魔法少女リリカルなのは ~朱槍の魔道士〜   作:がっしー

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第38話投稿です

水着イベント、未だメインストーリーが終わらない。礼装がドロップしないのが悪いんだ……きっとそうだ!
ガチャも特に欲しいと思わなくて回してないからイベントアイテムのドロップも渋くてやってて辛くなってくる。邪ンヌ頑張って宝具5にしないとなぁ…

それはともかくどうぞ

8/25 リオート・グングニルをリオート・ブリューナクに変更しました



望んだ幸せと求めた幸せ

立ち上る火柱と魔道生物がうごめく様子を、カルノ・アルキメデスは遠く離れた場所から眺めていた

 

「フェイトさんとミハル君は闇の書の中に閉じ込められましたか…フェイトさんは予期していましたが、ミハル君もですか。少々予想外ですね」

 

トントントン…、と座っている屋根を指で叩き状況を見守るカルノ

 

「まぁ、大丈夫でしょう。問題はなのはさん1人でどれだけ闇の書を食い止められるか。クロノ執務官も早く助けに来ればいいものを、デュランダルの確認でもしてるのでしょうか?」

 

一人語りをするカルノ。その体は現在左腕に取り付いた呪いは先のクロノとの攻防で上は首に、下は腰にまで侵食を及ぼしている。だがカルノの顔に死の恐怖と呼べるものは見当たらない

 

「デュランダルによる封印が出来ない今、残された道はこの星の終焉か闇の書の破壊、……後は私個人の作戦だが…それも、闇の書の自己防衛プログラムを弱らせなければ成功率は低い…。頑張って下さいね?なのはさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ!エイミィさん!」

 

一方、フェイトとミハルが消え、固まっていたなのはだが、すぐさまエイミィに確認をとる

 

[状況確認!……2人のバイタル、まだ健在!闇の書の内部空間に閉じ込められただけ。助ける方法、現在検討中!]

 

エイミィの報告に少しだけ安心した顔をするなのはだが顔を引きしめ闇の書を睨む

 

「我が主も、あの子達も、覚めることない夢の内に終わりなき夢を見る。生と死の狭間の夢……それは”永遠”だ」

「”永遠”なんて無いよ……」

 

闇の書の言葉になのはポツリと呟く

 

「皆変わってく、変わっていかなきゃいけないんだ。私も、貴方も!」

「…………」

 

闇の書は何も答えず。そのまま戦いが再開された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……………………)

 

闇の書に取り込まれたミハルはまるで眠るような、深い海の中を漂っている感覚に陥っていた

 

「……?なんだ……」

 

すると深く沈んだ意識の中、何者かの声にミハルはゆっくりとその意識を浮上させていく

 

「…………っ!プハァ!ハァ…ハァ……」

 

意識が覚醒し目覚めたミハルは周囲を見回す

 

「ここは…山の公園か」

 

状況を確認しようと辺りを見回したミハルはこの場所がなのはと一緒に魔法の練習をしていた山中の公園である事に気づいた

 

「ハッ!そうだ!街は……」

 

そして先程まで闇の書と戦っていたことを思い出し視線を海鳴市に向けたミハルは言葉を失った

 

「……何も、起きて無い…?」

 

視線の先にある海鳴市には結界も火柱も、魔道生物も、その姿は影も形もなかった

 

「ランサーは……あった」

 

ミハルは自分のデバイスであるランサーを探すとランサーは待機状態でミハルのそばに転がっていた

 

「…とにかく、街に降りてみよう」

 

ランサーを拾い、立ち上がったミハルは、海鳴市に向かった

 

 

 

 

 

 

「……いつもの海鳴市だ……」

 

海鳴市に戻ったミハルが見たのはいつもと変わらない街の様子だった

 

「まずはリンディさんに話を「おっ!こんな所にいやがった!」ん?」

 

リンディに連絡を試そうとするミハル。すると、後ろから聞こえた声に振り返えると目を見開き、その人物の名前を呼ぶ

 

「ク、クー兄!!!」

「たくっ、どこ行ってやがった?師匠が探してたんだぞ?おーい!師匠!見つけたぞー!!」

 

驚くミハルに近ずいてくるクーフーリンは後ろを向き声をかけると道の曲がり角から2人の女性が現れる

 

「全く…修行の前にいなくなるとは、どうやら今日は随分と扱かれたいらしいなミハル?」

「スカサハさん。息子(・・)をあまり虐めないであげてね?」

 

現れた女性のうちの1人、スカサハは爛々と目を光らせこちらを睨む。そして、そのスカサハを嗜めるもう1人の女性、その人を見た瞬間。ミハルの体は動かなくなる

 

「ん?どうしたミハル。今更自分のした事の愚かさがわかったか?」

 

スカサハが動かないミハルに声をかけるが反応がなく首をかしげていると体を震わせながらミハルが口を開く

 

「お、母……さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴市海上

 

1人で闇の書と戦うなのはは苦戦を強いられていた

 

[リンディさん。戦闘地を市街地から海の上に移しました。市街地の火災をお願いします!]

[大丈夫。今、災害担当の局員が向かってるわ]

[それから闇の書さんは、駄々っ子ですが何とか話は通じそうです。もう少しやらせてください]

 

闇の書に目を離さないよう見ながらリンディとの連絡をとるとレイジングハートを持ち直す

 

「いくよ!レイジングハート」

<Yes.My,master.Reload>

 

空になったマガジンを取り外し新たなマガジンを装填する

 

「マガジン残り3本…カートリッジ18発。スターライトブレイカー、撃てるチャンスあるかな?」

<手段はあります。エクセリオンモードです>

「ダメだよ!アレは本体の補強が済むまで使っちゃダメだって…私がコントロールに失敗したら、レイジングハート。壊れちゃうんだよ!?」

 

レイジングハートの提案に戸惑うなのは。だがレイジングハートの意思は変わらない

 

<Call me>

「……」

<Call me,my master>

「………」

 

迷っていたなのはの顔が覚悟を決めると闇の書が話しかける

 

「お前も、もう眠れ」

「何時かは眠るよ。でも、それは今じゃない。はやてちゃん、フェイトちゃんとミハル君も助ける……それから貴方も!」

 

レイジングハートから空薬莢が排出される

 

「レイジングハート。エクセリオンモード…ドライブ!」

<Ignition>

 

レイジングハートの形状が変化し、より槍に近い形態に変わる

 

「繰り返される悲しみも、悪い夢も。きっと終わらせられる!」

「………」

<Photon lancer, genocide shift.>

 

闇の書の周りに無数の魔力弾が生み出され2人は睨み合い。次の瞬間、空に無数の光が飛び交った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――それは、少年がまだ幼い頃の記憶―――

 

打ちっぱしのコンクリートの部屋、そこには20人程の年寄りや女子供が冬の寒さに身を縮めており。小さな窓からは雪が入り込む

 

『お母さん。寒いよ』

『じゃあ、はい。抱きしめてあげる』

 

そんな中、寒さに耐えきれない3歳ほどの少年(ミル)は母親と読んだ女性に体を抱えられる

 

『おばあちゃん。お腹減った…』

『いつになったら助けが来るのかしら…』

『大丈夫だよ、もうすぐ軍人さんが助けに来てくれるさ』

 

不安を抱えた人達が言葉をこぼし始めると部屋にある唯一の鉄の扉から何かを殴りつけたような音が響く

 

『うるせぇぞテメェら!人質らしく黙ってろ!』

『ちょと!○○さんやめましょうよ!』

 

扉の向こうから怒気を含む男の声とそれを諌める少し若い男の声が聞こえてくる

 

『チッ!なんで人質の監視なんて事やらなきゃならねぇんだよ』

『仕方ありませんよ。リーダーの命令なんすから』

 

不満そうな声をしながらドカッと椅子に座る音を聞き部屋―――独房―――にいた人達はほっと息を吐いた

 

『お母さん…』

『大丈夫よ。直ぐに助けが来るからね』

 

 

 

 

その日の夜。鳴り響く爆音に独房で寝ていたミハル達は目を覚ます

 

『なんだァ!?おい△△!何が起きた?』

『まっ待ってください!…………き、奇襲です!敵の人数は不明。ですが既にここ以外の人質は開放されたみたいです!まずいですよ。俺達も早く逃げましょう!』

 

扉の向こうから聞こえる話し声に表情を明るくする人質達。だが、そこ希望は直ぐに潰えた

 

『バカかてめぇ!……いいようにされて溜まるかよ!』

『○○さん何を……!』

 

男達のやり取りが終わると同時に扉が開く。―――男がアサルトライフルを構えて

 

『ッ!ミハル!』

 

母親がそれを見てミハルを抱え床に伏せる。それとほぼ同時に銃声が響いた

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!

『『きゃぁぁぁぁあああ!!!』』

『助けで…お願……』

『死にたくな…………』

 

10秒だろうか、1分だろうか。無限に思える時間が経過する

 

カチ、カチ『フン。弾切れか』

 

男は手に持ったアサルトライフルを捨て腰に携帯していた拳銃を抜くと部屋の中に足を踏み入れる。既に独房は火薬と血の匂いで充満していた

 

『……お母さん』

『静かに。動かないで』

『うぅヴ、いた『バン!』……』

 

小さな声で話をするとミハル達の近くで息のあった女性が銃声が鳴ると1度大きく身体を震わせ、もの言わぬ死体となる

 

『ん〜〜〜!〜〜〜!!!』

『あん?こっちも生きてるのか』

 

目の前で人が死ぬのを見て悲鳴をあげてしまうミハルの声に男がこちらを見ると拳銃を向ける

 

『ッ!やめてください!』

『なんだァ?テメェ…』

 

それを見て母親はミハルと男の間で膝をつき、手を広げる

 

『この子は…私とあの人の大切な子供なんです。…私はどうなってもいい……だからこの子は!』

『命乞いか?いいねぇ感動的だ』

 

必死の命乞いに銃口を下ろす男を見て母親は息を吐く

 

『だが、知ったこっちやねえな』

 

男がそう言った瞬間、銃声が響き母親が倒れる

 

『お母さん…?お母さん!』

『グフッ……』

 

倒れた母親にミハルは駆け寄り体を揺する。体から流れ出た血が雪を紅く濡らす

 

『ガキ、母ちゃん1人じゃ寂しいだろ?だからお前も、一緒にいかしてやるよ』

 

男は銃口をミハルに向けゆっくりと引き金を引く―――

 

ヒュン『がッ!』

 

すると男が短い悲鳴を上げ拳銃を落とす。男が拳銃を持っていた右手には真紅のナイフが突き刺さっていた

 

『遅かったか……』

『な、誰だ!?テメ…ェ…』

 

いつの間にか部屋の出入り口にいた女性に男が叫ぶが言い切る前に男は壁まで吹き飛ばされ左腕と右足に槍が突き刺さり磔にされる

 

『ギャアアアア!!!痛てぇ…痛てぇよぉ!』

『少し黙っていろ。下衆が…』

 

女性は泣き叫ぶ男の顔を殴り意識を奪うとミハルと母親の元に近づく

 

『お母さん…お母さん…』

『はァ…はァ…』

『どけ小僧。女、傷を見せてみろ』

 

ミハルを母親から引き離し仰向けにして傷を見る

 

『(……弾が肝臓を貫いている。今から基地に運んでも助からないか…)女、お前はもうすぐ死ぬ。何か遺言はあるか?』

『……貴女の名前は……?』

『スカサハという』

 

母親の質問に女性―――スカサハ―――は答える

 

『…私は、シャラル=クリフトスと言います。お願い…聞いてくれますか?』

『……言ってみろ』

『ゴホッ、ゴホッ…そこにいる私の息子……ミハルのことを育ててあげてくれませんか?』

 

シャラルの言葉に一瞬目を見開くスカサハだが直ぐに元に戻る

 

『何故、今あったばかりの私にそんなことを頼める?』

『…分かりません………でも貴女ならきっと息子を託せる…そんな気がしたんです』

『……いいだろう』

 

目に見えて弱々しくなるシャラルの願いにスカサハは1度ミハルを見た後、首を縦に振る

 

『ハァ…ハァ…ありがとう、ございます………ミハル、こっちにおいで』

『お母…さん……』

 

シャラルに呼ばれ近くに寄るミハル

 

『ごめんねミハル。お母さん…ダメみたい。』

『嫌だよ…いかないでよお母さん』

 

小さく力なく笑う母親を見て大粒の涙を流すミハルの頬ににシャラルの手が触れる

 

『大丈夫…私と、あの人の子だもの……きっ、とつ…よく生き……て……』

『お母さん…?』

 

ミハルの頬に触れていた手が力なく床に落ちる

 

『……逝ったか』

 

シャラルの最後を見届けたスカサハはミハルを担ぐとインカムを使い連絡をとる

 

『フェルグス。そっちはどうなっている?』

『姉御か、今テロリストのリーダーを叩きのめしたところだ。姉御の方は?』

『最後の独房は間に合わなかった…が、子供が1人生き延びていた。目標は達成した基地に戻るぞ』

『了解だ。こちらも撤退する』

 

フェルグスとの通話を終えたスカサハはミハルを見る。

ミハルは母親の死に耐えきれず気を失っていた

 

『(私に母親が務まるのか…だが、この子供から感じる力は…)……とにかく私も基地に戻るとするか』

『…お母……さん』

 

独房から立ち去るスカサハの肩でミハルの寝言が嫌によく響いた

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、今日はこの位で許してやろう」

「ハァ……ハァ……」

 

闇の書の夢の中、スカサハによる修行を終えたミハルは荒い息を零しながらも頭の中はずっと考えていた

 

(コレが俺が心の底から望んでいるもの……)

 

師匠(スカサハ)が、クーフーリンが、フェルグスやメイヴが、そして母親がいる幸せな日々。ミハルの心には間違いなく幸せな気持ちが満たさせていた

 

(………でも、違う)

 

自分の胸を強く押さえ頭を振るミハル。すると近くの椅子に座って修行の様子を見ていたシャラルが近ずいて来た

 

「頑張ったわねミハル」

「お母さん…」

 

シャラルに向き合うミハル。いつの間にかスカサハの姿はなく2人だけが公園に残されていた

 

「あら、雪ね。早く家に帰りましょうか」

 

ヒラリヒラリと降り始めた雪を見て早く帰ろうとミハルに手を伸ばすシャラル。だが、ミハルはその手を取らなずシャラルを見つめていた

 

「?どうしたのミハル。ほら」

「……お母さん。ごめん、俺行けないや」

 

手を伸ばすシャラルにミハルは苦しそうな、悲しそうな

顔をする

 

「ずっと、ここに居たい。この幸せを感じていたい。この夢に浸っていたい」

「なら「でも」…」

 

シャラルの言葉を遮る

 

「俺さ、母さんが死んで、いろんな人に出会ったんだ。……士郎さんや桃子さん、恭也さん美由紀さん。晶さんとレンさん。忍さんにすずかちゃん、ノエルさん、ファリンさん。アリサちゃんに直樹。そして、なのはとユーノに、フェイト。アリシアとアルフ。アースラの皆………全部、この街に来て出会った大切な人達なんだ……」

 

胸の前で手を強く握る。目からは涙が溢れ出す

 

「だから、そんな大切な人たちを守る為に…俺は、行かなきゃいけない……だから……!!!」

「そっか…」

 

溢れ出る涙を拭うミハルを見てシャラルは伸ばした手を戻すとゆっくりとミハル近づき、優しく抱きしめる

 

「強くて、優しい子になってくれたんだね……」

「ッ!!!ッ!!!!」

 

嗚咽を必死に押さえ母親に抱きつくミハル。するとシャラルの体が少しづつ透け始める

 

「きっと、これからも無茶をしちゃうだろうけど。体に気をつけてね?」

「ッ…うん……」

 

シャラルの言葉に頷くミハル。シャラルの体が光に包まれる

 

「大きくなったミハルに会えて良かった………」

 

光は空へと昇って行き、ミハルも顔を上げて光を見送る

 

「……さようなら、お母さん」

 

その時、一片の雪がミハルの頬に落ち、涙と交わった

 

 

 

 

空に昇った光が見えなくなるまで見送った後。ミハルはランサーを起動する

 

「……………行こうか、ランサー」

<Yes,sir.LoadCartridge>

 

ミハルの呼び掛けに答えたランサーがカートリッジを打ち込み魔法を発動する。氷はランサーとミハルの肘までを覆い巨大な一振の槍と化す

 

<IceCreate>

一片氷心(いっぺんのひょうしん)

 

ミハルが氷の槍を構える。貫くのはこの夢そのもの

 

「リオート・ブリューナク!」

 

降り抜いた一撃は地面に突き刺さるとヒビが入ると、ヒビはそこから周りの景色に走り。乾いた音を立てて崩れ去る

 

「夢は終わりだ……」

 

そう言ったミハルを光が包んだ




とりあえずミハルの実の母親や過去についての話を書きましたけど最後やっつけた感になったのが否めない…
フェイトの方はinnocent世界みたいな夢を見てる設定になってます

IceCreate:アイスクリエイト
氷をあらゆる形状に創り出す魔法。温泉宿のアルフとの戦闘で使った魔力変換がランサーのおかげでより純度の高い氷を作れるようになった。銃などの複雑な武器は作れない。……ぇ、投影魔術?知らない子ですね

リオート・ブリューナク
アイスクリエイトでランサーと自身の腕を巻き込み氷を纏わせ、氷の槍で敵を貫く。イメージはNARUTO、君麻呂の忍術、鉄線花の舞・花。リオートはロシア語で氷の意味
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