前話の内容は元々メイブがフェルグスを雇ってミハルと戦わせようと思ったのですがそれだと勝つためにミハルが魔法を使わないといけなくなるのでやられ役のモブキャラを使いました。まぁ、やられ役と言っても3対1ではなく4体1だった場合ミハルは魔法で身体機能を上げてギリギリ勝利位の実力の持ち主たちです
それはともかくどうぞ
「う、うーん」
暗闇に沈んだ意識が戻るミハル
「…目が覚めたのね」
「っん、あれ?忍さん」
起きると目の前に座っていた忍が声をかけてくる。するとミハルは自分がベッドに縛り付けられていることに気づいた
「…あの、コレは一体…?」
「ごめんなさい、すずかを助けてくれた貴方にこんな事をするのは心苦しいのだけれど…」
申し訳なさそうな顔をする忍を見ながら周りを確認するミハル
「(どこだ此処?)えっと、それはいいんですけど。俺が気を失った後ここに運ばれるまで何があったのか教えてくれますか?」
「…そうね。先ずはそこから話しましょう――――」
「ミハルさん!起きて!ミハルさん!!!」
気を失ったミハルの方を抱き必死に呼びかけるすずか。ミハルの脇腹から服が赤くしみていく。すると幾つかある扉の1つからノエルと恭弥が飛び込んでくる
「すずかお嬢様!ミハル様!ご無事ですか!!?」
「ノエル!、恭弥さん!」
「すずかちゃん、よかった無事で…っ!ミハル!」
2人を見つけ安心した顔をしたが、すずかの隣で横たわり血を流すミハルを見てすぐに駆け寄る
(腹部からの出血…、よかった内蔵にダメージは無い。すぐに手当をすれば助かる)
「きょ、恭弥さん。ミハルさんは…」
「大丈夫、命に別状はないよ」
不安な顔をしているすずかに優しく声をかけながら上着を脱ぐとミハルの腹に巻き簡易的な包帯にする
「恭弥様、月村海斗様を見つけました。どう致しましょう」
「連れていく。ここで何があったか聞かなければならないからな」
「分かりました」
軽く頷きノエルは倒れている海斗を片手で軽々と持ち上げる。恭弥もすずかを背負いながらミハルを抱き上げ建物から脱出する
「恭弥さん実は…ミハルさんに秘密が…」
「……そうか、その事については忍に任せるしかないな。ノエル!目的地を変更だ、月村邸に行くぞ」
「了解しました恭弥様」
「―――そしてミハル君はそのままここに運び込まれたのよ」
「そうですか、じゃあすずかちゃんも無事なんですね。良かった」
忍の説明に安堵の息をはくミハル。忍は話を次に進める
「安心してくれたみたいだし本題に入りましょう。…ミハル君。あなたは私とすずかの秘密を、『夜の一族』について知ったのね?」
「…はい、海斗…でしたっけ?あの人が話しました2人は吸血鬼だって」
質問に答えると忍は天井を見上げ大きく息を吐くと再びミハルを見つめる
「そうよ。私とすずかは人の血を吸う吸血鬼なの、普段は輸血用の血液で誤魔化しているけどね。」
「じゃあ、俊さんや春菜さんも吸血鬼なんですか?」
「いいえ、私たちはどちらかと言うと先祖返りね父さんと母さんは普通の人間よ…」
少しの静寂、口を開いたのは忍だった
「吸血鬼にはもし一般人に正体を知られた時にその人間の記憶を消す術があるわ。本当なら気を失っている間にあなたの記憶を消しておくつもりだったんだけど…」
「…けど?」
「すずかが言っていたの、あなたが海斗おじ様を殴る前に『狼人間』の知り合いがいると言ったそうね?」
「ええ、そうですけど…?」
忍の話の要領を得ないミハルは首をかしげながら答える。
「そう、ミハル君。あなたも秘密を知る人だったのね」
「へ?」
1人で納得する忍に間抜けな声を出すミハル
「隠す必要は無いはさわよ。私は吸血鬼、あなたは人狼と関わりを持っている人間」
「あの…」
「本当なら記憶を消すのだけど秘密を知るもの同士なら下手に隠す必要も無いものね。今日はよく眠るといいわ」
忍は1人で話を切り上げ立ち上がると部屋を出ていった。残されたミハルはしばらく呆然としていた
「……とりあえず、用が終わったならこの拘束外して欲しかったな」
1人になった部屋でそんな事を口にするのだった
「終わったのか?」
部屋を出た忍は壁に背中を預けた恭弥に話しかけられる
「ええ、すずかの言ったとうりミハル君も秘密を知る人間だったわ」
「そうか」
壁から離れ忍と歩きながら話を続ける
「記憶は消したのか?」
「いいえ、多分消したとしてもミハル君なら記憶が消えていることに気づくと思う。なら互いに秘密を共有した方が探られることを気にしなくてすむわ」
廊下を歩きながら会話をする2人。廊下には2人の足音がコツコツと響く
「それじゃあ記憶を消さなかったのならどうするんだ?生涯連れ添うとは言ってもミハルはまだ小学生だ。俺のように簡単に決めれるものじゃないだろ?」
「…今回は相手も秘密を持つ者だったからそこまでする必要はないでしょう。…まぁ、もしすずかが望むのなら手助けぐらいしなくもないけど」
フフ、と楽しそうに笑う忍を見つめる恭弥
「珍しいな忍。随分とミハルに優しいじゃないか」
「…そうね。多分ミハル君の知り合いが人狼だったからかしら。少しだけ親近感があったのかもしれないわね」
翌日、ミハルは傷の様子を見るために目覚めた場所、月村邸から海鳴大学病院に入院することになった
「約1ヶ月……、残りの夏休み丸潰れだな」
医者から言われた入院期間を口に出しながらミハルは服越しに腹に巻かれた包帯を触っていた
「宿題の方は面倒なのは終わってるし残りも見舞いに来てくれた士郎さん達が持ってきてくれたから問題はなさそうだけど……暇だ。………よし」
するとミハルはベットから降りて病室を出る
「いくら何でもあの部屋にずっといたらキツいしな」
そう言いながら病院を探索するミハル
「きゃ!」
「うおっと!」
しばらく歩いていると廊下の曲がり角で車椅子とぶつかり、相手が椅子から倒れそうになるが咄嗟にミハルが体を支える
「っう…、あ!す、すいません!怪我はしてないですか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。ごめんねちゃんと前を見てなかった俺のせいだ」
互いに謝りながらミハルは相手の少女を車椅子に座らせる
「これ君の?」
そう言いながら床に落ちた数冊の本に目線を向けるミハル
「あ、そうです。んッ。」
「いいよ、俺が原因だしね」
そう言い少女は拾おうとするが車椅子では届かずミハルが代わりに拾う。拾った本を手で払いながら表紙を見る。子供向けの本や少し難しい小説と内容は多岐にわたった
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます。あの、お名前は…?」
「名前?俺の名前は「あ!いたいたはやてちゃん!」――ん?」
聞かれ名前を応えようとすると少女の後ろから白衣を着た女性が歩いてきた
「あ、石田先生」
「ごめんなさい、待たせちゃって。あら、君は?」
石田先生と呼ばれた女性は一緒にいたミハルを見て声をかける
「その、さっきこの人とぶつかって倒れそになったのを助けてもらって。落とした本も拾うのも手伝ってくれたんです」
「あらそうなの。ありがとね君、名前は?」
怪しい人ではないと分かり石田先生は名前を聞いてくる
「ミハル=クリフトスです」
「そう、ありがとうねミハルくん。私は石田幸恵、この子、はやてちゃんの主治医をしてるの」
「八神はやて言います。さっきはありがとうございましたミハルさん」
車椅子に座ったままお辞儀をするはやて
「いや、さっきは俺も悪かったからいいよ」
「本当にありがとうございました」
「はやてちゃん、時間も押してるし行きましょうか」
「あ、はい」
そう言いながら石田先生は、はやてが乗る車椅子のハンドルを握る
「じゃあこれで」
「ミハルさん、今度あったらお話しましょうね」
「うん、またね」
「それじゃあね」と石田先生が車椅子を押す。しばらく2人に手を振る
「よし、病室に戻るか」
新しい出会いをしたミハルは少し機嫌をよくし、来た道を帰るのだった
「……あら?」
「どうかしました石田先生?」
突然何かを思い出したのか首をかしげる石田先生にはやては質問する
「ミハル=クリフトス……って、あの子昨日重症で運び込まれて絶対安静にしてなきゃいけないはずじゃない!」
「え、…ええ!でも全然平気そうでしたよ?」
「と、とりあえず連絡を…」
しかし連絡を聞き看護師が駆けつけた時には既にミハルは病室に戻っており結果として石田先生の勘違いとされた
とりあえずやりたい事もしたので後は夏休み明けの話を書いてA'sに入るつもりです。でもこのままA's編に行くかもしれません。
空白期間、本当は戦闘なしのほのぼのにしたかったんですけどメイブ出そうと考えたらやっぱり戦闘シーン書くしかなかった…、でもタイトルも(非)日常だしまぁ、問題ないでしょう