スクスタクエスト〜空と海と大地と呪われしYAZAWA〜   作:『シュウヤ』

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訪れなくてもいい場所なので、初見で終盤まで気付きませんでした。


第43話

 一度ベルガラックへ戻った一行は、地図を取り出して場所を確認する。

「今いる西の大陸の上側が、ベルガラック地方。それでその下に位置するのが、サザンビーク国領だね」

 曜が地図の二ヶ所を、丸く指で囲う。

「うわ〜、サザンビークって広いんだねぇ〜」

 穂乃果が驚嘆の声を上げた通り、面積で言えばベルガラック地方の倍、西の大陸全体で見ても半分近くを占める大きさだった。

「こんな広い土地を治める王様に会いに行くのかぁ……。ちょっと緊張してきた」

「大丈夫だって! 穂乃果達にも王族の知り合いいるもん!」

 確かにそうだと思い直した一行は、気持ち新たに出発する。

 

 

 

 

 だがベルガラックを出発してすぐ、丘の上へと続く道を発見する。

「サザンビークへ続く道じゃ……ないよね?」

「うん、違うね。地図にも詳細載ってない」

 地図を確認した曜だったが、首を横に振る。

 丘の上には何かしらの建造物が確認できるが、下の位置からでは判別はできない。

「……ちょっと行ってみない?」

 どう見てもウズウズを抑えきれていない穂乃果に、にこはため息。

「どうせダメって言っても行くんでしょ」

「行かないよ。行かないけど、にこちゃんとはしばらく口きかない!」

「それは従うって言わないわよ」

 

 

 丘へ続く坂道を登ると、建物の実態も明らかに。それは、

「……キラーパンサー?」

 この辺りに生息するモンスターを象った、インパクトの強い見た目をしていた。

「は〜……これはまた派手な建物ね……。一体どんなヤツが住んでるのかしら……」

「入り口の前に誰か立ってるね」

 ひとまずそちらへ向かってみると、

「──ちゅーん!」

 謎の掛け声で呼び止められた。

「うわ、これは絶対関わったらダメな相手よ」

「にこちゃんの見た目で言われると説得力が……」

「……何か言った?」

「いえ何も」

「──よく来ましたね! ここはキラーパンサーの親、花陽ちゃんのお屋敷──通称ラパンハウスです!」

 扉の前に立つ人物は、胸を張ってそう答えた。

「あーなるほど。『キラーパンサー』を略して『ラパン』なのか」

「私はここに暮らすことりと言います! あなた達も花陽ちゃんに会いに来たの?」

 ことりと名乗った少女の問いに、穂乃果達は顔を見合わせる。そのつもりは無かったが、敵意はなさそうだし明らかに奇異な人物には好奇心が勝る。

「えっと……はい」

「なるほどなるほど! ──でもそう簡単にはいきません! 花陽ちゃんはとっても忙しいの。誰かれ構わず会う事はできません!」

「えぇ……」

 訊いておいて門前払いかと思われたが、

「なので、あなた達を花陽ちゃんに会わせてもいい人かどうか私が面接して判断します! 正直な気持ちを、ぶつけて下さい!」

 ことりはそう続けた。

「あ、なるほど」

「え、面接ってこの場でやるの?」

「──最初の質問っ!」

「聞いてないし……」

 戸惑う一行には一切構わず、ことりは面接を開始する。

「──雨の夜です。あなたが家路を急いでいると、足元から子猫の鳴き声が。子猫は冷たい雨に濡れています。しかし、あなたが一緒に暮らす家族はみんな猫が大の苦手。さて、あなたはその子猫をどうしますか?」

 

 

「…………心理テスト?」

「さあ答えて下さいっ!」

 一同は顔を寄せると、

「……どうする?」

「選択肢としては、見捨てるか、説得するかのどっちかって感じかな?」

「そりゃ助けるよ!」

「でもほのほのだって、ピーマンと暮らそうって言われたら嫌じゃない?」

「それどういう状況……?」

「う、むむむ……。──でもやっぱり放っとけない! 子猫を連れて帰って、家族を説得する! そして一緒に暮らす!」

 ピーマンを乗り越えた穂乃果は、立ち上がって高々と宣言。

「なるほどなるほど。──二番目の質問っ!」

「あ、まだあるんだ」

「──あなたは、ある王様の家来です。今日は王様と狩りに出掛けましたが、中々獲物が見つかりません。そんな時、あなたは森の中でワナにかかったトラを発見しました。王様はそのトラに気付いていません。さて、あなたはどうしますか?」

 

 

「……やっぱり心理テスト?」

「さあ答えて下さいっ!」

 ツッコミは無用だと判断し、再び相談。

「今回の選択肢としては、王様に教えるか、コッソリ逃がすかのどっちかかな?」

「王様に教えたら、そのトラどうなっちゃうのかな」

「まあ、狩りしてるんだから殺しちゃうよね」

「それはダメだよ!」

「じゃあもし、目の前に倒れる寸前のメタルスライムがいたら?」

「…………も、モンスターと動物は違うもん!」

「今、結構迷ったね〜」

「と、とにかく! ──王様に秘密でトラを逃がす! 代わりにメタルスライム倒す!」

「引っ張られてる引っ張られてる」

「なるほどなるほど」

 ことりは腕を組むと、

「──最後の質問っ!」

「……もう良くない?」

「──あなたは旅人です。旅の途中、一頭のキラーパンサーがあなたに襲いかかってきました。あなたはそのキラーパンサーに勝ちました。しかし、キラーパンサーは仲間になりたそうにあなたを見ています。さて、あなたはどうしますか?」

 

 

「……急に具体的な質問だね」

「さあ答えて下さいっ!」

 つい流れで顔を寄せ合ったが、全員結論はほぼ決まっていた。

「そりゃあ勿論、仲間にする! 一緒に戦ってくれたら心強いもん!」

「なるほどなるほど」

 ことりは意味深に頷き、それからビシッと指差した。

「──合格ですっ!」

「お、やった〜」

「良くも悪くも正直者な性格……とても素敵だと思いますっ! あなた達みたいに真っ直ぐな人なら、花陽ちゃんに会わせてあげましょう! さあ、どうぞ」

 ことりは一歩横にずれると、笑顔で扉を手で示した。

「なんだかよく分からないけど……せっかく通してくれたんだから行ってみよっか」

 いまいち状況が飲み込めていないまま、念の為にこと凛をその場に残して四人は建物の中に入る。

 

 

 

 

 

「うわ」

 中に入ると、まず左右に大きな檻。どちらにも獰猛そうなキラーパンサーが歩き回っていた。そして正面に、立派なデスクと小柄な人影。おそらく、ことりが話していた花陽なる人物。

「……?」

 その花陽は、四人の珍入者に驚いた顔を見せた。

「ことりちゃん……じゃない? ことりちゃんが中に人を通すなんて珍しいなぁ」

「こんにちは〜。あなたがキラーパンサーの親っていう花陽ちゃん?」

「あ、もう聞いてるんだね。──そうだよ。私が『キラーパンサーを愛する会』の会長、花陽です」

「おおっ! なんかよく分かんないけど凄い!」

 勝手に興奮し花陽の手を握る穂乃果。

「あ、ありがとう……。親云々は、自分から名乗った訳じゃないんだけどね。会長してたら、いつの間にかそう呼ばれてただけで」

「でも凄いよ!」

 よく理解していないまま、花陽の手をブンブン振る穂乃果。

「ほーらその辺にしないと。困ってるじゃん」

 それを愛が引き剥がすと、チラッとデスクに積まれた書類を見やる。

「忙しい? お邪魔だった?」

「あ、えっと……その事で、ちょっとお話が。あなた方は、旅人さんですか?」

 花陽はペンを一度置くと、四人に向き直った。

「その澄み切った眼差し……確かに悪い人ではなさそう。──もしかしたら……」

 花陽は何やら独り言を呟くと、

「一つ、話を聞いて下さい」

 そう切り出した。

「──実は、昔馴染みのお友達がある場所で道に迷っているんです。本来なら、私が出向いてあの子を導いてあげたいんですけど……見ての通りで」

 花陽はデスクに積まれた膨大な書類に視線を落とす。

「そこで、あなた方にお友達の道案内の役目を果たして欲しいんです。きっとあの子も……」

「分かった!」

「私の頼みを引き受けてくれませ……えっ?」

「まーたほのほののお人好しが炸裂しちゃった」

 目を丸くした花陽を見て、愛は肩をすくめる。

「ま、それが穂乃果ちゃんだし!」

「穂乃果ちゃんが言わなくても、チカが引き受けてたもん!」

 すっかり乗り気な四人に、花陽はワンテンポ遅れて頭を下げる。

「あ、ありがとうございます!」

「それで、詳しくは何をすればいいの?」

 すると花陽はデスクの引き出しから何かを取り出した。

「この地方には、明け方にしか見えない不思議な木があるの。私のお友達は、その木の近くで迷子になってるはず。そこに行って、これを渡して欲しいんです」

 

[穂乃果は《深き眠りのこな》を手に入れた]

 

「これは……?」

「とっても聡明だから、それを渡すだけで自分の道を見つけられると思うの。大変かもしれないけど、お願いします」

 

 

 

 

 

 

・穂乃果

LV25

はがねのつるぎ

鉄のむねあて

ライトシールド

しっぷうのバンダナ

スライムピアス

 

・曜

LV24

鉄のオノ

せいどうのよろい

鉄の盾

サンゴのかみかざり

金のブレスレット

 

・愛

LV25

まどうしの杖

おどりこの服

ホワイトシールド

銀のかみかざり

金のロザリオ

 

・千歌

LV25

ホーリーランス

鉄のよろい

ライトシールド

スライムのかんむり

聖堂騎士団の指輪

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