スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜 作:『シュウヤ』
ベルガラックへやって来た一行は、入り口すぐ近くを歩いていた好意的な青年に話しかけられた。
「旅人さんかい? ようこそ、カジノの街ベルガラックへ! ──と、言いたい所なんだけど……今は訳あって、カジノは休業中なんだよね……」
「カジノが休業中?」
その話に千歌は眉根を寄せた。
「聞いた話なら、カジノは年中無休で営業してたはず。理由も無しに閉まるなんて、あり得ないと思うんだけど……」
「なーんかドルマゲスが無関係とは、思えない感じ……」
「もうちょっと聞き込みしてみよう!」
街を歩きながら、四人は散開してそれぞれ住人に話を聞いて回る。前を通ったが、『CASINO』と書かれた煌びやかな看板も今は灯りを消し、門扉も硬く閉ざされていた。
「カジノの経営者はギャリングさんっていうんだけどね。その人の命令で、突如カジノを閉める事になっちまったんだよ」
「ギャリングってのは見た目は熊みたいに厳つい大男で、実際腕っぷしもそこらの兵士なんかよりずっと強かったんだがね、根は優しいヤツなんじゃよ」
「キャリングさんには、二人の子供がいてね。と言っても、血は繋がってないんだ。教会の前に捨てられていたのを、拾って育て上げたのさ」
「あれはカジノが閉まる前日だったね……。なんと、ギャリングさんのお屋敷に強盗が押し入ったのさ! よりにもよって、あのキャリングさんのお屋敷を選ぶとはね……。捕まえられなかったけど、強盗はほうほうの体で街の外へ逃げたそうだよ」
「カジノ閉鎖の命令から、ギャリングさんは屋敷から出てこなくてね……。強盗との争いで怪我して寝込んでるんじゃないかって噂だよ」
「せっかく休暇を取ってベルガラックまで来たのに……間が悪いったらないわ」
「ギャリングさんの子供は双子なんだが、血縁関係は無いって聞いたかい? 幼い頃は仲良しだったんだが、最近はどうも不仲でね……。より本当の親子として認められたい、って気持ちがあるのかもしれないね……」
「そういえばギャリングのヤツ、自分が生きている限り世界の平和は約束される、とか言ってたな。大した自信だよなまったく」
「私の友人はギャリング様のボディーガードをしていましてね。この前挨拶に来たんですよ。まるで、今生の別れみたいな口調で闇の遺跡へ行ってくると言ってましたね」
「人を探してる? ドルマゲス……すまん、聞いた事ないな。もしかしたら、ホテルのオーナーなら知ってるかもしれないぞ」
再度合流した四人は、情報を共有。満場一致でホテルへと向かった。
カウンターで訊いてみたが、オーナーは不在。仕方なくホテル内で情報収集、と歩いていると、
「──さあ、そろそろ話して下さいよ。あの日、本当は何があったのかを」
曲がり角のすぐ先で、話し声が聞こえた。思わず足を止めた四人は、壁に張り付いて聞き耳を立てる。
「……むう、仕方ないな……。絶対に、誰にも言わないでくれよ? オレが漏らしたなんて知れたら……」
「絶対に口外しません。ホテルのオーナーですから。守秘義務には慣れてます」
「分かった分かった。デカい声出すなって。──あの日ギャリング様の屋敷に、強盗が押し入ったのは知ってるよな?」
「ええ、ギャリング様と抗争になり、命からがら逃げ出したと……」
「それは嘘なんだ。──実はな、あの時の強盗にギャリング様は殺されてしまったんだ」
「っ⁉︎」
「ええっ⁉︎ ギャリング様が殺された⁉︎」
「バッカお前! 声! ……ギャリング様が屋敷から出てこないのは、もう死んでこの世にいないからだよ」
「そ、その強盗は何者なんですか……? あのお強いギャリング様を殺してしまうなんて……」
「オレもその場にいた訳じゃないから詳しい事は分からんが、その強盗は道化師の格好をしていたそうだ」
「道化師の格好をした強盗ですか……。なんとも珍妙な……」
「ああ、そうなんだよな。実はその強盗、金目の物には一切手をつけず、ギャリング様を殺してすぐ出て行ったそうだ。まあ、騒ぎを聞きつけてすぐにボディーガードが駆けつけたから逃げたんだろうが……。まるで、最初からギャリング様を殺すのが目的だったんじゃないかって言われてるみたいだぜ?」
「そんな物騒な話がこの街で起きるなんて……」
「そんでな? 敵討ちの為にご子息の二人が追っ手を放ったらしいんだ。詳しくは知らんが、ここからさらに北西の方にある島らしい」
「あ、あわわわ……。こりゃとんでもない話を聞いてしまいました……。この事は、口が裂けても人には言えませんね……」
「頼むぞ。秘密にしているのは、パニックを避ける為だろう。いつまで隠し通せるかは分からんがな……」
そこまで話を盗み聞きした四人は、静かにその場を離れる。
「……とんでもない話が聞けちゃったねぇ」
「また助けられなかったんだ……。どうしても、一歩先を越される……」
すでに犠牲者が出てしまっている事に意気消沈する一行だったが、ふと、愛が首を傾げる。
「そもそもさ、ドルマゲスは何で人を殺して回ってるの?」
「う? た、確かに……」
「無差別の愉快犯じゃないよね。ベルガラックで他に殺された人はいないみたいだし、知ってる範囲だと、現在は四人」
「マスター・ライラス、サーベルト兄さん、オディロ院長、そしてここのギャリングさん……」
「にこにーが殺されそうになった時はあったけど、それは一旦置いといて……。恐らくだけど、この四人は知り合いじゃないっぽいよねー。だから共通点が分かんない……」
「トロデーン城とにこちゃん凛ちゃんに呪いをかけて、共通点の無い人を殺す……。ドルマゲスの目的って、一旦何なんだろ……」
一通り情報を聞き出した四人がホテルの入り口へ戻ると、先ほど立ち話をしていたホテルのオーナーが素知らぬ顔でカウンターに立っていた。
「ふむ……」
当然、それを見逃す訳もなく。愛を先頭にカウンターへ歩み寄っていく。
「オーナーさん、さっきの立ち話の詳細を知りたいんだけど、いいかな?」
「ああ、さっきの話です……ね……って、あわわわわ!」
見るからに慌てたオーナーは、努めて平静にカウンターを回り込んでくるとさり気なく耳打ち。
「そ、その話をどこで……って、そんな事より! もし私が情報を漏らしたとバレたら大変な事になってしまいます……! だからどうか、黙っていて下さい……!」
「そう言われてもな……」
「もし黙っていてくれるなら、私が色んな筋から集めた情報をお教えしますから! ねっ、それで手を打ちましょう?」
「内容次第かな〜」
「う、むむむ……では聞いて下さい。──殺害されたギャリング様の敵討ちの為、双子のご子息が追っ手を放ったそうです。向かったのは、ベルガラック北にある島。その島には、邪教の神殿の遺跡が存在し、闇の儀式を行う者が赴く場所だとか……」
半分以上がすでに聞いた内容だったが、最後の一つだけは初耳だった。
「なるほどね〜。情報ありがとオーナーさん。でも、守秘義務は守った方がいいよ?」
「そ、それを言われると……」
「安心しなって。別に言いふらしたりはしないからさ」
オーナーの心労弄んだ愛は、悪そうな笑みで手を振った。
「……さて、犯人は十中八九ドルマゲスだと思うけど、北西にある怪し〜い島にいるっぽいね」
「……行こう! もう逃がしちゃダメだもん!」
「その言葉、待ってたよほのほの」
「仮称、闇の遺跡! 向かってみよう!」
・穂乃果
LV25
はがねのつるぎ
鉄のむねあて
ライトシールド
しっぷうのバンダナ
スライムピアス
・曜
LV24
鉄のオノ
せいどうのよろい
鉄の盾
サンゴのかみかざり
金のブレスレット
・愛
LV25
まどうしの杖
おどりこの服
ホワイトシールド
銀のかみかざり
金のロザリオ
・千歌
LV25
ホーリーランス
鉄のよろい
ライトシールド
スライムのかんむり
聖堂騎士団の指輪