スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜 作:『シュウヤ』
[ザバンがあらわれた!]
「流れで戦う事になっちゃったけど……どうする?」
「やるしかないよ!」
もはや思考を巡らせたのかすら怪しいが、穂乃果は剣を構えて即答する。
「そういう事!」
愛も武器を構えたのを見て、曜も仕方ないと斧の柄を握った。
[穂乃果のこうげき! ザバンに11のダメージ!]
[曜のこうげき! ザバンに12のダメージ!]
[愛のこうげき! ザバンに10のダメージ!]
[ザバンのこうげき! 穂乃果は16のダメージを受けた!]
「ぐっ……結構強いよ……!」
「この洞窟の主だもんね……。一筋縄じゃいかないみたいだね……」
「なーに、このくらいの方が燃えるでしょ!」
今までのモンスターとは明らかに別格の強さに、三人は気を引き締める。
[ザバンは呪いの霧を巻き上げた!]
ザバンは、地面から得体の知れない黒い霧を穂乃果達に放った。
[呪いは穂乃果の前でかき消された!]
「……あれ?」
拍子抜けした穂乃果だったが、それもつかの間。
[曜は呪われた!]
[愛は呪われた!]
[曜は呪われて動けない!]
[愛は呪われて動けない!]
二人は霧にまとわりつかれ、身動きができなくなってしまった。
「二人とも、大丈夫⁉︎」
穂乃果の問いかけに、二人は答えない。だが、意識はあるようだった。
「ここは、穂乃果が頑張るしか……!」
[穂乃果は全身に力をためた! 穂乃果のテンションが5上がった!]
「……うう」
「何されたんだろ……」
「曜ちゃん! 愛ちゃん!」
呪いにまとわりつかれていた二人も、正気を取り戻す。
「あの攻撃には注意だね……」
「何でほのほのには効かないんだろ?」
「さあ……穂乃果にもさっぱり……」
疑問が拭えない三人だったが、ザバンは攻撃の手を緩めない。
[ザバンはギラをとなえた!]
[穂乃果に8のダメージ! 曜に9のダメージ! 愛に9のダメージ!]
「全体攻撃も使ってくるんだね……」
「よーし、こっちからも反撃だよ!」
[愛のこうげき! ザバンに12のダメージ!]
[曜はかぶとわりを放った! ザバンに13のダメージ! ザバンの守備力が7下がった!]
[穂乃果はかえんぎりを放った! ザバンに45のダメージ!]
「おっ? これは大ダメージ?」
「穂乃果のテンションが普通に戻った]
「力を溜めれば、その分与えるダメージは増えるんだよね。でも……」
「あの呪いの霧が厄介だねー」
[ザバンは呪いの霧を巻き上げた!]
「「「また来た!」」」
[呪いは穂乃果の前でかき消された!]
[曜は呪いを振り払った!]
[愛は呪われた!]
[愛は呪われて動けない!]
「今回は何とかなったけど……やっぱり、攻撃は穂乃果ちゃんに任せた方がいいかも……」
「……う、やれやれ……。……うん、あたしもその方がいいと思う」
呪いから解放された愛も、頷く。
「分かった。任せて!」
[穂乃果は全身に力をためた! 穂乃果のテンションが5上がった!]
[ザバンはするどいツメを振り下ろした! 穂乃果は21のダメージを受けた!]
[曜は薬草を使った。穂乃果の体力が29回復した]
「ありがとう曜ちゃん!」
「どういたしまして」
顔だけ曜に向けた穂乃果に、曜は敬礼。
「よっしゃ、行っちゃえほのほの!」
「任せて!」
[穂乃果はかえんぎりを放った! ザバンに49のダメージ! ザバンを倒した!]
[ザバンをやっつけた!]
「おっ……?」
穂乃果の渾身の一撃は、ザバンに大きなダメージを与えた。
「痛たた……。頭の古傷が痛むわい!」
ザバンは額の傷を押さえながら、苦しそうに呟く。
「それもこれも、お前のせいじゃぞ!」
そして、穂乃果達を睨む。
「えーっと……その、何の事?」
「詳しく教えて欲しいんだけど……」
「……何? 何の事だか分からないとな?」
少しは頭の血が引いたのか、ザバンは微妙な表情を浮かべる三人を見やる。
「むむむむ……。さてはおぬしら……水晶の本当の持ち主ではないな⁉︎ え〜い、みなまで言うな!」
そして、頭を抱えて叫んだ。
「あ、バレちゃった……」
「ほのほのが正直過ぎるから」
「え、穂乃果のせいなの⁉︎」
嘘がバレてまた襲いかかってくるかもと身構えた三人だったが、
「わしの偉大なる攻撃を受け付けぬその体質! お前、水晶使いの占い師ではなかろう」
暴れてスッキリしたのかザバンは意外にも冷静だった。
「……そういえば、水の流れに乗ってこんなウワサを耳にしたぞ? トロデーンという城が、呪いによって一瞬のうちにイバラに包まれた。ただ一人の生き残りを残して、な」
そう言ってザバンは、穂乃果を見据える。つられて、曜と愛も横を見る。
「そうか……。やはりおぬしがそうであったか」
「……どういう事?」
「あたしにもよく分かんない」
穂乃果の事情を詳しくは知らない二人は、話に置いてけぼりを食らう。
「いやー、穂乃果も何が何だか」
そして何よりも、当の本人がよく分かっていなかった。
「そのおぬしが、なにゆえこの水晶を求めるか分からぬが……。水晶はおぬしにくれてやろう。このわしに勝ったのだからな」
「え、くれるの?」
差し出された水晶玉を、穂乃果は受け取った。
[穂乃果は水晶玉を手に入れた!]
用は済んだとばかりに滝の中へと戻ろうとしたザバンは、思い出したように振り向くと、
「それから、最後に一つ。もしお前が水晶の本当の持ち主に会う事があったら伝えてくれい!」
「何を?」
「むやみやたらと滝壺に物を投げ捨てるでない! とな」
物凄く怒りのこもった言葉。適当な反応をしたらまた戦いを挑まれそうな気がして、
「う、うん、分かった……」
穂乃果は素直に頷いた。
「ではさらばじゃ……い、痛た、た……。頭の古傷が痛むわい……」
最後は苦しそうに、ザバンは滝の中へと姿を消した。
色々ポカンとした三人だったが、手元には目的だった水晶玉が。
「あのザバンってモンスターが色々言ってたけど、穂乃果ちゃんも結局の所よく分からないんだよね?」
「うーん、私だけ無事だったんだよねー。何でだろ?」
「本人が分からないんじゃ、どうしようもないよね〜」
「そうだそうだ! 考えても仕方ない!」
「いや、そんな思考放棄を得意げに言われても……」
「とにかく、目的の水晶玉はゲットできたんだし、にこちゃん達の所へ戻ろ!」
洞窟の外へと出た穂乃果達は、
「あ、戻ってきたわね」
そこで待っていたにこと凛と合流した。
洞窟内での顛末を話すと、
「ふーん。そんな事があったのね。そのザバンとかいうモンスター、魔物のくせに私達の事を知ってるとは意外ね。こんな陰気な洞窟に引きこもってるってのに」
「陰気じゃない洞窟があったら、見てみたいにゃ」
「うっさいわよ」
凛をひと睨みしてから、にこは伸びをする。
「さ、じゃあトラペッタに戻って、ドルマゲスの行方を占ってもらいましょうか。せっかく苦労して手に入れたんだし、それ相応の結果は欲しいわよね」
「にこちゃん待ってただけじゃん!」
「あのザバン、結構手強かったよ〜」
「いやー、愛さん頑張った!」
集中砲火。
「…………街で姿出せないんだから、そのくらいいいじゃないのよ」
正論なので言い返せなかったにこは、少しだけいじけてぼやいた。
「にこちゃん、労ってあげるにゃ。酷いにゃ」
「アンタはこっち側でしょうが!」
・穂乃果
LV9
どうのつるぎ
たびびとの服
皮の盾
バンダナ
ーーー
・曜
LV9
石のオノ
布の服
皮の盾
皮のぼうし
ーーー
・愛
LV8
ブロンズナイフ
布の服
皮の盾
皮のぼうし
ーーー