告知なしでいきなりイベントは本当にやめてくれFgo…
まだ同時に2つイベントやらないだけマシなんだけど金が消えていくんだよ…
それはともかくどうぞ
12月4日八神家
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピ、ガチャ…
「うーん、ふぁー…」
目覚まし時計のアラームを止め起き上がる少女、八神はやて。ベットから体を起こし隣を見る
「スゥースゥー」
「フフッ」
のろいうさぎを抱いて寝息をたてるヴィータ。はやてはヴィータを起こさないよう静かに車椅子に乗り部屋を後にし、リビングに移動する
「あ、」
するとリビングにはソファに座り船を漕ぐシグナムとその足元で眠るザフィーラ
「しかたないなー…」
そう言いながらはやては毛布を2人にかけて朝食の準備を始めるのだった
「…ウウン」
「ごめんな。起こした?」
「あ、いえ」
料理を作る音で目を覚ますシグナムに声をかけるはやて
「ちゃんとベッドで寝らなあかんよ。風邪ひいてまう」
「す、すいません」
謝りながらかけられていた毛布をたたむシグナムと2人の話声で起き上がるザフィーラ
「はいシグナム。ホットミルク。温まるよ」
「ありがとう…ございます」
「ザフィーラにもあるよ。ほらおいで」
はやてから差し出されたカップを受け取るシグナム。すると扉が開きエプロンを片手にシャマルが入ってくる
「すいません!寝坊しました!」
「おはようシャマル」
「おはよう!…あぁもう、ごめんなさいはやてちゃん」
「ええよそんなん」
「おはよ…ンム」
シャマルがエプロンを付けてキッチンに入ると騒がしくなって起きたのかヴィータもリビングに入ってくる
「うわぁ、めっちゃ眠そうやな」
「ネムイ…」
瞼を擦りながら答えるヴィータに小さく笑うはやて。そんな光景を見ながらシグナムは手に持ったカップに視線を落とす
「……暖かい、な」
同じ日、午前のクラブを終えたミハルはフェイトの家から転送ポートを使い時空管理局本局に再び訪れ。カルノと共に男性局員の後について歩いていた
「こちらでお待ちください」
「ありがとうございます」
局員によって開けられたドアに入るミハル。そこはガラスによって区切られた部屋、ガラスの近くには椅子が置かれており、2人は静かにその椅子に座る。
暫くすると向かい側の部屋のドアが開き手錠をした女性が入ってくると相手もミハルの正面に座る
「お久しぶりです。プレシアさん」
「えぇ、本当にね」
ミハルの言葉に目の前の女性、プレシア・テスタロッサは答える
「それじゃあ、話を聞きましょうかしら」
「それについては私から」
するとカルノは空中にモニターを出現させ今回の面会の理由を説明した―――
「…つまり、本局は2つのデバイスの改修に忙しくてこの子のデバイスまで手が回らないから私にお鉢が回ってきた、と」
一通り話を聞いたプレシアはそう呟く
「無論同時進行で3つのデバイスを改修するのは可能です。しかし、そうしてしまうと期間が大きく遅れてしまい、予定が狂ってしまいます」
「なるほど…それにしてもインテリジェントデバイスがカードリッチシステムを要求するとはね」
プレシアはため息を吐くと視線をミハルに向ける
「あなたはいいのかしら?私に自分のデバイスを任せて」
本当にいいのか?と、訴えかけるその目をミハルはまっすぐ見つ返す
「はい、俺はあなたを、プレシア・テスタロッサを信じます」
「………」
少し目を見開き驚く顔をするプレシア、しかしその顔はすぐに消え小さく笑う
「フフッ。いいわ、ミハル=クリフトス。…あなたのデバイス、作ってあげるわ」
「!、ありがとうございます!」
デバイス改修の協力を得れてミハルは頭を下げる
「では、現在ミハルくんが使っているデバイスの情報は後でそちらにお渡しします」
「分かったわ、必要な部品があれば貴方に頼めばいいのかしら」
「ええ、こちらで用意させてもらいます」
そう言うと席を立つカルノ、ミハルも立ちがり一礼すると部屋を後にした
「良かった、何とか協力を得ることが出来ましたね」
「ええ、ありがとうございますミハルくん、これでこちらも2機に集中出来ます」
部屋を後にしたミハルとカルノは本局の廊下を歩きながら話していると前から2人の女性を連れた初老の男性が歩いてきた
「おや、ギル・グレアム提督。お会いするのはお久しぶりです」
「ん?ああ、カルノくんか確かに久しいな」
軽く頭を下げるカルノに男性は隣にいるミハルに気づく
「おや、君は?」
「あ、ミハル=クリフトスと言います」
自己紹介をしながら頭を下げるミハル
「グレアム提督、彼は現在闇の書の件に協力している地球の民間人です」
「そうか、君がなのはくんの言っていた子か」
カルノの説明を聞き僅かに目を細めるグレアム
「なのはのこと知ってるんですか?」
「ああ、この間フェイトくんと一緒に話をしてね」
「父さま、時間の方が」
「おっと、そうだった。カルノくん、ミハルくん、仕事があるので失礼するよ」
「ええ、時間があれば話でも」
「ど、どうも時間を取らせてすいません」
「気にしなくていい、では」
頭を下げるミハルに言葉をかけ、歩き出すグレアム達を2人は見送った
「…彼がそうか」
ミハル達と別れるとグレアムはそう言葉をこぼす
「気をつけなければならないですね…父さま」
「ここまで来たんだ失敗なんてしてたまるか…」
「あぁ、頼んだぞアリア、ロッテ」
「「はい」」
翌日、聖祥小学校。なのはのクラスに転校生がやってきた
「さて皆さん実は先週、急に決まったんですが。新しいお友達がこのクラスにやってきます。海外からの留学生です。フェイトさん、アリシアさんどうぞ」
「失礼します…」
「失礼しまーす!」
扉を開け入ってくる2人にクラスから「可愛い」などの声が上がる
「あの、フェイト・テスタロッサといいます。よろしくお願いします」
「アリシア・テスタロッサです!小さいけど私の方がフェイトよりお姉ちゃんだから、よろしくね!」
礼をする2人にクラスから拍手が鳴る。それを見て緊張していたフェイトは笑顔を見せるのだった
「で、その後みんなフェイトとアリシアに質問攻めするんだから大変だったわよ」
「あー、ミハルが転校してきた時も似たようなもんだったなー」
「やめてくれ直樹、あれは思い出したくない…」
お昼ご飯を屋上で過ごすミハル達はアリサからフェイト達の話を聞いた八瀬はミハルの時のことを思い出していた
「それでフェイトとアリシアはどうだった?初めての学校は」
気を取り直しミハルが2人に学校の感想を聞く
「年の近い子がこんなに沢山いるの初めてだから何だかもうぐるぐるで…」
「私はね、この学校で友達100人作るんだー!」
『アハハハ…』
その後も昼休みの終わりの鐘が鳴るまで話をするミハル達だった
八神家
「それじゃあ、はやてちゃんの病院の付き添いお願いねシグナム」
「あぁ、ヴィータとザフィーラはもう?」
「ええ」
そう言いながら箱を手に取り開けるシャマル、中にはカートリッジの弾丸が入っている
「カートリッジか」
「ええ、昼間のうちに作り置きしておかなきゃ」
「すまんな、お前一人に任せっきりで」
「バックアップが私の役目よ。気にしないで」
そう言い弾丸を1つ取り魔力をこめるシャマル。シグナムはその様子を静かに見つめていた
「うーん、やっぱり余り成果は出てないかなー」
海鳴大学病院、診察室の一室で少し困った顔をする石田先生と話を聞くはやてとシグナム
「でも、今のところ副作用も出てないしもう少しこの治療を続けましょうか」
「はい、えっと…お任せします」
「お任せって…、自分の事なんだからもうちょっと真面目に取り組もうよ」
はやての返事に少し気の抜ける石田先生
「あ、いやその…私、先生を信じてますから」
「!…」
はやての言葉に目を丸くする石田先生。その後石田先生は、はやてには部屋から出てもらいシグナムと2人で話を始めた
「はやてちゃん、日常生活はどうです?」
「足の麻痺以外は健康そのものです」
「そうなんですよね…。お辛いと思いますが私達も全力を尽くしています」
ため息を漏らしながらも話を続ける石田先生
「これから段々、入院を含めた辛い治療になるかもしれません」
「はい、本人と相談してみます」
そう答えるシグナムの顔は何故か石田先生に対して申し訳なさそうな顔をしていた
学校が終わったミハル達は高町家で話や遊んでいたが日が沈み始め、アリサ達が帰り残ったのはフェイトとアリシアだけとなった
「ねぇ、なのはとミハルはあの人たちのこと、どう思う?」
「あの人たちって、闇の書の?」
「うん…闇の書の守護騎士達のこと」
「アイツらか…、この前は訳も分からず戦ったから何とも言えないな」
「私あのアルフみたいな人の毛をもふもふしたーい」
「あー、はいはい」
「ムゥ…」
アリシアの頭をポンポンと叩き落ち着かせるミハル。するとフェイトが少し頬を膨らませた
「えっと、私は急に襲いかかられてすぐ倒されちゃったから。よく分かんなかったんだけど…フェイトちゃんはあの剣士の人と何か話してたよね」
「うん、少し不思議な感じだった。うまく言えないけど悪意みたいなものを全然感じなかったんだ」
「そっか…闇の書の完成を目指してる目的とか教えて貰えたらいいんだけど、お話出来る雰囲気じゃなかったもんね」
天井を見上げこの前のことを思い出すなのは
「…強い意志で自分を固めちゃうと周りの言葉ってなかなか入ってこないから。私もそうだったしね」
『……』
フェイトの言葉に3人は黙ってしまう
「私は母さんの為だったけど。傷つけられても、間違ってるかもって思っても、疑っても、…だけど間違ってないって信じてた時は、信じようとしてた時は誰の言葉も入ってこなかった」
「フェイト…」
ジュエルシード事件のことを思い出すフェイトにアリシアが不安な声を出す
「あっ…、でも言葉をかけるのは想いを伝えるのは絶対無駄じゃないよ。母さんの為だとか、自分の為だとか。あんなに信じようとしてた私もなのはの言葉に何度も揺れたから」
「フェイトちゃん」
フェイトに言われ嬉しそうな顔をするなのは
「言葉を伝えるのに戦って勝つことが必要なら、それなら迷わずに戦える気がするんだ。…なのはが教えてくれたんだよそんなに強い心を」
「そ、そんな事ないと思うけど」
ふふふと笑い合う2人、ミハルとアリシアもその姿を見て笑うのだった
とある次元世界、岩肌の大地には時折空から雷が落ちる
『グおおおおおおぉぉぉ!!!!!』
突如、巨大な亀の怪物がうめき声を上げ大地に倒れる
「はぁ…はぁ…」
その怪物の剣山のような甲羅の上にはヴィータが息を荒らげていた。すると怪物からリンカーコアが現れる
「闇の書、蒐集」
<蒐集>
ザフィーラが持っていた闇の書が魔力を取り込む
「今ので3ページか…」
「くっそー、でっけえ図体してる割にリンカーコアの質は低いんだよな。まぁ、魔導師相手よりは気楽だし効率もいいし」
そう言いながら自身のデバイスにカートリッチを装填し終えるヴィータ
「次行くよザフィーラ」
「ヴィータ、休まなくて大丈夫か?」
「…平気だよ、私だって騎士だ。この程度の戦闘で疲れるほどやわじゃないよ」
そう言い歩き出すヴィータの後ろをザフィーラは黙ってついて行くのだった