶玉に手をかざした希は、

「見えるで……。これは……お城? どこかのお城やな……それから、まだ若い王様……ちょっと気弱そうだけど、晴々した顔をしてるね……お世話してる女の子も楽しそうやな」

 見えた内容をそのまま伝えていく。

「──こんな所かな。参考になった?」

「お城……」

「気弱そうな……」

「若い王様……」

「お世話する女の子……」

 希の口にした単語を繋ぎ合わせた四人は、

「「「「──!」」」」

 同時に顔を見合わせた。

 

 

 

 

 希に礼を言った四人は足早に街を出るとにこと凛を回収。すぐさま千歌が【ルーラ】を唱える。

「どうしたのよそんなに慌てて。何か分かったの……って、ここ、アスカンタ城じゃない」

 外壁から覗く建物を見上げたにこが、

「ここに……“月影のハープ”があるの?」

「かもしれない! 王様に訊いてくるからちょっと待ってて!」

 二人を置き去りに、四人は城内へと駆けていく。

「……忙しないわねぇ」

「それだけ頑張ってくれてるって事にゃ」

「……珍しく素直じゃない」

「にこちゃん酷いにゃ。せっかくあの時助けてあげたのに」

「……それ一生言い続けるつもりじゃないでしょうね。てゆーか、結局私の方が悲惨な呪いかけられたんですけど?」

「…………」

「そこはフォローしなさいよ!」

 

 

 

 

 顔を覚えられているので門兵にも歓迎され、入り口を素通りさせてもらう。

 中に入ってすぐ、一階で見知った顔を発見する。

「あっ、皆さん! また来てくれたんですね! 嬉しいです!」

 エプロン姿の歩夢が、パタパタとこちらへ駆け寄ってくる。

「やっほー久しぶり」

 愛がにこやかに手を振る。

「お忙しい旅の合間、こうしてお顔を見せに来ていただけるなんて……」

 胸の前で手を合わせる歩夢に、愛は少しだけ目を細める。

「ん〜……歩夢さあ、その話し方どうにかなんないの?」

「えっ……私、何か失礼を……? も、申し訳ありません!」

「ちがーう!」

 下げられた頭に、愛は軽くチョップ。

「そうじゃなくて、丁寧すぎるって事! アタシ達、年も同じくらいだしそもそも貴族でも王族でもないの! だからそんなかしこまった話し方されたら、逆に困っちゃう!」

「そ、そう言われましても……」

「じゃあ、もうアスカンタには来ない」

「そ、そんな! ……わ、分かりまし──分かった」

「うんうん! その方がいいって!」

 満足げに頷いた愛は、三人に顔だけ向ける。

「ほのほの達も、それでいいっしょ?」

「うん! これでもっと仲良くなれたね、歩夢ちゃん!」

「う、うん! ありがとう」

 手を握って穂乃果にブンブン振られる歩夢に、曜が本題を切り出す。

「ところで、パヴァン王っている?」

「王様? 王様なら、玉座に。きっと喜ぶだろうから、挨拶してあげてね」

「そのつもり。ありがとう!」

 それじゃあ、と仕事に戻った歩夢に手を振ると、いつぞやのように玉座の間へと続く階段を登る。

 あの時は打ちひしがれる背中を見ただけだったが、

「──あなた方はもしや!」

 今回は違った。こちらを見つけるやいなや、玉座から立ち上がって表情を輝かせていた。

「ああ、やはりそうだ! 皆さん、よくこの城に立ち寄ってくれました」

 穂乃果の手を取って、頭を下げるパヴァン王。

「あの時の事……なんと感謝すればいいか」

「一国の王様が、そんな簡単に頭を下げない! シセルさん怒っちゃうよ!」

「ち、ちょっと愛ちゃん⁉︎」

 檄を飛ばした愛を、ポカンと見つめるパヴァン王。

「いやはや……ご立派な方々だ。その通りですね」

 パヴァン王は怒りを見せるでもなく苦笑すると、今度は屹立する。

「それで、アスカンタへはどのようなご用でいらっしゃったのですか?」

「実は──」

 色々な部分をぼかして、曜が“月影のハープ”を探している事を伝える。

「……なるほど。“月影のハープ”でしたら、確かに我が国にあります。古来より我がアスカンタに伝えられてきた、国の宝なのです」

「いわゆる、『国宝』ってヤツだ……」

「そんな気はしてたけど、やっぱりそのくらい貴重なモノだよね……」

 一国の王の口から『宝』と言われては、流石に腰が引けてしまう。

「──だが、他ならぬ皆さんの頼みとあらば。いいでしょう、ハープは差し上げます」

 そんな四人とは裏腹に、パヴァン王はにこやかに譲渡を申し出た。

「えっ、いいの⁉︎」

 あまりにあっさりとした物言いに、思わず声に出てしまう穂乃果。

「ええ、約束しましたから。あなた方の力になる、と。──さあ、ついてきて下さい。ハープは城の地下にある宝物庫に厳重に保管されていますから」

 先導する背中を見つめながら、改めて相手が『国王』である事を認識する。

 

 

 

 

「──な、なんて事だ……! これは、一体……⁉︎」

 宝物庫への扉を開けた瞬間、パヴァン王は悲痛な声を上げた。後ろを歩いていた穂乃果達も、その背中の隙間から様子を伺い察する。

 宝物庫、であったその部屋は、ただのがらんどうな空間でしかなかった。

 “月影のハープ”はおろか、金品の類いは何一つ見当たらない。

 見ると、部屋の奥にある石壁が崩れており、長々とした空洞が口を開けていた。どう見ても、自然発生ではない、人為的な穴だった。

「まさか、盗っ人が……⁉︎」

 穴を調べたパヴァン王は、膝から崩れ落ちる。が、

「……いや、こうしちゃいられない」

 拳を握ると、すぐに立ち上がる。こちらに向き直ると、

「……どうやら、“月影のハープ”は盗賊に盗まれてしまったようです」

 見れば分かる、と四人は頷く。

「多分奴らは、この抜け穴を通った先にいるはずです」

 それは分かる、と四人は頷く。

「この先は危険です。何が待ち構えているか分からない」

 それも分かる、と四人は頷く。

「皆さん、決してこの奥へは行かないで下さい」

 ん? と四人は頷きかけて止まる。

「これから城の兵を集め、必ずやハープを取り戻してみせます。ええ、必ず!」

 責任と決意に燃える瞳に、四人は納得。

「あなた方は、城で待っていて下さい!」

 言うが早いか、本人が城内へと戻っていく。

「…………どうする?」

「どうするって言われても……」

「とりあえず一旦戻ろうか」

「兵隊がいっぱいいるなら、それだけで心強いもんね」

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV23

はがねのつるぎ

鉄のむねあて

せいどうの盾

しっぷうのバンダナ

スライムピアス

 

・曜

LV22

鉄のオノ

せいどうのよろい

鉄の盾

サンゴのかみかざり

金のブレスレット

 

・愛

LV23

まどうしの杖

おどりこの服

キトンシールド

毛皮のフード

金のロザリオ

 

・千歌

LV23

ホーリーランス

レザーマント

騎士団の盾

スライムのかんむり

聖堂騎士団の指輪

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