スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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取り逃がすと探すのが大変で大変で……


第38話

 船を西へ走らせてすぐ、甲板にいた千歌が島影を発見した。

「曜ちゃん船長、島があるよ」

「どんな?」

「うーんとね、小っちゃいんだけど、無人島じゃないっぽい。お城が見える」

「お城?」

 曜が千歌の指差した方向を見ると、木々の隙間から石造りの建物が見えた。先端の尖った特徴的な形容の建物は、確かに城だった。

 よく見れば城から伸びる整備されたレンガの道と、そこへ繋がる立派な桟橋も確認できる。

「こんな小島にお城があるなんてね……初耳だわ」

「おやにこちゃん、休んでなくていいの?」

「……船内で穂乃果と愛と凛が、『探検だー!』ってはしゃぎ回ってるわ。見ているだけで疲れるし、巻き込まれたくない」

「あはは……」

 返す言葉が無い曜。

「で、どうすんのよ上陸するの?」

「うーん、にこちゃんはどうしたい?」

「質問に質問で返すんじゃないわよ……」

 にこは呆れると、曜を鋭く見上げた。

「いい? あんたは船長なんでしょ? だからここでの決定権は曜にある。自分で船長名乗ったんだから、そのくらいの責任は持ちなさい」

「にこちゃん……。──うん! 分かった!」

 元気よく頷いた曜は、桟橋へと船を近付ける。

「千歌、穂乃果達呼んできて。勝手に降りて後で文句言われたくないし。……放置してたら、にこ達置いたまま出航しそうだし」

「流石にそれはないと思うけど……呼んでくるね」

 

 

 桟橋へ降りた一行は、レンガの道を進み城の門扉を開ける。アスカンタやトロデーンほど立派で大きい造りではなく、入ってすぐ目の前に玉座が二つ。今は誰も座っていなかった。

 辺りには船乗りや商人が数人と、何人かの使用人。そして無害そうなスライムが一体。

 真っ先に六人に気が付いたスライムはピョンピョン近寄ってくると、

「あっ、こんにちは旅の人。もしかして王女様のお仕事手伝いに来てくれたの?」

 仕事?

 ここが何の場所なのかも知らない六人は、首を傾げる。

「あれ、違うの? でももしその気があるなら、お話だけでも聞いてあげて欲しいな!」

 そう言ってスライムは、二階に上がる階段を見やる。

 騒ぎが大きくなる事を懸念し、にこと凛は城の外へ出る。残った穂乃果達四人は階段を登ると、奥にあった部屋のドアをノックし開ける。その際廊下にいたメイドに、

「病人がいらっしゃいますから、お静かにお願いしますね」

 と釘を刺された。

「だってさ、ほのほの」

「あれ、穂乃果だけ⁉︎」

 

 

 部屋に入ると、中心に立派なベッドが鎮座していた。そこに誰かが横になっているのも見えた。そしてそのベッドの側で、少女が一人立っているのも。ワインレッドな髪の毛が、白いドレスによく映えている。

「迷惑をかけるなぁ、娘よ……。わしがこんな状態でなければ、お主に責務を負わせる事もないのに……」

「そんな事言わないで、パパ。それよりも病気を治すのを優先しなきゃ。それに、こう見えて私だってやる時はやるんだから」

 そこでふと、少女は後ろの気配に振り返る。

「ヴェッ……⁉︎ いつからそこに……?」

 可憐な見た目からは似つかない声が漏れたが、少女は軽く咳払い。

「……そ、それより……もしかして、旅の人?」

 穂乃果が頷くと、

「じゃあ、ちょっと手伝って欲しいんだけど……。ここじゃアレだし、下に来て。そこで話すから」

 少女はそう告げると、先に階段を下りていった。

「──旅の者」

 少女のあとをついて行こうとした四人に、ベッドに横たわる初老の男が声をかけた。

「王女は、若くして立派に王家の使命を果たそうと腐心しておる。こんな状態になってしまったわしに非があるのは分かっておるのだが……どうか、我が娘を助けてやってはくれぬか」

「任せて下さい!」

「ちょ……穂乃果ちゃん、せめて内容聞いてからにしようよ」

「最近はこの辺りを訪れる旅人も少なくて、頼める者もおらず……どうか頼みましたぞ──ゴホッ! ゴホッ!」

「うわわっ、大丈夫ですか?」

 

 

 しばらく安静に、とメイドに部屋を追い出されてしまったので、四人は改めて一階へ。そこで、先ほどの少女が玉座に座っていた。

「それじゃあ改めて。──私はメダル王女。代々、世界各地に散らばる“小さなメダル”を集めているの」

「“小さなメダル”?」

「そうよ。詳しい説明は省くけど、大昔に王家が保管していたものがとある拍子に世界中へ飛び散ってしまったの。……見た事ないかしら」

「あー、もしかしてコレ?」

 愛がカバンから取り出したのは、小ぶりな金貨だった。表面に星が象られており、シンプルながらも洗練されたデザインである事が窺える。

「そ、それよ!」

「愛ちゃん、どこで拾ったの?」

「んー覚えてない! 流通してるゴールドとは違うけど、作りがしっかりしてるからただの粗悪品じゃないって思って一応持っておいたの」

「愛ちゃん、意外と目利きの才能あるんだ……」

「コラー! 意外とはなんだ失礼だぞー!」

「ひゃー! ごめんなさ〜い!」

「えっと……」

 一瞬で置いてけぼりを食らった王女に、

「ああごめんごめん。じゃあハイこれ、どうぞ」

 愛は無造作にメダルを手渡す。

「あ、ありがと……。……ねぇ、これからももし旅の道中でメダルを見つけたら、持ってきてくれる?」

「え? うーんそれは……」

 思わず言葉を濁した穂乃果に、王女は慌てて言葉を続ける。

「あっ、勿論タダとは言わないわ。メダルを持ってきてくれれば、その数に応じてご褒美も用意するから!」

「?」

 それを聞いた穂乃果は、キョトンとしてから吹き出す。

「あは〜、そうじゃなくて、こんな小さいメダルを見つけられるか分からないなーって意味で……」

「えっ、あっ……は、早く言いなさいよっ」

 頬を赤く染めてそっぽを向いてしまう王女。

「──ね、名前教えてよ! 私は穂乃果! こっちは曜ちゃんで、こっちは千歌ちゃん! さっきメダル渡したのが愛ちゃんだよ!」

「何でそんな一々……」

 面倒そうな空気を滲ませた王女だったが、やがて小さな声で、

「──……真姫よ」

「じゃあよろしくね真姫ちゃん! 頑張って集めてくるからね!」

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV23

はがねのつるぎ

鉄のむねあて

せいどうの盾

しっぷうのバンダナ

スライムピアス

 

・曜

LV22

鉄のオノ

せいどうのよろい

鉄の盾

サンゴのかみかざり

金のブレスレット

 

・愛

LV23

まどうしの杖

おどりこの服

キトンシールド

毛皮のフード

金のロザリオ

 

・千歌

LV23

ホーリーランス

レザーマント

騎士団の盾

スライムのかんむり

聖堂騎士団の指輪

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