スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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「いよいよラスボスか……」って思ってました。


第42話

 海辺の教会から出航した穂乃果達は、北西を目指す。

「でもさー、変じゃない?」

「何が?」

 前方を見ていた愛が、ぽつりと呟く。

「サーベルトってマリーのお兄さんも、さっきのギャリングって人も、かなり強い人だったんでしょ? 実際にアタシ達も一回対峙したけど、ドルマゲスはとんでもない強敵なのは間違いない。それなのに、ちょっとお屋敷の追っ手に追いかけられただけで逃げちゃうなんておかしいと思わない?」

「確かに……」

「罠かもしれないけど……なんとなく、違う気もする」

「こっちなんて眼中にないって感じしたもんね」

「だから考えられるのは、元々その島に目的があったか、ドルマゲス本人に何かイレギュラーが生じたか」

「そのまま病気になって倒れてくれたら、話は簡単なのにねぇ」

「冗談じゃないわよ! 確実にこの手でとっちめないと気が収まらないわ!」

「戦うとしたら、私達なんだけどなぁ……」

 

 

 

 

 北西の孤島に上陸した穂乃果達は、辺りを見渡してみる。

「思ったより大きい島だね」

「開拓すれば、ちょっとした集落なら築けそうではあるけど……」

「できなかったんだろうね……」

 地面は、雑草一本生えない乾いた黄土色の土。朽ちかけた樹木が散見されるが、生命力は感じられない。建物らしき残骸も見受けられるが、すでにその機能は果たしていない。

「まさに不毛の土地、って感じか」

「大陸からちょっと離れただけで、こんなになるものなのかな……」

「あるいは、噂に聞く邪教の呪い、かもね」

 愛が見上げた先には、一つだけ残る建物。坂を登った先、島でも一際高い位置に構えるそれは、崖をくり抜くように造られている為全容は分からない。だが、気分が悪くなりそうな暗黒の霧がその周囲にだけ立ち込めている。

 

 

 四人が闇の遺跡に近づくと、

「…………」

 背の高い人影が、ちょうど入り口へと向かっていく最中だった。その後ろ姿は、

「あ、れは……!」

 思わず剣を抜く穂乃果。ずっと追い求めてきた、忘れもしないその姿。

「ドルマゲス……!」

 剣を構え、強く地面を蹴る穂乃果。

「あ、ちょっ、穂乃果ちゃん⁉︎」

「…………」

 向かってくる穂乃果に気付くドルマゲスだったが、一切慌てる様子もなく下卑た笑みを浮かべながら暗い霧が渦巻く遺跡の中へと消えていった。

「逃がさない……!」

 追いかけるように、穂乃果も遺跡へと突入。

 まとわりつく霧の不快さに顔をしかめながらも、暗闇を駆け抜ける。

「! 出口!」

 さほどかからず漏れ出る光を見つけた穂乃果は、勢いよくそこへ飛び出す。

「ドルマゲス……!」

「うひゃああああああっ⁉︎」

 そこに立っていた人影へ剣を振りかぶるが、聞き覚えのある声に慌ててブレーキ。

「あ、あれ……?」

 そこは、遺跡の入り口。つい先ほど、穂乃果が突入した場所だった。

「な、何してんのほのほの。いきなり飛び出してきて千歌を襲うなんて」

「死ぬかと思った!」

「ご、ごめん千歌ちゃん!」

 他意は無いと急いで武器をしまう穂乃果。それから改めて振り返る。

「今……穂乃果はこの中に入ったんだよね?」

「うん。でもすぐに飛び出してきたよね」

「何で……? 真っ直ぐ走ってたのに……」

 もう一度今度は全員で行ってみよう、という提案で、四人は全方位を警戒しながらゆっくりと中に入る。

 相変わらずの暗闇で何も見えないが、敵の気配もない。

 

 

「──ダメだ」

 固まって直進していたはずの四人だったが、気付けばまた入り口へと戻っていた。多少進行方向が曲がったとしても、Uターンはありえない。

「ドルマゲスが、何か仕掛けたって事……?」

「そうとしか思えないよね……」

「すぐ近くにいるはずなのに……!」

「もどかしいなぁ……」

 その時ふと、建物の影に人影を見つけた。

「──君たちは、旅人かい? あの道化師に何かされたクチかね?」

 武装した集団とそのワードで、すぐにピンとくる。

「あ、ギャリングさんとこの追っ手?」

「ああ、そうだ。君たちが先に突っ込んでいくのを見て、我々も意を決してやって来たのだが……一体何が起こったのか説明してもらえないか?」

「説明って言われてもな……」

 体験した穂乃果達でさえ、現象を把握できていないのだ。とりあえず分かっている事実を伝えると、

「なるほど……。聞いた事があるぞ。ここはかつて、邪教徒が闇の儀式を行う為の神殿だったと。そして闇を増幅させる場所だと。あの道化師が持つ禍々しいオーラは、まさしく邪教のモノ……。遺跡の力を借りて、暗闇の結界を張ったのやもしれんな……」

「暗闇の結界……」

「この結界を破らなければ、遺跡の中へは入れず道化師を追い詰める事もできないか……。厄介だな……。しかし、闇か……。闇……、闇……?」

 男は思案顔だったが、ふと何かを思い出したかのように顔を上げた。

「そういえば、サザンビークの王家には闇を祓う魔法の鏡が伝わっていると聞いた事がある。その鏡を使えば、あるいは……」

「サザンビークの魔法の鏡……」

「いやしかし、王家と何の関わりもない我々が出向いたところで、相手にしてくれるかどうか……。それにここで道化師が逃げ出さないか見張る必要もあるな……。しかし遣いを出さなければ状況は変わらん……」

 どう指示を出すか悩む男に、愛が一歩進み出る。

「あ、じゃあさ、アタシ達がサザンビークに行ってくるよ。その間、ここでドルマゲスが逃げ出さないか見張ってて」

「む……そうか? そうしてくれると我々も助かるが……」

「任せて! ドルマゲスをとっちめる目的は同じなんだから!」

「ではお願いする。──サザンビーク城は、ベルガラックと同じ大陸、その遥か南東にある。首尾よく手に入る事を祈ってるよ」

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV25

はがねのつるぎ

鉄のむねあて

ライトシールド

しっぷうのバンダナ

スライムピアス

 

・曜

LV24

鉄のオノ

せいどうのよろい

鉄の盾

サンゴのかみかざり

金のブレスレット

 

・愛

LV25

まどうしの杖

おどりこの服

ホワイトシールド

銀のかみかざり

金のロザリオ

 

・千歌

LV25

ホーリーランス

鉄のよろい

ライトシールド

スライムのかんむり

聖堂騎士団の指輪

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